「禁酒の効果はいつから出るの?」
禁酒の効果が出るまでの期間、具体的なメリットについて、栄養士に聞きました。
「平日だけの禁酒に効果はある?」「3週間でどのくらい変わるの?」といった疑問にもお答えします。
監修者
株式会社Luce
栄養士・食育栄養インストラクター
神原 李奈先生
経歴
株式会社Luce・健康検定協会 所属
CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。
禁酒の効果が出るのは、いつから?
小さな変化であれば、翌日から実感できる人もいます。
ただし、変化を感じるまでの期間には個人差が大きいため、すぐに効果を感じられないこともあります。
すぐ効果が実感できる例としては…
顔のむくみであれば、禁酒した翌日の朝にすっきりして見える可能性があります。
また、禁酒によって睡眠の質が良くなると、朝の目覚めも良くなります。
例えば「3週間禁酒を続けると…?」
例えば、500ml 200kcalのビールを毎日飲む人が、3週間禁酒を続けたら、4,200kcal摂取しなくて済みます。1kg減量するためには7,200kcal必要ですので、3週間では600g程度減量できることになります。見た目の変化を実感できる人もいますよ。
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2021-09-03
「お酒をやめると痩せる?」
「効果はいつからあらわれる?」
禁酒で体重が減るメカニズムを管理栄養士に聞きました。
禁酒ダイエットの効果を高める方法もあわせて解説します。
お酒をやめて痩せた方の体験談もご紹介します。
お酒をやめると痩せるって本当?
日常的にお酒を多く飲んでいる人は、禁酒することで減量につながる可能性があります。
お酒をやめると痩せる理由として、
食べ過ぎがなくなる
肝機能がよくなる
腸内環境がよくなる
といったことが挙げられます。
禁酒で痩せる理由① 食べ過ぎを避けられる
お酒を飲んだ状態だと、満腹感を感じる「満腹中枢」が麻痺するため、ついつい食べ過ぎる傾向があります。
また、おつまみに唐揚げ・もつ煮・ポテトチップなど、味が濃いものやハイカロリーなものを食べがちです。
さらにアルコールも1gあたり7Kcal とカロリーがあり、お酒を飲んでいる分、摂取カロリーが増えます。
禁酒をすると満腹中枢が正常に働くだけでなく、「このくらいで食べるのは止めよう」と理性も働くため、食べ過ぎの防止につながります。
禁酒で痩せる理由② 肝機能がよくなる
禁酒すると、肝臓での体脂肪の代謝が円滑になるため、痩せやすくなります。
お酒を飲んでいる時はアルコールの代謝を優先されます。
アルコールは肝臓で代謝されますが、代謝しきれないアルコールは体脂肪としてため込まれるため、飲み過ぎは肥満の原因になります。
禁酒で痩せる理由③ 腸内環境がよくなる
禁酒すると腸内の悪玉菌が減り、腸内環境がよくなります。
腸内環境がよくなると、善玉菌から作り出される「短鎖脂肪酸※」が増えて、痩せやすい状態になります。
※短鎖脂肪酸…
善玉菌から作り出される物質。脂肪の吸収を抑える働きがあります。
禁酒してから痩せるまでの期間は?
個人差がありますが、1ヵ月程度継続すると、変化を感じ始めるでしょう。
もともと飲んでいたお酒の量が多い人ほど、早く痩せはじめます。
ただし、短期間では痩せないので、途中で諦めずに継続していくことが大切です。
禁酒ダイエットの効果を高めるためには?
