もう3ヶ月以上生理がきていない…。
検査薬は陰性なのに…これ大丈夫?
長期間生理がこないのはなぜなのか、お医者さんに聞きました。
病気や妊娠の可能性についても解説します。
監修者
経歴
医療法人社団 石野医院
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院
なぜ?陰性なのに3ヶ月生理がこない…
排卵がうまく行われていない可能性が高いです。
妊娠していないのに3ヶ月以上生理がこない場合、「続発性無月経」といいます。
病気などの影響も考えられますので、一度病院で診てもらうことをおすすめします。
受診するのは婦人科?産婦人科?
婦人科でも産婦人科でも、どちらでも構いません。
早めに病院を受診して、異常がないか確認しましょう。
婦人科を探す
生理がこない3つの原因
排卵がうまく行われなくなる原因として、
- 過度なダイエット
- ストレス
- 多のう胞性卵巣症候群
- 甲状腺機能障害
- 薬の影響
などが考えられます。
※その他にも、様々な原因(糖尿病など)が関係していることがあります。
次から、それぞれの症状について解説します。
原因1.過度なダイエット
過度なダイエットで食事をとらないと、排卵を起こす卵巣まで栄養が回らずに生理が止まってしまう人もいます。
症状の特徴
- 少し歩いただけでも息が切れる
- 痩せたが、体力もなくなった
- 常に疲労感・倦怠感がある など
改善するためにできること
無理な食事制限はやめましょう。
適度に脂質や糖質も摂るようにして、健康的な体型を保つよう心がけてください。
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2022-10-27
ダイエットで生理がこない…。
どうすればいい?
「ダイエットで生理が来ない」ときにどうすればよいか、栄養士さんに聞きました。
過度な体重の減少で生理が止まる仕組みや、おすすめのセルフケア、病院に行く目安も解説します。
なぜ?ダイエットで生理がこない…
ダイエットをしていたら、生理が来なくなってしまいました…。
なぜでしょうか?
過度に体重が減少してしまったことにより、「危険な状態」と体が判断したため、生理が止まってしまった可能性が考えられます。
体には、「生命の維持を優先」と判断して止めても問題ない体の活動・機能はストップさせる仕組みが備わっています。
また、極端な体重減少は、ホルモンバランスに大きく影響し、女性ホルモンである「黄体化ホルモン」「卵胞刺激ホルモン」の分泌量を低下させます。
すると、無排卵・無月経が起こるとされています。
どのくらいの体重だと「生理不順」のリスクがある?
個人差がありますが、一般に体脂肪率が22%以下、BMI17未満になってくると、月経不順のリスクが生じます。
160㎝の方なら43㎏以下、155㎝の方なら40㎏以下、150cmの方なら38㎏以下だと要注意です。
BMIの計算方法
BMI = 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
心当たりは?こんなダイエットは要注意
「極端な食事制限」や「過度な運動」(食事とのバランスがとれていない)を続けている場合は、大幅な体重減少につながりやすく、生理が来ない状態を招く恐れがあります。
この他、
スポーツの競技性に合わせて減量を行っている
起床・就寝のリズムが乱れている
睡眠不足
体の冷え(基礎体温が上がらないことによる代謝の低下)
精神的なストレスが溜まっている
等の場合も生理不順が起こりやすいので、注意が必要です。
ダイエットで生理がこなくなったときの対処
「ダイエットの影響で生理がこなくなった」と疑われる場合は、生活習慣を見直すことが大切です。
普段から、以下のことを意識して生活しましょう。
ダイエットをやめて適正な体重にする
大豆製品を積極的に摂取する
「太陽の光」と「規則正しい食事」で体内時計を整える
