「血糖値が高いと太るってホント?」
血糖値の上昇と肥満の関係について、栄養士さんが解説します。
おすすめの食べ物・食事方法なども紹介しますので、血糖値が気になる方・太りたくない方は必見です。
監修者
経歴
株式会社Luce代表/健康検定協会理事長、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。
なぜ?「血糖値が上がると太る」といわれる理由
血糖値が上がると太ると聞きました…。それって本当ですか?
はい、本当です。
血糖値が急上昇すると、
- 余ったブドウ糖が脂肪に変わる
- インスリンが大量に分泌される
といった理由で、血糖値が上がることが続くと肥満を招くことがあります。
「血糖値」とは、血液中のブドウ糖の濃度のことで、糖質を食べると上昇します。
このブドウ糖は、インスリンの作用によって活動のためのエネルギーに変換されます。
しかし、糖質を過剰摂取によってブドウ糖が余ってしまうと、それらが「中性脂肪」となって体に蓄えられてしまいます。
また、インスリンには「脂肪合成を高める」・「脂肪の分解を抑える」といった作用もあります。
そのため、血糖値の急上昇に伴ってインスリンが大量に分泌されることも、肥満の原因になります。
【当てはまる人は要注意】血糖値が急上昇しやすい習慣
- 早食いの癖がある
- 単品メニューの食事が多い
- 野菜や海藻をあまり食べない
- 満腹になるまで食べてしまう
- 朝ご飯を抜く
- 間食にお菓子を良く食べる
- 甘い飲み物やお酒をよく飲む
- 寝る直前に食事や間食をしてしまう
- 定期的な運動をしていない
- デスクワークなど座って過ごすことが多い
- 食事時間が不規則
- 夜ご飯のボリュームが多い
上記に当てはまる人は、血糖値の急上昇による肥満を招きやすいです。
特に菓子パン・お菓子などの「甘味の強い食べ物」は、すぐにブドウ糖になって吸収されるので血糖値が上がりやすいです。
要注意!糖尿病につながるリスクも…
血糖値が急上昇する状態が繰り返されると、インスリンの分泌機能が低下しやすくなります。
その結果、次第に血糖値が下がりにくくなっていき、糖尿病を発症するケースもあります。
特に「肥満」の場合、脂肪の蓄積によってインスリンの効きが悪くなるため、糖尿病の発症リスクが高くなります。
糖尿病は、自覚症状が少ないまま進行していく怖い病気です。
失明・腎不全・神経障害・心筋梗塞といった重い合併症を防ぐためにも、普段から血糖値のコントロールに気を配るようにしましょう。
血糖値上昇を抑える「おすすめの食べ物」
タンパク質・食物繊維は、基本的に血糖値を上げにくいのでおすすめです。
血糖値が上がりやすい人は、炭水化物の量を減らし、上記の食べ物の量を増やしてみましょう。
特に「水溶性食物繊維」は、血糖値の上昇をよりゆるやかにしてくれます。
海藻・なめこ・オクラ・ごぼうなどを積極的に食べるようにしましょう。
タンパク質・食物繊維を多めに摂ると、満足感も得られるので、主食の食べ過ぎを防ぐのにもつながります。
炭水化物は「低GI食品」を食べよう!