禁酒に加え、
しっかり水分を摂る
栄養バランスのよい食事を摂る
運動する
といった点を心がけると、よりダイエット効果を高めることができます。
その① しっかり水分を摂る
喉が渇くと、ついついお酒に手が伸びてしまうものです。
喉が渇く前にこまめに水分を補給すると、お酒への欲求も減らすことができます。
1日2リットル程度、こまめに水分補給しましょう。
水分補給の習慣がない人は、ペットボトルや水筒を持ち歩くと、水分摂取量を把握しやすいのでおすすめです。
その② 栄養バランスのよい食事を摂る
栄養バランスのよい食事をすることで、代謝が上がって痩せやすくなります。
主食(ご飯・パン・麺など)
主菜(肉・魚・豆腐など)
副菜(野菜)
上記3つが揃ったメニューを心がけてください。
ほどよい満腹感を感じる、腹八分目を意識しましょう。
毎日同じ食品にならないよう、いろいろなものを食べるとよりよいです。
その③ 運動する
お酒が飲めないストレスによって、食欲を増進させる「グレリン」というホルモンの分泌が増加する場合があります。
ストレスによる暴飲暴食を防ぐためにも、適度な運動で気分転換しましょう。
毎日20〜30分程度、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動を行ってください。
外出した際に遠回りするなど、日常的に体を動かすのもおすすめです。
禁酒するとダイエット以外のメリットも!
睡眠の質が上がる
むくみがなくなる
肌の調子が整う
などのメリットがあります。
その① 睡眠の質が上がる
禁酒すると、体と一緒に肝臓も休めることができ、睡眠の質が上がります。
特に寝る前の飲酒は、質の悪い睡眠の原因になります。
これは寝ている間も肝臓でアルコールの代謝が行われ、体が休まっていない状態になるためです。
その② むくみがなくなる
お酒を飲む人は、水の飲みすぎや塩分の多いおつまみによって、むくみが出やすくなります。
禁酒をすると、これらが原因となるむくみを防げます。
お酒を飲んだ後に水を飲みたくなるのは、摂取したアルコールの分解に水分が必要になるからです。
また、塩分は水分を体にため込みやすくするので、むくみの原因になります。
その③ 肌の調子が整う
お酒を控えると、腸内環境が整って栄養素の吸収が良くなり、代謝も上がります。
これにより便通が改善するとともに、肌のターンオーバーも正常になりやすいため、肌の調子もアップします。
体験談「お酒をやめたら痩せました!」
1か月くらい禁酒したら、2~3キロ減りました。顔のむくみも少し改善された気がします。(20代女性)
お酒をやめてから、半年ほどで8キロ痩せました。お酒以外の飲食も大幅に見直すことになり、より健康的になったと思います。(50代女性)
半年で5キロ痩せました。食事が美味しく感じるようになりました。(40代男性)
2か月で3キロ減って、肌がきれいになった。(30代男性)
実際にお酒をやめて痩せた人の体験談によると、減量するまでに、だいたい1~2か月ほどかかった人が多いようです。
ダイエット以外にも、「肌つやがよくなった」「よく眠れるようになった」「節約できた」などのメリットを感じたという声が多く寄せられました。
協力:ミルトーク
▼参考
e-ヘルスネット
「平日だけ禁酒」でも効果ある?
