更年期になると唇がしびれるのはなぜ…?
そのしびれの原因と対処法を、お医者さんに聞きました。
病院に行くべき症状も解説しますので、参考にしてください。
監修者
経歴
北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任
なぜ、更年期に唇のしびれが起こるの?
更年期になり女性ホルモンであるエストロゲンが減少すると、皮膚が薄くなったり、乾燥したりします。
その結果、しびれやピリピリを感じやすくなったのでしょう。
更年期の唇のしびれ対処法
更年期の唇のしびれは、血行を促進することで改善されるケースがあります。
半身浴や有酸素運動で、体全体の血流をよくしましょう。
また、保湿クリームなどで唇の保護してください。
辛いものやしょっぱいものは控えましょう。
病院に行く目安
しびれやピリピリ感が日常生活に支障をきたしている場合は、病院を受診しましょう。
唇の違和感は、病気や栄養不足など体からのサインである可能性があります。
例えば、
など病気が原因の可能性もあります。
「口角炎」のケース
唇のしびれ以外に
これらの症状が現れた場合、口角炎の可能性があります。
更年期は免疫力が低下しやすく、通常は問題ないカンジタ真菌などでも感染して口角炎を起こすことがあります。
口角炎が疑われる場合は、皮膚科や耳鼻いんこう科を受診しましょう。
皮膚科を探す
「脳梗塞」のケース
唇のしびれ以外に
- 手足がしびれる
- 呂律が回らない
- 飲み物や食べ物が飲み込みにくい
これらの症状が現れた場合、脳梗塞や脳卒中の可能性があります。
唇のしびれに加え脳梗塞の症状が複数ある場合は、すぐに脳神経内科や脳神経外科を受診してください。
脳神経外科を探す
合わせて読みたい
2020-06-12
「生理が止まらないのは更年期のせい?」
「大量に出血していて心配…」
お医者さんに、更年期(閉経前後の5年)に生理が止まらなくなる原因を聞きました。
病院へ行った方がいい症状や受診のタイミングも解説します。
もしかして病気?どんな治療をするの?
止まらない出血にお困りの方は、参考にしてください。
なぜ?更年期に生理が止まらない原因
更年期になるとホルモンバランスが乱れ、月経不順がおこり、生理が止まりにくいことがあります。
子宮内膜がはがれにくくなることから、少量の出血が長く続いたり、一度に大量に出血したりする場合もあります。
この対処はNG!
ホルモンバランスの乱れによって生理が止まらないと思われる場合も、市販薬やサプリを使用して対処することは避けましょう。
病気により出血している可能性もあるので、8日以上生理が続くようであれば、一度医師に相談することをおすすめします。
病院を受診する目安
特に下記の状態のときには、早めに病院へ行きましょう。
大量の出血がある
レバーのような血液の塊がたくさん排泄される
耐え難い月経痛
8日間以上月経が続く
月経時以外にも出血がみられる
排尿障害がでた
腹部にしこりのようなものがある
この他にも、気になる症状がある場合には、婦人科の受診をおすすめします。
婦人科を探す
受診のタイミング
できれば、出血している時に受診しましょう。
(生理の出血が止まったあとに受診しても構いません。)
基礎体温を記録している場合は、ぜひ持参してください。
また、受診する際には、以下の5ポイントを医師に伝えると良いでしょう。
出血の増加が始まった時期
出血量
月経の周期(月経期間)
出血の状態(例:レバーのような塊が出る等)
他の症状の有無
婦人科を探す
生理が止まらないのを放置すると…
「これくらいなら大丈夫」と自己判断して、病院に行かずそのままにしておくことは、避けましょう。
