「女性の痛風って、何か特徴はあるの?」
「男性に多い病気なのに、どうして女性も発症するの?」
お医者さんに、女性が発症する痛風について詳しく聞きました。
足の親指あたりに違和感があらわれていたら、要注意です。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
女性の痛風の特徴は?どんな痛み?
女性の痛風は、更年期に起こりやすいという特徴があります。
これは、女性ホルモンの分泌量の低下が関係しています。
男性に比べ、極端に女性の痛風患者が少ないのは、女性ホルモンが過剰な尿酸を排出してくれているからです。
しかし、なんらかの原因(更年期など)で女性ホルモンが減ると、女性も男性と同じように発症リスクが上昇します。
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2021-07-13
「足の甲が痛い…これって痛風?」
“痛風発作の特徴”をお医者さんに聞きました。
食生活が乱れている、お酒をたくさん飲む、といった方は要注意です。
「何科で受診すべきか」もチェックしましょう。
足の甲が痛いのは「痛風のサイン?」
痛風が原因で、足の甲が痛むこともよくあります。
痛風は、血液中の老廃物の1つである「尿酸」が原因の症状です。
尿酸が多くなり、足の甲に尿酸の結晶が溜まると、痛風の痛みが引き起こされます。
痛風って、どんな痛みなの?
痛風発作は、前日まで自覚症状がない場合が多く、突然痛みが出ます。
「風に吹かれただけでも痛む」と言われるほど、激痛が起こります。
また、発作は夜間に起こりやすい傾向があります。
※まれに、軽く痛む程度で済む場合もあります。
「あれ、痛みが治まった?」しかし油断はNG!
一旦痛みが治っても、根本的に改善したわけではありません。
放置すれば再び痛風発作を起こし、発作の間隔が短くなっていきます。
さらに、尿酸値が高い状態によって、糖尿病や高血圧症などが引き起こされるケースもあります。これらの病気は健康に悪影響を与えるため、早めの治療によって発症を防ぐことが大切です。
こんな心当たりがあれば、要注意!
患部の腫れ、発熱がある
関節(足の親指や足の甲、足首や膝)に痛みがある
尿酸値が高い
痛風を「発症しやすい人」
痛風を発症するほとんどが男性です。
女性ホルモンには尿酸を排泄する働きがあるため、女性で発症する人は少ないです。
また、
食生活の乱れ
お酒の飲みすぎ
水分の摂取不足
激しい運動
肥満
痛風の方が身内にいる
過度のストレス
などに心当たりがある人は、発症リスクが上昇します。
「プリン体が多い食品」ばかり食べていませんか?
食物に含まれる“プリン体”は、体内で尿酸に変わるため、摂りすぎると痛風を引き起こします。
「レバー」「白子」「アジの干物」「カツオ」など、プリン体が多い食べ物には気をつけましょう。
痛風かも…病院は何科?
足の甲の痛みで痛風を疑う場合は、内科を受診しましょう。
痛みの原因が痛風であるかどうか、検査によって調べてもらえます。
痛風で引き起こされる「合併症」
<糖尿病>
血糖値が慢性的に高い状態。
高血糖状態によって血管がダメージを受け、さまざまな合併症を引き起こす。
足の切断や失明など、深刻な状態に陥るケースもある。
<高血圧症>
血圧が慢性的に高い状態。
高血圧状態が続くと、血管が脆くなり、脳梗塞や心筋梗塞といった病気を引き起こす。
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どんな検査を受けるの?
発作が起きた足のレントゲンを撮り、尿酸の結晶がないかを調べます。
また、尿酸値の状態を確認するために血液検査を行います。
どんな治療を受けるの?