低GI食品
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GI値の目安
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大麦
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22
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押し麦、ゆで
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46
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ライ麦パン
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50
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オートミール
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53
|
オールブラン
|
54
|
※高GI食品…コーンフレーク83・白米72・白パン71
※品種、測定方法などで多少前後します。
主食(炭水化物)には、上記の表にある「低GI食品」をおすすめします。
コーンフレーク・白米・白パンなどの「高GI食品」は避けるようにしましょう
低GI食品は、糖が穏やかに取り込まれるため、血糖値の上昇もゆるやかになります。
インスリンの分泌も抑えられ、ブドウ糖は主にエネルギーとして利用されるので、中性脂肪が蓄積しにくい点もメリットです。
「GI」とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇を示す指標です。
ブドウ糖のGIを100とした時に、
- GIが70以上 → 高GI食品
- GI が56~69 → 中GI食品
- GI が55以下 → 低GI食品
と定義されています。
同じ糖質量でも、GIが高ければ高いほど血糖値が上昇しやすくなります。
飲み物は「無糖」を基本にしよう
など、甘味のない「無糖の飲み物」は飲んでも血糖値に影響しません。
また、「牛乳」も血糖値の上昇を抑える効果があるのでおすすめです。
清涼飲料などの甘い飲み物は、糖質が吸収されやすく血糖値が上昇しやすいので控えましょう。
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2022-05-30
「食後の血糖値を下げたい…!」
「どんな飲み物がおすすめ?」
コンビニで買える「血糖値を下げる飲み物」を、栄養士さんに聞いてみました。
効果的な飲み方・NGな飲み物も詳しく解説しますので、血糖値を改善させたい方は必見です。
コンビニで買える「血糖値下げる飲み物」一覧
からだすこやか茶W
蕃爽麗茶(ばんそうれいちゃ)
ペプシスペシャルゼロ
パーフェクトフリー
野菜一日これ一本Plus
牛乳
「特定保健用食品(トクホ)」や「機能性表示食品」の表示がある飲み物は、基本的におすすめです。
トクホの飲み物は、「食後の血糖値の上昇を穏やかにする」と記載されたものを選ぶとよいでしょう。
これらの飲み物は、食事中の糖の消化吸収スピードを遅らせる成分を含むため、食後の血糖値上昇が抑制されます。
ただし、これらを飲んだだけで血糖値の上昇が完全に抑えられるわけではありません。
あくまでも「糖質に注意した食生活」の補助として使いましょう。
「特定保健用食品(トクホ)」は、国による有効性と安全性の審査を受け、消費者庁長官の許可を得て販売している商品です。
血糖値が高めの方が糖質を摂取する際にトクホを利用すると、血糖値の上昇を抑える効果が得られるという結果は出ています。
「機能性表示食品」は、特定保健用食品のように国による審査はありません。
しかし、事業者の責任において摂取に関する安全性を確保することを前提とし、科学的根拠に基づいた機能を表示しているため、血糖値の上昇抑制が期待できるといえます。
おすすめ① からだすこやか茶W
画像引用元:https://www.cocacola.co.jp/brands/karadasukoyakacha
「特定保健用食品(トクホ)」のお茶です。
「難消化性デキストリン」の効果で、糖質の消化吸収を遅らせて、食後血糖値の上昇を抑制します。
「からだすこやか茶W」は、食事のたびに1本(350ml)・1日3回が目安です。
似ている商品
綾鷹 特選茶
伊右衛門プラス おいしい糖質対策
といった商品も、からだすこやか茶Wと同じように血糖値の上昇抑制が期待できます。
これらは食事の際に1本(500ml)、1日1回が目安になっています。
3食の中で特に糖質が多いと感じる食事の際に飲むとよいですね。
おすすめ② 蕃爽麗茶(ばんそうれいちゃ)
画像引用元:https://www.yakult.co.jp/bansoreicha/
「特定保健用食品(トクホ)」のお茶です。
「グァバ葉ポリフェノール」の効果で、糖質分解酵素の働きを抑えてブドウ糖の吸収をおだやかにし、食後の血糖値の上昇を抑制します。
「蕃爽麗茶」は1回の食事につき200ml、1日3回飲むのが目安です。
ノンカフェインなので、妊娠中・授乳中など、カフェインを控えたい方にもおすすめです。
おすすめ③ ペプシスペシャルゼロ
画像引用元:https://products.suntory.co.jp/d/4901777235984/
「特定保健用食品(トクホ)」のコーラ飲料です。
「難消化性デキストリン」の働きで、同時に摂った糖質の消化吸収を遅らせ、食後の血糖値上昇を抑制します。
「ペプシスペシャルゼロ」は食事の際に1本(490ml)・1日1回が目安です。
食事中の糖質の吸収を緩やかにしてくれるものなので、1日の間で少しずつではなく、食事の際に目安量を摂ることがポイントです。
おすすめ④ 野菜一日これ一本Plus
画像引用元:https://www.kagome.co.jp/products/drink/A3347/
「機能性表示食品」の野菜ジュースです。
「トマト由来食物繊維」の効果により、糖の吸収を抑制して、食後血糖値の上昇を抑える作用が期待できます。
「野菜一日これ一本Plus」は食事の際に1本(265g)・1日1回が目安です。
さまざまな野菜が含まれているので、野菜不足が気になる方にもおすすめです。
おすすめ⑤ パーフェクトフリー
画像引用元:https://products.kirin.co.jp/alcohol/nonalcohol/detail.html?id=15
「機能性表示食品」のノンアルコールビールです。
「難消化性デキストリン」の働きで、同時に摂った糖質の消化吸収を遅らせ、食後の血糖値上昇を抑制します。
「パーフェクトフリー」は食事の際に1本(350ml)・1日1回が目安です。
なお、摂っていることに安心して食事を食べ過ぎてしまったり、早食いしてしまったりしないように注意しましょう。
おすすめ⑥ 牛乳
牛乳に含まれる「たんぱく質」と「脂質」が作用し、食後血糖値の上昇を抑制すると考えられます。
食事と一緒に200ml程度を飲むのが良いでしょう。
なお、牛乳には「糖質」や「脂質」といったエネルギーを含まれているので、食事全体のバランスを考え、飲みすぎに注意しましょう。
いつ飲むのがベスト?
