「血管年齢を若返らせるには、何を食べたらいい?」
血管は年齢を重ねるごとに硬くなっていきますが、食事や生活習慣に気をつけることで、健康的な血管を維持することができます。
お医者さんに、血管年齢が若返る食べ物、レシピ、NGな食べ物について聞いてみました。
監修者
経歴
株式会社Luce代表/健康検定協会理事長、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。
“血管年齢が若返る”食べ物一覧
- 魚(特に青魚)
- タマネギ
- 納豆(大豆製品)
- 野菜類
- キノコ類
上記の5種の食べ物を定期的に摂取することで、血管年齢の若返りにつながります。
※若い血管は、
- 弾力のあるしなやかな血管(硬くない血管)
- 血管内膜を形成している内皮細胞の機能が維持されている
- 血液が十分流れる太さがある
といった状態を指します。
「血管によい」のはどんな栄養分?
栄養素
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働き
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ミネラル
(カリウム、カルシウム、マグネシウム)
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血圧を上昇させる塩分を体外へと排出させる
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オメガ3系脂肪酸
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血管をしなやかにする/内腔を滑らかにする等により血栓を作りにくい状態にする
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食物繊維
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脂質や糖質の吸収を抑制する、血糖上昇を穏やかにする
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たんぱく質
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細胞の新陳代謝を促進し血管を強化する
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大豆イソフラボン
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抗酸化作用により血液をサラサラにする
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カテキン
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抗酸化作用により血管がダメージを受けないように防ぐ
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ラクトトリペプチド
(乳酸菌が発酵して作られる)
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血圧を安定させ、血管内皮機能を高めるなどして血管年齢を若返えらせる
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ケルセチン
(ポリフェノールの一種)
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抗酸化作用により血液をサラサラにする
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おすすめ① 魚(特に青魚)
イワシ、サンマ、サバ等の青魚に含まれている「DHA・EPA」等の不飽和脂肪酸は、血流改善に有効な成分と考えられています。
また、内皮細胞(血管内膜を形成してる細胞)の新陳代謝を促進し、血管を強化させる働きをもつ良質なたんぱく質も豊富に含まれています。
効果的な摂り方
週3回程度、特に朝はDHA・EPAの吸収率がいいので、朝食で魚を食べるのがおすすめです。
DHA・EPAは2000mg以上の摂取が理想的と考えられています。
一日に食べる量の目安
ブリ…切り身2切れ分
サバ…切り身2切れ
サンマ…1/2本分程度
DHAやEPAは、焼く・煮る・揚げる等により、2割程度の栄養成分が流出してしまいます。
カルパッチョやお刺身など生食がおすすめですが、体調面や生ものが苦手等の場合は、ホイル焼きがおすすめです。
おすすめ② タマネギ
タマネギに含まれている「ケルセチン(ポリフェノールの一種)」には、強力な抗酸化作用があります。
酸化ストレスによる血管へのダメージ予防作用が期待でき、血液をサラサラにしてくれると考えられています。
効果的な摂り方
1日1/2~1/4個が目安です。栄養を豊富に含んでいますが、食べ過ぎに注意しましょう。
すりおろしてドレッシングやソースとして使用する調理法がおすすめです。
おすすめ③ 納豆(大豆製品)
納豆に含まれている「酵素(ナットウキナーゼ)」には、血栓を溶かす働きがあります。
脂質の代謝を促進する作用をもつビタミンB2も豊富に含まれています。
また、大豆製品に含まれている大豆イソフラボンや大豆サポニンには抗酸化作用があり、血液をサラサラにする働きが期待できます。
効果的な摂り方
1日1パックを目安に摂ることをおすすめします。
血栓は深夜から早朝にできやすいため、おすすめは夜ごはんの際に摂ることです。
納豆単品でも十分栄養価が高いですが、ネギやキムチ等を少し足すと、より効率的に栄養をとることができます。
おすすめ④ 野菜
野菜には、
- 体の中の余分な塩分を排泄する働きをもつカリウム
- 活性酸素を無害化するビタミン類の抗酸化作用
- 血管自体を強化するビタミンC
- 血行を促進する作用をもつビタミンE
- 活性酸素を抑制する作用をもつフィトケミカル
が豊富に含まれています。
効果的な摂り方
野菜を1日350g程度摂ることが推奨されています。
血糖値の急上昇をおさえられるので、食事の最初に食べましょう。
野菜の中でも特におすすめはトマトとカボチャです。
どちらも油脂を一緒に摂ることで、体内への吸収率が向上すると考えられています。
