「急にお腹が出てきた…」
「お腹周りが急に太った…どうすればいい?」
男性にみられる「急にお腹が出てきた」原因を、栄養士さんに聞いてみました。
食事や運動のポイントなど、ぽっこりお腹を解消する方法も解説します。
監修者
経歴
株式会社Luce代表/健康検定協会理事長、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。
なぜ?男性にみられる「急にお腹が出てきた」原因
つい最近から、お腹だけがぽこっと出てきました。なぜ急にお腹がでてしまうのでしょうか。
「急にお腹が出てきた」場合、内臓脂肪型肥満が原因として考えられます。
これは消費しきれなかったカロリーによって、腸の周りに脂肪が蓄積されている状態です。
内臓脂肪型肥満は、40代以降の男性に多く発症します。
40代を過ぎると基礎代謝が落ちていくため、脂っこい食事中心など「若い頃と同じ食生活」を続けていると、内臓に脂肪が溜まりやすくなります。
特に運動不足の人はカロリーを消費しづらくなるため、発症しやすい傾向があります。
「内臓脂肪型肥満」の特徴
内臓脂肪型肥満になると、お腹周りのお肉が、手でつまめないほどパンパンに張ります。
ウエスト周りが大きく目立つようになるため「リンゴ型肥満」とも呼ばれています。
内臓脂肪型肥満を放置すると、どうなる?
内臓脂肪が多い状態を放置すると、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病のリスクを高めます。
これらの病気を放置すると、心臓病・脳卒中といった命に関わる病気の発症にもつながるため注意が必要です。
内臓脂肪型肥満に加えて生活習慣病がある人は、「メタボリックシンドローム」と呼ばれています。
メタボリックシンドロームは、動脈硬化による心臓病・脳卒中を発症しやすいため、医療機関での治療が必要になります。
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2023-01-30
「内臓脂肪を減らしたい…」
「ダイエット中って、なにを飲めばいいの?」
内臓脂肪を減らしたいときにおすすめの飲み物を、栄養士さんに聞きました。
コンビニで手軽に買える商品も紹介するので、効率良くダイエットしたい人は必読です。
内臓脂肪を減らしたい!おすすめ飲み物7選
緑茶
コーヒー
トマトジュース
グレープフルーツジュース
お酢(お酢ドリンク)
サラシア茶
烏龍茶
上記の飲み物は、内臓脂肪を減らしたい人におすすめです。
それぞれの飲み物にどのような働きが期待できるのか、詳しく解説していきます。
おすすめ① 緑茶
緑茶に含まれる「ガレート型カテキン」は、脂質の消化酵素「リパーゼ」の働きを抑えて脂質の吸収を抑制するため、内臓脂肪の減少をサポートすると考えられます。
コンビニの商品例
ヘルシア緑茶
伊右衛門 濃い味
飲むタイミングは?
食事中や食後、運動前に摂取しましょう。
カテキンは、1日に540mg以上摂取するとよいです。
「伊右衛門 濃い味」(サントリー)は、1.2リットル中にカテキンが540mg含まれています。
おすすめ② コーヒー
コーヒーに含まれる「カフェイン」は、「脂肪の蓄積を抑える働き」があるとされています。
また、カフェインが基礎代謝を上げるという報告もあります。
コンビニの商品例
プレミアムボスブラック
ネスカフェエクセラボトルコーヒー(無糖)
どうやって飲むのがいい?
食後や運動前に摂取しましょう。
研究によっては1日にコーヒー3杯を目安に摂取すると12%、6杯で16%、基礎代謝が上がったという報告があります。
ただ、カフェイン過剰の観点から3杯ほどを目安に飲むとよいでしょう。
おすすめ③ トマトジュース
トマトに含まれる「13-oxo-ODA」という成分には、脂肪を燃やす働きがあります。
また、「リコピン」には、脂肪細胞が成長するのを抑える働きがあります。
コンビニの商品例
カゴメトマトジュース 高リコピントマト使用
リコピンリッチ
どうやって飲むのがいい?
食事の前に、コップ1杯(200ml)を目安に飲みましょう。
おすすめ④ グレープフルーツジュース
グレープフルーツの香り成分には、「中性脂肪を減らす働き」や「中性脂肪を貯めにくくする働き」があります。
また、苦味成分の“ナリンジン”には、「食欲を抑える働き」があります。
コンビニの商品例
「Doleグレープフルーツミックス100%」
「Welch’sピンクグレープフルーツ100」
※果汁100%のものや、果汁濃度が高いものがおすすめです。
どうやって飲むのがいい?