今まで毎日飲酒をしていた場合は、平日だけの禁酒でも効果を感じやすいです。
肌質の改善、疲労感を感じにくくなるなど、何かしらの良い変化を実感できるでしょう。
禁酒することで実感できる3つの効果
禁酒の効果① ダイエット
お酒には糖質が含まれているものが多いです。
そのため、禁酒すると糖質の摂取量を抑えられ、痩せることができます。
また、アルコールは分解する過程で中性脂肪の合成が促されるため、肥満の原因になりやすいです。
禁酒によって脂肪の合成を抑制することも、ダイエットに繋がります。
おつまみは要注意!脂質と塩分で太りやすい
おつまみは味の濃いものや脂質の多いものが多いです。
お酒は食欲を増進させるので、エネルギーや塩分を過剰摂取しやすくなります。
また、塩分はむくみの原因にもなるので、ダイエット時は禁酒しましょう。
禁酒の効果② 美肌
禁酒することで新陳代謝がスムーズになり、美肌づくりに繋がります。
アルコール代謝の過程で生まれるアセトアルデヒドは老化物質の「AGEs」を作り出します。
AGEsが肌細胞に溜まっていると、新陳代謝がうまくいかず、シミ・くすみ・黒ずみなどの原因となります。
禁酒の効果③ 疲れが取れる
寝酒をやめると、睡眠の質が上がるため、疲れが取れやすくなります。
寝酒は一時的に入眠を促しますが、途中で目覚めやすいので睡眠の質を下げてしまいます。
「禁酒の効果を高める」4ポイント
禁酒の効果を高めるために
- 規則正しい生活を送る
- バランスの良い食事を摂る
- 運動する
- ストレスをためない
ということを心掛けましょう。
規則正しい生活を送る
禁酒をしても不規則な生活をしていては、疲れもとれにくく、肌も荒れやすくなります。
日中には体を動かし、夜にしっかり眠りましょう。
睡眠時間は個人差がありますが、6〜8時間程度は確保してください。
睡眠の質を上げるために、就寝前3〜4時間以内のカフェイン摂取は控えましょう。
バランスの良い食事を摂る
偏った食事は糖質・脂質の過剰摂取につながり、肥満の原因になります。
1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事を心掛けてください。
間食する場合は1日200kcal以内にしましょう。
間食はスイーツやスナック菓子ではなく、フルーツやヨーグルトがおすすめです。
また、禁酒をしても食事や間食が多ければ、ダイエットの効果は得られにくいので注意しましょう。
運動する
有酸素運動は脂肪燃焼を促すため、禁酒でダイエットしたい人におすすめです。
週に2回以上、有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・水泳など)を30分以上行いましょう。
ストレスをためない
禁酒でストレスを溜めてしまっては、自律神経の乱れ・むくみ・肌荒れ・疲労の蓄積につながります。
- 趣味の時間を確保する
- 信頼できる友人・家族と話す
- 好きな音楽を聴く
などの方法で、ストレスを上手に発散しましょう。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2023-12-07
「痩せたいけどお酒がやめられない!」
「夜ご飯を食べずにお酒だけ飲めば、ダイエットになる?」
夜ご飯の代わりにお酒を飲むと痩せるのか、詳しく解説。
お酒を飲みながらダイエットに成功した人の体験談もご紹介します。ダイエット中でも晩酌を楽しみたい人は必見です!
「夜は酒だけ」のダイエット効果は?
これまで夕食をきちんと食べていた人であれば、夜はお酒だけにすることで夕食分の摂取カロリーが減少するため、ダイエットに繋がる可能性があります。
ただし、何も食べずにお酒だけを飲むことは体に悪影響を及ぼすため、おすすめしません。
夜ご飯の代わりにお酒を飲むリスク
空腹時に飲酒すると血中アルコール濃度が急激に上昇し、酔いが回りやすいです。そのため、悪酔いや二日酔いの原因に…。
さらに、アルコールによる刺激で胃が荒れて、腹痛などの不調にも繋がります。
また、夕食を抜くことで体に必要な栄養素が摂取できないと、やつれた印象になり、肌荒れや抜け毛などのトラブルを招く可能性があります。
仮にダイエットに成功したとしても、不健康な見た目となり、ご自身の理想とは違った痩せ方になるでしょう。
夜をお酒だけにすると、むしろ太る!?
