自分でできる“妊活”の一つとして「温活」があります。
オススメのグッズやサプリメントを管理栄養士に聞きました。
体の冷えを自覚している方は、体を温めましょう。
監修者
経歴
株式会社Luce代表/健康検定協会理事長、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。
温活が妊活にイイって本当?
冷えがなくなると月経不順やホルモンバランスの乱れなどが整う傾向があるため、温活(体を温める)は妊娠しやすい体作りにおすすめだといわれています。
ただし、温めたからといって、必ず妊娠するということではありません。
妊娠しやすい体を作るためには、排卵を促す「ホルモンバランスが整っていること」「月経が定期的に来ること」というのも重要です。
教えて!「温活の方法」
妊活している方にオススメの温活方法として
- 食生活を改善する
- 入浴方法を見直す
- 適度な運動
などがあります。
その① 食生活を改善する
味噌汁に生姜を絞って食べる、紅茶にシナモンを入れるなどすると体が温まります。
冷たいものや体を冷やすものを無意識にたくさんとっていると、冷えにつながります。
体を温まるものをセレクトして食べましょう。
体を温める食べ物
- 発酵食品(味噌、キムチ、納豆、甘酒、ヨーグルトなど)
- シナモン
- 生姜(乾燥または加熱したもの)
- 胡椒
- ココア
- 温かい紅茶など
体を冷やす食べ物
- きゅうり
- なす
- トマト
- キャベツ
- レタス
- 白砂糖など
その② 入浴方法を見直す
入浴は体を温め、新陳代謝アップにおすすめです。
40〜42度(季節に調整)程度のお湯にトータル10分くらい浸かりましょう。
熱いお湯に数分だけ浸かるだけでは、実は体は温まりません。
最低でも10分はお湯に浸かってください。
その③ 適度な運動
体がポカポカする程度のジョギング・ウォーキング・ストレッチを行ってください。
運動不足は冷えを招くので、適度に体を動かす習慣をつけましょう。
「やりすぎは逆効果」体を冷やす習慣
白湯の飲み過ぎは控えましょう。
水分を大量に摂取すると体を冷やしてしまいます。
目安として、一度にコップ2杯以上の白湯を一気に飲むのは控えましょう。
1回にコップ1杯(200ml弱)をゆっくり飲むのがよいでしょう。
白湯を飲むときは数回に分け、生姜やシナモンを入れると体が温まりやすくなります。
温活にオススメのグッズは?
- カイロ
- 腹巻
- マフラー
- レッグウォーマー
- ルームシューズ
座り作業が続くときは、下腹部・腰回りなどにカイロや腹巻をつけ、体を温めましょう。
カイロは、腹部・腰・肩甲骨回りなどにつけると、冷えが改善されます。
ただし、直接皮膚にあたらないよう気をつけてください。
マフラーやレッグウォーマーなどを使って、首回り・手首・足首を温めるのもおすすめです。
温活にオススメのサプリは?
サプリを使う場合、生姜・なつめ・陳皮など体を温める成分が配合されているものを選びましょう。治療中の方は、医師に確認してから摂ってください。
サプリメントには合う・合わないの個人差があります。自分に合うものを見つけるといいですね。
使ってもよい市販のサプリ
- 濃縮金時ショウガ・濃縮黒酢(DHC)
- 冷えケア(FANCL)
ただし、持病がある、薬を飲んでいるという方は必ず主治医に確認の上、サプリを活用しましょう。
体温を上げて妊娠しやすい体を作ろう
体温を上げることは、健康や美容への効果をはじめ、妊娠しやすい体作りにもつながります。体の冷えを自覚している場合は、積極的に温活を取り入れてみましょう。
「なかなか妊娠しない」とお悩みの方は、婦人科で相談を
まずは、排卵をしていないと妊娠しません。また、パートナー側の体に原因があると、妊娠が難しくなる可能性もあります。
温活はあくまでもご自身でできるケアなので、医療機関での診察や治療前の補助的体質改善だと考えてください。
数ヶ月、体を温めても妊娠しない場合は、妊娠可能な状態かを婦人科に相談・確認してみましょう。
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合わせて読みたい
2021-03-05
「不妊治療って、いつから始めればいいんだろう…」
お医者さんに、不妊治療を開始するタイミングを聞きました。
治療方法や通院の頻度についても解説していきます。
※2022年4月から不妊治療の標準治療が保険適応になりました。
本文は不妊治療が保険適応以前の記事です。
不妊治療はいつから始めるべき?
