「生理前になると微熱が続く…」
「体温が37度以上になるのは大丈夫なの?」
生理前の微熱について、お医者さんに聞いてみました。妊娠の可能性・風邪が疑われる症状なども詳しく解説します。
監修者
経歴
医療法人社団 石野医院
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院
生理前に体温が37度台に…大丈夫?
生理前の14日程度は「高温期」になるため、体温が37度台になっても心配いらないケースが多いです。
生理前は、女性ホルモンの影響によって体温が上昇します。
平熱が高い人であれば、生理前の体温が37.5度以上になることもあります。
高温期になると体温が「0.3~0.5度上がる」
「低温期」と「高温期」の体温の違いは0.3~0.5度くらいとされています。
温度の変化には個人差があるため、ご自身で何か月か継続して体温を記録してみるのも良いでしょう。
低温期
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月経開始日から排卵日までの14日間※
|
低温期はエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されて、子宮内膜が増加し厚くなる
|
高温期
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生理開始日までの14日間※
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排卵後、子宮内膜の厚さを保つ働き・体温を上昇させる働きをもつ「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌が開始し、基礎体温が上昇
|
※月経の周期が28日の場合
「妊娠」によって微熱が続くこともある

妊娠したときにでみられる症状
- 高温期が3週間以上続く
- 生理予定日になっても生理がこない
- 倦怠感
- 日中の眠気
- めまい
- ほてり感
※低温期よりも体温が0.3~0.5度高くなるケースが多いです。
成熟した子宮内膜で着床が起こると、妊娠状態を保つために体温が高くなることが多いです。
上記症状に当てはまる方は、妊娠の可能性が高いといえます。
「妊娠しているかもしれない…」と思うときは、産婦人科へ受診しましょう。
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「ストレス・疲労」が原因のケースも…
ストレス・疲労で自律神経のバランスが乱れると、血管の拡張や収縮の調節がスムーズに行えなくなり、体温上昇が起こることがあります。
この場合、平熱より少々高めの微熱が起こるケースが多いです。
特に、
- 真面目で頑張り過ぎてしまう人
- 神経質な人
- 睡眠不足の人
などは、ストレス・疲労が蓄積されやすいので要注意です。
「自律神経の乱れ」で伴いやすい症状
- 眠れない(不眠)
- 倦怠感・疲労感
- 発汗量が増える
- ほてる・顔が急に熱く感じる
- 動悸がする
- イライラしやすくなる
疲れているときは、ゆっくりと休もう
ストレス・疲労の蓄積に心当たりがあるときは、まずはたっぷりと睡眠をとりましょう。
心と体を休めると、症状が落ち着きやすいです。
また、自律神経を安定させるために
- 規則正しい生活を送る
- 毎日30分程度、軽めの運動を行う
といった対策もおすすめします。
寒気・喉のイガイガがあるときは「風邪」を疑いましょう
何らかの“感染症”が疑われる症状
- 発熱
- 関節痛・頭痛
- 喉のイガイガ・痛み
- 咳
- 鼻水
- 寒気
- 倦怠感
- 息苦しい
上記症状を伴う場合は、風邪などの感染症が強く疑われます。
感染症になると、37度程度の微熱が続くこともあります。
のどなど気道粘膜にウイルスが感染すると、防御反応として熱が出ます。
自身の体温を上げて、ウイルスの活動を抑制したり、免疫機能を高めようとしたりしています。
風邪の場合、どう対処する?
