「奥歯の歯茎が腫れて、喉の痛い」親知らずの炎症かも。どう治す？｜歯科医監修

「奥歯の歯茎が腫れて喉の痛みもある…」
「この原因は何？放置して大丈夫？」

奥歯の歯茎が腫れて喉の痛みもある症状について、歯医者さんに聞きました。

悪化した場合のリスクや、考えられる原因について解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

奥歯の歯茎の腫れと喉の痛みは「智歯周囲炎」の可能性大！

智歯周囲炎とは、親知らずの周囲が炎症を起こしている状態のことです。
細菌感染が拡がると、奥歯の歯茎の腫れと喉の痛みが生じることがあります。

他にも、こんな症状はないですか？

どう対処すればいい？

智歯周囲炎は治療が必要ですので、早めに歯医者を受診してください。

すぐに受診できないときの「ケア方法」

すぐに受診できないときは、

• 歯磨きは柔らかい歯ブラシで優しく磨く
• うがい薬で口の中を消毒する

といったケアで、口の中を清潔に保ちましょう。

うがい薬は、イソジンなどの殺菌作用が強く、低刺激なものを使用してください。
アルコール成分の強いものは、刺激が強く、悪化させることがありますので、避けましょう。

放置はNG！さらに悪化すると…

治療を受けずに放置すると、炎症が顎や首周辺にまで拡がり、「呼吸がしづらい」「呼吸ができない」などの深刻な症状を生じる恐れもあります。

悪化を防ぐためには、早めに歯医者を受診することが大切です。

歯科を探す

智歯周囲炎はどう治す？

まず親知らず周囲を洗浄・消毒します。
さらに、抗菌薬や消炎鎮痛薬、うがい薬などの薬剤を併用して炎症を抑えます。

炎症が治まり次第、余分な歯肉を切除することもあります。
また、親知らずが生える場所に異常があり、炎症を繰り返している場合は、親知らずを抜歯します。

治療に痛みは感じる？

洗浄・消毒は痛みのない範囲で行います。
抜歯などは麻酔をするため、通常治療中は痛みを感じないケースがほとんどです。

治療にかかる期間は？

3回〜4回通院して治療します。症状によって期間は異なります。

一般的には１週間に1回、または数週間に1回程度の通院になります。（医療機関にもよるため、担当した医師の指示に従いましょう。）

治療にかかる費用は？

保険適用（3割負担）で、抜歯が必要な場合には、1,500円～5,000円程度（薬代含む）になります。

ただし、骨に埋まっている歯の場合、レントゲン写真だけでなく、CT撮影が必要になる場合があります。CT撮影は保険適用（3割負担）で3,500円程度です。

※費用は親知らずの生え方によって大きく変わります。

早く治すために心がけること

• 口の中を清潔に保つ
• 歯茎に刺激を与えない
• バランスの良い食事を心がける
• 良質な睡眠をとる

といった点を意識しましょう。
歯磨きは、柔らかい歯ブラシで優しく磨きましょう。
また、体の抵抗力が下がると炎症が悪化するため、疲労やストレスの蓄積に気を付けてください。

智歯周囲炎が悪化すると食事をとりづらくなり、生活の質の低下・栄養不良の原因にもなります。
「奥歯の歯茎の腫れ」と「喉の痛み」があるときは、早めに歯医者を受診しましょう。

歯科を探す

※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。