回転性のめまいの治し方を教えて…!
ぐるぐる目が回るようなめまいの対処法を、お医者さんに聞きました。
「市販薬を使ってもいい?」「体操でよくなるって本当?」
めまいの症状でお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
経歴
平成14年福井医科大学(現福井大学医学部)卒業
岐阜大学高齢科神経内科入局後松波総合病院にて内科研修、
岐阜大学高次救命救急センター出向。
美濃市立美濃病院内科。
東京さくら病院及び同認知症疾患センター勤務の後
令和元年7月かつしかキュアクリニック開業。
「回転性めまい」とは
回転性めまいは、
・目が回る感じ
・頭がぐるぐるする感じ
・目の前にある物や風景がぐるぐる回っているような感じ
といっためまい症状が出現します。
平衡機能(身体のバランスを維持する機能)に何らかの異常が生じた場合に起こるケースが多いと考えられています。
回転性のめまいが起きたら、どう対処する?
回転性のめまいが起きたときは、まず次の5つの対処しましょう。
- 慌てずに、気持ちを落ち着かせる
- 深呼吸をする
- 光の刺激を受けないように、暗い部屋や日陰で横になり安静にする
- 自分が楽だと感じる体勢になる
- ベルトやネクタイ、衣服等、体を締め付けるものをゆるめる
「市販薬」は使っていい?
市販薬の使用は避けましょう。
回転性のめまいは、何らかの病気が原因となっている可能性があります。自己判断で市販薬を使うのではなく、医療機関を受診し、症状に適した治療や薬を処方してもらうことをおすすめします。
合わせて読みたい
2022-02-17
「めまいで景色が回って見える…」
「原因はストレス?」
ストレスで起こる回転性めまいについて、医師が詳しく解説します。
めまいが起きたときの対処法、隠れた病気の可能性なども要チェックです。
ストレスが「回転性めまい」の原因に!
「回転性めまい」は、過度のストレスで発症することもあります。
この場合、ストレスによる血行不良・低血圧でめまいが起こっていると考えられています。
回転性めまいは、三半規管に異常が生じ、その時に起きる刺激で体のバランスが崩れると発症します。
ほとんどは一時的な症状で、ストレスがなくなるとめまいも軽減することが多いです。
「回転性めまい」の特徴
景色が回って見え、ぐるぐると感じる
片側にのみ引っ張れていく感覚になる
※治療が必要なケースも!
回転性のめまいは、良性発作性頭位めまい症、メニエール病や中耳炎といった病気が原因となっているものは、病院での治療が必要です。
「回転性めまい」が起きたときの対処法
回転性めまいが起こったら、以下のように対処しましょう。
慌てずに気持ちを落ち着かせる
暗い部屋や日陰で横になり安静にする
自分が楽だと感じる体勢になる
着衣の締め付けをゆるめる
吐き気もあるのでバケツなどを用意しておく
上記の対応をして一旦症状が落ち着いた後も、ゆっくりと行動してください。
急に立ち上がらず、しばらくは横になって過ごしましょう。
頭を動かしてもめまいがないようでしたら、ゆっくりと上半身から起き上がるようにしてください。座ったままの状態でも、問題なければ立ち上がるようにしましょう。
立ち上がるときは、何かに手をつくようにして転倒しないように気をつけてください。
ストレスによるめまい「どうすれば治る?」
「ストレスによるめまい」を根本的に治すためには、以下の手順でセルフケアを行うとよいでしょう。
まずは休息を取ろう
規則正しい生活を心がけよう
ウォーキングなどの適度な運動をしよう
STEP① まずは休息を取ろう
まずは体と心をゆっくり休めましょう。ストレスをかけてくる物事から離れるようにしてください。
体力が戻ってきたら、ご自身の好きな方法でストレス解消を行っても良いでしょう。
STEP② 規則正しい生活を心がけよう
早寝早起きをして免疫を強くしましょう。
食事は3食摂るようにして、日中にしっかり動けるようにするとよいでしょう。
陽の光を適度に浴びて、夜はしっかり眠るようになると自律神経も整います。
深酒をしていたり、深夜まで起きていたりすると、質の良い睡眠がとりにくくなるので要注意です。
STEP③ ウォーキングなどの適度な運動をしよう
適度な運動は、低下した血流を上げて体の細胞の隅々に栄養を運びます。
運動不足による冷えや低血圧・肥満などは、体の免疫低下につながりやすいものです。
運動習慣を身につけ健康な生活を目指しましょう。運動を続けていくとストレスにも強くなります。
症状を繰り返すときは、病気の可能性も
回転性めまいを繰り返す場合は、
良性発作性頭位めまい症
メニエール病
前庭神経炎
などの病気の可能性があります。
病気① 良性発作性頭位めまい症
内耳の異常で急に起きるめまいのことをいいます。
頭の位置を変えるとめまいを繰り返します。
更年期を迎えた頃の女性が発症しやすい病気です。女性ホルモン(エストロゲン)の低下などが原因です。
症状の特徴
急にくるくるとした回転性のめまいを発症します。
放置するとどうなる?