水分補給をしっかり行い、無理せず安静にして過ごしましょう。
こんなときは「内科」で相談を
微熱が7~10日以上続く場合には、重篤な疾患が潜んでいる恐れがあります。
速やかに内科で受診してください。
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2020-02-12
「すぐに熱を下げるには、どんな薬を選べばいいの?」
「どこを冷やせば熱が下がるの?」
この記事ではすぐに熱を下げる4つの方法を、医師が詳しく解説します。
大事な予定があってどうしても休めない!という方も、ぜひ参考にしてください。
無理に熱は下げない方がよい
発熱は、体を守るための必要な働きです。
発熱しているということは、何らかの異物と体が戦っている状態です。
ウイルスや細菌が進入すると、熱を上げて退治しようとします。無理に熱を下げれば、逆に異物が優勢となり、体調悪化・症状悪化につながる可能性もあります。
一般的な発熱であまりに熱が高い場合(40度以上)は、体を楽にさせ、脳症や合併症を避けるため、ロキソニンなどの鎮痛剤(※)を使用します。
それ以下の熱の場合は、自然に任せておくのが本来はいいのです。
※インフルエンザの場合は、使用できない鎮痛剤もあるので注意が必要です。
なぜ?「熱が出る理由」
発熱は、体の中にウイルスや細菌などの異物が侵入してきたのを倒そうとする免疫反応で起こります。
そのため、熱が上がり切るまではウイルスや細菌も大量に増殖しているので、体は辛い症状を多く感じます。
熱が下がる頃には、ウイルスたちを押さえ込み、体調が徐々に快方に向かい始めます。
なぜ?「震え」がおきる理由
体温が上昇すると血液や他の部位も一緒に熱を作ろうと、体熱の放散を減少させ、体全体の熱産生を増やそうとします。
その際、皮膚の血流を少なくしたり、筋肉を震わせて熱を作ったりします。
方法①お薬を飲む
解熱鎮痛剤を使いましょう。
すぐに熱を下げたい場合、風邪薬に解熱剤が入っていれば、そちらを使用していただいても構いません。しかし、熱に関して対処するのであれば、解熱鎮痛剤を使います。
解熱剤・鎮痛剤は、一時的に熱を下げ、体を楽にすることはできます。
※インフルエンザの場合は、使用できない鎮痛剤もあるので注意が必要です。
風邪のひき始めなら漢方薬もおすすめ
風邪のひき始めであれば葛根湯(カッコントウ)がおすすめです。
生姜やクズの根配合で、体を温めて早く熱をさげる作用が期待できます。
ただし、葛根湯にも解熱作用があるため、解熱剤との併用は避けましょう。
成分によっては重複して思わぬ副作用が生じることがあります。
漢方薬を使用する際は、薬剤師、登録販売者に相談をしましょう。
方法②首・鼠径部・ワキの下を冷やす
血流が多い部分を冷やすと早く熱は下がります。冷やす場所としては、首・鼠径部・ワキの下などがおすすめです。
熱が出ると、額を冷やす方法をイメージする方が多いかと思いますが、 これには熱を下げる働きはあまりありません。
また、冷却シートは、熱を下げるというよりも、頭を冷やすことで気持ちがよくなり、すっきりして気分が落ちつくという働きが期待できるものです。
方法③食べ物・飲み物
温かい食事や、冬が旬の野菜・果物で体を内部から温めて発汗を促せば、 汗で熱は下がりやすくなります。
ココアや生姜湯、チャイ等(温かい飲み物)
加熱したトマト、にんにく等(温かい食べ物)
かぼちゃ、かぶ、りんご、ブドウ等(冬が旬の野菜や果物)
また、いちごやスイカは、薬膳の世界では熱冷ましとしての働きもあるようです。薬のようにはいきませんが、水分補給ができるので体が楽になるでしょう。
方法④ツボ押し
首の後ろ側にある、髪の生え際あたりに位置する左右二つのツボ「風池」 は、熱っぽい・咳などの症状を和らげる働きがあると言われています。
お風呂で汗をかくのは有効
発汗を促すことで解熱効果が期待できます。
ただし、熱が上がっている途中で入浴しても、熱を下げる働きは期待できません。
熱が上がりきった後に汗が出始めているのであれば、入浴や岩盤浴などで発汗を促すことで解熱効果が期待できます。
その際は、水分が急激に失われるので十分に水分補給をしてください。
逆効果!「発熱症状を悪化させる行動」
寒気を感じた時に、余計に体を冷やすのは避けましょう。体を冷やすと熱はどんどん上がり、体調も悪くなっていきます。
寒気を感じたら、体を温めましょう。
熱が上がりきって熱く感じるようになったら、衣類を脱ぎ体温を調節してください。
熱が下がっても「数日は安静」にしましょう
熱が下がっただけでは、まだ体は本調子ではありません。
熱が下がっても、数日は安静にして過ごすのがいいです。
熱が下がったからといって急に動くと、体力が落ちている体はすぐに疲れてしまい、症状をぶり返す原因になります。
熱が下がった後は、栄養を摂って快方に向かいます。
免疫力をつけるためにも、抗酸化作用のあるビタミンC、体力をつけるためにたんぱく源などを中心に、スタミナ補給を行いましょう。
ビタミンC…緑黄色野菜、果物 等
タンパク源…卵、豆腐 等
ただ、風邪のときは胃腸も弱っていることがあるので、消化をよくするためにも、加熱して柔らかく煮込んだものがいいです。
基本的に、熱は無理に下げる必要はありません。
何らかの病気にかかった信号と受け止め、病院を受診し、安静にできる場所・スケジュールを確保して体を休めましょう。
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病院に行く目安

- 体温37度以上の状態が3週間以上続く
- 生理予定日になっても生理がこない
- 倦怠感・めまいなど、他の不調を伴う
上記症状が見られるときは、病院で相談しましょう。
妊娠などの可能性も考えられます。
体の状態を確認するためにも、まずは診察を受けることが大切です。
何科で相談すればいい?