食事は副菜 → 主菜 → 主食の順番に食べる
「リラックス」を心がけて、ストレスを溜め込まない
対処法① ダイエットをやめて適正な体重にする
過度な体重の減少が原因で月経になっている場合は、ダイエットをやめて適正な体重に戻すことで、月経状態の改善が期待できます。
食事をしっかりとりつつBMI「18.5以上」に相当する体重を目指します。
体重を焦って戻すのではなく、自分のペースで、ゆっくりと時間をかけながら戻していきましょう。
対処法② 大豆製品を積極的に摂取する
大豆製品(豆乳・豆腐・納豆など)を、日々の食生活にとり入れてみましょう。
大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は女性ホルモンと似た働きをするため、ホルモンバランスの改善に貢献します。
大豆からとれる良質なタンパク質を、少しずつとり入れることを目指しましょう。
豆腐は絹よりも木綿の方がおすすめです。
ただし、大豆製品だけを食べれば改善が見込めるわけではありません。
主食・主菜・副菜のバランスを整えることを念頭に入れましょう。
栄養の補給でエネルギー摂取量が充足してくると、生理が再開する可能性も高くなります。
対処法③ 「太陽の光」と「規則正しい食事」で体内時計を整える
朝、目が覚めたら日光を浴びて、体内時計をリセットしましょう。
体内時計を整えるには、欠食せず、規則正しい時間に食事をとることも大切です。
生活リズムが一定になり、体内時計が整うと、体のリズムも整いやすくなります。
朝食では、ご飯・パン・麺などに多い「糖質」と、肉・卵・ヨーグルトなどに多い「タンパク質」をとることを意識してください。
食欲がない場合は、汁物やヨーグルトなど、食べやすいものから摂取するのがおすすめです。
食事の時間の目安
朝食:起床後1時間以内
昼食:12~13時頃
夕食:20時前(遅くとも寝る3時間前)
※あくまでも目安です。毎日、規則正しく繰り返すことが重要です。
対処法④ 食事は副菜 → 主菜 → 主食の順番で食べる
血糖値の急激な上昇を抑えるために、
野菜・海藻・きのこ類などの副菜(食物繊維)
肉・魚などの主菜(タンパク質)
ご飯・パン・麺などの主食(糖質)
の順番で食べるようにしましょう。
食べる順番を守ることで、血糖の乱高下を防ぐことができ、低血糖時の気分の落ち込みなどの症状のリスクを減らします。
ゆっくりよく噛んで食べることも大切です。
血糖値の急な上昇を抑えてくれますし、食後の腹持ちのよさも確保できます。
対処法⑤ 「リラックス」を心がけて、ストレスを溜め込まない
お風呂に浸かってリラックスする
質のいい睡眠を心がける
などにより、ストレスを適度に解消しましょう。
ストレスによってイライラや焦り、強迫感が出ているときは、リラックスしたり休養したりする時間が重要です。
38~40度程度のぬるめのお風呂に浸かるとリラックスできるので、習慣にすることをおすすめします。
また、睡眠も大切です。
6~8時間を目安に十分な睡眠時間を確保してください。
また、スムーズな入眠を妨げるため、寝る前にスマホ・PCの画面を見ないようにしましょう。
これらは、生理が来ない状態の改善に直接の関連はありませんが、「生理が来なくて焦る」といった心理面の対策につながります。
こんなときは「婦人科」へ!
3ヶ月生理が来ていない場合は、「婦人科」を受診しましょう。
放置していると、
生理が再開しない
骨粗しょう症になる
閉経が早くなる
将来的に妊娠しづらくなる
早産・低出生体重児が生まれやすくなる
といったリスクが考えられます。
またイライラや肌荒れ、うつなどの症状が出ることもあります。
婦人科で受診する際は、「いつから生理が来ていないか」「来なくなる前後で生活習慣に変化したことがあるか」などを医師に伝えましょう。
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こんな症状は危険!
