「まぶたが腫れた…!なぜ?」
なんと、ストレスが原因になることもあるんです。
その他、虫刺されや重い病気(眼窩蜂窩織炎など)の可能性もあります。
ひどい頭痛や物が二重に見えるという症状がある方は要注意です。
監修者
経歴
北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任
“ストレス”でまぶたが腫れる?
ストレスのせいで「まぶたが腫れる」こともあるって本当ですか?
はい。本当です。
過剰なストレスによって自律神経に乱れが生じたり、免疫力が低下して病気にかかったりすると、まぶたが腫れることがあります。
ストレスをためないようにするには
- 十分な睡眠をとる
- 休息を取り体を休める
- 好きな食べ物を食べる
- 好きな人と会う
のがおすすめです。
ゆっくり入浴したり、好きな音楽をかけてリラックスするのもよいでしょう。
過度なストレスや疲れは“免疫力の低下”にもつながるので、適度に発散するようにしましょう。
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なんだか体調が悪い…。ストレスのせいかも…。
ストレスが限界に達すると、どのような症状があらわれるのでしょうか。
お医者さんの目線から、「心の症状」と「体の症状」、それぞれ解説してもらいました。
ストレスが限界に達した時に出る症状
ストレスが限界に達すると、脳や自律神経の働きに影響が出て「心の症状」と「体の症状」があらわれます。
ストレスの限界サイン「心の症状」
気分が落ち込む
イライラして、怒りっぽくなる
やる気が出ず、集中できない
何に対しても興味が持てない
ストレスの限界サイン「体の症状」
肩こり
頭痛
腹痛、胃痛
胸が苦しい
息苦しい
だるくて体が動かない
食欲不振、または食欲過剰
下痢、便秘
寒気や冷え
涙が止まらなくなる
不眠、または過眠
過度なストレスを受け続けると脳が正常に働かなくなり、気分が落ち込みやすくなります。
さらに、ストレスは内臓など体全体の調子を整える「自律神経」の乱れを引き起こすため、体の不調の原因にもなります。
ストレスが溜まりすぎると起こる「行動の変化」
浪費が激しくなる
ギャンブルが止まらなくなる
アルコール量が増える
喫煙量が増える
ストレスによって心の調子が不安定になると、お酒を飲む量が増えたり、大胆な行動をとったりする方もいます。
「自分らしくない行動が増えた」という場合も、心の状態に注意したほうがよいでしょう。
ストレス限界サインを感じたら、こう対処しよう
質の良い睡眠をとる
好きな物を食べる
気が合う人と会う
などの方法で、ストレスを発散しましょう。
ストレス対処法① 質の良い睡眠をとる
ストレスの解消には、十分な睡眠が大切です。
質の良い睡眠をとれるよう、就寝前には
ゆっくり入浴する
リラックスを設ける
スマホよりも本を読む
の3つの点を心がけましょう。
湯船にゆっくり入浴する
湯船につかって、ゆっくりと温まりましょう。
時間や体力がないときは、熱めのシャワーを首元に数分当ててください。
入浴が終わったら、冷えないように着替え、水分補給をしましょう。
リラックスタイムを設ける
ゆっくりできる場所に腰を掛けて、気持ちを休めましょう。
好きな音楽やテレビを楽しむのもおすすめです。
スマホよりも雑誌や本を読む
就寝直前はスマホではなく、読書が適しています。
インターネットは情報がどんどん入ってくるため、過度な刺激になってしまいます。
眠気を感じたら、電気を消して早めに入眠しましょう。
ストレス対処法② 好きなものを食べる
好きなものを食べると、ストレスが和らぎます。
※ただし、暴飲暴食は控えてください。
食欲がないときは無理せず、食べられるものを食べましょう。
軽く運動すると、食欲が湧きやすくなります。
反対に、カフェインの強いものはしばらく控えてください。
過度のアルコール摂取も、睡眠の質を低下させる原因となるため、注意しましょう。
ストレス対処法③ 気が合う友人と過ごす
悩みを誰かに相談することも、ストレス解消につながります。
こんなときは病院へ!
なかなか寝つけない
就寝中に何度も目が覚める
いつもより寝すぎてしまう
朝だるくて起きられない
といった場合は、早めに病院で相談しましょう。
何科を受診すればいいの?
心療内科・精神科を受診してみましょう。
初診の際は、下記のことを医師に伝えられるように、まとめておくといいですよ。
今までできていたのに、できなくなったこと
特につらいと感じていること
仕事の内容・職場の人間関係
おかしいと感じる体の症状
メモに書いて持っていくのもおすすめです。
心療内科を探す
心が壊れてしまう前に相談しよう
過度のストレスは、うつ病や自律神経失調症を引き起こす恐れがあります。
頑張りすぎは禁物です。
心療内科や精神科に行くとなると、身構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、メンタルの不調で病院にかかることは、内科で風邪を相談することと大きな違いはありません。
一人で抱え込まずに、病院で相談してみましょう。
▼参考
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス うつ病
この腫れ…大丈夫?病院行くべき?