痛風の治療では、
薬の処方
生活習慣の見直し
などによって、尿酸値を正常に保つことを目指します。
治療法① 薬の処方
痛風の発作を抑える薬
発作の痛みを和らげる薬
尿酸値を下げる薬
などを処方します。
なお、尿酸値が高くなる大きな要因は「食事」であるため、薬の服用だけでなく、食生活を改める必要もあります。
治療法② 生活習慣の見直し
暴飲暴食を止める
プリン体の多い食材を避ける
飲酒を控える
バランスの良い食事
水分を多く摂る
適度な運動
といった点を心がけるよう、医師が指導します。
野菜や海藻を積極的に摂取して尿をアルカリ性にすると、尿酸が溶けて排出されやすくなります。
また、尿酸を尿で出すためには、こまめな水分補給も欠かさないようにしてください。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
OMRON
痛風発作の痛み方
手や足に突然激しい痛みが起こります。
痛みは一箇所に生じ、複数が一気に痛むということはありません。
また、痛みのある部分が赤く腫れることもあります。
2~3日は歩けないほどの痛みが続き、その後1~2週間で徐々に治まっていきます。
初期症状ってあるの?
しかし、前触れなく突然発作が起こる場合もあります。
痛風に使用できる市販薬
痛風発作の痛みがある場合は、ロキソプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセンが配合された鎮痛剤をおすすめします。
なお、アスピリンが配合された薬は、痛風を悪化させるので服用しないでください。
また、ほかの病気を治療している方は、医師の指導のもと服用してください。
服用しても良い薬 |
服用してはならない薬 |
ロキソニンS、イブA など |
バファリン など |
鎮痛剤は痛みを抑えることしかできません。
痛風を根本的に改善させるには、病医療機関での治療が必要です。
女性の痛風の原因は?
男性と同様、血中の尿酸が高い状態によって痛風は発症します。
血中で溶け切れなかった尿酸が結晶となり、関節炎を引き起こします。
発症リスクを上昇させる原因には、
などが挙げられます。
発症しやすい女性
- 閉経前後(40~50代以上)
- お酒をたくさん飲む
- よく早食い、大食いをする
- 不規則な生活を送っている
といった方は要注意です。
中高年の男性に多かった病気ですが、食生活の変化・生活の男性化に伴い、最近は痛風を発症する女性が増加しています。
「プリン体」に気をつけましょう
“プリン体”は食べ物の旨みに関係する成分です。
プリン体は体内に入ると尿酸に変化するため、尿酸値が高い人は痛風の発症リスクを高めます。
魚卵、レバーなど、プリン体の多い食事には注意が必要です。
※ただしプリン体の8~9割が体内で作られ、食べ物は尿酸を作り出す原因の1~2割ほどです。プリン体の1日の摂取量が400mgを越えないようにしましょう。
私、痛風かも…病院は何科?
痛風が疑われる場合は、内科を受診しましょう。
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痛みが治まっても放置はNG!
痛風が悪化すると慢性化し、発作を繰り返す恐れがあります。
慢性的な痛風は、糖尿病といった病気の発症リスクを高めます。
また、腎臓に悪影響を与えるため、腎障害、腎不全になる恐れもあります。
痛風を自分だけで治すのは難しいです。
痛風発作が治まった場合も、早めに医療機関を受診しましょう。
痛風によって引き起こされるリスク
<痛風結節>
尿酸が過剰になって、結晶化したものが皮下組織に沈着してかたまりとなった状態。
<尿路結石>
腎臓から尿道の間の尿路に結石ができてしまう状態。
<脂質異常症>
生活習慣病の1つで、悪玉コレステロール、中性脂肪が高い、または善玉コレステロールが低い病気。動脈硬化などを引き起こす。
<糖尿病>
インスリンの分泌がない、または十分に分泌されず、血糖値が慢性的に高い病気。
どんな治療を受けるの?
まずは血液検査、尿検査などを行い、痛風の原因となる“尿酸値”や“尿酸の量”を調べます。
痛風と診断した場合、薬の処方や生活習慣の見直しによって、症状の改善を図ります。
検査で尿酸値が7.0mg/dlを超えると、痛風と診断されます。
処方する薬には、鎮痛剤や痛風発作を防ぐ薬(コルヒチン)などがあります。
生活指導では、プリン体の摂取制限や適度な運動、体重の減量などを促し、尿酸値を下げることを目指します。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2022-11-29
最近、不調が続く…。
これって自律神経失調症?