夜ご飯なしでお酒だけを飲むと、場合によっては太ってしまう可能性もあります。
これには、
糖質の摂取が多くなる
肝臓に負担がかかる
体が「省エネモード」になる
といった原因が考えられます。
お酒の種類に注意!「醸造酒」は糖質が多い
お酒には、「醸造酒」と「蒸留酒」の2種類があり、醸造酒は糖質量が多いです。
ビール・日本酒・ワイン・カクテルなどのお酒は醸造酒にあたるため、これらのお酒を飲み過ぎれば糖質過多となり、太ります。
また、糖質の多いお酒を飲むと血糖値が上昇しやすいので、インスリンが過剰に分泌されて太りやすくなるとも考えられています。
醸造酒と蒸留酒の違い
「醸造酒」とは、穀類や果実などを発酵させてできたお酒です。「蒸留酒」とは、醸造酒を蒸留してできたお酒です。醸造酒を加熱した後、蒸気を冷却して液体にすることで、アルコール度数は高く、糖質が抑えられたお酒となります。
肝臓に負担をかけて糖質・脂質の代謝を阻害する
お酒を飲むと、肝臓の働きによってアルコールが分解されます。アルコールの分解で肝臓に負担ががかることで、糖質や脂質の代謝が後回しにされます。
すると、余分なエネルギーが脂肪として蓄積されるため、太りやすくなるのです。
長時間の空腹で体が「省エネモード」に…
夕食抜きで空腹状態が長く続くと、その反動で朝食や昼食を食べ過ぎてしまう人もいるでしょう。
さらに、長期間夕食を摂らないでいると、体が飢餓状態となり、脂肪が蓄積されやすくなります。こうして「省エネモード」となった体は、太りやすく痩せにくい状態になります。
「お酒のカロリーだけなら太らない」は嘘?本当?
「お酒はエンプティーカロリーだから飲んでも太らない」という話はよく聞きますよね。これには諸説あり、現状では嘘とも本当とも言い切れません。
「お酒のカロリーは太らない」という意見は、アルコールのカロリーは体内で優先して消費されるため、脂肪として蓄積されないという考えによるものです。一方で、糖質や脂質由来のカロリーと比較すれば太りにくいものの、アルコールのカロリーだけでも脂肪が蓄積されて太る、という意見もあります。
どちらの説が正しいかは断言できませんが、先述したように、飲酒による肝臓の負担で太りやすくなるという考えもあります。アルコールの過剰摂取で太ってしまう可能性は十分あるので、お酒の量はほどほどにするのがよさそうですね。
お酒を飲んでも痩せるためのポイント4つ
蒸留酒を選ぶ
お酒と一緒にヘルシーなおつまみを食べる
水をたくさん飲む
運動習慣を取り入れる
これら4つのポイントを抑えて、お酒を我慢せずにダイエットを目指しましょう!
1.蒸留酒を選ぶ
ウイスキー
焼酎
ジン
ウォッカ
ブランデー
これらのお酒は蒸留酒に分類されており、糖質がほとんど含まれていないため太りにくいです。
割り物はジュースではなく、水やお湯、無糖炭酸水にするのがおすすめです。
2.お酒と一緒にヘルシーなおつまみを食べる
お酒と一緒にヘルシーなおつまみを食べることで、血糖値の急激な上昇を防ぎ、空腹状態が長く続くのを避けられます。
その結果、ダイエットをサポートしてくれると考えられます。二日酔いや胃痛の予防にもなりますよ。
ダイエット中におすすめのヘルシーおつまみ
枝豆
卵焼き
漬物・野菜のお浸し
冷奴
刺身
ローストビーフ
焼き鳥 等
これらのおつまみは糖質や脂質が控えめで、ダイエット中のおつまみに適しています。
特におすすめなのは、枝豆と卵!
アルコールの分解を促す「ビタミンB1」や「タンパク質」が豊富に含まれているので、お酒のお供にぴったりですよ。
3.水をたくさん飲む
お酒と一緒に水を飲むことで、血中アルコール濃度が薄くなります。すると、糖質や脂質の代謝が正常に行われるようになり、太りにくくなるでしょう。
また、水を多く飲めばお酒の飲み過ぎの予防となり、アルコール摂取量を抑えることも期待できます。
4.運動習慣を取り入れる
ダイエットを成功させるためには、運動を取り入れてをエネルギーを消費することも重要です。
運動は、筋トレと有酸素運動を組み合わせておこなうようにしましょう。
筋トレは、基礎代謝量を向上させて、太りにくい体をサポートします。
おすすめの筋トレはスクワットです。スクワットをすると下半身の大きな筋肉が鍛えられるため、効率よく筋力がつけられます。
また、ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、脂肪の燃焼の促進します。
1日30分以上、週2日程度おこなうといいでしょう。
運動は続けることが重要です。無理にハードなメニューを取り入れるのではなく、ご自身に合ったペースで実践するようにしてください。
【体験談】毎日お酒を飲んでダイエットに成功!