多くの場合は、放置しても自然に良くなっていきます。
発症から2週間程度でよくなっていく人が多いですが、中には長くかかる人もいます。
症状が長く続く場合は他の病気も疑われるため、医療機関を受診しましょう。
病院での治療法
頭を動かして三半規管に入った「耳石」を移動させます。
多くの場合、この処置を行うことで治ります。
耳鼻いんこう科を探す
病気② メニエール病
内耳のリンパ液が滞ることで、繰り返しのめまいや難聴、耳鳴りが起こります。
根本的には疲れやストレス、不眠などが原因となります。
どの年齢層にも発症します。特に、真面目な痩せ型の女性に多いとされています。
症状の特徴
耳の閉塞感
低い音が聞こえにくい
耳鳴り
などが最初に起きます。
これらを繰り返して、めまいの発作がプラスされるようになっていきます。
放置するとどうなる?
放置していても、自然には良くなることは少なく、日常生活に支障が出ることもあります。
病院での治療法
完治は難しいとされているため、症状を和らげる処置が中心となります。
耳鼻いんこう科を探す
病気③ 前庭神経炎
風邪などを引いた後からしばらくして、急にふらつきやバランスが取れなくなり、吐き気や、強いめまいなどを発症していく病気です。
ウイルスや細菌感染が原因となる場合と、前庭神経の血行不良が原因となる場合に分かれています。
30〜50代の人に多いとされています。
症状は個人差があり、歩けないなどつらい症状がある場合は治療を受けましょう。
症状の特徴
ふらつき
バランスが取れなくなる
吐き気
強いめまい
などの症状が急に起こります。
症状は、そこから数週間続いていきます。
放置するとどうなる?
放置することで悪化し、慢性化してしまいます。
その後、持続性知覚性姿勢誘発めまいに移行していくこともあります。
病院での治療法
炎症をおさえるためのステロイド薬や、めまいを抑えるための抗めまい薬、前庭神経を改善させるために血流改善薬、ビタミン剤が投与されます。
吐き気が続く場合は点滴などで水分や電解質の補充を行います。
耳鼻いんこう科を探す
めまいが2日以上続く場合は、病院へ
めまいや、めまいを伴う症状が2日以上続いている
起き上がることが困難なほどのめまいがある
といった場合は、医療機関で受診しましょう。
受診すると、診察や検査によってめまいの原因を調べてもらえます。
治療では薬物療法が行われることが多いです。
病院は何科?
