「お腹に赤い斑点ができた…」
「かゆくないけど、これって大丈夫なの?」
自然に治る?病院に行くべき?
お腹のかゆくない赤い斑点について、お医者さんに聞きました。
「ジベルばら色粃糠疹」や「梅毒」など、こわい病気のサインの可能性もあります。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
なぜ?お腹に「かゆくない赤い斑点」
代表的な原因として
- ジベルばら色粃糠疹
- 梅毒
- 帯状疱疹
が考えられます。
それぞれの病気について、詳しく解説します。
原因1. ジベルばら色粃糠疹
この病気の原因は、ヘルペスウイルスが関係している可能性があると考えられていますが、まだはっきりとわかっていません。
人にうつすことはありません。かゆみは軽い場合がほとんどです。
症状の特徴
約2~10cmの大きさの円形や楕円形の斑点が、主にお腹や背中など胴体部分に生じます。淡い黄褐色のこともあります。
斑点は突然あらわれることもあれば、先に体調が悪くなったり、食欲が減ったりすることもあります。熱や頭痛など風邪に似た症状が起こることもあります。多くの場合、胴体や上腕、太腿などにカサカサした初発疹が起こり、その後1~2週間すると、胴体を中心に似たような小さめの斑点ができます。
どうやって治すの?
自然に治ることが多い病気です。
ただし、かきむしると、跡が残ったりすることがあるため、気をつけてください。
かゆみがある場合は、濡らしたタオルや保冷材などで冷やすと、和らぎます。肌触りがよく、皮膚への刺激の少ない洋服を着ましょう。
アルコールや香辛料などは、かゆみを増しますので、控えましょう。
病院では、塗り薬で治療します。
かゆみがひどい場合、飲み薬を使用することもあります。妊娠中は、抗ウイルス薬を使用します。おおよそ2ヶ月ほどで治ることが多いです。
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原因2.梅毒
梅毒トレポネーマという細菌に感染して発症します。
性的な接触によってうつる病気です。感染して1年未満は感染力が強く、人にうすしやすいです。1年以上経つと、感染力はなくなります。
治療しないと死に至る病気です。
症状の特徴
感染してから3か月くらいすると、体の色々な部位に0.5~2cm位のピンクから赤色の発疹(バラ疹)があらわれます。手のひらや足の裏にもできるのが特徴です。湿疹にかゆみや痛みはありません。
この症状は、数週間でよくなっていきますが、病気自体が治っているわけではありません。
どうやって治すの?
自然治癒する病気ではないため、病院での治療が必要です。
病気の進行度によりますが、2~8週間ほど薬を服用して治療します。
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梅毒にかかる原因は?
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梅毒について、分かりやすくまとめました。
初期症状からの経過や治療法も紹介します。
梅毒とは
梅毒とは、性病の一種です。「梅毒トレポネーマ」という病原菌に感染すると発症します。
しこりや発疹などの症状が出て、そのまま治療せずに病気が進行すると、体の様々な器官に異常があらわれます。
昔は助からない病気でしたが、現在は薬で治療が可能です。
梅毒の原因
梅毒は、性交渉(キス・オーラルセックス・アナルセックスを含む)により感染します。
したがって、不特定多数と性交渉がある人は、梅毒にかかるリスクが高いと言えます。
心当たりがないけど…
梅毒は通常の性行為をはじめ、オーラルセックスやキスだけでも感染することもあります。
また、性交渉以外にも、傷口や血液からの感染も起こります。
感染を知らないまま他者と接触している患者が多いため、誰でも感染リスクがある病気です。
梅毒の初期症状とその後の経過
1期(初期症状):感染してから約3週間後
しこりができる:感染した部位にしこりができてきます。大きさは、小豆粒大ほどです。コリコリした硬さがあり、中心部が固く盛り上がりがあります。このしこりは、痛みを感じる人と感じない人がいます。
リンパ節が腫れる:特に多いのは、太ももの付け根にあるリンパ節が腫れてきます。痛みは通常ありません。
これらの症状は自然に消えていきますが、治ったわけではないので注意が必要です。
2期:感染してから約3か月後
全身に症状が現れ始めます。これらの症状は、3ヶ月ごろから発症し、3年間ほど続く人もいます。
ばら疹:赤色の湿疹が顔や体に出る
疹性梅毒疹:赤みがなくなってくると、しこりが全身に現れる
扁平コンジローマ:性器や肛門、脇の下などに柔らかいイボができる
梅毒性アンギーナ:喉や扁桃が赤く腫れる
その他、脱毛・口内炎・全身リンパの腫れ・熱・食欲減退・関節の痛み など
3期:感染してから約3年以上経過後
ゴム種と呼ばれる、弾力性の潰瘍が皮膚、内臓に広がります。
この潰瘍により臓器が圧迫されて壊されます。他に血管が炎症を発症します。
4期:末期症状
各器官に異常が現れます。視覚や聴覚に影響が及び、目が見えない・難聴となることもあります。脳や脊髄にまで腫瘍ができて、認知症・言語障害などが現れます。
梅毒を疑う場合は早めに病院へ
梅毒は「症状が出ては消え、数ヶ月にまた出る」というように進行するので、少しでもおかしいと感じたら、すぐに受診しましょう。
治療を受けないと、失明したり、神経が侵されて体に麻痺を起こしたりする恐れがあります。
心臓疾患や脳疾患を起こすリスクも高いです。
何科に行けばいい?
