医師に聞く!平衡感覚がおかしいのは病気サイン?ふらつく原因は?病院は何科?

更新日:2023-03-01 | 公開日:2022-10-27
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医師に聞く!平衡感覚がおかしいのは病気サイン?ふらつく原因は?病院は何科?

なんだか平衡感覚がおかしい…。
もしかして、病気?

平衡感覚がおかしい場合に考えられる病気について、お医者さんに聞いてみました。

メニエール病など、放置していると危険な病気が疑われるケースもあるので、心当たりがないかチェックしましょう。

監修者
瀬尾 達 先生

瀬尾クリニック
院長

瀬尾 達先生

経歴

大正時代祖父の代から続く耳鼻咽喉科専門医。クリニックでの診療のほか、京都大学医学部はじめ多くの大学での講義を担当。マスコミ、テレビ出演多数。
平成12年瀬尾クリニック開設し、院長、理事長。
京都大学医学部講師、兵庫医科大学講師、大阪歯科大学講師を兼任。京都大学医学部大学院修了。

平衡感覚がおかしいのは病気サイン?

最近、平衡感覚がおかしいような気がします。もしかして、何かの病気が原因でしょうか?
女性
医師男性
平衡感覚に違和感を覚える場合、何かしらの病気にかかっているおそれがあると考えられます。

特に、以下のような症状が併発している人は要注意です。

注意すべき症状と考えられる病気

  • 肩こり・不眠・めまい→自律神経失調症
  • むくみ・耳鳴り→メニエール病
  • 突然のほてり・発汗→更年期障害
  • 慢性的な中耳炎→良性発作性頭位めまい症
  • めまい・失神→起立性低血圧

病気① 自律神経失調症

医師男性
自律神経失調症は、体の機能をコントロールしている自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスが乱れている状態です。自律神経が乱れると、平衡感覚をつかさどる器官にも影響が出る可能性があります。

自律神経失調症は、ストレスが多く、不規則な生活をしている人は、発症しやすいといわれています。

自律神経失調症の症状チェック

  • 疲れがとれにくい
  • 動悸・息切れ・めまい
  • 下痢・便秘
  • 情緒が不安定

自律神経失調症のセルフケア

  1. ストレスを溜めない
  2. 6~8時間の睡眠をとる
  3. 毎日20分程度の軽い運動をする

映画鑑賞や読書など、ストレスを解消できるような趣味の時間をとりましょう。

また、遅くとも0時には布団に入って、寝るようにしましょう。
一般的に、6~8時間の睡眠をとると、疲れが残りにくいと考えられています。
寝つきが悪い人は、読書や音楽など、眠る前の「入眠儀式」を習慣化することで、眠りやすくなります。

軽い運動を習慣化すると、自律神経が整いやすいと考えられています。ラジオ体操やウォーキングなどを、毎日20分程度行いましょう。
激しい運動をするよりも、少し息が上がる程度の運動が習慣づけやすくおすすめです。

病気② メニエール病

医師男性
メニエール病は、平衡感覚をつかさどる機能をもつ内耳に、むくみが生じている状態です。
疲労・ストレス・睡眠不足などで発症しやすいといわれています。

メニエール病の症状チェック

  • めまい
  • 吐き気・嘔吐
  • 耳鳴り
  • 気圧が変化する環境にいる人
  • 几帳面・真面目な性格の人

メニエール病のセルフケア

  1. ストレスを溜めない
  2. 6~8時間の睡眠をとる
  3. 水分補給をする

「趣味に没頭する」「ゆっくり入浴する」などの方法で気晴らしをして、ストレスを溜めないようにしましょう。

朝にすっきり目覚められるように、6~8時間程度の睡眠をとりましょう。
「空調を整える」「布団や枕の高さを調整する」など、眠りやすい環境をつくるとよいでしょう。

また、水を多く飲むことで、内耳の水はけがよくなると考えられています。
男性は1日2リットル、女性は1日1.5リットルほどの水分をとりましょう。
一度に大量に水分を補給するのではなく、こまめに水分をとることが大切です。

