中耳炎の痛み、どうにか緩和したい!
お医者さんに、痛みを和らげる対処法を聞きました。
「市販薬はどんなものを選べばいい?」
「痛みが治まらないときは?」
といった質問にも答えます。
監修者
経歴
大正時代祖父の代から続く耳鼻咽喉科専門医。クリニックでの診療のほか、京都大学医学部はじめ多くの大学での講義を担当。マスコミ、テレビ出演多数。
平成12年瀬尾クリニック開設し、院長、理事長。
京都大学医学部講師、兵庫医科大学講師、大阪歯科大学講師を兼任。京都大学医学部大学院修了。
中耳炎の痛みを和らげる方法
中耳炎の「痛みを和らげる方法」を教えてください。
対処法として、
1.鎮痛剤を使う
2.患部を冷やす
の2つがあげられます。
1.鎮痛剤の使用について
痛みがあるときは、鎮痛剤を使用してください。
中耳炎専用の鎮痛剤というものはありませんので、通常の鎮痛剤を使用してください。
アセトアミノフェン・イブプロフェンなどの市販されている鎮痛剤を使用しましょう。発熱をしていなくても、痛み止めとして使用可能です。
※年齢にあったお薬を、用法用量をまもって使用しましょう。
2.患部の冷却について
また、耳を保冷剤などで冷やしてあげても痛みが楽になります。
直接保冷剤を肌には当てずに、ハンカチやタオルなどで保冷剤を巻いて患部に当てるようにしましょう。直接、肌に貼るタイプのシート状の冷却材も使用できます。
応急処置を長く続けても、病気が良くならないこともあります。診察を受け、必要な治療を受けるようなるべく早く病院で診察を受けましょう。
痛み止めが効かない場合
痛み止めが効きません…。なぜでしょうか?
薬が効くまでに時間がかかっているのかもしれません。
鎮痛剤は飲んでもすぐに痛みが引かずに時間がかかる場合もあります。親御さんは、子どもの痛みがおさまるまではそばにいてあげましょう。中耳炎であれば、痛み止めと耳を保冷剤などで冷やしてあげると、ほとんどの場合痛みは徐々に落ち着きます。
それでも痛みがひかないときは病院へ!
それでも痛みが増している、状態が悪化しているなどが見られる場合は、病院を受診しましょう。
など、他の症状もある際は、中耳炎以外の病気の可能性もあります。病院の診療時間外の場合は、緊急で病院を受診してください。
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中耳炎の「病院の受診目安」
中耳炎で耳に痛みを訴えている場合は、できるだけ早く病院を受診して診察を受けましょう。
病院がやっていない時間は、鎮静剤を与えるか、耳を冷やしてあげると楽になります。薬を飲む・冷やしても痛みが取れない場合は、救急病院を受診してください。
中耳炎は、風邪を引いた後に発症しやすいですが、一概に耳の痛み全てが中耳炎とは言い切れません。何か別の病気の可能性もありますので、放置しないようにしましょう。
病院での治療法
病院での治療は、鎮痛剤を用いて痛みを和らげます。抗生剤を使用する場合もあります。また、鼓膜が破れている場合は膿を吸い出します。鼻のつまりがあれば、鼻水を吸い出す治療も行います。
痛みがなくなれば、膿・鼻の状態を確認しながら経過観察を続けます。膿がなくなり、耳の聞こえが通常に戻れば終了となります。
中耳炎を放置すると「難聴」のリスクも
中耳炎は、治療や観察を医師が行わずに放置すると慢性化して難聴を引き起こす場合もあります。
難聴は、日常生活に支障が出ます。コミュニケーションがとれなくなる・勉強に支障が出るなどといったことが起きます。
中耳炎は、子どもによっては、何度もかかる病気です。できるだけ早く耳鼻いんこう科で薬をもらいましょう。
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2022-05-31
大人の「中耳炎による発熱」の対処法を、お医者さんに聞きました。
「発熱はいつまで続くの?」
「熱が上がったり下がったりするのはなぜ?」
といった疑問にもお答えします。
「大人の中耳炎」を早く治すために
基本的に、「中耳炎で発熱している」場合は、耳鼻いんこう科で治療を受けましょう。
大人の場合、重症化すると症状が数ヶ月続くことがあります。
その上で、早く治すためには
こまめに鼻をかむ
十分な睡眠をとって免疫力を高める
といった点を心がけましょう。
特に鼻水には細菌がいるため、鼻水が溜まった状態では、耳に細菌が侵入しやすくなります。
また、耳に水が入ったり、体が温まったりすると耳の痛みが悪化するリスクがあります。
中耳炎がひどいときは、耳に水が入らないよう気をつけ、入浴はシャワーで済ませるなどしましょう。
仕事は休んだ方がいい?
中耳炎は他の人に感染するわけではないため、体に負担がかからないのであれば、仕事に行っても良いでしょう。しかし、発熱して体がつらいとき場合は、2~3日ほど休んで熱が下がるのを待ちましょう。
一時的な対処として「市販薬」を使うのはOK
症状
市販薬の例
「発熱」と「耳の痛み」
ロキソニン
イブ
バファリン
などの解熱鎮痛薬
「発熱」+「鼻水・咳」
ルル
パブロン
などの風邪薬
※風邪薬と解熱鎮痛薬をあわせて飲まないようにしてください。
(風邪薬には解熱鎮痛の成分も入っていることが多いため)。
症状がつらいときは、上記を参考に市販薬を服用してみましょう。
ただし、あくまでも「受診するまでの応急処置」です。できるだけ早めに耳鼻いんこう科で診察を受けてください。
「大人の中耳炎の発熱」早めに病院に行くべき理由
大人の中耳炎は重症化するケースもあるため、自己判断せずに早めに受診することをおすすめします。
中耳炎が疑われる症状がある場合は、まず耳鼻いんこう科へ受診しましょう。
治療せずに放置すると、中耳の部分に「浸出液」という液体が溜まってしまうことがあります。この状態になると、耳の聞こえが悪くなったり、治療に何年もかかったりするリスクがあります。
中耳炎は、大人の場合はなかなか症状が良くならない傾向があるため、早期治療で慢性化させないことが大切です。
症状が消えても油断は禁物!