不妊治療を受けるべきか迷っています…。
どのくらい妊娠しなかったら受けたらいいでしょうか?
定期的な性交渉を行っても3か月以上妊娠しない場合は、一度病院で相談してみることをおすすめします。
まだ若いけど…不妊治療を受けた方がいい?
20代でも、不妊治療を受けた方がいいのでしょうか?
望んでいてもなかなか妊娠しない場合は、早期治療をおすすめします。
一般的に、不妊治療によって妊娠する確率は20代が一番高く、30代・40代と年齢を重ねるごとに確率は低くなっていきます。
産後・二人目の場合は?
性交渉を3ヶ月程度続けても妊娠しない場合は、一度検査をお勧めします。
産後の2回目の生理以降から、妊娠するように性交渉を行ってください。
流産の後は?
生理再開後に治療を開始できます。
体の調子や精神が落ち着いてから行いましょう。
初診のタイミングは?
不妊治療の初診は、生理周期のどのタイミングで行くべきでしょうか?
特にいつがいいという時期はありません。
あなたの心の準備が整ったタイミングで受診してください。
生理中は避けた方がいい?
生理中は受診を避けた方がよろしいのでしょうか?
生理中でも生理後でも構いません。初診時はカウンセリングと治療や検査のスケジュールを立てていきます。
不妊治療は予約制をとっていることが多いので、電話やネットで確認・ご予約してから行きましょう。
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どんな検査を受けるの?
不妊治療では、まず問診で「生理周期」や「性交渉の頻度」などを確認します。
その後、必要に応じて「超音波検査」「エコー検査」「血液検査」等を行い、患者さんに合わせた治療法を提案します。
治療方法は?
不妊治療には
タイミング法
人工授精
体外受精
顕微鏡受精
薬物療法(男性)
手術療法(精索静脈瘤に対する結紮術や閉塞性無精子症に対する精路再建術)(男性)
などがあります。
タイミング法
排卵のタイミングを病院で確認し、妊娠確率が高い日に性交渉を行うように指導します。
人工授精
採取した精子を人工的に女性側の体内に入れる方法です。
体外受精
事前に採取した卵子と精子を体外で受精させ、子宮に戻す方法です。
顕微鏡受精
体外受精の一つで、卵子に注射針等で精子を注入させるなど人工的に受精させます。
その後、受精卵を子宮に戻し、妊娠を目指します。
薬物療法(男性)
海馬補腎丸や補中益気湯などの漢方薬の服薬を行います。
精索静脈瘤に対する結紮術や精路再建術(男性)
精索静脈瘤に対する結紮術は、精巣やその上の精索部に静脈の拡張がある場合に、腹部横切開をして精巣静脈の血管をしばって血行を止める方法。
精路再建術は精管閉塞部を手術用顕微鏡を使用して再吻合する手術です。
治療法によっては、保険適用のものや助成金がもらえるものもあります。
通院の頻度は?
不妊治療の通院回数は、その人に必要な検査や治療によっても異なりますが、平均して月2回程度は受診が必要になると考えておいてください。
年齢や体調、仕事の状況によって、通院回数や治療期間は変わってきます。
通院頻度を含む不安なことは、初診時にお医者さんに聞いてみてください。
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▼参考
厚生労働省 不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック
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2020-10-09
不妊治療の初診、なんて言えばいいんだろう…。
お医者さんに、初めて不妊治療を受けるときのポイントを聞きました。
「初診を受けるタイミングは?」
「夫婦で行くべき?」
事前の準備や費用も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
※2022年4月から不妊治療の標準治療が保険適応になりました。
本文は不妊治療が保険適応以前の記事です。
初診では、なんて言えばいい?
