最近、生理の周期が短い…
病院に行った方がいい?
頻発月経がある場合に病院に行くべきか、お医者さんに聞きました。
生理不順が起こる原因や病院での治療内容、初診の流れについても解説します。
頻発月経は「病院に行くべき」?
- 2ヶ月以上、頻発月経が続いている(※)
- 1ヶ月間に月経が2~3回起こる
- 倦怠感がある・疲れやすい
- 不正出血(生理以外の出血)が2~3日以上続いている
上記のケースに当てはまる場合は、病院を受診しましょう。
これらの状態を放置していると、「不妊・流産」「貧血」「他の病気を見逃す」等のリスクが高まると考えられています。
※頻発月経とは、月経周期が通常の25~38日より短い24日以内で、月経頻度が多い(月2~3回月経がある)状態です。
思春期・閉経前の場合は心配いらないケースが多い
「思春期」や「閉経前」は頻発月経が起こりやすくなります。
これらの場合は、心配いらないケースが多いです。
「思春期(初潮を迎えた時期)」は月経の周期が安定しないことが多く、頻発月経が起こりやすいです。
また「閉経前」は、卵巣機能の低下により、頻発月経が起こることもあります。
他の症状がない場合、これらのケースでは過剰に心配する必要はないと考えられています。
ただし、「頻発月経の他に気になる症状がある」「念のため診てもらいたい」といった場合は、一度「婦人科」を受診して相談することをおすすめします。
受診のタイミングとしては、生理が終わった後がおすすめです。
婦人科を探す
頻発月経の原因
頻発月経は、ホルモンバランスの乱れによって起こることが多いです。
ホルモンバランスの乱れにより、排卵から次の月経までの期間(黄体期)が短くなったり、排卵が起こる期間(排卵期)が短くなったりすることで、通常よりも生理の周期が短くなります。
ホルモンバランスの乱れを引き起こす主な要因
- ストレスの蓄積
- 不規則な生活
- 過度のダイエット
- 栄養不足
など
この他、閉経が近づいたことによる「卵巣機能の低下」や「子宮体ガン」等の悪性疾患が原因の可能性もあります。
婦人科での初診の流れ
- 問診・カウンセリング
- 医師の診察
- 各種検査(血液検査・尿検査・触診・内診・超音波検査・必要に応じてガン検診等)
- 検査結果の説明
- 薬剤処方・会計
「婦人科」での初診は、上記のような流れで行われるケースが多いです。
検査等で不安なことがある場合は、事前に受診する病院に連絡して確認する方法もあります。
頻発月経の治療法は?
頻発月経の治療内容・治療の方針は、
等によって変わってきます。
妊娠を希望する場合は、「排卵誘発剤(卵胞期短縮症の場合)」や「黄体ホルモン製剤(無排卵性の場合)」「低用量ピル」「漢方薬」などが処方されます。
妊娠を希望していなくても、生理の回数が増えることにより出血量が増えて貧血を起こしている場合は、「鉄剤」が投与されることがあります。
治療の必要がないケースも
- 初経(初潮)を迎えたばかり
- 更年期である
- 妊娠を希望しておらず、「他の症状」や「検査での異常」がない
上記に当てはまる場合は、治療が必要ないことが多いです。
「初経(初潮)を迎えたばかり」の場合、頻繁に生理が起こることは珍しくないため、治療が必要ないケースが多いです。
閉経を迎える「更年期」の場合も、卵巣機能の低下により頻発月経を起こしやすく、その他の症状がなければ経過観察のみで、治療が必要ないことが多いです。
また、妊娠を希望しておらず、「頻発月経以外の症状がない」「検査で異常がなかった」場合は、経過観察で基本的に治療の必要はありません。
治療にかかる費用
保険適用の場合、1万円程度必要になるケースが多いです。
しかし、検査内容や薬剤処方等により費用は異なります。
また、保険適用になる場合と自由診療になる場合があるため、事前に受診する病院に確認することをおすすめします。
医師にはどんなことを伝えればいい?