熱や耳の痛みなどの症状がなくなっても、中耳炎が完全によくなったとは限りません。
慢性化したり再発したりするリスクがあるため、症状が落ち着いた場合も一度診察を受けるようにしましょう。
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中耳炎による発熱は、いつまで続く?
適切な治療を受ければ、2~3日、長くても1週間ほどで熱は治まるでしょう。
熱が上がったり下がったりするのはなぜ?
仕事や学業などの疲れで「抵抗力が低下している」
鼓膜の奥のほうにまで「膿が溜まっている」
といった原因によって、熱が上がったり下がったりすることがあります。
膿が鼓膜の奥のほうにまで溜まっている場合、「鼓膜を切開する手術」が必要になることもあります。
病院では、どんな治療を受けるの?
治療例
発熱・痛みがある
「鎮静剤」や「抗菌薬」などの処方
鼻水の症状を伴う
(鼻水がたまると症状が悪くなるため)大人では「点鼻薬」や「鼻閉改善薬」、「抗ヒスタミン剤」で治療
鼓膜に膿が溜まっている
鼓膜を切開して溜まった膿を出す
完治するまでにどれくらいかかる?
熱や耳の痛みなどの症状自体は、2~3日で治まります。
ただし、重症の場合には1ヶ月~4ヶ月ほどかかると言われています。
重症の場合、鼓膜の奥に膿が残ってしまうことが多く、それがぶり返す原因となるため、完全に膿を取り除く必要があります。
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▼参考
医療法人社団順誠会 妙典さいとう耳鼻咽喉科:大人の中耳炎
戸塚はなむら耳鼻咽喉科:中耳炎
一般社団法人千葉市医師会:確実に治療したい「中耳炎」
日本耳鼻咽喉科学会広島県地方部会:急性中耳炎
医療法人社団千葉厚生会どい耳鼻咽喉科:急性中耳炎 大人
MSDマニュアルプロフェッショナル版:中耳炎(急性)
MSDマニュアル家庭版:かぜ(感冒)
たかはし耳鼻科:耳鼻科の病気について
あやせ耳鼻咽喉科:治りにくい中耳炎
戸田ファミリア耳鼻咽喉科:耳の症状(中耳炎)
竹村耳鼻咽喉科クリニック:耳の病気
いとう耳鼻咽喉科:耳の病名
おおた耳鼻咽喉科:急性中耳炎
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2022-05-31
中耳炎になったときの「寝る向き」について、お医者さんに聞いてみました。
「耳が痛くて眠れないときの対処法は?」
「耳鼻いんこう科に行くタイミングは?」
といった疑問にもわかりやすくお答えします。
中耳炎になったら、寝る向きはどうすればいい?
症状
寝る向き
耳から浸出液が出ている
浸出液が出ている耳を下に向けて寝ましょう。
浸出液を排出すると耳の中で液が固まるのを防ぐことができます。
また、浸出液を出してしまった方が、中耳炎がより早く治まります
耳が痛い・耳が腫れている
中耳炎になっている方を上に向ける方が、患部を圧迫しないので楽になることが多いです。
滲出液がでている場合は、耳に滲出液を溜めないように、中耳炎になっている方を下にしましょう。
滲出液がでておらず耳が痛い場合は、中耳炎になっている方を上にすると痛みが和らぐことがあります。
※浸出液とは:中耳炎になると出てくる「透明・やや黄色い液体」のことです。さらさらのタイプ・粘っこいタイプがあります。
耳が痛くて眠れないときの対処法
痛みで眠れないときは、鎮痛剤を使用すると痛みがだいぶ楽になります。
ただし、あくまでも「一時的な対処」として使用してください。
中耳炎を放置すると難聴を引き起こす場合もあります。
悪化のリスクを防ぐためには、耳鼻いんこう科での適切な処置が必要です。
病院に行くタイミングは?
中耳炎には抗生剤を使った治療が必要です。
そのため、基本的に中耳炎を発症したら、耳鼻いんこう科で治療を受ける必要があります。
特に「症状が出てからまだ一度も医療機関に行っていない」という場合は、早めに受診しましょう。
早めに治療を受ければ、お薬の服用のみで症状が快方に向かいます。
しかし症状が進行していると、鼓膜の切開などの処置が必要になるケースもあります。
中耳炎が慢性化したり、悪化して難聴になったりするリスクを避けるためにも、放置しないようにしてください。
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どんな治療を受けるの?
「鎮痛剤」「抗生剤」を処方し、痛みを楽にする治療を行います。
浸出液や膿が多い場合は、吸い取ったり切開をしたりして、排出する治療も行います。通常、膿を出すと痛みは引いていきます。
早く治すために心がけること
中耳炎を早く治したい方は、医師の指示通りに通院してください。
また、風邪で鼻水がひどいときは「こまめに鼻をかむ」ことで中耳炎の悪化を予防することができます。
中耳炎は、細菌・ウイルスが耳に回ることで発症するので、鼻水をすする行為は避けてください。
仕事は休んだ方がいい?
人にうつる病気ではないので、必ずしも休みを取る必要はありません。
ただし、体調が思わしくないときは安静にしましょう。
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参考
一般社団法人大阪府医師会
https://www.osaka.med.or.jp/citizen/tv16.html