食事と一緒に摂るのがおすすめです。
いずれの飲み物も、飲めば血糖値が下がるというものではなく、あくまでも「食後時中の糖質の吸収を穏やかにする」ものです。
こんな「食事」を心がけよう!
血糖値が気になる方は、
食事にお酢を15ml程度使う
野菜・海藻などから食べる
ゆっくり食べる
といった点を心がけて食事するとよいでしょう。
お酢に含まれる「酢酸」や、野菜・海藻に含まれる「食物繊維」には、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
また、早食いすると糖質が一気に体内に入ってきてしまうので、注意して食べましょう。
血糖値が気になるときは…この飲み物は避けて!
血糖値の急上昇を招きやすい飲み物
炭酸飲料
果汁飲料
砂糖入りのコーヒー飲料
砂糖入りの紅茶飲料
スポーツドリンク
上記の飲み物は糖質量が多く、消化に時間がかからない糖分が含まれているので、血糖値が急上昇しやすくなります。
果汁飲料は健康的なイメージもありますが、糖質量が多いので飲みすぎに注意しましょう。
糖質に糖質を重ねると血糖値が急上昇しやすいので、特にパン・お菓子などと一緒に摂るのはNGです。
また、体を動かしたり、発汗したりしていない時に「スポーツドリンク」をたくさん飲まないようにしましょう。
スポーツドリンクには、エネルギー補給とすばやい水分吸収のために「糖質」がある程度含まれているので、運動時以外で飲むと血糖値が上昇しやすくなります。
どうしても飲みたいときは運動するのがおすすめ
糖質の入った甘い飲み物が飲みたいときは、「飲んだ後に体を動かす」と決めるとよいでしょう。
ウォーキング・ジョギング・サイクリングなどの有酸素運動を行うと、糖の代謝が促されます。
▼参考
特定保健用食品(トクホ)とは|「健康食品」の安全性・有効性情報
難消化性デキストリン|「健康食品」の安全性・有効性情報
酢の力|ミツカン
食酢の食後血糖上昇抑制効果|糖尿病 54(3):192~199,2011
血糖値コントロールで糖尿病&肥満の予防・改善を|一般社団法人 Jミルク
女子大学生における米飯の食後血糖に及ぼす牛乳中たんぱく質・脂質の血糖上昇抑制効果
健常女子大学生における米飯の食後血糖に及ぼす 食物繊維,酢,油,大豆製品,牛乳・乳製品の影響
科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書
血糖値上昇を抑える「食べ方」
- 野菜や海藻などの「食物繊維から食べる」
- 糖質に偏らず「おかずをしっかり食べる」
- 間食も活用して「空腹時間を長くしない」
といった点を意識して食事を摂るようにすると、血糖値の上昇を抑えやすくなります。
食べ方① 野菜や海藻などの「食物繊維から食べる」
ご飯やパンなどの主食を口にする前に、「サラダ」や「食物繊維の多いおかず」から先に食べましょう。
特に水溶性食物繊維は血糖値の上昇を抑えてくれるので、オクラ・海藻などの「ネバネバした食材」や、こんにゃくなどもおすすめです。
食物繊維は小腸で消化されずゆっくりと移動していくため、糖質の吸収を緩やかにし、食後の血糖値上昇を緩やかにします。
食べ方② 糖質に偏らず「おかずをしっかり食べる」
炭水化物だけでなく、肉・魚・卵を使用したおかず・具沢山の汁物などもしっかり食べましょう。
ご飯やパン、麺類などの主食は糖質を豊富に含むので、単品で食べると血糖値が上昇しやすいです。
おかずで栄養バランスをとることで、消化吸収も遅くなり、血糖値の上昇が穏やかになります。
忙しい朝におすすめのメニュー
忙しい朝は、
など手軽に食べられるものをおすすめします。
みそ汁には、カットわかめなどの海藻をプラスするとよいでしょう。