ビールやワインなど好んで飲んでいた。食事はタンパク質中心にし、糖質は避けた。週3日パーソナルトレーニングに通い、毎朝ランニングとストレッチもした。体重の減少は3週間で2キロ弱、身体が筋肉質に変わり、見た目がすっきりした。(50代 男性)
炭水化物は極力食べないようにして、腹八分目以下で晩酌を終えることを心がけた。毎日15分程度の筋トレも続けた。半年くらいで2.5キロ減った。(40代 女性)
お酒を飲む時は、炭水化物は一切摂取しません。魚や鶏胸肉やきのこや豆腐を多用した和食中心で揚げ物も控えます。ビールを飲みたいから飲む前に10キロほど走ってカロリー消費します。10年スパンで10キロほど減量しました。代謝を上げるようにしたら筋肉がついて、体重は落ちないけど体が絞られ維持しています。(50代 女性)
ハイボール・ビール・ウイスキー水割りをよく飲みます。大豆製品や野菜や果物を中心に食べて、軽い運動を週1~2くらいでしました。1ヶ月で2キロのダイエットに成功しました。(40代 女性)
お酒を飲んでいてもダイエットに成功した人は、「炭水化物を控えめにする」「タンパク質を多めに摂る」など、やはり食生活に気をつけていた人が多かったです。
また、ビールやワインなど太りやすいお酒を飲んでいても、運動習慣を取り入れることで減量できたというケースもありました。
醸造酒を好んで飲む人も、適切なトレーニングを習慣化できれば、ダイエット成功に繋がりそうですね!
協力:ミルトーク
お酒を楽しみながら理想の体型を目指そう
冒頭にも記載したように、夜ご飯を食べずにお酒だけを飲むダイエット法はおすすめしません。
夜ご飯を食べても、適切なお酒の飲み方と食事内容を実践すれば、減量に繋がると考えられます。
飲み過ぎはもちろんNGですが、適量のお酒を楽しみながら、ダイエットにチャレンジしてみてくださいね。
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2022-08-31
順調に痩せ始めていたのに、一定の体重から落ちなくなった…。
一定の体重から痩せない人にありがちな原因について、管理栄養士さんに聞いてみました。
間違ったダイエット方法に心当たりがないか、チェックしてみましょう。
一定の体重から痩せない5つの理由
運動量が足りていない
腸内環境が乱れている
ストレスが溜まっている
停滞期に入っている
睡眠時間が足りていない
一定の体重から痩せない人は、上記のような原因が考えられます。
痩せない原因① 運動量が足りていない
運動量が不足すると、「消費エネルギー量」が「摂取エネルギー量」を上回らないことで痩せなくなってしまいます。
この場合、
自己流で運動をしている
運動の時間を確保できていない
などが原因として考えられます。
痩せない原因② 腸内環境が乱れている
腸内環境の乱れは、「便秘」や「むくみ」の原因となり、体内の水分量が増えて痩せにくくなります。
特に、
食物繊維の摂取量が足りていない
発酵食品を食べない
運動不足である
水分量が足りていない
といった人は、腸内環境が乱れやすくなります。
痩せない原因③ ストレスが溜まっている
ストレスが溜まると、ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が分泌されます。
コルチゾールの過剰な分泌は、代謝を下げてしまう働きがあるため、痩せにくくなります。
特に、無理なダイエットをしていると、かえってストレスで痩せにくくなってしまう場合があります。
痩せない原因④ 停滞期になっている
ダイエットで体重が減ると、体重を一定に保とうとする機能が働き、体重が落ちなくなります。
この時期は“停滞期”と呼ばれ、誰にでも起きる自然な反応です。
停滞期は平均して1ヶ月ほどです。ただし、2週間ほどの人もいれば、2ヶ月掛かってしまうケースもあり、個人差が大きく出てしまいます。
1ヶ月で体重の5%以内、1~2kgほどの減量であれば、停滞期はそこまで長くないと言われています。
痩せない原因⑤ 睡眠時間が足りていない
睡眠不足によって、食欲増進ホルモンである「グレリン」が分泌されます。
食欲が高まり、ついつい食べ過ぎてしまうことが増えるでしょう。
不規則な生活を送っている
夜更かししてしまう
などの習慣があると、睡眠不足になりやすいです。
女性は「排卵後~生理前」の時期も痩せにくい
排卵後から生理前は、女性ホルモンの影響で「栄養」や「水分」をため込んでしまうため、痩せにくい時期となります。
痩せにくい時期は無理せず、リラックスして過ごすとよいでしょう。
そのダイエット…間違っているかも!?