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病気③ 更年期障害

医師男性
更年期障害とは、卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの分泌量が急激に低下した状態です。
女性ホルモンの分泌が減ると、自律神経のバランスが崩れやすくなるため、平衡感覚がおかしくなることがあります。
家庭や仕事などで「ストレスが多い生活を送っている人」は、発症しやすいといわれています。

更年期障害の症状チェック

  • ほてり
  • のぼせ
  • めまい・動悸
  • 不眠
  • イライラする
  • 真面目・几帳面な性格の人

更年期障害のセルフケア

大豆食品

  1. 大豆製品を積極的にとる
  2. 1日20分の有酸素運動
  3. アロマを取り入れる

イソフラボンは女性ホルモンである「エストロゲン」と似た働きをもつため、更年期障害の軽減に効果があるといわれています。
納豆や豆乳など、「イソフラボン」が豊富な大豆製品を積極的に取り入れましょう。

また、有酸素運動も更年期障害の症状緩和に役立つと考えられています。
ヨガ・水中歩行・ウォーキングなどの有酸素運動を、毎日20分程度行いましょう。

更年期の症状に役立つアロマを生活に取り入れるのもいいでしょう。
ゼラニウム・クラリセージ・ラベンダーなどの香りがおすすめです。小さな容器やスプレーなどでアロマオイルを持ち運ぶと、いつでも香りを楽しめますよ。

病気④ 良性発作性頭位めまい症

医師男性
良性発作性頭位めまい症とは、耳の中にある耳石(カルシウムの小さな粒)が半規管に入ることで、めまいが生じる病気です。めまいによって、平衡感覚がおかしく感じることがあります。
「デスクワークの人」や「低い枕を使っている人」に多い病気といわれています。

良性発作性頭位めまい症の症状チェック

  • ぐるぐると目が回る
  • 吐き気・嘔吐
  • 慢性的な中耳炎の人
  • 寝返りが少ない人
  • 運動不足の人

良性発作頭位めまい症のセルフケア

  1. 頭を動かす
  2. 枕を高くする
  3. 運動を習慣づける

耳石を半規管から出すために、頭をさまざまな方向に動かしましょう。
積極的に頭を動かすことで、めまいの症状を和らげることができます。

耳石が半規管に落ちないように、枕は高さがあるものを使いましょう。

また、運動を習慣づけることも効果的と考えられています。ウォーキングや軽いジョギングなど、息が上がる程度の運動を行いましょう。
1日20分程度、無理のない強度で行うと続けるとよいです。

病気⑤ 起立性低血圧症

医師男性
起立性低血圧症になると、起きたときや急に体を動かしたとき、長時間立っているときなど、突然目の前が暗くなりフラッとします。
急に立ち上がるなどの動作で、脳に届く血液量が減ると、めまいを起こしてしまいます。

「寝不足」「不規則な生活を送っている」「心臓がよくない」という人に発症しやすいです。

起立性低血圧症の症状チェック

  • 立ちくらみ
  • 失神

起立性低血圧症のセルフケア

  1. 水分・塩分補給
  2. 弾性ストッキングを着用する
  3. 下半身を使った運動をする

起立性低血圧症は、水分不足が原因となることがあります。
1日に1.5~2リットルほど水分を補給し、塩分も十分とるようにしてください。

足に血液が溜まるのを防ぐため、弾性ストッキングを着用するのもおすすめです。
なお、「立っていることが多い日中」だけ着用してください。

運動すると血流がよくなるので、低血圧の改善につながります。
「散歩」「水中歩行」など、特に下半身を動かせる運動をしましょう。

「めまい・ふらつき」が見られる場合は躊躇せず病院へ!

提案する看護師

医師男性
「めまい」や「ふらつき」によって日常生活に支障をきたしている場合は、内科で受診してください。

例えば、メニエール病を治療せずに放置していると、聴力が低下するおそれがあります。
症状の悪化を防ぐためにも、違和感がある場合は早めに病院を受診してください。

病院は何科?

医師男性
病院は、内科で受診しましょう。

メニエール病や、良性発作性頭位めまい症が疑われる場合には、耳鼻いんこう科で受診してください。

内科を探す

耳鼻いんこう科を探す

※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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