「まぶたの腫れ以外に症状がない」「一時的にまぶたが腫れただけ」という場合は、一旦様子をみてみましょう。
一般的な腫れの原因としては、むくみ・虫刺され・ものもらい・接触皮膚炎などの病気が考えられます。
早く治したい!どうすれば?
基本的には、「患部を清潔」に保ち、「さわらない」ようにしましょう。
虫刺され→かかないで冷やしましょう。
ものもらい→目元を清潔に保ち、触らないでください。
接触皮膚炎→原因と思われる物質に、触れないようにしましょう。
病院へ行くタイミング
まぶたの腫れが1週間程度たっても快方に向かわない場合は、眼科へ行きましょう。
医療機関では腫れた原因を確認し、症状に応じた目薬を処方されることが多いです。
「ストレス」と決めつけ注意!要注意な症状
“まぶたの腫れ”や“疲れている感覚”の原因が病気のケースもあります。
一概に「ストレスのせい」と決めつけず、以下の症状がでていないかチェックしてみましょう。
“まぶたの腫れ”や“倦怠感”の症状がでる病気をいくつが紹介します。
「ネフローゼ症候群」の症状
「ネフローゼ症候群」とは、体内のたんぱく質が過剰に尿に排出され、血液中のたんぱく質が減って低たんぱく血症となってしまい、むくみが発症する病気です。
「眼窩隔膜前蜂窩織炎」「眼窩周囲蜂窩織炎」の症状
- 目の周りが熱を帯びる
- 目の周りを押すと痛い
- 目の周りが赤くなる
- 発熱
眼窩(眼球が収まっている頭蓋骨のくぼみ)の脂肪組織を中心に細菌に感染し、炎症が起きる病気です。
「眼瞼炎」の症状
- 眼の中に異物感
- 眼とまぶたにかゆみ・灼熱感
- まぶたの縁が赤くなる
- 涙目になる
- 明るい光に過敏になる
「眼瞼炎」とは、まぶたのふちに炎症が起きる病気です。
原因はウイルスの感染・細菌の感染・アレルギー反応・まぶた縁の皮脂腺の炎症・アトピー性皮膚炎・かぶれ・点眼薬の副作用などです。
「甲状腺機能低下症」の症状
「甲状腺機能低下症」とは、甲状腺の機能に異常が起き、体の甲状腺ホルモンの分泌が減ってしまう病気です。
- 顔の表情が乏しくなる
- 話し方がゆっくりになる
- 声がかれる
- 顔が腫れる
- まぶたが垂れる
- 髪の毛が、薄く、粗くなる
- 髪の毛が乾燥する
- 皮膚のきめが粗くなる
- 皮膚が乾燥する
- 皮膚がうろこ状に厚くなる
- 疲労感がある
- 体重が増える
- 便秘になる
- 寒さに耐えられない
- 手がチクチクと痛む
「眼窩蜂窩織炎」の症状
「眼窩蜂窩織炎」とは、眼窩(眼球が収まっている頭蓋骨のくぼみ)の脂肪組織を中心に細菌に感染し、炎症が起きる病気です鼻の周りの副鼻腔から感染することが多いです。
- 発熱
- 眼球が異常に突き出る
- 眼に痛み
- 充血
- 眼球運動が制限される
- ものが二重に見える
- 眼球運動を行うと、痛みがある
「海綿静脈洞血栓症」の症状
血液のかたまり(血栓)で海綿静脈洞(頭蓋骨底部にある太い静脈)がふさがれてしまう病気です。顔・歯・副鼻腔から細菌が侵入し、感染することで発症します。
- ひどい頭痛
- ものが二重に見える
- 眼球運動が制限される
- 眼球が異常に突き出る
- 顔面が痛む
- 顔面がしびれる
- 視力障害が起こる
- 眠気
- 瞳孔が過度に散大する
- 左右の瞳孔の大きさが異なる
当てはまる症状が出ている場合は、早急に医療機関で相談しましょう。
まぶたの腫れや違和感を放置すると、不快な症状が続くだけではなく、視力が損なわれたり、命にかかわる合併症を起こしたりするリスクがあります。
細菌が脳にまで広がり、強い眠気やけいれん発作、昏睡、感覚異常や筋力低下を生じることもあります。
何科で受診すればいい?
まぶたの腫れや病気を疑う場合は、眼科や内科を受診しましょう。
目やまぶたの異常→眼科
他にも症状がある(発熱・頭痛・顔面痛など)→内科
をそれぞれ受診するとよいでしょう。
眼科・内科を受診しても原因がわからず、ストレスにも心当たりがある場合は、心療内科を受診してみましょう。
眼科を探す
内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2022-07-04
まぶたが痒くて、少し腫れている…。
皮膚科と眼科、どっちに行くべき?