婦人科系疾患や妊娠が疑われるときは、産婦人科を受診しましょう。
風邪の症状が強い場合は、内科を受診してください。
お医者さんに伝える「ポイント」
- 微熱が続いている旨
- 基礎体温の推移
- 生理の周期
- 微熱以外に出現している症状
- 持病や病歴
- 妊娠・出産経験の有無
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2020-12-02
37度の微熱が続いている…これはなぜ?
長引く微熱の原因と対処法を、お医者さんに聞きました。
病気の可能性や病院に行く目安も解説します。
37度の微熱が続く…原因7つ
37度の微熱が続く時、考えられる原因は「体の一時的な変化」である場合と「病気」の2つの場合が考えられます。
体の一時的な変化の原因は
自律神経の乱れ
ホルモンバランスの乱れ
病気の可能性がある原因は
風邪
慢性疲労症候群
アレルギー反応
膠原(こうげん)病(自己免疫疾患)
がん
などの可能性があります。
微熱は風邪などのウイルス感染以外にも、自律神経の乱れやホルモンバランスによっても出ることがあります。
微熱以外に症状がなく、日常への支障を感じていない場合は、一旦様子を見てもよい場合があります。
それぞれ、ひとつずつ詳しく説明していきます。
原因① 自律神経の乱れ
ストレスや疲労、生活習慣の乱れによって自律神経のバランスが乱れると体温を上手く調節できなくなります。
交感神経が過剰に働くと体温が上がりやすくなったり、副交感神経が弱まると体温がうまく下げられなくなったりするため、微熱の状態が続きやすくなります。
自律神経とは心臓を動かしたり、体温を調整したり、消化を助けたりと、私たちが意識しなくても働いている神経のことです。
自律神経は活動時に体を元気にする「交感神経」と、休息時に体をリラックスさせる「副交感神経」がありますが、このバランスが崩れることで体温をうまく調整できなくなり、微熱が続くことがあります。
熱はどれくらい続く?
自律神経の乱れによる微熱の期間は人によって異なりますが、多くの場合は数日から数週間です。
ただし、原因となるストレスや疲労が解消されないと、長引くこともあります。
1か月以上微熱が続く場合や、他の症状が強く現れる場合は、別の病気の可能性もあるため、医師の診察を受けてください。
【見分け方】熱以外の症状
だるさや疲労感
頭痛やめまい
手足の冷えやほてり
夜中に目が覚める
食欲不振
便秘や下痢
全身の疲れや、朝起きたときの倦怠感を感じることが多いです。
また、血管のコントロールがうまくいかず、手足が冷える一方で顔だけがほてるなど、体温調節が乱れることがあります。
自律神経は消化器官もコントロールしているため、食欲不振、胃もたれ、便秘や下痢などが起こることがあります。
自分でできる対処法
自律神経の乱れによる微熱を改善するには、生活習慣を整え、体と心をリラックスさせることが大切です。
深呼吸や軽いストレッチ
ヨガなどの軽い運動
湯船に浸かる
生活リズムを整える
特にストレスや疲労が重なると自律神経が乱れやすくなります。ストレスや疲れを溜め込まず、心と体をリラックスさせることが大切です。
原因② ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」のバランスが乱れると体温が上昇します。
特に排卵後に分泌が増える「プロゲステロン」は妊娠しやすい環境を整える役割があるため体温を上昇させ、微熱が出ることがあります。
ホルモンバランスは
生理周期
妊娠
更年期
などによって大きく影響を受けます。
特に生理周期の場合は排卵期の度にホルモンバランスが乱れるため、微熱が出やすく感じることがあります。
また、女性ホルモンの分泌が乱れるとストレスが増えて自律神経にも影響を与えるため、自律神経が乱れて結果微熱が続くこともあります。
更年期(40代~50代)では、ホルモンの分泌が不安定になるため、体温調節がうまくいかなくなります。その結果、微熱を感じることがあります。
熱はどれくらい続く?