生理周期
生理の状態(最後の生理があったのはいつか、初潮年齢、月経日数)
について、伝えられるようにしておくとよいでしょう。
また、
妊娠・出産経験の有無(流産・中絶経験も)
他の病院に通院しているかどうか(持病など)
医療機関や自身の妊娠などについて要望があれば伝える
以上の項目は、必要な場合が多いので、メモして持参するようにしましょう。
また、不妊治療の初診では「問診票」を記入することが多いので、そちらに伝えたいことがあれば記入してもよいでしょう。
基礎体温表をつけている人は、持参して医師に見せましょう。
不妊治療の初診の流れ
初診では、最初に必要な書類や持参書類(基礎体温表など)があれば提出してください。それから問診票の記入・医師の問診・検査という流れになります。
①問診
基礎体温表や他院でのデータがあれば確認します。
また、体調確認やカウンセリングを行います。自身の妊娠などについて要望があれば伝えましょう。
②内診検査
内診にて、感染症やガンの検査を行います。
③超音波エコー
超音波エコーにて子宮や卵巣の状態を確認します。
④各種検査
血液検査・尿検査などを行います。
⑤治療方針の提案など
検査結果を受けて、医師から治療方針の提案などを受けます。
※検査内容は前後します。
※他にも検査が必要となることもあります。
予約のしかた
ほとんどの場合、予約が必要です。
電話かネットで予約しましょう。
不妊治療は、カウンセリングや問診など、医師やスタッフと話をする時間が必要となります。そのため、予約制としている医療機関がほとんどです。
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初診を受けるタイミングは?
不妊治療の初診は、どのタイミングで行くべきでしょうか?
生理前・生理後どちらがいいとかありますか?
特にいつでなければいけないという決まりはありません。
ただし、生理中は避けたほうがよいケースもあります。
受診タイミングは、ご自身の気持ちが決まり、予約が取れればいつでも構いません。
ただし、生理中だとできない検査項目がある場合もあります。その場合は、後日再検査になります。また、体調的にも生理中で無い方が落ち着く場合は、生理日以外に受診すると良いでしょう。
夫婦で行くべき?
特に“夫婦揃って行くべき“という決まりはありません。
予定が合えば、お二人で来院されるとよいでしょう。
初診の費用は?
一般的に、初診にかかる費用は5000円~20000円程が多いです。
検査項目によっても異なります。
病院によって差があるので、事前に電話等で問い合わせておくといいでしょう。
クレジットカードが使える医療機関も増えています。各クリニック・病院のHPをご参照ください。
また現在、不妊治療に対して、公的医療保険を適用する方向性で話が進んでいます。
初診当日までの準備
事前の準備
基礎体温をつけておくことも大切です。
基礎体温表に記入したり、アプリで管理するなどして、医師に伝えられるようにしておくと便利です。
事前にWEB上での問診票の記入が必要なケースもありますので、WEBサイト等で確認しましょう。
当日の準備
着脱しやすい服・下着・靴で行くのがおすすめです。
診察を受け、内診も行う可能性があります。
下半身は、下着が脱ぎやすいスカートなどがおすすめです。
当日の持ち物
健康保険証
ご夫婦で診察を受ける場合は、お二人の保険証を用意していきましょう。お二人の保険証の名字が異なる場合は、戸籍謄本などが必要な病院もあります。事前に問い合わせておきましょう。
基礎体温表
測定している場合は、持参しましょう。排卵日を特定するというよりも、排卵確認、黄体ホルモンの働きなどを確認するのに活用することがあります。
紹介状、血液検査データ、お薬手帳など(もしあれば)
過去の治療歴・検査結果とうの確認に使用します。
参考
公益社団法人日本産婦人科学会 不妊症