女性の場合は「皮膚科」または「婦人科」、男性の場合は「皮膚科」または「泌尿器科」に相談しましょう。
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梅毒の治療法
病院で抗生物質の投与で治療可能です。
治療期間は?
病気の進行度によりますが、2~8週間ほど薬を服用して治療します。
梅毒の放置はNG!
中枢神経に感染が広がると、神経梅毒になり、記憶障害が脳卒中などを起こす可能性もあります。悪化すると入院の必要が出てきます。
また、パートナーにうつしてしまうと、双方の治療が必要になります。
少しでも心配な症状がある場合は、病院で相談しましょう。
原因3.帯状疱疹
体の中に潜んでいた水痘帯状疱疹ウイルスが、再度活性化することで帯状疱疹が起こります。
水痘帯状疱疹ウイルスは、幼少時より体内にいることが多く、ほとんどの方がウイルスをもっています。そのため、新たな感染にはなりません。
症状の特徴
周りが赤い小さな水疱が帯状にたくさんあらわれます。体の片側でにあらわれることが多く、5日程度でかさぶたになります。
通常、水疱はズキンズキンとした強い痛みを伴います。
どうやって治すの?
軽度の場合は自然に治ることもありますが、早めに病院で治療を受けましょう。
早めの受診がその後の痛みなどに影響します。病院では、抗ウイルス薬や鎮痛剤を使用して治療します。
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帯状疱疹ってどんな病気…?
放っておいてもいいの?
帯状疱疹という病気について、分かりやすくまとめました。
発症する原因や初期症状、治療方法についても解説します。
帯状疱疹とは?
帯状疱疹とは、過去に感染した「水ぼうそうのウイルス」が再活性化することが原因で発症する感染症です。
帯状疱疹になると、体の片側に痛みやチクチクとした感覚、かゆみが生じます。
その後そこに、まわりが赤い小さな水ぶくれがたくさんできます。ピリピリとしたしびれを感じることもあります。
帯状疱疹の症状
体の片側のかゆみ
体の片側の発疹・水ぶくれ
発熱
頭痛
※かゆみ・発疹等は、腕・胸・顔に出ることもあります。
症状の経過
帯状疱疹は、「①かゆみや痛み→②発疹→③水ぶくれ」と症状が変化していきます。
① 痛みやかゆみが出る
体の左右どちらか片側に、はじめは皮膚の痛みやかゆみなどの症状があらわれます。
胸から背中など、上半身に症状が出ることが多く、顔や目の周りに発症することも多いです。
② 紅斑・発疹ができる
痛みやかゆみなどの症状がある箇所に、赤い斑点(紅斑)が出てきます。
その後、虫に刺されたような発疹ができます。
発疹は神経に沿って帯状にあらわれ、数日から1周間ほど続きます。
③ 水ぶくれができる
発疹ができた部分にみずぶくれができます。発疹の中央の部分が膿のようになり、ただれたり、潰瘍のようになったりします。
やがて、かさぶたとなり、自然に枯れて剥がれ落ちます。
皮膚の症状は、一般的には1~2周間から1ヶ月ほどで良くなります。色素沈着が残る人もいます。
帯状疱疹の原因
帯状疱疹は、体内に潜んでいる「水痘ウイルス(水ぼうそうのウイルス)」が原因です。
免疫力が低下しているときにウイルスが活動を再開すると、帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹になりやすい人は?
40~50代以上
疲労やストレスがたまっている
睡眠不足
免疫力が低下していると、神経細胞に潜んでいた「水ぼうそうのウイルス」が活性化して、帯状疱疹を発症しやすくなります。
※水ぼうそうに感染した人全員が、帯状疱疹を発症するわけではありません。
帯状疱疹は人にうつるの?
帯状疱疹は、周囲の人に帯状疱疹として感染することはありません。
しかし、過去に感染した水ぼうそうのウイルスが帯状疱疹の原因なので、乳幼児など水ぼうそうにかかったことがない人には、水ぼうそうとして感染することがあります。
帯状疱疹かもと思ったら…
時間をかければ自然治癒しますが、早めにウイルスや痛みを抑えるのがよいため、帯状疱疹の疑いがあったら、皮膚科にいくのがよいでしょう。
病院で処方される抗ウイルス剤を飲めば、自然治癒を待つより早い回復が期待できます。
また、免疫力が低下している状態です。まずは安静にして、食事をしっかりとりましょう。
お家では、お風呂に入ったりホットタオルをあてたりして、体を温めて痛みを和らげましょう。帯状疱疹による痛みは、血行が悪いと強く感じます。
治療内容
抗ウイルス剤の点滴や内服を行います。痛みに対しては鎮痛薬を使用することもあります。水疱には軟膏を塗ります。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
この斑点、自然に治る?
ジベルばら色粃糠疹は、約1~2ヵ月、軽度の帯状疱疹による水疱は、約2~3週間で自然に治ります。
しかし、これらの病気と他の病気を、患者さん自身で判断することは難しいです。自己判断せずに、症状があるときは、病院で診てもらいましょう。
放置NG!悪化すると…こんなことに!
かゆくないからといって、お腹の赤い斑点を放っておくのはやめましょう。
「ジベルばら色粃糠疹」を治らないまま放置すると…
妊娠中に発症すると、早産や死産のリスクが高くなります。
「梅毒」を放置すると…
パートナーにうつしてしまうと、双方の治療が必要になります。さらに、中枢神経が感染することで、神経梅毒になり、記憶障害が脳卒中などを起こす可能性もあります。
悪化すると入院の必要が出てきます。
「帯状疱疹」を放置すると…
痛みが続き、日常生活に支障が出ます。症状によっては、入院治療が必要になこともあります。
少しでも心配な症状がある場合は、病院で相談しましょう。何科に行けばよいか迷う場合は、皮膚科を受診しましょう。
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2021-03-26
「太ももに赤い斑点ができた…」
「かゆくないけど、これって大丈夫なの?」
太もものかゆくない、赤い斑点に関する疑問などを、お医者さんに聞きました。
自分でできる対処法や早期に医療機関で治療を受けるメリットも解説していきます。
なにこれ?太ももにできた「かゆくない赤い斑点」
太ももにあらわれる「かゆくない赤い斑点」は
薬疹
IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)
の可能性があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
原因① 薬疹
ある特定の薬に対するアレルギー反応として、赤い斑点が生じます。
薬疹の場合、太もも以外の全身にも出ます。
薬疹の斑点の特徴
赤い部分が盛り上がっている
形と大きさはさまざまで、通常左右対称にできる
体の一部に現れ、少しずつ広がっていく
皮膚の色が紫色・青色・灰色に変色する
薬を使用してから数分以内に赤い斑点が生じる場合もあれば、数時間・数日・数週間後に生じる場合もある
なりやすい人
アレルギー体質の人
薬疹を起こしやすい薬を使用している人
斑点以外の症状はある?
痛みを伴う
倦怠感がある
口の中がただれている
発熱する
リンパ節が腫れる
肝臓・腎臓・骨髄などに障害がある
血圧が低下する
ショックを起こす
太もも以外にも斑点はできる?