体重や体型への異常なこだわり
食事に対する思考の偏り(極端に食べることに抵抗を覚える・反動で食にこだわる)
食べた後に嘔吐する・嘔吐を誘発させる行動をとる
といった場合は、非常に危険です。
摂食障害の一つである神経性食思不振症の可能性があります。
これらの症状がある場合は「心療内科」を受診しましょう。
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無月経を繰り返さないために!ダイエットでは「ゆとり」を持とう
生理が戻り、再びダイエットを行うのであれば、短期間ですぐに痩せようと思わないようにして、「ゆとり」を持つことが大切です。
ダイエットは3ヶ月などの長期スパンで考えて、緩やかな体重減少を目指してください。
短期集中のダイエットは、食事が戻ればまたリバウンドするリスクが生じ、反動により「痩せ」に対する強迫感が強くなる恐れがあります。
体重の減少幅は、月に体重の1.5~3%程度に留めておきましょう。
また、BMIの標準(18.5~25)を下回らないよう注意が必要です。
まずは、間食・ジュース・アルコールなどの嗜好品の見直しから始めて、食事の量は少しずつ減らすようにしてください。
運動は「ややきつい」強度を意識しよう
運動は、強度の高い運動をたくさんこなすと負担になります。
「ややきつい」強度を意識しながら、継続していくことが重要です。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
公益社団法人 日本産科婦人科学会
原因2.ストレス
ストレスが過多になると、ホルモンバランスが乱れて生理が止まってしまう人もいます。
ストレスは、様々な方向から体に負担をかけ、生理不順の原因にもなります。
「仕事が忙しくて休みが取れていない」「受験などで結果を残さなくてはいけないプレッシャーが強い」、職場や学校などの「人間関係などで悩みが多い」といったストレスがかかっている人に多い傾向があります。
症状の特徴
- 精神不安定
- 不眠
- 体の冷え
- 食欲不振
- 過食
- 肌荒れ(ニキビ) など
改善するためにできること
ストレスに自分で対処するのが難しい時には、他の人に頼りましょう。休みをとるか、ストレスのもとから離れることも必要です。
また、自分なりのリフレッシュ法を見つけて、元気をチャージできる方法を見つけると良いですね。
原因3.多のう胞性卵巣症候群(PCOS)
排卵障害の一種です。
卵巣で男性ホルモンが多く作られ、排卵しにくくなります。
排卵されていかない多くの卵胞が卵巣で確認できるため「多のう胞性卵巣症候群」と呼ばれます。
生理のある女性であれば発症の可能性がありますが、若い女性に多く見られます。
症状の特徴
改善するためにできること
病院での治療が必要となります。
薬剤を使用して治療を行います。
運動や食事方法を伝え減量指導も行われます。
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原因4.甲状腺機能障害
甲状腺機能低下症によって、生理がこなくなることがあります。
症状の特徴
改善するためにできること
甲状腺の診察を行っている病院を受診しましょう。
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原因5.薬の影響
原因となる薬は、降圧剤・胃薬・抗精神病薬・抗うつ剤・ホルモン剤などです。
高プロラクチン血症を起こし無月経を引き起こします。
症状の特徴
改善するためにできること
かかりつけ医と相談しましょう。
薬の中止、または減量、処方の変更になどの対応が必要です。主治医と相談しましょう。
妊娠の可能性もゼロではない
3ヶ月以上生理がなく性行為があれば、妊娠の可能性はゼロではありません。
生理不順や排卵周期がずれているときは、いつ妊娠してもおかしくありません。
生理が3ヶ月なかったとしても、最近の排卵が起こっている可能性もあります。そのときに受精した場合は、まだ妊娠検査薬が反応しない時期(検査タイミングが早すぎる)の可能性があります。
放置はNG!早めの受診を
長期間生理が止まっている状態は、病気が影響している可能性があります。
放置すると、不妊やがんの進行といった様々なリスクが高くなります。放置せずに早めに病院受診を行いましょう。
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2022-05-30
「生理がきそうでこない…」
それはホルモンバランスが乱れやストレスが原因かもしれません。
生理が遅れているときの対処法をお医者さんに聞きました。
ツボ押しの方法なども詳しく解説します。
生理がきそうでこない…どうすればいい?
お腹や腰が重い感じがして、そろそろ生理がきそうなのに、なかなか出血がありません。どうすればいいのでしょうか?
生理前の兆候があるのに生理がこない時は、ストレスをためずにリラックスして過ごしましょう。
心身ともに安定した状態でいると、生理がきやすくなります。
生理のことを意識しすぎると、生理が遅れることがあります。
気になると思いますが、意識せずに過ごしましょう。
生理が遅れる時に行う3つのセルフケア
体を温める
ツボを押す
リラックスして過ごす
といったケアで体調を整えると、生理がきやすくなります。
その① 体を温める
38~40度程度のお風呂につかり、体を温めましょう。
熱いお湯に長時間入るとのぼせるので、ぬるめのお湯にゆっくりとつかってください。
体を温めることで血流が良くなり、生理がきやすくなります。
体が冷えていると月経不順にもなりやすく、生理の遅れにつながる場合があります。
心身ともに安定した状態にするには、体を温めることが大切です。
\「厚着」はNG!/
厚着は体を締め付けてしまう場合もあるので、おすすめできません。
その② ツボを押す
リラックスした状態で呼吸を整えて、「合谷」「湧泉」などツボを押しましょう。
ツボを刺激することで血の巡りが良くなり、体を温めることにつながります。
また、体に刺激がいくため、ストレスを緩和できるとも言われています。
合谷(ごうこく)
親指と人差し指の間にある「合谷(ごうこく)」というツボを押しましょう。
ストレスを緩和させる働きがあるツボです。合谷を押して平常心を取り戻しましょう。
手のツボは押しやすいので、手軽なケアとしておすすめです。
湧泉(ゆうせん)
ツボ押しに慣れてきたら、足の裏にある「湧泉」というツボを押しましょう。
足の指を曲げたときにできる“くぼみの部分”にあるツボです。生理周期を整えるツボと言われています。
その③ リラックスして過ごす
自分の好きなことを行い、体の力を抜いてリラックスする時間を設けましょう。
生理のこと気にしすぎると、ストレスを感じて余計に遅れてしまうことがあります。
体調を整えるためには心を穏やかにすることも大切です。
リラックスした状態でいると、ホルモンバランスが安定しやすくなります。
生理がきそうでこないのはなぜ?