「女性に起こりやすい自律神経失調症の症状」を、お医者さんに聞きました。
セルフチェックリストで、当てはまるものがないか確認しましょう。
症状改善のための、おすすめ習慣も紹介します。
【セルフチェック】女性の自律神経失調症であらわれる症状
▼体の症状
発汗(特に顔や手)
ほてり
動悸・息切れ
頭痛
耳鳴り
手足のしびれ
食欲不振・吐き気
関節痛
便秘
下痢
倦怠感・疲れやすい
睡眠障害
など
▼精神的な症状
イライラしやすい
強い不安感
焦燥感
憂うつ・気分の落ち込み
など
上記の症状に当てはまる場合、自律神経失調症の可能性があります。
ただし、他の病気も考えられるため、自己判断で決めつけるのは危険です。
つらい症状がある場合は、原因を特定するためにも医療機関で診てもらいましょう。
自律神経失調症ってどんな病気?
自律神経失調症とは、「交感神経」と「副交感神経」のバランスが崩れてしまい、心身にさまざまな不調が生じる状態です。
過剰なストレス・疲労・女性ホルモンの乱れ等により、引き起こされると考えられています。
自律神経失調症を発症しやすい人
ストレスや疲労が溜まっている
生活リズムが乱れている
几帳面
完璧主義
感受性が過敏
女性ホルモンが乱れている
など
上記の特徴がある人は、自律神経のバランスが乱れやすいため、発症リスクが上がると考えられています。
また、もともとの体質的に、自律神経失調症の症状があらわれやすい人もいます。
自律神経は女性ホルモンの影響を受けやすい
自律神経系と女性ホルモンは、どちらも脳の「視床下部」という場所が司っています。
指令を出すところが同じなので、互いに影響を受けやすくなります。
女性ホルモンの分泌量が減少すると、脳の視床下部からホルモン分泌量を増加させるように指令が出されます。
こうして視床下部の活動が活性化すると、同じ指令元である自律神経系も一緒に活性化されます。
特に身体活動を高める神経系である「交感神経」が活性化されることで、体に不調が生じやすくなると考えられています。
「更年期」が原因となっているケースも
更年期を迎えると、女性ホルモンの分泌が急激に低下します。
すると、自律神経が乱れやすくなり、自律神経失調症と同じような不調を感じる人もいます。
この症状は、閉経が近づく45~55歳頃の女性に多く見られます。
特に、ほてり・発汗の症状が強く出る場合は、更年期症状の可能性が高くなります。
自律神経失調症は自力で直せる?
自律神経失調症は、症状に応じて専門的な治療が必要なケースがあるため、セルフケアのみで治すことは難しいです。
また、うつ病や甲状腺の病気の可能性も否定できないため、つらい症状があるときは、医療機関を受診しましょう。
こんな症状が続くときは病院へ!
動悸・息切れ
胸が締め付けられるような感覚
脈の乱れ
微熱が続く
夜に眠れない
上記の症状があらわれている場合には、病院の受診をおすすめします。
放置していると、症状が悪化して日常生活に支障をきたす恐れもあります。
また、何らかの病気が隠れていることもあるため、一度病院で医師に相談してみましょう。
こんな病気が隠れていることも
心身症
適応障害
パニック障害
更年期障害
月経前症候群
貧血
バセドウ病
過換気症候群等
上記の病気により、自律神経失調症と似た症状があらわれている可能性もあります。
これらを放置して症状が悪化すると、うつ病等の精神疾患を併発したり、深刻な病気を見逃したりする恐れがあると考えられます。
病院は何科?
