歯医者さんに聞く「歯周ポケットは回復する？」改善方法・回復期間は？

「歯周ポケットが深くなってきた…」
「歯周ポケットは、回復する？」

歯周ポケットを回復させる方法を、歯医者さんに聞いてみました。
セルフケアの方法や治療内容なども詳しく解説します。

放置すると歯が抜ける恐れがあるため、歯がグラつくときは要注意です。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

歯周ポケットとは

歯周ポケットとは、歯と歯茎の間の溝が深くなり、ポケット状になっていることを指します。

歯周ポケットが発生する原因には、歯周病による「歯茎が炎症」が挙げられます。

歯周ポケットを放置すると…？

歯周ポケットを放置すると、細菌が歯を支えている骨を溶かし、最終的には歯が抜けてしまいます。

また、歯周ポケットが4mm以上の場合は、すでに歯周病が進行している恐れがあります。

歯周ポケットは、セルフケアで回復する？

歯周ポケットの深さが3mm以下の状態であれば、セルフケアで回復する可能性もあります。

「正しい歯磨き」や「歯の隙間の掃除」などを丁寧に行い、歯垢を取り除きましょう。

セルフケアだけでは“手遅れ”の症状レベル

歯周ポケットが3～4㎜以上の場合は、セルフケアのみで回復させるのは難しいです。
歯医者で治療を受ける必要があります。

治療が必要な歯周病には、軽度～重度のものがあります。
ご自身に当てはまる症状がないかチェックしてみましょう。

歯周ポケットの深さが3〜4mm（軽度の歯周病）

初期の歯周炎は強い痛みがないため、自覚するのが難しいこともあります。
しかし、歯医者での治療を受けない限り、症状は悪化していきます。

歯周ポケットの深さが4〜6mm（中等度の歯周病）

この状態は、細菌による炎症が歯茎の奥まで進行していることが疑えます。
歯医者で専門的な治療を受ける必要があります。

歯周ポケットの深さが6mm以上（重度の歯周病

この状態になると、歯を支えている骨が溶け出していることが疑えます。
歯茎を切開して歯周病菌を取り除く「手術」が必要になるケースもあります。

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【徹底解説】歯周ポケットのセルフケアマニュアル

1. 正しい歯磨きの方法
2. 歯間ブラシ・フロスの使い方
3. 歯磨き粉の選び方
4. 食事で気をつけること
5. これはNG！やってはいけないこと

歯周ポケット改善のための5つのポイントを、詳しく解説します。

正しい歯磨きの方法

歯茎が腫れているときの歯磨きでは、「やわらかめ」「小さめのヘッド」の歯ブラシを使用するのがおすすめです。

歯間ブラシ・フロスの使い方

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の歯垢を綺麗に取り除くのは難しいです。
歯間ブラシやフロスを使って隅々まで汚れを取りましょう。

歯間ブラシの使い方

歯間ブラシは、「歯茎が下がっている人」「歯間の根元に三角形の隙間がある人」「ブリッジをしている人」に向いています。
歯間ブラシは、サイズ選びが重要です。歯茎の状態にあったものを選びましょう。

フロスの使い方

フロスは、歯間ブラシが入りにくい歯と歯の狭い隙間の掃除に役立ちます。
フロスに慣れていない人は、持ち手が付いた「ホルダータイプ」がおすすめです。

歯磨き粉の選び方

上記の歯磨き粉は、歯周ポケットの悪化予防や多少の回復に役立つ期待が持てます。
使用する際は、商品の取り扱い説明書をよく読んでから使いましょう。

また、研磨剤入りタイプは、歯や歯茎を傷つける恐れがあるため、避けましょう

食事で気をつけること

甘いものやダラダラと食べる、よく噛まないなどの習慣は、歯周病の進行を早めてしまう恐れがあります。
上記のような食生活を心がけましょう。

歯周病予防におすすめの食べ物

抗酸化作用のある「ビタミンC」、骨や歯の材料となる「カルシウム」を含む食べ物をおすすめします。
また、「ビタミンD」を一緒に摂取すると、カルシウムの摂取効率が良くなります。

これはNG！やってはいけないこと

これらは歯周病を悪化させてしまい、炎症がひどくなる恐れがあります。

どれくらいの期間で回復してくる？

軽度の歯周ポケットであれば、セルフケアを2～3週間続けると快方に向かう場合が多いです。

歯周ポケットが4㎜以上だったら、早めに歯医者へ！

歯周ポケットの深さが4㎜以上であれば、早めに歯医者へ受診しましょう。
4〜6mmで「中度」、6mm以上であれば「重度」の歯周病であることが疑えます。

また、自覚症状として、

• 歯茎がブヨブヨして、腫れぼったく見える
• 歯茎が痩せて、歯が長くなったように見える
• 歯茎が真っ赤に腫れあがっている
• 歯茎から出血、膿が出る
• 歯がグラつく

などがあれば、歯医者で受診しましょう。
上記症状には、悪化した歯周病が疑われます。

歯医者さんで治療すれば…回復する？

歯医者さんで治療を行えば、回復するケースが多いです。

歯科治療では、歯石・歯垢の除去、歯磨き指導、手術などの方法で、歯周ポケットの改善を図ります。

このまま放置すると…

治療せずに放置した場合、歯周病は悪化し、

• 歯周ポケットがどんどん深くなる
• 歯茎からの出血や膿がひどくなる
• 口臭がひどくなる
• 歯のグラつきが大きくなる

などの症状があらわれるようになります。

さらに放置すると、最終的に歯が抜けるなどのリスクがあります。

放置して悪化してから受診した場合、歯茎を切開して歯石・プラークを取り除く「手術」が必要になります。

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歯医者さんで行う「歯周ポケットの治療方法」

歯周ポケットの治療方法は、

1. スケーリング（歯石の除去）
2. デブライドメント（プラークの除去）
3. フラップ手術（歯茎を切開する外科治療）

などがあります。

治療法①　スケーリング（歯石の除去）

スケーラーという専用機器を使い、「歯石」を取り除く治療法です。
歯垢が固まってできた歯石は、歯周病を悪化させる原因になります。

この治療法は、歯周ポケットの深さが3〜4mm（軽度の歯周病）の場合に、行われるケースが多いです。

スケーラーには、超音波を使う超音波スケーラーや手動で使うハンドスケーラーなどがあります。
超音波スケーラーで削る際に水が出るため、知覚過敏の症状があると痛みを感じることがあります。

治療法②　デブライドメント（プラークの除去）

手動の器具や超音波などを使用して、歯周ポケットの内部に溜まったプラーク（歯垢）を取り除く治療法です。

この治療法は、歯周ポケットの深さが3〜4mm（軽度の歯周病）の場合に、行われるケースが多いです。

麻酔をして行うため、痛みはほぼありません。

フラップ手術（歯茎を切開する外科治療）

歯周病が進行した部分の歯茎を切開して、歯の根に付着している歯石・歯垢をスケーラーで除去する外科処置です。

麻酔をしてから行うため、痛みはほぼありません。

この治療法は、歯周ポケットの深さが4〜6mm（中度の歯周病）や歯周ポケットの深さが6mm以上（重度の歯周病）の場合に行います。

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