食べ方③ 間食も活用して「空腹時間を長くしない」
おすすめの間食
- ヨーグルト
- 無塩タイプのナッツ
- 高カカオチョコレート
空腹状態が長く続くと、次の食事で「ドカ食い」を招きやすいものです。
夜ご飯が遅くなってしまう時などは、夕方に200kcal程度を目安に「間食」を摂るとよいでしょう。
間食によって血糖値を適度に上げられると、次の食事で血糖値が急上昇してしまうことを防げます。
「有酸素運動」や「筋トレ」をするとさらにグッド!
有酸素運動・筋トレは、血糖値の改善に効果的です。
二つを組み合わせて行うと脂肪の燃焼も促されるので、太りたくない人には特におすすめです。
食事の1~2時間後に「有酸素運動」しよう
食事の1~2時間後に有酸素運動を行うと、食後の高血糖状態が改善されます。
- 普段歩くことが多い人 → 1日30分
- デスクワーク中心の生活 → 1日60分
を目安に行いましょう。
有酸素運動(ウォーキング/ジョギング/サイクリングなど)は、糖の利用を促し、インスリンの作用を高めるなどの効果が期待できます。
「筋トレ」は週に2~3回が目安!
などの筋力トレーニングを、週に2~3回行いましょう。
筋力トレーニングは回復期間をとることも重要なので、無理に毎日行う必要はありません。
筋トレで筋肉が増えると、エネルギーとして糖をたくさん使うようになるため、血糖コントロールに役立ちます。
筋トレは、体幹や下半身が鍛えられるメニューが好ましいです。
運動習慣のない方は、座った状態でかかとやつま先を上げ下げするだけでも構いません。少しずつ負荷をかけていきましょう。
こまめな「ストレスの発散」も心がけよう
ストレスが高まるとホルモンが分泌されて血糖値を上げ、脂肪をため込みやすくなってしまいます。
適切な睡眠や休養をとったり、趣味の時間をつくったりしてストレスをためないようにしましょう。
ただし、甘いものやお酒でストレス解消すると、血糖値に悪影響を及ぼすので注意しましょう。
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2022-05-30
「血糖値を下げたい!」
「室内でできる効果的な運動は?」
室内で手軽にできる「血糖値を下げる運動」を、パーソナルトレーナーにききました。
有酸素運動・筋力トレーニングの方法を詳しく紹介しますので、血糖値を改善させたい方は必見です。
室内OK!手軽な「血糖値を下げる運動」
踏み台昇降トレーニング
ラジオ体操
太もも上げ
カーフレイズ
ワイドスクワット
血糖値を下げたい方には、上記のような有酸素運動や筋トレがおすすめです。
無理なくできるものを、毎日継続して行うようにしましょう。
「有酸素運動」で筋肉への血流が増加すると、ブドウ糖が細胞内に取り込まれて「インスリンの作用」が向上しやすくなります。
さらに「筋トレ」による筋肉量増加も、インスリンの作用の向上につながり、血糖値が低下しやすくなります。
ただし、運動を停止するとその作用は3日間ほどで消失してしまうため、継続して行うことが大切です。
また、最初から「強度の高い運動」するのは控えてください。
体に過度の負荷がかかると、エネルギー補充のために一時的に血糖値が上昇する場合があります。
運動① 踏み台昇降トレーニング
高さがある台を用意する
台の前に立ち、片足ずつ台の上に足を乗せる
片足ずつ台から足を下ろす
②~③を繰り返し行う
1回5~10分程度・1日3回を目安に行いましょう。
食後30~60分以内に行うとより有効性が高まります。
運動する習慣がない人は、最初は台を壁に沿わせて置き、片手を壁について昇降すると安全です。