太もも以外にも、全身の皮膚・口の中・目に現れます。
口の粘膜に異常がある場合、症状はひどくなり命に関わることがあります。
自分でできる対処法は?
まずは、原因と思われる薬の使用を中止してください。
その後、自己判断で対処するのではなく、皮膚科など医療機関を受診しましょう。
原因となっている薬を特定するために、使用中の薬やおくすり手帳を持って行きましょう。
使用している市販薬があれば、その旨を医師に伝えてください。
医療機関での治療方法
医療機関では原因のものを除去する指導を行い、その上で、症状に応じてステロイドや抗ヒスタミンの薬物療法を行います。
軽度であれば、2週間ほどで治ることが多いです。
原因② IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)
詳しい原因はわかっていませんが「IgA※」という抗体が、血管の壁に付着し、皮膚の細い血管で炎症を引き起こすことで、太ももに赤い斑点ができます。
※IgA 体にウイルス・細菌などの異物が侵入したときに作られる抗体
IgA血管炎の斑点の特徴
あざのように赤い
斑点を触るとしこりがあり、押すと痛む
蕁麻疹が1つにまとまったような赤い斑点ができる
数日~数週間経つと、皮膚に新しい斑点や盛り上がりができる
なりやすい人
3~15歳の子ども
がん患者
感染症にかかっている人
薬を使用している人
妊婦
悪性腫瘍、細菌・ウイルスの感染、薬剤、妊娠などが誘因となることから、がん患者や感染症にかかっている人、妊婦はかかりやすい傾向にあります。
斑点以外の症状はある?
発熱する
足首・膝・腰・手首・肘などの関節が腫れる
足首・膝・腰・手首・肘などの関節がうずくように痛む
足首・膝・腰・手首・肘などの関節を押すと痛い
筋肉のけいれんを伴う腹痛がある
お腹を押すと痛い
吐き気、嘔吐
タール状の黒い便がでる。(黒色便)
下痢をする
便や尿に血液が混じる
太もも以外にも斑点はできる?
太もも以外にも、足・腕・体幹に現れます。
自分でできる対処法は?
症状は通常4週間程度でおさまりますが、数週間後に再発するケースが多いです。
再発予防のためにも、自己判断で対処するのではなく、速やかに医療機関を受診しましょう。
医療機関での治療方法
薬によって起こっている場合は、薬の中止を行います。
そのほかは、症状に対しての対症療法を行います。
治療には、1ヶ月ほどかかることが多いです。
医療機関に行く目安
赤い斑点が広がっている場合や「薬疹」、「IgA血管炎」のような症状が見られる場合は、できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。
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原因がわからない「赤い斑点」は早期受診を!
紹介した病気の他にも「血管炎」「横紋筋融解」など、血管疾患が原因で太ももに赤い斑点ができることもあります。
早期に医療機関で検査を受けることで、赤い斑点が悪化する前に適切に治療していくことが可能になります。
斑点ができる部位によっては、放置すると命にかかわることもあるので、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。
◆血管炎…全身のさまざまな血管に炎症が起きる病気です。原因不明のケースもあれば細菌・ウイルス感染が原因の場合もあります。
◆横紋筋融解…筋肉を作る骨格筋細胞が溶けたり壊死したりすることで、筋肉の成分が血液中に流出してしまう病気です。薬・ケガなどが原因と言われています。
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▼参考
MSDマニュアル家庭版 薬疹
MSDマニュアル家庭版 IgA血管炎
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2020-11-19
「足に赤い斑点ができた…」
「かゆくないけど、これって大丈夫なの?」
自然に治る?病院に行くべき?
