「急に汗をかくようになった女性」は自律神経の乱れに注意。病院は何科?20代・30代に多い病気も。

更新日:2022-12-26 | 公開日:2021-07-07
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「急に汗をかくようになった女性」は自律神経の乱れに注意。病院は何科?20代・30代に多い病気も。

「急に汗をかくようになったのは、なぜ?」

“女性に起こる発汗”について、お医者さんが解説します。
更年期障害甲状腺の病気など、心当たりのある原因がないか確認しましょう。

監修者
岡村 信良 先生

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医

岡村 信良先生

経歴

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック

最近、急に汗をかくようになった…これって大丈夫?

急にたくさん汗をかくようになった気がします。
もしかして病気でしょうか?
女性
医師男性
今まではさほど汗をかくタイプではなかった人が、突然大量に汗をかくようになった場合には要注意です。

自律神経や甲状腺に病気が潜んでいる可能性も考えられます。

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病院に行く目安は?

医師男性
今まででは考えられないほど大量の汗をかく場合は、受診をおすすめします。

また、

  • 一定の場所だけ大量に汗をかく
  • 大量に寝汗をかく
  • 動悸、息切れ
  • 手の震え
  • めまい
  • 喉が渇きやすい

といった症状を伴う場合は、病気の疑いが強くなります。
心当たりがある方は、早めに受診しましょう。

糖尿病など命に関わる病気も考えられるため、放置は危険です。

何科で受診すればいい?

急に汗をかくようになった 女性

急に汗をかくようになった場合は、まず内科を受診してください。

お医者さんに伝えるポイント

  • いつから発汗量が増えたのか
  • 汗をかく場所
  • 大量の発汗以外に不調はないか
  • 体重変化の有無

といった点をできるだけ詳しく伝えることで、診察がスムーズになります。

内科を探す

考えられる2つの原因

医師男性

急に汗をかくのは、

  • 自律神経の乱れ(ストレス、更年期障害、糖尿病など)
  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

といった原因が考えられます。

原因① 自律神経の乱れ(ストレス、更年期障害、糖尿病など)

医師男性
なんらかの原因で自律神経が乱れると、発汗が起こる場合があります。

自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」のバランスによって、発汗や体温の調節を行っています。
「交感神経」は緊張時に優位に機能する神経で、「副交感神経」は安静時に優位に機能する神経です。
自律神経が乱れて交感神経が興奮状態になると、発汗しやすくなります。

こんな症状はありませんか?

  • 汗をかきやすい
  • 動悸
  • 息苦しい
  • 体が熱くなる
  • 寒気
  • 吐き気
  • 頭痛(片頭痛)
  • 肩こり
  • 手足のしびれ
  • 便秘、下痢
  • 喉がつまる感覚
  • イライラしやすい

自律神経が乱れる「原因」

医師男性
  • ストレス
  • 更年期
  • 糖尿病

などの原因が挙げられます。

原因別の「発症メカニズム」

 

<ストレス>
ストレス過多の状態が長期間続くと、副腎からコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌されます。
このホルモンが自律神経に悪影響を与えると、自律神経の乱れが起こり、発汗しやすくなる場合があります。

 

<更年期>
更年期になると、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌量が減少していきます。
その結果、自律神経の働きが乱れて大量に汗をかく場合があります。

 

<糖尿病>
糖尿病により神経障害を併発した場合、自律神経の働きが鈍くなり、大量に汗をかきやすくなることがあります。

こんな人に多いです

医師男性

自律神経の乱れによる発汗は、

  • ストレスを溜めがちな人
  • 睡眠不足の人
  • 運動不足の人
  • 45~55歳の女性

に起こりやすいです。

自分でできる対処法は?

医師男性
栄養バランスの良い食事と、十分な睡眠を心がけましょう。
また、ストレスを溜め込まないようにすることも大切です。

生活習慣を見直しても症状が改善しない場合には、医療機関を受診しましょう。
病気が隠れている可能性があるため、検査が必要です。

病院は何科?

医師男性
自律神経の乱れに心当たりがある場合は、内科を受診してください。

医療機関では、主に薬を使って症状の緩和を図ります。
更年期障害が原因の場合には、不足した女性ホルモンを補充する治療も可能です。

また、薬の処方だけでなく、カウンセリング等を行う心理療法や、マッサージ、ストレッチ等を行う理学療法を行うケースもあります。

病院で処方される薬の例

  • 漢方薬(黄連、芍薬等)
  • 自律神経を調整する薬
  • 抗不安剤
  • ビタミン剤(ビタミンA、B群、C、E)

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原因② 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

医師男性
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて新陳代謝が高まることで、大量に汗をかくようになる場合があります。

こんな症状はありませんか?

  • 汗をかきやすい
  • 動悸
  • 息切れ
  • 頻脈
  • 手、足の震え
  • 甲状腺(首)が腫れる
  • 体温が上がる(微熱)
  • 疲労感
  • 暑がり
  • イライラしやすい
  • 体重減少(食欲はある)

甲状腺機能亢進症の原因

医師男性
免疫機能の異常によって発症すると考えられています。
なお、発症の直接的な原因はわかっていません。

「免疫機能」は本来、外敵から体を守る役割を担っています。
免疫機能に異常が起こると、自身の正常な組織まで排除しようと暴走してしまいます。
甲状腺機能亢進症は、この暴走によって甲状腺ホルモンが過剰に分泌された状態です。

こんな人に多いです

医師男性
甲状腺機能亢進症は、20~40歳代の女性に発症しやすい傾向があります。

自分でできる対処法は?

医師男性
体に無理をかけないように過ごしてください。

甲状腺機能亢進症は、頻脈や不整脈を起こしやすくなるため、心臓に負担をかけないことが大切です。

また、症状がつらいときには医療機関で相談しましょう。
甲状腺の病気と診断された場合、薬の処方などによって症状の緩和を図ってもらえます。

病院は何科?

医師男性
甲状腺機能亢進症は、内科・内分泌内科で治療を受けられます。

病院で受けられる治療

 

<抗甲状腺薬を用いた治療>
薬の服用によって、甲状腺ホルモンの生成を抑える治療です。

 

<放射性カプセルを用いた治療>
ヨウ素131(放射性物質)が入っているカプセルを服用する治療です。(服用回数は1回)
放射性物質と聞くと心配になりますが、放出される放射線量はごく微量のため、発がんリスクはほぼないと考えられています。
※乳幼児や子供は放射能の影響を受けやすいため、服用後は乳幼児や子供との接触を控える必要があります。

 

<外科的療法>
手術により甲状腺を摘出する治療です。
甲状腺が大きい場合、妊娠を希望する場合に検討されます。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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