- 月経周期・日数
- 最終月経日
- 出現している症状(月経に関するトラブル等)
- 妊娠・出産経験の有無
- 既往歴
- 服用中の薬の有無
- アレルギーの有無
- 親族の病歴
上記のことをまとめておき、医師に伝えることで、診察がスムーズに進むと考えられます。
また、「基礎体温」を測定している場合は、ぜひ持参してください。
医師が診察する際にとても役立ちます。
服装は「スカート」がおすすめ
婦人科では、内診を行うことがあります。
スカートだと、そのまま検査できるため診察がスムーズです。
婦人科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
合わせて読みたい
2023-01-30
最近、生理周期が短い…。
これってストレスのせい?
ストレスによって生理周期が短くなることはあるのか、お医者さんに聞きました。
ストレスを軽減するための生活習慣や婦人科を受診する目安についても解説します。
生理周期が短い原因はストレス?
最近、生理周期が短いです…。
仕事が忙しくてストレスが溜まっているのですが、ストレスが生理周期に影響する可能性はありますか?
はい。ストレスによって「ホルモンバランス」が乱れることにより、生理周期が短くなったり、長くなったりすることがあります。
ストレスは、女性ホルモンの分泌を減少させる原因になります。女性ホルモンが少なくなると、脳が過剰に反応してホルモンを分泌させようとします。
すると、卵巣が刺激を受けて、生理周期が短くなります。
また、ストレスで女性ホルモンの一つである「プロゲステロン」の排出が少なくなると、黄体期(※)が短くなるので、生理が早く起こります。
※黄体期:排卵後から次の生理までの期間のこと
生理周期が短くなる「ストレス以外の原因」
食事・起床・就寝の時間が不規則
極端なダイエット・栄養不足
過度な運動
上記のような生活習慣によりホルモンバランスが乱れ、生理周期が短くなることもあります。
その他、更年期による「ホルモン分泌の減少」「卵巣の機能低下」も原因として挙げられます。
生理周期が短い状態って、大丈夫?
一時的に生理周期が短いということであれば、問題ないでしょう。
ただし、生理周期が短い状態(頻発月経)が、2〜3ヶ月続いている場合は、子宮内膜が増殖しにくくなっている可能性があるため、妊娠しづらい状態になっていると考えられます。
妊娠できたとしても、必要な量の子宮内膜がないため、「流産」になってしまうケースもあります。
妊娠を望んでいる場合は、生理周期が短い状態を放置せず、早めに「婦人科」に相談してください。
婦人科を探す
ストレスで生理周期が短いときの対処法
体調に合わせて体を休める
6~8時間程度の質のよい睡眠をとる
適度に「リフレッシュ」して、ストレスをその日のうちに解消する
体を温める
仕事の合間などに「深呼吸」する
ストレスを溜め込まない・適度に発散するために、上記のことを意識しましょう。
対処法① 体調に合わせて体を休める
体調に合わせて、適度に体を休めましょう。
「予定は週に3つまでにする」など、余裕を持ったスケジュールを組むことも大切です。
動きっぱなしで疲労やストレスが溜まると、ホルモンバランスや自律神経が乱れてしまい、生理不順につながります。
頑張り過ぎていないか、ご自身の生活を振り返ってみましょう。
対処法② 6~8時間程度の質のよい睡眠をとる
睡眠不足が続くと、ストレス・疲労が溜まり、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
6~8時間程度の質のよい睡眠をとることを心がけましょう。
質のよい睡眠をとっていると、体調が整いやすくなり、ホルモンバランスが乱れにくくなります。
「深い眠り」を得るためのポイント
朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる
昼寝は15時までに30分以内にする
夜は11時(遅くとも12時)には寝る