体温を上昇させる「プロゲステロン」は排卵後に分泌が増えるため、排卵後から次の月経までの約2週間、37度の微熱が続くことがあります。
更年期の場合は数日から数週間程度のことが多いですが、場合によってはもっと長引くこともあります。
【見分け方】熱以外の症状
肌荒れや乾燥が増える
疲労感や眠気がひどい
月経が原因の場合
微熱が出てから2週間ほどで生理が来る
まれに生理周期が乱れる
生理痛がひどくなる
など
更年期症状
のぼせやほてり
汗をかきやすくなる
イライラや不安感が強まる
など
自分でできる対処法
体を温める
深呼吸やアロマテラピーでリラックス
大豆製品をしっかり摂る
軽い運動
睡眠をしっかりとる
冷えはホルモンバランスを崩す原因になります。腹巻きや靴下を履くなどして体を温め、冷たい飲み物を控えましょう。
また、豆製品(納豆、豆腐、豆乳)には、ホルモンバランスを整える「イソフラボン」が含まれているので積極的に摂るのがおすすめですよ。
原因③ 風邪
風邪にかかると、体はウイルスと戦うため免疫反応を起こします。
免疫細胞が活発になる過程で熱が出やすくなったり、鼻やのどの炎症が広がることで体温が上がったりするため、37度前後の微熱が続くことがあります。
風邪はウイルスが鼻やのどなどに感染、炎症を引き起こしておこります。風邪を引き起こすウイルスは200種類以上あり、ウイルスによっては軽度の症状で微熱だけが続くこともあります。
風邪をひいた時に熱が出るのは、体がウイルスと戦っている証拠。
体温を上げることでウイルスの働きを弱めようしていたり、免疫細胞がウイルスを排除しようと活発に働いているため、熱が出るのです。
熱はどれくらい続く?
風邪が原因で微熱が続く期間は3~5日程度が一般的です。ただし、疲労が溜まっていたり、十分な休養が取れていない場合は、1週間以上続くこともあります。
微熱が1週間以上続く場合は、別の病気(例えば、副鼻腔炎や肺炎など)の可能性もあるため、医師に相談しましょう。
【見分け方】熱以外の症状
鼻水、鼻づまり
のどの痛みや違和感
軽いだるさや疲労感
風邪が原因で微熱が続く場合は、鼻やのどの症状が出るのが特徴です。
自分でできる対処法
十分な休養をとる
こまめな水分補給
湿度を50~60%に保つ
栄養をしっかり摂る
免疫機能を高めるためには、十分な休養がとても大切です。睡眠は7~8時間しっかり取り、無理に仕事や家事をしないよう心がけましょう。
また、部屋を暖かくして湿度を保ちましょう。ウイルスは乾燥した環境で増えやすいので、湿度は50~60%に保つと良いです。加湿器を使うか、濡れタオルを部屋に干すのも効果的です。
原因④ 慢性疲労症候群
慢性疲労症候群は、日常生活が困難になるほどの強い疲労感が長期間続く病気です。
免疫や自律神経の働きに異常が生じることで、体温調節がうまくいかなくなり37度前後の微熱が長期間続くことがあります。
慢性疲労症候群は単なる「疲れ」や「過労」とは異なり、十分に休んでも疲労感が改善しません。
免疫系の過剰反応や自律神経の乱れ、エネルギー代謝の低下などによって起こると考えられています。
熱はどれくらい続く?