足にできたかゆくない赤い斑点について、お医者さんに聞きました。
対処法と病院に行く目安も解説します。
かゆくない足の赤い斑点…考えられる原因5つ
かゆくない赤い斑点が足に出ているときには、主に
単純性紫斑病
湿疹
薬疹
IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)
帯状疱疹
など、5つの原因の可能性が考えられます。
足の赤い斑点の原因① 単純性紫斑病
単純性紫斑病は、皮膚の毛細血管が破れて血液が漏れ出し、皮膚に紫色や赤色の斑点が現れる状態です。20代以降の女性におこりやすいです。
単純性紫斑病は何かの病気によるものではなく、毛細血管がもろくなることで血液が漏れ出して起こるものである場合が多いです。
そのため、高齢になると自然に起こる変化のひとつと捉えられることもあります。
何かにぶつける、などの刺激がないのに「あざ」ができているような状態になるのが特徴です。
通常であれば、数日で消えることが多いです。
斑点の特徴
紫色~赤色
盛り上がりがなく平坦
あざのように見える
指で押しても斑点の色が薄くならない
【見分け方】こんな症状が出ていたら薬疹かも
特になし
発熱、倦怠感、痛みなどの全身的な症状は通常ありません。
なりやすい人
高齢者
長時間立ち仕事をする人
皮膚が薄い人
足や手に繰り返し圧力がかかることで毛細血管が破れやすくなるため、長時間立ち仕事をする場合に起こりやすいです。
また、皮膚が薄い人は外的刺激に敏感になりやすいため、血管が破れやすくなります。
足の赤い斑点の原因② 湿疹
皮膚のバリア機能が低下し、外的刺激やアレルギー反応などよって皮膚に炎症が起こっている状態です。
湿疹はかゆみを伴うことがありますが、初期段階や軽度の場合にはかゆみがなく斑点だけが見られることがあります。
湿疹は、主に
アレルギー性反応
洗剤や香料など刺激性の物質(外部刺激)
皮膚の乾燥
ストレスやホルモンバランスの乱れなど(体内要因)
によっておこることが多いです。
斑点の特徴
盛り上がりがなく平坦
進行すると赤い斑点が融合して大きく不規則な形状になる
表面が乾燥していることが多く、触るとザラザラしている
発疹の範囲が徐々に広がる場合がある
【見分け方】こんな症状が出ていたら薬疹かも
皮膚の乾燥感
ヒリヒリ感や軽い痛み(かゆみはない)
皮膚の薄皮が剥がれる(皮むけ)
なりやすい人
乾燥肌の人
足が蒸れやすい人
アレルギー体質の人
免疫力が低下している人(疲れが溜まっている人)
湿疹は肌のバリア機能が低下しているときにおきやすいため、乾燥肌の人や風邪気味の人などにも出やすいと考えられます。
また、ストレスが多いと免疫力が低下するため、ストレスを感じやすい人や疲労が溜まっている人も注意が必要です。
足の赤い斑点の原因③ 薬疹
薬疹とは、薬剤に対するアレルギー反応で皮膚に発疹が出ている状態です。
薬を使用して数分以内に症状があらわれるケースもあれば、数時間・数日・数週間後にあらわれるケースもあります。
主に
薬に対するアレルギー反応
薬の副作用
長期間の摂取による薬剤の蓄積
少量の薬剤でも過剰状態(不耐性)
本来の薬理作用と異なる効果(特異体質)
などによって発疹が出ている状態です。
斑点の特徴
赤い発疹が盛り上がっている(膨疹)
皮膚が紫色・青色・灰色に変色することもある
【見分け方】こんな症状が出ていたら薬疹かも
倦怠感
痛みがある
口の中がただれる
熱が出る
リンパ節が腫れる
肝臓、腎臓、骨髄などの他臓器障害がある
血圧が低下する
なりやすい人
アレルギー体質の人
新しい薬を服用した人
薬疹は薬に対するアレルギー反応や副作用が出ている状態です。そのため、新しい薬を服用した後に発疹が出た場合は注意が必要。
早めにアレルギー反応を起こしている薬を特定する必要があるため、すみやかに薬を処方してもらった病院を受診しましょう。
足の赤い斑点の原因④ IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)
IgA血管炎とは血管に炎症が引き起こる「血管炎」の一種で、体の中の小さな血管が炎症を起こして、皮膚や体の他の部分に症状が出る病気。
主に風邪を引いた後などに起こることが多いのが特徴です。