糖質過多になっている
食べる量が極端に少ない
単品ダイエットをしている
朝食を食べていない
一定の体重から痩せなくなった場合、上記のようなダイエット方法が原因となっているケースもあります。
NGダイエット① 糖質過多になっている
食べる量が少なくても、「ご飯やパンだけ」「お菓子だけ」というような食事のとり方では、糖質過多で痩せない可能性があります。
糖質をとりすぎると、急激な血糖値の上昇が起こり、「インスリン」がたくさん分泌されます。インスリンには脂肪をため込む作用があるため、太りやすくなります。
1日に必要なエネルギー量のうち、50~65%以上を炭水化物から補給すると、「糖質過多」となります。
自分が「糖質過多」かどうか計算してみよう
(摂取エネルギー量×0.5)÷4=糖質の摂取目安量(g)
例えば、30代女性(体重50kg・あまり運動しないタイプ)の場合、1日に必要な摂取エネルギー量は約1643kcalです。
この場合、267g以上(1068kcal以上)の炭水化物(※)をとると、糖質過多になってしまいます。
※炭水化物は「1g=約4kcal」
NGダイエット② 食べる量が極端に少ない
食べる量が極端に少なくなると、「基礎代謝量」や「筋肉量」が減少してしまい、痩せにくい体になります。
一般的に30~40代女性の摂取エネルギー量(運動量:ふつう)は、個人差はありますが「2050kcal/日」ほどです。
このエネルギー量を下回らないようにしましょう。
NGダイエット③ 単品ダイエットをしている
同じものばかり食べている人は、栄養が偏って代謝が悪くなります。すると、「食べていないのに痩せない」という悪循環に陥ります。
特に、
炭水化物だけで済ませる
サラダ・ヨーグルトだけで済ませる
といった食事は、栄養バランスが偏る原因となります。
NGダイエット④ 朝食を食べていない
朝食は、「脳や臓器などにスイッチを入れる」ために必要です。
欠食すると筋肉を消費するため、基礎代謝が落ちて痩せにくくなります。
1日を活動的に過ごすためにも、朝食は大切です。
朝食を抜くことで、昼食の食べ過ぎにもつながります。
ダイエットで重要な「食事のルール」
タンパク質を1日50g以上摂取する
炭水化物を適量食べる
野菜を1日350g以上食べる
よく噛んで食べる
就寝の3時間前までに夕食を済ませる
ルール① タンパク質を1日50g以上摂取する
肉類
卵類
大豆製品
乳製品
上記の食品から、タンパク質を摂取することをおすすめします。
成人女性は、1日に50g程度のタンパク質を摂取しましょう。
運動量が多い方は、その運動に合わせ、1.2~1.5g /体重kgほど摂取しましょう。
「食が細くてあまり食べられない」・「食べる時間がない」という場合は、プロテインで補給してもよいでしょう。
タンパク質は、筋肉・皮膚・髪・細胞・ホルモン・酵素・抗体などを作る大切な栄養素です。
体の代謝をよくするためにも、積極的に食べるようにしてください。
ルール② 炭水化物を適量食べる
ご飯・パン・麺類などの炭水化物は、活動するための大切なエネルギー源です。
とりすぎると糖質過多になりますが、全くとらないのはおすすめしません。
1日のエネルギー量の50~65%に収まるように摂取しましょう。