ストレスによって回転性めまいがあるときは、耳鼻いんこう科を受診しましょう。
※ただし、めまいとともに、意識障害・体の片側のしびれなどを伴うときは、脳梗塞・脳卒中といった病気が疑われます。命に関わる恐れがあるので、救急で受診をしてください。
医師に伝えるときのポイント
めまいをいつ発症したか
どんなときにめまいが起きるか
めまい以外の症状はあるか
耳鼻いんこう科を探す
▼参考
日本耳鼻咽喉科学会 めまい・ふらふらする
回転性のめまいの治し方
軽度のめまい症状は、生活習慣を改善することで、治まる可能性があります。
①食事、②睡眠、③運動習慣において、次のことを心がけるようにしましょう。
①食生活
栄養バランスのよい食事摂りましょう。
特に、ビタミンB群を含む食品を意識して摂るようにしてください。
<ビタミンB群を多く含む食品の一例>
- 豚肉(レバー、ヒレ、モモ)
- 魚介類(ブリ、イワシ、サケ、サバ等)
- 納豆
- キノコ類
- 海藻類
- 緑黄色野菜 等
また、塩分や脂肪分の多い食品の摂取を控えて、アルコールやカフェインを摂り過ぎないようにしましょう。
②睡眠
十分な睡眠時間を確保してください。
寝る時間と起きる時間を決めて、毎日続けるようにすると、体のリズムが整います。
③運動
ラジオ体操、ウォーキング、ヨガ等、軽く汗が出る程度の有酸素運動を行うことで、めまいの改善が期待できると考えられています。
他にも、こんなことに気をつけて!
急に頭を動かすような動作は避けましょう。
素早い動作はめまいの症状を誘発するので、ゆっくり動くようにしてください。
また、パソコンやスマホの長時間使用を控えましょう。
入浴の際、お風呂は40度くらいのぬるま湯にしてください。
めまいの症状は、ストレスが要因となっているケースも多いので、ストレスを溜め込まないようにすることも大切です。
「体操」がいいってホント?
回転性めまいは、次の運動療法によって改善が期待できます。
<仰向け寝体操>
- 足を伸ばして座った状態からゆっくり仰向けに寝る
- 元の状態に戻る
- ①、②を繰り返す
<イスで行う体操>
- イスに座り床を見るように前傾姿勢になる
- 次に天井を見上げるように上体を後方に反らす
- ①、②を繰り返す
<寝返り体操>
- 横になって左右に寝返りをうつ
- 繰り返し行う
<注意>
激しいめまいが起きている場合は、これらの体操は行わず安静にしてください。
「回転性めまい」を引き起こす病気も
回転性めまいの症状がある場合、
- 良性発作性めまい
- メニエール病
- 前庭神経炎
を発症している可能性があります。
1.良性発作性頭位めまい症
<症状の特徴>
- 朝起きたときにめまいを起こしやすい
- 頭を縦方向に動かすことでめまいが起きやすくなる
- 数分安静にすることで症状が改善される
- めまいを繰り返すうちに少しずつ症状が軽減するケースが多い
- 眼振(目の異常な動き)がみられる場合がある
悪化すると生じる「リスク」
自然に良くなることが多い病気ですが、重症化すると、1年以上再発が繰り返される場合があります。また、眼振(目の異常な動き)が止まらなくなる場合もあります。
良性発作性頭位めまいの「治療法」
頭を動かして耳石を動かすエプリー法という治療が行われるケースが多いです。
エプリー法で改善がみられない場合には、耳石を排出させる理学療法が行われるケースがあります。
2.メニエール病
<症状の特徴>
- めまいを繰り返す
- めまいが長く続く
- 吐き気、難聴、耳鳴り、耳閉感を起こすケースが多い
- 特に低い音が聞こえにくくなる(低音障害)
悪化すると生じる「リスク」
メニエール病によるめまいを繰り返すと、そのたびに難聴が悪化するケースが多いです。低音障害が長引いてしまうと、高音障害も伴う場合があり、改善しにくくなるケースがあります。
また、片方の耳のみの症状であったはずが、症状がない方の耳も発症してしまう可能性があります。
メニエール病の「治療法」
投薬治療や、点滴による治療が行われるケースが多いです。抗不安薬を用いることもあります。
内耳へ直に薬を投与する治療や、手術による治療が行われるケースもあります。
合わせて読みたい
2023-02-28
メニエール病ってどんな病気?
どうしたら治るの?