風邪などの感染症がきっかけとなることが多く、免疫系が病原体と間違えて自分の血管を攻撃してしまうことが原因だと考えられています。
主に感染症の発症から1~2週間以内に現れることが多いです。
斑点の特徴
盛り上がりがない~やや硬い触感の斑点
赤紫色
指で押しても斑点の色が薄くならない
足に集中して出現した後、上半身や腕にも広がる場合がある
斑点を触ると、軽いしこりのようなものがある場合があります。
内出血が原因で現れる斑点のため、指で押しても斑点の色が薄くならないのが特徴。色も内出血のような赤紫色をしていることが多いです。
【見分け方】こんな症状が出ていたら薬疹かも
関節痛
腹痛や吐き気
全身の倦怠感
微熱
風邪のような症状をともなう場合が多いです。
なりやすい人
子ども(特に4歳~10歳)
免疫力が低下している人
遺伝的素因がある人
IgA血管炎は小児に多く見られるのも大きな特徴のひとつ。風邪やウイルス感染後に発症するケースが多いです。
これは免疫系が未熟で過剰反応を起こしやすいため。
同様に、成人の場合でもストレスや慢性疾患などによって免疫バランスが崩れていると発症しやすくなります。
足の赤い斑点の原因⑤ 帯状疱疹(初期段階)
帯状疱疹は、水ぼうそうを引き起こす「水痘帯状疱疹ウイルス」が原因の病気です。
症状が進行するとかゆみが出ることもありますが、初期段階ではチクチクとした痛みを伴うことがあります。
帯状疱疹の原因となるウイルスは、水ぼうそうのウイルスと同じです。
このウイルスは水ぼうそうの治癒後も神経節に潜伏しているため、普段は特に何もなくても、免疫力の低下などのきっかけで再活性化し、皮膚に症状を引き起こします。
これが帯状疱疹です。
帯状疱疹は水ぶくれや赤みの症状が出るのが一般的ですが、初期段階ではかゆみなどもなく、斑点だけが出ている状態になることもあります。
斑点の特徴
赤い点状の発疹
神経に沿って帯状に現れる
体の片側だけに現れる
赤い斑点が現れた後、進行すると水ぶくれができます。
【見分け方】こんな症状が出ていたら薬疹かも
神経痛
発熱
倦怠感
リンパ節の腫れ
なりやすい人
50歳以上の人
過労やストレスが溜まっている人
糖尿病や慢性疾患を持つ人
帯状疱疹は免疫力の低下が原因となってウイルスが活性化することで起こります。
そのため、免疫力が低下しだす50歳以上の人や、過労やストレスが溜まっている人は発症しやすくなります。
市販薬のおすすめ
赤い斑点の原因が何によるものかにもよりますが、
ステロイド外用薬
抗ヒスタミン剤入りの軟膏
などは役立つ場合があります。
もちろん、市販薬はあくまで応急処置です。
病院でしっかりと原因を究明してその症状にあった薬を使用することが重要ですので、早めに病院を受診するようにしましょう。
ステロイド外用薬の例
オイラックスA
メンソレータムADクリーム
フルコートf
など
おすすめの症状
湿疹や皮膚炎 など
ステロイドは炎症を鎮める効果があります。
赤い斑点が湿疹や軽い皮膚炎の場合、炎症が抑えられることで症状の一時的な抑制に役立つでしょう。
抗ヒスタミン剤入りの軟膏の例
フタアミンhiクリーム
ウナコーワクール
ムヒ
など
おすすめの症状
薬疹や軽いアレルギー など
抗ヒスタミン剤入りの軟膏とは、アレルギー反応によるかゆみを抑えるもののこと。
かゆみがない場合でも炎症の元となる物質を抑えるため、症状が悪化しにくくなります。
病院は何科?
まずは、皮膚科を受診しましょう。
皮膚科は皮膚に関する病気や症状の診断と治療を専門とする科であり、赤い斑点や湿疹、アレルギー反応、感染症など、皮膚に現れるさまざまな症状に対応できます。
赤い斑点がかゆくない場合でも、皮膚に現れる症状には多くの原因があるため、専門的な知識を持つ皮膚科医による診断が必要です。
皮膚科では、場合によっては必要な検査を行い、しっかりと原因の診断をしてもらえます。
病院に行く目安
症状が改善せずに進行する場合や、悪化してきた場合は、すみやかに受診することをおすすめします。
斑点が1週間以上消えない
斑点が痛くなってきた
斑点が広がったり、変色してきた
発熱、腫れなどが現れた
場合は、早めに病院を受診しましょう。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。