1回目2回目と向きを変え、壁につく手を入れ替えながら行うと、左右差が出にくくなります。
踏み台昇降トレーニングは、有酸素運動になるだけでなく「下半身の筋力増強」も期待できるため、血糖値の改善におすすめの運動です。
運動② ラジオ体操
ラジオ体操第一を行う
続けてラジオ体操第二を行う
大きく深呼吸して呼吸を整える
心地よいと感じる程度の動かし方で、ラジオ体操をしましょう。
反動をつけて伸ばし過ぎたり、曲げ過ぎたりすると、関節や筋を痛める恐れがあります。
ラジオ体操第一、第二を合わせると約6分間の有酸素運動になります。
エネルギー消費量は多くはないですが、心拍数は90~100回/分程度まで上昇します。
歩行と同じくらいの運動量が期待できるため、血糖値の低下につながるでしょう。
運動③ 太もも上げ
まっすぐ前を見て太ももを上げる
リズミカルに、左右交互に肘と膝をタッチさせる(60秒~90秒)
1セット10~20回ほど行いましょう。
血糖値が上昇している「食後30~60分以内」に行うのがおすすめです。
太もも上げでブドウ糖をすぐに消費すると、血糖値が低下しやすくなります。
運動を習慣化することでインスリンが作用しやすい体質になり、血糖値の長期的な低下につながるでしょう。
運動④ カーフレイズ
立った状態で背筋を伸ばし、足を肩幅程度に広げる
①の状態のまま、かかとを上げてつま先立ちになる(3秒間キープ)
両足のかかとを「ストン」という感覚で下ろす
1セット30回・1日2~3回を目安に行いましょう。
転倒の恐れがある場合は、イス等の背につかまって、バランスを取りながらゆっくり行ってください。
カーフレイズは、ふくらはぎの筋肉を大きく使うことのできるトレーニングです。
ふくらはぎの筋肉量を増やすことで、インスリン分泌による効果が高まり、血糖値は下がりやすくなります。
また、かかとの骨に軽い刺激が加わると、骨から「オステオカルシン」というホルモンが分泌されます。
オステオカルシンには、インスリン分泌を増やし、血糖値を低下させる作用が期待できると考えられています。
運動⑤ ワイドスクワット
立った状態で両足を肩幅の2倍ほどに開く
つま先を外側に斜め45度程度にする
背中を丸めずゆっくりお尻を突き出すように、膝を曲げながら腰を落とす(※)
③の状態で一度静止してから、ゆっくり元の位置に戻す
※膝はつま先と同じ方向にしっかり開きつつ、つま先より前に出さないようしましょう。
5回を1セットとして、1日3セットを目安に行いましょう
より強く筋肉に負荷をかけたい方は、膝が90度くらいになるまで曲げてみてください。
人間の筋肉の約70%は下半身に存在しています。
その中でも特に太い筋肉がある「太もも」を鍛えると、糖・脂肪をエネルギーとして効率良く消費できるようになり、血糖値の低下につながると考えられています。
運動以外にもある「血糖値の急上昇を防ぐ方法」
副菜→主菜→主食の順で食べることで、食後の急激な血糖値上昇を抑制できます。
また、よく噛んでゆっくり食べると、満腹感を感じやすくなって食べ過ぎ防止につながります。
①副菜(食物繊維)
野菜/きのこ/海藻 など
②主菜(タンパク質)
お肉/魚/大豆製品など
③主食(炭水化物)
ご飯/麺/パン など
血糖値が高めな方は、運動だけでなく普段の食事の摂り方も見直してみるとよいでしょう。
▼参考
立命館大学 生命科学部
食後の血糖値は運動で下がる。でもどれくらいの運動が最適なの?
国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター 糖尿病の運動のはなし
公益社団法人 青森県医師会
自宅・職場でできる簡単エクササイズ!-目的別エクササイズ
久留米大学病院 にこにこステップ運動とは