「眼瞼炎(がんけんえん)」の症状があるときに何科を受診すべきか、お医者さんに聞きました。
眼瞼炎が感染性の場合、放置するとまぶたが変形するリスクもあります。
病院に行くまでの対処法も紹介しますので、チェックして悪化を防ぎましょう。
「眼瞼炎」は皮膚科と眼科、どっち?
眼瞼炎の症状があるときは、まずは「眼科」で受診することをおすすめします。
眼瞼炎は、まぶたの症状が目立ちますが、皮膚だけでなく目に原因があることも珍しくありません。
目の内部の異常は見た目でわかりづらいため、自分で確認するのが難しいです。
眼科であれば、目を検査する機器があるので、まぶたの症状と同時に「目の病気」の有無も調べられます。
「皮膚科」での治療をすすめられるケースも
目に感染がみられず、まぶたの皮膚に影響が強く出ている(かゆみ・腫れが強い)場合は、眼科の医師から皮膚科の受診をすすめられることがあります。
皮膚科では、まぶたの腫れの状態から、「接触性皮膚炎」や「アレルギー」、「アトピー性皮膚炎」が関わっていないかを判断できます。
ただし、目の病気のリスクを防ぐためにも、まずは眼科で診てもらったほうがよいでしょう。
眼瞼炎は早めに診てもらおう!
感染性の眼瞼炎の場合、悪化すると、まぶたが腫れてまつ毛が抜け落ちたり、まつ毛の根元に「膿のたまった小さな膿瘍」ができたりします。
「皮膚が分厚くなる」など、まぶたの変形を招くリスクもあるため、放置せず受診しましょう。
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眼瞼炎の原因は?
眼瞼炎の原因としては、
疲労・ストレス
細菌・ウイルス感染
アレルギー(花粉症など)
まぶたの皮脂腺の閉塞・炎症
皮膚病(アトピー性皮膚炎など)
などが挙げられます。
眼瞼炎は、何らかの「細菌」や「ウイルス」の感染などで発症することが多いです。
また、「アレルギー反応」や「皮膚病」によって引き起こされるケースもあります。
目に感染が見られない場合、「疲労」・「ストレス」などの原因も考えられます。
眼瞼炎の「主な症状」
目の中の異物感
目とまぶたの灼熱感・かゆみ
まぶたの縁が赤くなる・腫れる
目の周りの皮膚が剥げて、粉をふく
ものもらいができる
涙目になる
明るい光に過敏になる
まつ毛が白く変色する
まつ毛の根元にできものがある
目やにが出る
細菌感染の場合、一部のまつ毛が白く変色することが多いです。
病院に行くまでは、まぶたに触らないように気をつけて!
病院に行くまでは、症状の悪化を避けるために、
まぶたに触らない
症状がある箇所にメイクをしない
市販薬を使用しない
といったことに気をつけてください。
細菌感染から守るために、患部を清潔に保ちましょう。
「メイク用品」は油分・色素など様々なものを含んでおり、悪化を招きやすいので、使用を控えてください、
また、原因がはっきりしない状態だと、市販薬の使用が逆効果になるリスクもあります。
薬の使用については、医師の指示を受けるようにしましょう。
腫れの状態を「写真に撮っておく」のもおすすめ!
まぶたが腫れている状態を見せると、医師が原因を特定しやすくなります。
発症直後に写真を撮っておき、受診時に持参することで、腫れが引いている場合でも診断がスムーズになります。
眼瞼炎は、どんな治療をするの?
眼科では主に、「目薬」や「軟膏」を用います。
症状が重い場合は、抗菌作用のある「飲み薬」を併用して治療を行うこともあります。
眼科の診療では、基本的に目を強く触ったり、痛くしたりすることありません。
また、処方される軟膏薬は、目の中に入っても大丈夫なものが処方されることが多いです。
※皮膚に原因がある場合は「飲み薬」による治療が主になります。
医師に伝えるポイント
最近の健康状態
目が腫れる前に感じた異変
問診の際には、上記について尋ねられることが多いです。
上手く伝えられるか不安な場合は、事前にメモしておくとよいでしょう。
費用の目安
眼瞼炎の検査・治療にかかる費用は、だいたい5,000円以内になることが多いです。
治療は保険適用となります。
※検査の内容や保険の割合によって、費用が多少異なります。
治療期間の目安
眼瞼炎の治療は、2〜3週間程度かかることが多いです。
症状が治まっても、まだ目の周りの皮膚は弱っています。
再度の感染を防ぐために、しばらくは抗菌薬を使うことになるでしょう。
再発防止には「体調管理」が大切
眼瞼炎は、再発することが多い疾患です。
「疲れ」や「ストレス」がたまると、免疫が落ちて再発を招くため、体調管理が大切です。
普段の生活では、食事からバランスよく栄養を摂取し、睡眠をしっかりととりましょう。
疲れたときは早めに休んで、体調を崩さないようにしてくださいね。
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▼参考
日本皮膚科学会ガイドライン 接触性皮膚炎ガイドライン2020