受診する診療科は、あらわれている症状に合わせて選ぶことをおすすめします。
以下の表を参考にしてください。
症状
おすすめの診療科
身体面の症状が強く出ている。
内科
精神面の症状が強く出ている。
精神科
身体面・精神面の両方の症状が出ている。
心療内科
特に、ほてり・発汗の症状が強く、年齢が45~55歳頃の人。
婦人科
病院ではどんな治療をするの?
薬物療法
心理療法・精神療法(認知行動療法)
等の治療が行われるケースが多いです。
薬は、症状に応じて、抗不安薬やビタミン剤、漢方薬、ホルモン剤等が使用されます。
快方に向かうまでの期間には個人差があり、1ヶ月程度で改善していく人もいれば、何年も治療を続けているという人もいます。
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症状を和らげたい!おすすめの「5つの習慣」
自律神経失調症の症状を改善するためには、日頃の生活を見直すことも大切です。
普段から以下のことを意識して生活してみましょう。
起床時間と就寝時間を一定にする
6~8時間程度の睡眠時間を確保する
1日3食、主菜・副菜・主食を揃えた食事をとる
週に3~5日程度、有酸素運動を行う
リフレッシュできる時間を作る
① 起床時間と就寝時間を一定にする
まずは、生活リズムを整えることを心がけましょう。
毎日決まった時間に寝て、起きることを習慣にして、夜更かしは控えてください。
規則正しい生活は、自律神経を整えることにつながります。
休みの日も「寝だめ」せず、できるだけ普段と同じ時間に起床するようにしましょう。
食事も毎日決まった時間にとるようにしてください。
② 6~8時間程度の睡眠時間を確保する
睡眠が不足すると、自律神経が乱れやすくなると考えられます。
1日6~8時間を目安に、睡眠時間を確保してください。
「深い眠り」を得るためのポイント
朝起きたらカーテンを開けて、日光を浴びる
昼寝は15時までに30分以内にする
夜は11時(遅くとも12時)までに寝る
夕方以降は「カフェインを含む食品」を控える
夕食は就寝の2~3時間前までに済ませる
飲酒は、就寝の3~4時間前までにする
就寝の2~3時間前に入浴する
就寝前はできるだけパソコン・スマホを触らない
夜は音楽やアロマなどでリラックスする
③ 1日3食、主菜・副菜・主食を揃えた食事をとる
欠食せずに、1日3食、食事をとるようにしてください。
「和定食」をイメージして、主菜・副菜・主食を揃えると、栄養バランスが整いやすくなります。
食生活の改善により、自律神経のバランスが整うと考えられています。
自律神経を整える「おすすめ食品」
ビタミンB6・トリプトファンを多く含む食品は、自律神経を整える作用があると考えられています。
腸内環境を整える作用をもつ乳製品や発酵食品も、自律神経の改善につながるため、おすすめです。
▼ビタミンB6を含む食品
マグロ
カツオ
大豆製品
卵
バナナ
▼トリプトファンを含む食品
大豆製品
乳製品
卵
ナッツ
バナナ
▼腸内環境を整える食品
乳製品
発酵食品(味噌・納豆・キムチ・ヨーグルト)
④ 週に3~5日程度、有酸素運動を行う
週に3~5日を目安に、
ウォーキング
ストレッチ
ヨガ
水泳
サイクリング
等の有酸素運動を習慣にしましょう。
体を動かすことで血流が良くなると、自律神経の乱れの改善につながると考えられます。
また、適度に運動することで心地より疲労感が得られるため、睡眠の質の改善も期待できます。
おすすめ習慣⑤ リフレッシュできる時間を作る
過剰なストレスは交感神経を刺激するため、自律神経の乱れにつながります。
趣味を見つけて没頭する
好きな音楽を楽しむ
ゆっくりお風呂に入る
などで、気分転換できる時間を作りましょう。
また、意識して深呼吸を行うことも有効と考えられています。
特に吐く息は副交感神経の働きを促進するため、リラックスしたいときにおすすめですよ。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 自律神経失調症
一般社団法人 日本臨床内科医会 自律神経失調症
オムロン 更年期にはどうして自律神経失調症のような症状が起こるのですか?