数カ月から数年など、長く続くことがあります。
ただし熱の程度は日によって変動することが多く、調子が良い日は体温が正常に戻ることもあります。
慢性疲労症候群は現時点では決定的な治療法は確立されていませんが、医療機関では薬物療法を中心に対処してもらえます。
つらい場合は迷わずに病院へ行くようにしましょう。
【見分け方】熱以外の症状
疲れが休んでも改善しない
ほんの少しの動きでも疲れる
長時間寝ても疲労感が取れない
不眠や浅い眠りが多い
頭痛、筋肉痛、関節痛などがある
集中力や記憶力の低下
のどの痛みやリンパ節の腫れ
慢性疲労症候群は、極度の疲労感が続いているのが特徴です。
寝ても回復しない、常に疲れが抜けない、少し動いただけでも疲れるなどの特徴がある場合は医療機関へ相談してみるのもいいでしょう。
自分でできる対処法
慢性疲労症候群の治療法はまだ確立されていませんが、日常生活でできる対策を少しずつ行うのもいいでしょう。
生活の中にこまめな休憩を取り入れる
瞑想、ヨガ、深呼吸などをこまめに行う
栄養をバランスよく摂る
原因⑤ アレルギー反応
花粉やハウスダスト、食物や動物などのアレルゲンに触れた場合に起こるアレルギー反応でも、微熱が出ることがあります。
アレルギー反応とは、体の免疫システムが本来無害なもの(アレルゲン)に対して過剰に反応する状態を指します。
アレルギー反応による微熱は、体の炎症反応が原因です。
花粉やハウスダストなどのアレルゲンに接触すると免疫細胞が過剰に反応し、ヒスタミンなどの化学物質が放出されます。この化学物質が体の中で炎症を引き起こし、微熱として現れることがあります。
熱はどれくらい続く?
通常、アレルゲンに触れなくなれば治まることが多いです。
例えば、花粉症の場合は花粉の季節が終われば症状が治まります。
【見分け方】熱以外の症状
鼻や目のかゆみ
皮膚のかゆみや湿疹
咳やのどの違和感
目の充血や涙目
自分でできる対処法
アレルゲンを避ける
マスクを着用する
体を温めすぎない
湿度を高く保つ
アレルギーによる微熱へ対処するには、なによりもアレルゲンを取り払うことが大切です。外出時にマスクを着用し、帰宅後は服を払ってから家に入るように心がけましょう。
また、乾燥すると鼻や喉の粘膜が弱くなり、アレルゲンの影響を受けやすくなります。加湿器などで適切な湿度(40~60%)を保つことが重要です。
原因⑥ 膠原病(こうげんびょう)
膠原病は、自己免疫疾患の一種で、体の免疫システムが自分自身の細胞や組織を攻撃してしまう病気の総称です。
免疫系の異常による炎症が体内で起こるため、37度前後の微熱が出ることがあります。
自己免疫疾患では、免疫システムが誤作動を起こし、体内で慢性的な炎症が続きます。この炎症によって体温が少し高くなります。
また、炎症を引き起こす物質(サイトカイン)が体内で増えることで体温調節に影響を与え、微熱を引き起こします。
膠原病が疑われる場合は早めに専門医に相談して、正確な診断と治療を受けることが大切です。
熱はどれくらい続く?
炎症が強い場合は、微熱が数週間~数か月続くこともあります。
症状の強さや期間は個人差があるため、定期的な検査で病状を管理することが大切です。
【見分け方】熱以外の症状
関節痛、筋肉痛
倦怠感、疲労感
指先や顔の皮膚が硬くなることもある
赤い発疹が出ることもある
目や口の乾燥が強く出ることもある
自分でできる対処法
体を冷やさない
ストレスをためない
野菜や魚、ナッツ類を積極的に摂る
青魚、果物を食べる
適度な運動
膠原病の治癒には医療機関での治療を受けることも重要です。
自己管理では免疫力を上げることが大切。ストレスは免疫の乱れを悪化させる原因になります。リラックスできる時間を作り、ストレスをため込まないようにしましょう。
また、野菜や魚、ナッツ類、オメガ3脂肪酸が豊富な青魚や、抗酸化作用のあるビタミンCを含む果物を積極的に食べるように心がけるとよいでしょう。
原因⑦ がん
がんは、体を構成する細胞の一部が異常に増殖する病気です。
がん細胞が体内で増えると、体はそれを排除しようと免疫システムが働きます。この免疫反応により炎症が起きることがあり、微熱の原因となります。
がんは早期発見が最重要です。
原因不明の微熱が続く場合には自分で原因を特定しようとせず、すぐに医療機関へ相談することが大切です。
【見分け方】熱以外の症状
体重減少
疲労感が取れない
持続する痛み
しこりや腫れ
皮膚の変化
など
食事の量が変わらないのに短期間で大幅に体重が減る場合は注意が必要です。
ですが、以上はあくまでも目安です。少しでもがんの可能性を感じたら迷わずに病院へ行きましょう。
自分でできる対処法
がんが疑われる場合は、自分でできる対処法は限られています。
十分な休養を取り、栄養バランスをしっかり整えた食事をとりながら、早期に医療機関を受診しましょう。
37度の微熱…インフルエンザの可能性はある?