食前に飲むのがおすすめです。
1日にコップ1杯程度、飲みましょう。
おすすめ⑤ お酢(お酢ドリンク)
お酢に含まれる「酪酸」には、「食べ物を熱に変換しやすくする働き」や、「脂肪酸やブドウ糖が脂肪細胞に取り込まれるのを防ぐ働き」があります。
コンビニの商品例
黒酢で活力
リンゴ黒酢カロリーゼロ
どうやって飲むのがいい?
お酢を飲む場合は、朝食・夕食の2回に分けて、1日あたり大さじ1杯(15ml)を目安に摂取しましょう。
「黒酢」や「米酢」、「穀物酢」など、酢酸がとれればどのタイプでもかまいませんが、砂糖や甘味料が添加されているものには注意しましょう。
「リンゴ黒酢カロリーゼロ」であれば、1日あたり350mlを目安に飲むとよいでしょう。
おすすめ⑥ サラシア茶
サラシアには、腸で脂質を代謝する酵素の働きを阻害し、「体に脂肪がつくのを抑える働き」を持つ成分が含まれています。
コンビニの商品例
菊芋イヌリン桑の葉の入ったサラシア茶
サラシノール健康サポート茶
どうやって飲むのがいい?
食前にコップ1杯程度を目安に飲みましょう。
食事の15~30分前に飲むのがおすすめです。
おすすめ⑦ 烏龍茶
烏龍茶を摂取すると、睡眠時に脂肪を燃やす働きが強くなることが報告されています。
コンビニの商品例
黒烏龍茶(サントリー)
ウーロン茶(伊藤園)
どうやって飲むのがいい?
朝・昼に350mlずつ、摂取しましょう。
体を冷やさないように、常温または温かい状態で飲むとよいです。
飲みすぎ注意!内臓脂肪の増加につながる飲み物
コーラ
炭酸飲料
糖分を多く含む紅茶、ミルクティー
スポーツ飲料水
果汁ジュース 等
上記の飲み物は、いずれも糖質を多く含みます。
余分な糖は体に脂肪として蓄積してしまうので、飲みすぎに注意です。
ただし、コップ1杯程度を飲む程度であれば大丈夫です。
なお、空腹時に飲むと血糖値が急激に上がるので、お腹が空いているときに飲むのは控えた方がいいでしょう。
「糖質ゼロ」「ゼロカロリー」は飲んでもいい?
「糖質ゼロ」や「ゼロカロリー」と表示されていても、正確にゼロというわけではなく、多くの場合「人工甘味料」が使われています。
人工甘味料の甘みに慣れてしまうと、濃い味付けを好むようになることもあるため、飲みすぎには注意してください。
▼参考
緑茶の健康効果に世界が注目 脂肪の燃焼を促しがん予防の効果も | ニュース | 糖尿病ネットワーク (dm-net.co.jp)
tea science tips「体脂肪」|お茶の成分と健康性|お茶百科 (ocha.tv)
知っていますか?緑茶のパワー | 山梨県厚生連健康管理センター (y-koseiren.jp)
トマトから脂肪肝、血中中性脂肪改善に有効な健康成分を発見:効果を肥満マウスで確認 | 京都大学 (kyoto-u.ac.jp)
トマトから中性脂肪の燃焼を助ける物質を発見 | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」 (jst.go.jp)
内臓脂肪が気になる方におすすめ!毎日約大さじ一杯のお酢:酢の力│ミツカングループ企業サイト (mizkan.co.jp)
サラシア | 成分情報 | わかさの秘密 (wakasa.jp)
ウーロン茶を飲むと「脂肪燃焼」が促される 肥満の抑制効果を期待 | ニュース | 糖尿病ネットワーク (dm-net.co.jp)
こんな生活習慣の人は…要注意!
「急にお腹が出てきた」という症状は、
- つい食べ過ぎる(間食が多い)
- 普段から運動をしない
- ストレスが多い生活を送っている
- お酒をよく飲む
といった習慣の人に多いです。
内臓に脂肪がついてしまう大きな原因は、カロリーを摂りすぎていることです。
消費カロリーが少ない状態で食べ過ぎると、余ったエネルギーが内臓脂肪として蓄積されてしまいます。
特に40代以降の人で「運動不足」だと、筋肉量が低下して代謝機能が落ちるため、カロリーを消費しにくくなります。
ストレスも「脂肪の蓄積」を招く!