子宮や卵巣の疾患を見逃してしまい、症状が悪化したり、妊娠が困難になったりする可能性があります。ガン化する恐れもあります。
過多月経や過長月経の場合は、貧血を併発しやすく、日常生活に悪影響を及ぼす可能性があります。
注意!こんな病気の可能性も
大量出血や激痛がある場合は病気の可能性もあります。
月経期間が8日以上続く状態を「過長月経」、出血量が増えたり、月経痛が酷いなどの症状が見られる状態を「過多月経」といいます。
更年期の過長月経や過多月経の症状は、
機能性子宮出血
子宮筋腫
子宮腺筋症
子宮内膜ポリープ
子宮内膜増殖症
子宮頸がん
といった病気の可能性があります。
それぞれの症状を詳しく解説します。
原因1. 機能性子宮出血
出血の要因(妊娠・腫瘍・外傷・炎症など)が見当たらない場合、機能性子宮出血と診断します。不正出血の約30%を占めるため、頻度の高い症状と言えます。
※様々な原因によって起こる子宮内膜からの不正出血の総称です。厳密には病気の名前ではありません。
<主な症状>
不規則に、頻繁に出血がみられます。
原因2. 子宮筋腫
子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。
子宮筋腫ができると、経血を排出する際の子宮の収縮機能に異常が出たり、子宮内膜が厚く形成されて、月経時に剥がれ落ちる量が増えることが影響して、生理が止まらなくなると考えられます。
<主な症状>
経血量の増加が起こり、レバーのような血液の塊が出てきます。月経が7日以上ダラダラと出血が続きます。
また、月経痛、腰痛、貧血、排尿異常などが起こります。
原因3. 子宮腺筋症
女性ホルモンの影響を受け、子宮の筋肉の層に子宮内膜と似た組織が増殖し、正常な子宮内膜と同様に出血をするため、生理が止まらなくなると考えられます。
また、子宮腺筋症により子宮内膜が変形したり、拡張したりすることで、経血を排出する際の子宮の収縮のバランスが崩れるため、出血しやすくなります。
症状が重い場合は、子宮全摘手術などを考慮することも必要な病気です。
<主な症状>
月経痛、過多月経や過多月経による貧血、骨盤痛などがみられます。痛みはかなり強く、月経が終了しても数日続く場合もあります。女性ホルモンの分泌が減少して閉経するころを境に、症状は治まります。
原因4. 子宮内膜ポリープ
子宮内膜の細胞が何らかの原因で異常増殖し、ポリープができる病気です。突出したポリープで子宮内の表面積が大きくなるため、経血の量が増えて、生理が止まらなくなると考えられます。
子宮内膜ポリープができるのは、女性ホルモンであるエストロゲンも原因の一つとされていますが、明らかになっていません。
<主な症状>
経血量が多く、月経期間が長くなります。また、月経時以外の出血(閉経後にも性器出血)や貧血になることもあります。
原因5. 子宮内膜増殖症
子宮内膜が異常に分厚く増殖し、月経時に剥離される子宮内膜の量が多いため、生理が止まらない症状が現れます。
<主な症状>
経血量が多い、月経期間が長い、月経時以外の出血がある、貧血などの症状が現れます。
原因6. 子宮頸がん
性交渉などでヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮頸部に感染することで起こる病気です。物理的刺激により、出血を起こすことがあります。
<主な症状>
子宮頸がんは、まだ細胞ががん化していない初期段階では、症状がありません。進行すると、生理以外での出血、特に性交時の出血がみられます。出血量は多く、繰り返すのが特徴です。おりものの色や状態に変化があらわれたりします。さらに悪化すると、下腹部や腰が痛くなることもあります。
初診ではどんな検査をするの?