メニエール病について、分かりやすくまとめました。
症状のセルフチェックや発症しやすい人の特徴も解説するので、メニエール病の可能性がある人は必見です。
メニエール病とは
メニエール病とは、耳の中にある「内耳」という平衡感覚を司る器官に、リンパ液が溜まっている状態です。
平衡感覚に異常が生じ、自分や周囲がぐるぐると回っているような「回転性のめまい」が起こります。
メニエール病の症状チェック
自分や周囲がぐるぐる回るようなめまい
めまいの長さが、「数十分〜数時間以上」
何度もめまいを繰り返す
耳鳴りがする
難聴発作(突然、耳が聞こえにくくなる)
耳の閉塞感
吐き気・嘔吐
上記の症状に当てはまる場合、メニエール病の可能性があります。
一旦治まっても再発することが多く、症状が繰り返しあらわれます。
▼参考
MSDマニュアル
メニエール病について
メニエール病の原因は?どんな人がなりやすい?
原因やきっかけは今のところわかっていませんが、疲労・ストレス・睡眠不足などで発症しやすいといわれています。
30〜50歳代の女性
自分をおさえ、熱心に仕事をする人
ストレスを溜め込みやすい人
忙しい生活をしている人
に多い傾向があります。
メニエール病を疑う場合の対処法
ゆっくり休養を取ることが大切ですが、まずは医療機関で原因を確認しましょう。
メニエール病は、治療しないと治らない病気です。
放置すると、最初は片方の耳のみだった症状が、もう一方の耳にも発症してしまう恐れがあります。
病院で受ける治療法
メニエール病は、薬を使って治療することが多いです。
浸透圧利尿薬・循環改善薬・抗不安薬などを使用します。
「内耳へ直に薬を投与する治療」や「手術療法」を行うこともあります。
耳鼻いんこう科を探す
治るまでの期間は?
早期に治療を開始できれば、2週間程度で快方に向かう人も多いです。
※治療を受けても完全には治らないケースもあります。
早く治すためにはセルフケアも大切!
ストレスを溜めない
6~8時間の睡眠をとる
水分補給をする
上記3つを心がけましょう。
水を多く飲むことで、内耳の水はけがよくなると考えられています。
男性は1日2リットル、女性は1日1.5リットルほどの水分をとりましょう。
一度に大量に水分を補給するのではなく、こまめに水分をとることが大切です。
3.前庭神経炎
<症状の特徴>
- 突然激しいめまいが起こる
- 激しいめまいが何日も続く
- 吐き気、嘔吐を伴うケースが多い
- めまいの後にフラフラするような感覚が1~2週間程度続くケースがある
- 難聴は伴わない
悪化すると生じる「リスク」
ふらつく感じや、めまいが起きているような感覚が何日も続く場合があります。
前庭神経炎の「治療法」
抗めまい薬、抗不安薬、吐き気止め、ステロイド薬等の薬を用いた治療が行われます。
その他、医師の指導のもと、リハビリや体操による治療を行うケースもあります。
病院に行くべき症状
・回転性めまいが1時間以上続く
・めまいのあと20~30分安静にしても吐き気が止まらない
・週に2~3回以上回転性めまいが起こる
といった場合には、病院に行きましょう。
要注意!早く病院へ
次の症状は、脳梗塞や脳出血を起こしている可能性があります。
早急に病院に行きましょう。
- 激しい頭痛が続く
- ろれつが回らない
- 目が片側に寄ってしまって動かない
- 手足がしびれる
- 体に力が入らない
- 物が見えにくい、二重に見える
- 意識が朦朧としている
何科を受診する?
耳鼻いんこう科、脳神経内科、脳神経外科の受診をおすすめします。
耳鼻いんこう科を探す
合わせて読みたい
2020-07-08
回転性のめまいと吐き気がつらい…。
どうしたらいいか教えて!
めまいと吐き気の「正しい対処法」をお医者さんに聞きました。
市販薬は使ってもいいの?病院に行くべき?
病院の受診の目安や、どんな病気の可能性があるのかも解説します。
まずどう対処する?
回転性のめまいと吐き気が起きたときは、次の4つの手順で対処しましょう。
慌てずに気持ちを落ち着かせる
光の刺激を受けないように暗い部屋や日陰で横になり安静にする
自分が楽だと感じる体勢になる
ベルト、ネクタイ等をゆるめる
※歩行中の場合は、無理せずその場で屈むようにしてください。
※電車に乗っている場合は、次の駅で下車し、ホームから離れたイス等で安静にしてください。
※運転中の場合は、すぐに車を路肩に寄せてエンジンを切って、シートを倒して安静にしましょう。
市販薬を使ってもいい?