慢性的なストレスがあると、脳から「ストレスホルモン」が分泌されて、体が脂肪をため込もうとします。
この状態でストレス発散のために暴飲暴食すると、さらに脂肪が蓄積されやすくなります。
お酒の“おつまみ”を食べ過ぎていませんか?
アルコールを摂取すると、「アセトアルデヒド」という脂肪の分解を抑制する物質が体内に作られます。
お酒を飲みながら“おつまみ”をたくさん食べるという行為は、脂肪を蓄積させやすいので要注意です。
ぽっこりお腹を解消したい!
ぽっこりお腹を解消させるためには、摂取カロリーを抑えたり、消費カロリーを増やしたりすることが大切です。
そのためにも、
- 糖質・脂質を食べ過ぎない
- 1日30分程度、有酸素運動を行う
- 筋トレをする
- 姿勢を正す
といったことを意識して行うとよいでしょう。
その① 糖質・脂質の食べ過ぎに注意しよう
糖質・脂質の食べ過ぎ予防のために、
- 1回の食事で、ご飯と麺を一緒に食べない
- ご飯のおかわりを控える
- 脂っこい食事を頻繁に食べない
などを心がけ、糖質・脂質の摂りすぎに注意しましょう。
無理に糖質制限をする必要はありません。
1日に3食、栄養バランスの整った食事を食べる習慣をベースにして、過剰なカロリーの摂取を控えるようにしましょう。
また、タンパク質は、体重1㎏に対して1gを目安に摂取すると、筋肉がつきやすくなり、消費カロリーの向上につながります。
その② 1日30分、有酸素運動をしよう
など自分に合った有酸素運動を、1日20〜30分程度を目安に行いましょう。
毎日行った方がよいですが、難しい場合は少なくとも3日に1回は行うようにしてください。
運動に慣れていない人は、「一駅分多く歩く」など日常生活の中で動く量を増やすことから始めましょう。
有酸素運動が習慣になると、消費エネルギー量が増えて体全体の脂肪が減り、お腹周りも痩せてきます。
その③ 筋トレをしよう
プランクなど、お腹周りの筋肉を鍛える動きを行いましょう。
筋トレを行い、筋肉量を増やすことで代謝が上がり脂肪が減ります。
また、お腹周りの筋肉が鍛えられると内臓の位置が正しい位置に戻るため、お腹がへこみます。
プランクのやり方
- 四つ這いになり、床にひじをつく
- 両ひざを床から離して、まっすぐ伸ばす
- 頭からかかとまで一直線にする
- ③の状態のまま、30秒維持する
このとき、呼吸は自然に続けましょう。
これを1日2~3回行いましょう。
1回30秒程度キープするところからスタートし、徐々に時間を伸ばして鍛えていきましょう。
その④ 正しい姿勢を意識しよう
背筋を伸ばし、お腹をひっこめた状態を意識して、正しい姿勢を保つよう意識しましょう。
正しい姿勢でいるとお腹周りの筋肉を鍛えられ、ぽっこりしたお腹が引き締まりやすくなります。
まずは3日間!無理のないペースで続けてみよう
まずは3日間、意識して行いましょう。
それができたら「また次の3日間やる」というように少しずつ続けていきましょう。
2週間ほど継続できるとだいぶ定着してきます。
ダイエットを継続するコツは、最初は低いハードル設定し徐々に上げていくことです。
つらいと感じることは、長続きしません。
つらいと感じる一歩前くらいのことを行い、少しずつ負荷を上げていくと継続しやすくなります。
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2022-08-31
「サウナは痩せる」って聞いたけど、ホント?
サウナで内臓脂肪や皮下脂肪を燃焼できるのかどうか、専門家に聞いてみました。
おすすめのダイエット方法も紹介するので、効率的に痩せたい人は必読です。
サウナで「内臓脂肪」が落ちるってウソ・ホント?
健康や美容によいと思ってサウナをはじめました。サウナで「内臓脂肪が落ちる」という噂を耳にしましたが、本当でしょうか?