一般的に、初診は次のような流れで行われます。
問診
月経周期、月経の日数、最終月経日、初潮の年齢、妊娠・出産歴、既往歴、アレルギーの有無等の確認が行われます。
内診
子宮、卵巣の状態、圧迫による痛みの有無等を確認します。
超音波検査(必要な場合)
経腟プローブ(棒状の器具)を膣内に挿入して、子宮や卵巣の状態を確認する検査を行います。
細胞診(必要な場合)
子宮頸部細胞をヘラ、ブラシ、綿棒等で採取して、異常細胞の有無を確認する検査を行います。
合わせて読みたい
2020-12-28
なんだか体調が悪い…。ストレスのせいかも…。
ストレスが限界に達すると、どのような症状があらわれるのでしょうか。
お医者さんの目線から、「心の症状」と「体の症状」、それぞれ解説してもらいました。
ストレスが限界に達した時に出る症状
ストレスが限界に達すると、脳や自律神経の働きに影響が出て「心の症状」と「体の症状」があらわれます。
ストレスの限界サイン「心の症状」
気分が落ち込む
イライラして、怒りっぽくなる
やる気が出ず、集中できない
何に対しても興味が持てない
ストレスの限界サイン「体の症状」
肩こり
頭痛
腹痛、胃痛
胸が苦しい
息苦しい
だるくて体が動かない
食欲不振、または食欲過剰
下痢、便秘
寒気や冷え
涙が止まらなくなる
不眠、または過眠
過度なストレスを受け続けると脳が正常に働かなくなり、気分が落ち込みやすくなります。
さらに、ストレスは内臓など体全体の調子を整える「自律神経」の乱れを引き起こすため、体の不調の原因にもなります。
ストレスが溜まりすぎると起こる「行動の変化」
浪費が激しくなる
ギャンブルが止まらなくなる
アルコール量が増える
喫煙量が増える
ストレスによって心の調子が不安定になると、お酒を飲む量が増えたり、大胆な行動をとったりする方もいます。
「自分らしくない行動が増えた」という場合も、心の状態に注意したほうがよいでしょう。
ストレス限界サインを感じたら、こう対処しよう
質の良い睡眠をとる
好きな物を食べる
気が合う人と会う
などの方法で、ストレスを発散しましょう。
ストレス対処法① 質の良い睡眠をとる
ストレスの解消には、十分な睡眠が大切です。
質の良い睡眠をとれるよう、就寝前には
ゆっくり入浴する
リラックスを設ける
スマホよりも本を読む
の3つの点を心がけましょう。
湯船にゆっくり入浴する
湯船につかって、ゆっくりと温まりましょう。
時間や体力がないときは、熱めのシャワーを首元に数分当ててください。
入浴が終わったら、冷えないように着替え、水分補給をしましょう。
リラックスタイムを設ける
ゆっくりできる場所に腰を掛けて、気持ちを休めましょう。
好きな音楽やテレビを楽しむのもおすすめです。
スマホよりも雑誌や本を読む
就寝直前はスマホではなく、読書が適しています。
インターネットは情報がどんどん入ってくるため、過度な刺激になってしまいます。
眠気を感じたら、電気を消して早めに入眠しましょう。
ストレス対処法② 好きなものを食べる
好きなものを食べると、ストレスが和らぎます。
※ただし、暴飲暴食は控えてください。
食欲がないときは無理せず、食べられるものを食べましょう。
軽く運動すると、食欲が湧きやすくなります。
反対に、カフェインの強いものはしばらく控えてください。
過度のアルコール摂取も、睡眠の質を低下させる原因となるため、注意しましょう。
ストレス対処法③ 気が合う友人と過ごす
悩みを誰かに相談することも、ストレス解消につながります。
こんなときは病院へ!
なかなか寝つけない
就寝中に何度も目が覚める
いつもより寝すぎてしまう
朝だるくて起きられない
といった場合は、早めに病院で相談しましょう。
何科を受診すればいいの?
心療内科・精神科を受診してみましょう。
初診の際は、下記のことを医師に伝えられるように、まとめておくといいですよ。
今までできていたのに、できなくなったこと
特につらいと感じていること
仕事の内容・職場の人間関係
おかしいと感じる体の症状
メモに書いて持っていくのもおすすめです。
心療内科を探す
心が壊れてしまう前に相談しよう
過度のストレスは、うつ病や自律神経失調症を引き起こす恐れがあります。
頑張りすぎは禁物です。
心療内科や精神科に行くとなると、身構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、メンタルの不調で病院にかかることは、内科で風邪を相談することと大きな違いはありません。
一人で抱え込まずに、病院で相談してみましょう。
▼参考
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス うつ病