妊娠でもなく、閉経でもない場合、
ホルモンバランスの乱れ
多嚢胞性卵巣症候群
甲状腺の病気
などの原因で生理が遅れることがあります。
原因① ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の分泌量のバランスが崩れると、生理周期がズレてしまうことがあります。
発症にキッカケには
過度なストレス
睡眠不足
偏った食生活
過度なダイエット
激しいスポーツ
などが挙げられます。
若い世代では過度なダイエットをする人に多く見られます。
特にストレスを感じやすい人は、一時的に生理が遅れたり、生理周期が乱れたりしやすいです。
こんな症状が出ることも…
下腹部痛
情緒不安定
胸の張り
頭痛
倦怠感
吐き気
ホルモンバランスの乱れかも…どうすれば?
ストレスをためずに、規則正しい生活を送りましょう。
自分の体の状態を把握するためにも、基礎体温の記録をつけましょう。
ご自身の状態がわかれば不安がなくなり、生理がくることもあります。
\自己判断での薬の服用は控えよう/
自己判断で市販薬や漢方薬を飲むのは、できるだけ控えてください。
体に合わずに悪影響となる場合があります。
気になる症状がある場合は、自分で判断せず医療機関を受診しましょう。
原因② 多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群は、排卵周期に異常をきたす病気です。
月経周期が長くなったり、順調だった月経周期が突然不規則なったりします。
10代~30代に多く見られる病気です。
ホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンが多く分泌されることで発症します。
こんな症状が出ることも…
肥満
にきびができる
血糖値の上昇
多嚢胞性卵巣症候群かも…どうすれば?
残念ながらご自身でできる対策はありません。
生理がなかなかこず、月経周期が長くなってきたと感じる場合は、すぐに婦人科で受診しましょう。
多嚢胞性卵巣症候群をはじめとする婦人系の病気は医療機関での治療が必要です。
治療内容は?
医療機関ではホルモン療法を行います。
具体的には、排卵誘発を促すクロミフェン(経口薬)を内服したり、ゴナドトロピン療法(注射薬)をおこないます。
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原因③ 甲状腺の病気
甲状腺の機能は活発すぎても低下しても、生理や生殖機能に影響します。
甲状腺の病気は、免疫機能に異常が発生することで発症します。
甲状腺の病気でもバセドウ病は、20~30代の若い女性に多く見られる病気です。
同じく甲状腺の病気である橋本病は、40歳以上の女性に多く見られます。
こんな症状が出ることも…
体温が上がる
頻脈
情緒不安定
下痢
むくみ
甲状腺の病気かも…どうすれば?
甲状腺の病気はセルフケアで改善することはありません。
薬での治療が必要なので、まずは医療機関へ相談しましょう。
「生理が来ない」ときは婦人科で相談を
目安として月経が60日以上遅れている場合は、婦人科を受診しましょう。
生理が来ない以外にも、腹痛など気になる症状がある場合は、早めに受診しましょう。
受診の際、基礎体温を記録している場合は、持参してください。
その他に腹痛や吐き気などの症状がある場合は医師に伝えましょう。
また、婦人科を受診する際は、検査で触診することがあります。
着替えやすいようスカートのような上下別れた服がおすすめです。
どんな治療をするの?
低用量ピルを服用し、月経周期を正常に整える場合があります。
それでも、月経不順の場合は別の薬でホルモンバランスを整えます。
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