回転性のめまいが生じている場合、病気が原因の可能性があるため、自己判断で市販薬を使用することは危険です。
薬は、医療機関で症状に適したものを処方してもらうことをおすすめします。
大丈夫?病院に行くべき?
1分程度の短時間のめまいの場合は、気持ちを落ち着かせて安静にし、少し様子をみましょう。
病院を受診すべき症状
次のような症状がある場合には、早めに医療機関を受診してください。
安静にしていても20分以上吐き気が止まらない
うまく会話ができない
ひどい頭痛を伴う
首の痛みを伴う
手足にしびれが生じている
意識が朦朧としている
耳鼻いんこう科を探す
どんな病気の可能性があるの?
回転性のめまいと吐き気の症状がある場合、
1.良性発作性めまい
2.メニエール病
3.前庭神経炎
4.内耳炎
といった病気の可能性があります。
それぞれ詳しく解説します。
原因1. 良性発作性頭位めまい症
耳の奥の内耳という場所にある耳石の一部が剥がれてしまい、半規管という部分に侵入することで生じると考えられています。
<症状の特徴>
朝起きたときにめまいを起こすケースが多い
(頭の位置が変わることで10秒~60秒程度の回転性のめまいが起こる)
頭を縦方向に動かすことでめまいが起きやすい
数分安静にしていると、症状が落ち着くケースが多い
めまいを繰り返すうちに、だんだんめまいの症状が軽減するケースが多い
侵入してしまった耳石が、頭の向きを変える動作によって移動することで、リンパ液の流れに異変が生じて、めまいが起こると考えられています。
長い時間同じ体勢でいる方や、寝ているときの寝返りが少ない方などに起こりやすくなります。
自分でできる対処法
寝るときは、毎回同じ方向を向いて横にならないようにしましょう。意識して、頭を動かすようにしてください。
高い枕を使用するのもおすすめです。
定期的な有酸素運動(20分ほどのウォーキング等)を続けて行うことも、症状の改善に繋がります。
病院で受ける治療法
医療機関では、エプリー法(※)等の体操を取り入れた治療が行われるケースが多いです。
改善がみられない場合には、耳石を排出させる理学療法が行われることもあります。
(※)エプリー法…頭を動かして耳石を元の位置に戻す治療法
原因2. メニエール病
内耳のリンパ液が増加し、腫みが生じることで発症すると考えられています。(内リンパ水腫)
<症状の特徴>
回転性のめまいを繰り返しやすい
めまいとともに、吐き気、難聴、耳鳴り、耳閉感を起こすケースが多い
めまいが長く続く
自分でできる対処法
症状が出ていない方の耳を下にして横になると、めまいが改善するケースがあります。
また、普段から有酸素運動(ウォーキング、ヨガ等)を行うといいでしょう。
病院で受ける治療法
医療機関では、薬(浸透圧利尿薬、循環改善薬、抗不安薬等)や点滴を用いた治療が行われるケースが多いです。
内耳へ直に薬を投与する治療や手術による治療が行われることもあります。
原因3. 前庭神経炎
風邪等のウイルス感染後に発症するケースが多いです。
現時点では明確な発症原因は分かっていませんが、前庭神経がウイルスに感染することで発症するのではないかと考えられています。
<症状の特徴>
突然激しいめまいが起こる
激しいめまいが何日か続くケースが多い
吐き気、嘔吐を伴うケースが多い
めまいの後にフラフラするような感覚が1~2週間程度続くケースがある(歩行困難)
難聴は伴わない
自分でできる対処法
めまいが起こったら、体をリラックスさせ、休みましょう。
嘔吐を伴うめまいが起こったら、早めに病院を受診しましょう。
病院で受ける治療法
めまいがひどい場合には、ステロイド薬、抗めまい薬、抗不安薬、吐き気止め等の薬を用いた治療が行われるケースが多いです。
めまい症状が落ち着いた段階で、医師の指導のもと、リハビリや体操による治療を行うこともあります。
原因4. 内耳炎(化膿性内耳炎)
急性中耳炎や髄膜炎等を発症して内耳に細菌が侵入した場合や、繰り返す中耳炎によって鼓膜に長期間穴があいている場合に、発症すると考えられています。
<症状の特徴>
激しいめまい
眼振がみられる場合がある(眼球が素早く動いたあと、ゆっくり元の位置に戻る動作を繰り返す)
吐き気、嘔吐を伴う
難聴
発熱
痛み
自分でできる対処法
内耳炎に対して自分でできる対処法はないので、早めに病院に行きましょう。
病院で受ける治療法
抗菌薬を注射する治療が行われるケースが多いです。
鼓膜に穴をあけて、中耳から液体を排出する鼓膜切開術が行われることもあります。
受診するのは何科?