夕方以降は「カフェインを含む食品」を控える
夕食は就寝の2~3時間前までに済ませる
飲酒は、就寝の3~4時間前までにする
就寝の2~3時間前に入浴する
就寝前はできるだけパソコン・スマホを触らない
眠る前にスマホを見る癖がある人は多いと思いますが、直前までブルーライトを浴びていると脳が睡眠時に休むことができないほど覚醒します。
深い眠りにつきにくくなるので、眠る前はトーンダウンした照明をつけて読書するなどして、ゆっくりと過ごしましょう。
対処法③ ストレスをその日のうちに解消する
仕事が終わったら、好きなことをする時間を作る
軽く運動する
好きな店を巡る
気分転換に料理をする
など、自分が楽しいと思えることをして、ストレスを持ち越さないようにしましょう。
仕事中も、「好きな飲み物で一息つく」「ガムを噛む」など、小さなことでもよいのでリフレッシュする方法を考えておくといいですよ。
対処法④ 体を温める
厚着をする
首や足首の出ている服は着ない
ストールやひざ掛けを活用する
暑い時期でもエアコン対策で「さっと羽織れる上着」を持ち歩く
温かい飲み物を飲む
入浴するときは湯船に浸かる
などの方法で、体を温めましょう。
ストレスが多いと体は冷えがちです。
体が冷えていると、思考もネガティブになる傾向があり、さらにストレスが増してしまいます。
体が冷える前に温めておくことが大切です。冷える前に1枚多く羽織っておくなど、季節に合わせて調節しましょう。
対処法⑤ 仕事の合間などに「深呼吸」する
仕事の合間やストレスを感じたときは、深呼吸しましょう。
特に夕方以降や残業中などは、ストレスで呼吸が浅くなっていることが多いです。
そんなときこそ、深呼吸をして脳に酸素を送りましょう。
深呼吸は、どこでもできるリフレッシュ法で、脳もスッキリします。
深呼吸は“腹式呼吸”を意識しよう
お腹がへこむように口から大きく息を吐く
息を吐き切ったところで、腹部が膨らむように鼻から息を吸い込む
①~②を3~5回程度数回繰り返す
短い生理周期が続く場合は病気の可能性も
頻発月経が2~3ヶ月以上続いている場合は、
黄体機能不全
卵胞期短縮症
などの病気を発症している可能性があります。
これらは、女性ホルモンの分泌に異常が起こっている状態です。
「ストレスが多い人」「生活習慣が乱れている人」「更年期の人」は、発症しやすい傾向があります。
放置すると不妊・流産のリスクが高くなります。
※この他、頻発月経を引き起こす病気として「子宮ガン」も挙げられます。
▼黄体機能不全とは
排卵後の黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が不足している状態。
子宮内膜が育たなくなり、妊娠しにくくなってしまう。
▼卵胞期短縮症とは
卵巣刺激ホルモンが多く分泌されることで、卵胞の発育が早まり、排卵が早く起こる状態。
加齢に伴う卵巣機能の低下などによって引き起こされる。
こんな症状に注意しよう
基礎体温の変化
経血の量が減る
不正出血(生理以外の出血)が起こる
上記は、「黄体機能不全」「卵胞期短縮症」が疑われる症状です。
妊娠を希望する方で心当たりがある場合は、早めに「婦人科」で相談しましょう。
婦人科を探す
頻発月経が続いている場合は、早めに婦人科へ
2ヶ月以上頻発月経が続いている
生理が今までと違う
といった場合は、早めに「婦人科」を受診しましょう。
生理周期が短くなったり、長くなったりすることは、体が異常を訴えているサインです。
普段から、基礎体温をつける・生理の状態をメモするなどして、異常が出たら気がつくようにしましょう。
医師に伝えるポイント
現在の生理周期
生理周期がどのように変化したか
生理周期以外に気になっている症状
基礎体温
受診の際は上記の点を医師に伝えると、診察がスムーズに進むと考えられます。
基礎体温表をつけている人は、持参しましょう。
婦人科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
日本婦人科腫瘍学会 子宮体がん