37度の微熱でも、インフルエンザの可能性はあります。
感染初期の場合や免疫力が低下している人の場合は高熱が出にくいことがあるためです。
インフルエンザは、一般的に高熱(38~40度)が特徴的な病気として知られていますが、場合によっては37度台の微熱から始まることもあります。
例えば、ウイルスが体内で増え始めた初期段階では、免疫反応がまだ完全に活性化していないため、高熱が出ないことがあります。
また、インフルエンザが軽症の場合、微熱や軽い症状だけで済むことも。高齢者や免疫力が低下している人では、高熱が出にくいことがあります。
微熱だからといって安心せず、医療機関で検査を受けることが大切です。
お風呂は入ってOK?
37度の微熱がある時でも、体調が安定していればお風呂に入っても大丈夫です。
ただし、
38度の以上の高熱がある時
体が極端にだるい時
などは避けるようにしましょう。
微熱の時にお風呂に入るメリット
実は、微熱の時にお風呂に入ることでいい効果をもたらす場合があります。
血行が良くなり疲労回復の手助けになる
リラックスして自律神経が整いやすくなる
発汗で老廃物が体外に出やすくなる
などが考えらえます。
お風呂に入ると体が温まり、血流が良くなります。これにより、体内の老廃物が排出されやすくなり、疲労回復や微熱の改善が期待できます。
また、お風呂に入ると体が温まり、血流が良くなります。これにより、体の緊張がほぐれ、副交感神経が働いてリラックスできます。ストレスが減り、風邪の症状が楽になることがあります。
なぜ熱がある時にお風呂に入るのはダメとされるの?
入浴するにはエネルギーを使います。
熱がある時は体がウイルスや細菌と戦っているため、すでに多くのエネルギーを消耗しています。この状態で入浴すると、体力をさらに使い、回復が遅れるのではないかと考えられてきました。
ですが、現代の生活環境ではお風呂に入ることのメリットも多くあると考えられているため、微熱がある時でもお風呂に入ってよい場合が多いです。
【入浴の仕方】微熱がある時のお風呂の入り方のポイント
お湯の温度は38~40度程度のぬるめに
入浴時間は10~15分程度
脱水症状を防ぐために水分補給を忘れずに
入浴後はすぐに体を拭き、体を冷やさないように
の4つのポイントを必ず押さえましょう。
熱いお湯は体に負担をかけるので避けることが大切。ぬるめに設定しましょう。長風呂は避け、短時間で済ませることが大切です。
また、入浴後は温かい部屋で、乾いたタオルでしっかり水分を拭き取りましょう。
仕事や学校は休むべき?
微熱に加えて、次のような症状がある場合は休むようにしましょう。
だるさや疲労感が強い
頭痛や喉の痛み
咳や鼻水、体の痛み
消化器系の不調(吐き気、下痢、腹痛)
集中力の低下やふらつき
肌の異常や発疹
周囲で感染症(インフルエンザ、風邪、胃腸炎など)が流行している場合
特に、感染症の疑いがある場合は、周囲に広めないためにも無理をせず休みましょう。
病院に行く目安は?
微熱が4日以上続く
咳やのどの痛み、鼻水などの症状がある
下痢、吐き気などがある「
関節や筋肉の痛みがある
体力低下が激しい
などの症状がみられる場合は、病院へ行くのが望ましいです。
感染症や慢性的な疾患、ストレスやホルモンバランスの乱れなど、原因を特定することが大切です。
37度前後の微熱だけで、体が元気でいつもと変わらない生活ができる場合は、様子を見てもいいでしょう。