耳鼻いんこう科、脳神経内科、脳神経外科の受診をおすすめします。
耳鼻いんこう科を探す
早期受診のメリット
回転性めまいや吐き気の症状は、脳卒中など重篤な疾患が原因の場合もあります。
このような重い病気も、早期発見により、症状の改善や重症化の予防が期待できます。
また、医師の診断により、症状に合った治療や薬を処方してもらえることもメリットと言えます。不快な症状でお困りの方は、一度病院で相談してみましょう。
くり返さないために気をつけること
つらいめまいと吐き気の症状を繰り返さないために、日頃から次のことを心がけましょう。
食生活
栄養バランスのよい食事を摂るようにしましょう。特に、ビタミンB群を意識して摂るようにしてください。
<ビタミンB群を多く含む食品例>
豚肉(ヒレ、モモ)
豚レバー
納豆
魚介類(サバ、ブリ、イワシ、サケ等)
キノコ類
海藻類
緑黄色野菜 等
その他、塩分や脂肪分の多い食事を控え、アルコールやカフェインを過剰摂取しないことも大切です。
睡眠
十分な睡眠時間を確保しましょう。
決まった時間に眠りにつくようにすると、体のリズムが整い、良質な睡眠がとれるようになります。
運動・トレーニング
めまいと吐き気の症状を改善するには、次の運動やトレーニングがおすすめです。
1 寝返り運動
左右に寝返りをゆっくりと繰り返し行う
①を毎日5分ほど継続して行う
2 小脳トレーニング
利き手を前方にまっすぐ伸ばして親指を立てる
反対の手の人差し指を顎に添えて頭を動かさないようにする
まっすぐ伸ばした手を左右に30度程度動かしながら親指の爪を目で追う
3 三半規管トレーニング
利き手を前方にまっすぐ伸ばして親指を立てる
首を左右に30度程度ずつ振りながら親指の爪だけを見続ける(目を離さない)
その他、こんなことも気をつけよう
急に頭を動かしたり、素早く動くことは避けましょう。めまいの症状を誘発します。
また、大音量で音楽を聴く、パソコンやスマホを長時間使用するといったことも、めまいの症状の悪化に繋がるため控えましょう。
入浴の際、お風呂は40度くらいのぬるま湯にしてください。
めまいの症状は、ストレスが要因となっているケースも多いです。ストレスを溜め込まないように、自分なりのストレス発散方法を見つけましょう。
あまりめまいについて考え過ぎると、それ自体がストレスとなってしまうため、考え過ぎないようにすることも重要です。
▼参考
日本医師会 めまいが起こったら
http://www.kagoshima.med.or.jp/people/topic/H17/205.htm
広島共立病院 めまいの症状、原因その対処法
http://www.hiroshimairyo.or.jp/kenkou/vol39.html
全日本民主医療機関連合会 「めまい」を感じたら 原因はさまざま、早めに受診を
https://www.min-iren.gr.jp/?p=6776
MSDマニュアル家庭版 化膿性内耳炎
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/19-耳、鼻、のどの病気/内耳の病気/化膿性内耳炎
国立病院機構 熊本医療センター めまいをおこす薬とめまいを治す薬について
https://kumamoto.hosp.go.jp/kusu-press/kusu-138-01.php
日本成人病予防協会 めまい
https://www.japa.org/tips/kkj_0101/