また、「野菜のおかず」や「肉・魚のメイン料理」を食べてから、ご飯を食べることをおすすめします。
炭水化物を最後に食べることで、緩やかに血糖値が上昇し、食べ過ぎ防止にもつながります。
ルール③ 野菜を1日350g以上食べる
サラダ
野菜スティック
蒸し野菜
などで、野菜を1日に350g以上摂取しましょう。
野菜に含まれる食物繊維には、「血糖値の上昇を緩やかにする」「脂肪の吸収を抑える」などの働きがあります。
代謝をサポートするビタミンやミネラルも豊富なので、積極的に野菜をとりましょう。
食事の際は、最初に野菜を食べると、「急激な血糖値の上昇」や「食べ過ぎ」を防いでくれます。
ルール④ よく噛んで食べる
よく噛んで食べることで、満腹中枢に刺激がいくため、「食べ過ぎ」を防ぎやすくなります。
最低でも30回は噛むようにしましょう。
調理の際には、
食材を大きく切る
歯ごたえが残るくらいに煮る・炒める
などの工夫をすると、自然と噛む回数が増えていきます。
ルール⑤ 就寝の3時間前までに夕食を済ませる
夕食の時間が遅くなると、摂取したエネルギーを消費できず、脂肪として蓄積されてしまいます。
遅くても、就寝時間の3時間前までに食べ終わるようにしましょう。
どうしても遅くなってしまうときは、食事の量を減らすのがおすすめです。
ダイエットで重要な「運動のルール」
有酸素運動で脂肪を燃やす
筋トレで代謝をアップさせる
① 有酸素運動で脂肪を燃やす
1日30分以上を目安に、週に2回程度の有酸素運動を取り入れてみましょう。
速足ウォーキング
ヨガ
ストレッチ
水泳
などがおすすめです。
有酸素運動を継続することで、脂肪が効率よく燃えやすくなります。
続けることが大事なので、あまりキツイ運動ではなく、軽めの運動を少し汗ばむ程度実践してみましょう。
おすすめ② 筋力をつけて代謝をよくする
筋力がつくと基礎代謝もアップするため、太りにくく、痩せやすい体を目指せると考えられます。
筋力をつけるのにおすすめのトレーニングは「スクワット」です。
スクワットのやり方
両脚を肩幅の倍ほど開く(足先は斜め外45度)
太ももが地面と平行になるところまで腰をゆっくり下ろす
腰を丸めないようにお尻を突き出した姿勢で行う
※1回の上下運動に10~20秒ほどかけてゆっくり行いましょう。
1セット20~30回、1日2~3セット行いましょう。
スクワットなどの筋トレは、週3回~5回を目処にしてください。
※強い筋肉痛があるときは、筋トレをお休みしましょう。
まずは2~3ヶ月チャレンジしてみて
ダイエットは基本的に、短期間ですぐに結果が出るものではありません。
体がスリムになるのを実感するには、最低でも2~3ヶ月はダイエットを続ける必要があります。
ダイエット中は、多少の体重の増減はあるため、一喜一憂することもあるでしょう。
「ゆっくりと着実に」が成功の鍵です。焦らず、自分に合ったペースでダイエットを継続していきましょう。
▼参考
e-ヘルスネット 厚生労働省 たんぱく質
e-ヘルスネット 厚生労働省 野菜、食べていますか?
厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」各論Ⅱ エネルギー たんぱく質 炭水化物