医師監修|マスクをすると鼻水が出る…原因はアレルギー?鼻炎?対策も

更新日:2024-11-13 | 公開日:2024-11-13
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医師監修|マスクをすると鼻水が出る…原因はアレルギー?鼻炎?対策も

風邪ではないのに、マスクをすると鼻水が出る…
マスクの中で鼻がツーっと垂れてくる…
マスクをした途端に鼻がずるずるして困る…

マスクをすると鼻水が出るのは、体の防御反応かもしれません。

医師が詳しく解説します。

監修者
中路 幸之助 先生

医療法人愛晋会中江病院
内視鏡治療センター

中路 幸之助先生

経歴

1991年に兵庫医科大学を卒業後、兵庫医科大学、獨協医科大学を経て、1998年医療法人協和会に所属。2003年から現在まで、医療法人愛晋会中江病院の内視鏡治療センターで臨床に従事している。

専門分野はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。

学会活動や論文執筆も積極的に行っており、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員、日本消化管学会代議員・近畿支部幹事、日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医・代議員を務めているほか、米国内科学会(ACP)の上席会員(Fellow)でもある。

「マスクをした時に鼻水が出る」のは湿気や温度差の影響

特に風邪の症状ではないのにマスクをした時に鼻水が出るのは、主に

  • 湿度の増加
  • 鼻や口周りの温度差

が影響していると考えられます。

医師男性
これは風邪やウイルス性のものとは関係なく起こる、体の生理反応のひとつです。

外でマスクをすると、一気に口の中に湿気がこもることはありませんか?

その湿気が鼻水の原因かもしれません。

湿度の増加

医師男性
マスク内で呼吸すると水蒸気がこもり、マスクの中の湿度が上がります。この湿気が鼻腔内に入ると粘膜が刺激され、余分な湿気を排出しようとして鼻水が増えます。

鼻の粘膜は異常な環境変化や刺激から体を守るため、防御反応を示します。

鼻腔内の粘膜が湿気で潤いすぎてしまうことで体が湿度のバランスを保とうとし、余分な湿気を鼻水で排出しようとするのです。

鼻や口周りの温度差

医師男性
マスクをしていると鼻や口周りの温度が上がります。特に冬はマスクをする前とマスクの中とでは温度差があるため、その温度差が鼻腔内の血管や粘膜に影響し、鼻水を増やすと考えられます。

特に冬は、マスクをしていない状態では冷たい外気にさらされていることで鼻腔内の血管が収縮しています。

そこでマスクをすることで急激に温度が上昇し、血管が拡張。この血管の収縮と拡張の変化が鼻腔内の神経を刺激し、鼻水の原因となります。

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寒い時は鼻水が出やすい

医師男性
特に寒い環境ではマスクの中と外の温度差が大きくなったり、冷たい空気が鼻の粘膜を刺激したりすることで、さらに鼻水が増えることがあります。

寒い環境下では、体は冷たい空気を温めるために鼻腔内の血流を増加させます。その過程で鼻腔内の分泌が促進されて、鼻水が出やすくなることがあります。

また、鼻の神経が冷たい空気に敏感に反応する「寒冷性鼻炎」が起こることも。

寒冷性鼻炎とは、冷たい空気によって鼻の粘膜が刺激され、乾燥や刺激から守ろうと鼻水を分泌して鼻腔内を潤す防御反応のことです。

マスクをしていると外気との急激な温度差があるため、寒冷性鼻炎の反応が促進されることがあります。

「不織布マスク」はさらに鼻水が出やすくなる!?

医師男性
不織布マスクは布マスクなどと比べ通気性が限られているため、マスク内の湿度が上昇しやすいです。そのため、鼻水が分泌されやすくなることがあります。

不織布マスクをした時、マスクの内がこもり、マスクの内側に水滴がついていた経験はありませんか?これは不織布マスクの通気性が悪いため。

逆に言えば密閉性は高いのですが、その分冷たい外気との温度差が高くなり、鼻水が出やすくなると考えられます。

マスク自体がアレルギーの原因になっている可能性も

なかには、マスクに使われている素材に含まれる微細な繊維や化学物質によって、アレルギー反応を起こしている場合もあります。

医師男性
特定のマスクをした時にだけ鼻水が出る、寒くない室内でも鼻水が出るという場合には、一度病院でアレルギー検査を受けてみるのもおすすめです。

例えばポリエステル製のマスクや、特定の防腐剤が含まれているマスクなどはアレルギーを引き起こすケースが多いです。このようなマスクを使用した時にだけ鼻水が増加したりする場合はアレルギーの可能性も考えられます。

まずは布製のマスクなど、違う素材のマスクを試してみましょう。着用前に素材や成分を確認して自分に合うマスクを見つけることも大切です。

【対処法】マスクの中で鼻水が出なくなるようにするには?

温度差や湿度が原因の鼻水への対処法は、

  • ティッシュやガーゼなどを挟む
  • 時々マスクの中を換気する
  • 鼻周りに保湿クリームを塗る
  • 通気性のいいマスクを選ぶ

などがいいでしょう。

ティッシュやガーゼなどを挟む

マスクの内側に薄いティッシュやガーゼを挟むことでマスク内の湿気を吸収し、蒸れを軽減できます。これにより鼻水の原因となるマスク内の過剰な湿気を減らすことができます。

時々マスクの中を換気する

長時間マスクを着けているとどうしても湿気がこもるため、時々マスクを口から浮かせて換気するのもおすすめです。湿度を下げることで鼻腔内の刺激を抑えられ、鼻水を防ぐことに繋がります。

鼻周りに保湿クリームを塗る

特に冬場はマスクの摩擦や湿気などで鼻周りが乾燥します。鼻腔内が乾燥することでも防御反応として鼻水が出やすくなるため、しっかり鼻周りを保湿することも大切です。

保湿クリームを鼻の下に軽く塗ると粘膜を保護できるため、乾燥による刺激を防ぐことに繋がりますよ。

通気性のいいマスクを選ぶ

マスクの中でも、なるべく通気性のいいマスクを選ぶようにしましょう。きつすぎず、適度に口周りにゆとりがあるものなどが望ましいです。マスク内の湿気を減らすことで、鼻水の予防に役立ちます。

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