ウソです。
残念ながら、少しの時間サウナで体を温めるだけでは、内臓脂肪は燃焼されません。
内臓脂肪を落としたいのであれば、有酸素運動で体を動かして、エネルギーを消費する必要があります。
皮下脂肪は燃える?
皮下脂肪もサウナだけでは落とせません。
「皮下脂肪」はゆっくりと蓄積する脂肪で、内臓脂肪よりも落としにくい傾向にあります。
皮下脂肪を落とすには、筋トレがおすすめです。
筋肉を動かすことで基礎代謝が上がると、皮下脂肪は燃えやすくなります。
じゃあ…ダイエット目的のサウナは意味ないの?
全く意味がないわけではありません。
“サウナに入る→外気浴をする”という行為は、体の代謝に関わる「甲状腺ホルモン」の働きを促します。
そのため、習慣的にサウナに入っている人は、その分脂肪が燃焼されやすくなるといえます。
サウナに入るだけでは痩せませんが、運動と合わせて習慣化すると、効率的にダイエットできるでしょう。
また、サウナは余計な塩分を排出できるので、むくみ改善にも役立ちます。
ダイエットをサポートするサウナ後のケア
サウナに入った後に「マッサージ」をしよう
サウナに入った後は、
脂肪を落としたい部分
普段動かさない部分
を「マッサージソルト」などをつけながら、やさしく揉んでみましょう。
サウナに入った後は、新陳代謝がアップしていて、老廃物を排出しやすい状態です。
マッサージをすることで、むくみ解消につながります。
サウナ直後の「食事」や「飲酒」は控えよう
サウナ後の1時間程度は食事を控えましょう。
サウナに入ると、体がリラックスして栄養分を吸収しやすい状態になるため、食事で太りやすくなります。
また、サウナの後の飲酒もおすすめできません。
酔うと「塩辛いもの」や「カロリーの高いもの」に、つい手が伸びてしまうものです。
せっかく新陳代謝が上がっているのに食べすぎてしまっては意味がありません。
サウナの直後は、常温の水での水分補給にとどめておきましょう。
内臓脂肪を落とす!おすすめのダイエット法
バランスのよい食事を摂る
有酸素運動を行う
筋トレを取り入れる
内臓脂肪を落としたい人には、サウナだけでなく、上記のようなダイエット方法を取り入れてみましょう。
ダイエット法① バランスのよい食事を摂る
1日3食、毎日同じ時間に食事を摂る
糖質や脂質を摂りすぎない
野菜を多めに摂る
といった点を、普段から意識しましょう。
食事の時間がまちまちだったり、食事を抜いたりすると、血糖値が上がりやすくなり太る原因となります。
また、糖質や脂質に偏った食生活も太りやすくなります。
野菜もきちんと食べて、栄養バランスが偏らないようにしましょう。
よく噛んでゆっくり食べよう
よく噛むと満腹中枢が刺激されるため、食べすぎ防止につながります。
満腹を感じやすくなるよう、食物繊維の多い「野菜」を最初に食べるのもおすすめです。
ダイエット法② 1日20分以上の有酸素運動を行う
内臓脂肪を落とすには、毎日20分以上の有酸素運動を続けることが大切です。
ヨガ
ウォーキング
ジョギング
など、少し汗をかく程度の運動を続けましょう。
20分以上続けると、内臓脂肪が効率よく燃えてくれます。
ダイエット法③ 筋トレを取り入れる
筋トレは基礎代謝を上げるので、痩せやすく太りにくい体を作ることができます。
すぐに行える「プランク」や「スクワット」がおすすめです。
プランク
うつぶせの状態から両肘で体を支える
腰を浮かせて、頭から背中・腰・足先まで一直線になることを意識する
この姿勢を20秒間キープする
10秒間のインターバル(休憩)を入れる
①〜④を3回繰り返す
スクワット
肩幅より少し広めに足を開き、つま先は外側に向けてまっすぐ立つ
腕を胸の前でクロスして、まっすぐ前を向く
ヒップを「斜め後方に引くような感覚」でゆっくりしゃがむ
「床面と太ももが平行になる」ところまでヒップを落とし、1秒間キープする
膝が完全に伸びきらないあたりまで立ち上がる
1セット10~15回、1日3セットを目安に行う
▼参考
内臓脂肪型肥満 e-ヘルスネット