また、ポリフェノール類は、加熱により体内への吸収が促進されるため、スープなどの調理法がおすすめです。
おすすめ⑤ キノコ類
キノコ類には、血糖値やコレステロール値を低下させる作用をもつ、「β-グルカン(水溶性食物繊維)」やインスリンの分泌を促すビタミンDが豊富に含まれています。
効果的な摂り方
1日1~2パック分(100〜200g)を朝食の際に摂ることをおすすめします。
おすすめ“血管若返り”レシピ
- トマトのスープ
- ツナとひじきと枝豆のサラダ
- サバとオリーブの煮物
レシピ① トマトのスープ
トマトとゴロゴロ野菜がたっぷり入った優しい風味のスープです。
トマトには強い抗酸化作用をもつビタミンCが豊富に含まれています。
また、野菜に多く含まれているカリウムには、血液の水分量をコントロールして血管への負担を軽減させる作用があると考えられています。
材料(2人分)
- 鶏モモ肉(一口大に切る):50g程度
- トマト(ざく切り):400g
- ブロッコリー(小房にして下茹でする):50g
- ニンジン(一口大に切る):1/4本
- タマネギ(一口大に切る):1/4個
- ニンニク(みじん切り):1片
- 塩コショウ:適量
- コンソメ顆粒:適量(2g程度)
- オリーブオイル:小2~3
作り方
- オリーブオイル(半量)を入れたフライパンで鶏肉を焼きます
- 鍋にニンニクとオリーブオイル(半量)を入れて香りがでるまで炒めます
- ②にトマトを加えて炒めます
- ③がスープ状になったところで①、ブロッコリー、ニンジン、タマネギも加えて煮込みます
- コンソメ顆粒、塩コショウで味を整えます。
レシピ② ツナとひじきと枝豆のサラダ
重要な栄養成分を豊富に含む食材を使ったカラフルなサラダです。
ツナには
- 血中中性脂肪を低下させる作用
- 血管内皮細胞の機能改善作用
- 血栓生成防止作用
等が期待できるDHA・EPAが豊富に含まれています。
ひじきは高血圧予防や動脈硬化予防、枝豆は動脈硬化予防や高血圧を予防する作用も期待できます。
材料(2人分)
- ツナ缶:20g
- 乾燥ひじき(お湯でもどす):6g
- 枝豆(茹でて豆をさやから出す):50g
- コーン:40g
- ニンジン(千切り):30g
- *オリーブオイル:小3
- *醤油:小2弱
- *砂糖:小1弱
- *おろし生姜:5~6g程度
作り方
- ニンジンは電子レンジで600W15秒程度温めます
- *印の材料を混ぜ合わせます
- 枝豆、コーン、ひじき、ニンジンをボウルで混ぜます
- ③に②を入れてよく混ぜます
- 塩コショウで味を整えて、冷蔵庫で30ほど冷やします
レシピ③ サバとオリーブの煮物
DHA、EPAを含むサバと、ビタミンEを豊富に含むオリーブを使った簡単レシピです。
サバにはDHA、EPAが豊富に含まれており、オリーブには血管力を向上させるビタミンEが含まれています。
材料(2人分)
- サバ(3枚下し、缶詰でも可):1枚(100g程度)
- タマネギ(薄切り):1/2個
- オリーブ(水煮):8粒
- レモン(輪切り):4枚
- 塩:小1/2
- *白ワイン:大2
- *水:120ml
- *コショウ:適量
作り方
- サバに塩半量とコショウをふって10分置きます
- 鍋にタマネギを敷き、サバ、オリーブ、レモンを乗せます
- *印と残りの塩を混ぜ合わせて②に回しかけます
- 鍋に蓋をして中火で10分加熱し、蓋を取りさらに5分程度、水気がなくなるまで煮詰めます
※サバの水煮缶を使用する際は、蓋をしないで10分間煮てください。
食べ過ぎNG!血管を老化させる食べ物
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血管を老化させる食べ物
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悪影響を与える目安量
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脂質を多く含む食品
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1日50gを超える量
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塩分を多く含む食品
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男性7.5g、女性6.5gを超える量
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糖質を多く含む食品
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1日の総摂取カロリーの50~65%を超える量
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脂質、塩分、糖質を多く含む食べ物は血管を老化させてしまいます。
食べ過ぎると、動脈硬化を発症して心疾患や脳疾患等の重篤な疾患を引き起こすリスクが高まると考えられます。
脂質をとりすぎると…どうなる?
脂質を多く含む食品を摂り過ぎると、血中脂質を増やしてしまいます。
必要以上に増えると、脂質異常症を発症するリスクが高まります。
塩分をとりすぎると…どうなる?
塩分自体が血管を傷める原因になります。
塩分の過剰摂取で血圧が上昇すると、血管内膜の内皮細胞に傷が付き機能が低下してしまいます。
すると、動脈硬化を引き起こすもとになる有害物質の血管壁への侵入を阻害する働きや血液のサラサラ状態を維持する働き等が低下して、体に様々な不調が発生します。
糖質をとりすぎると…どうなる?
糖質を過剰摂取して体内で使われず残った場合、脂肪として貯えられてしまうと考えられ
ています。また糖質は血糖値上昇に直結するため、過剰摂取は控えてください。
もっと若返りたいなら…有酸素運動がおすすめ
血管を若返らせるには、
- 散歩、ウォーキング
- ストレッチ
- 階段を使う
- 一駅手前で下車して歩く
などの簡単な運動を1日10~15分程度行いましょう。
有酸素運動を行なうことで、血管内皮細胞を活性化させる「ブラジキニン」という物質が筋肉から放出されます。
散歩中に歩幅を広げる、胸を張って背筋を伸ばす、という点を意識すると効果的です。
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2022-06-03
「血管年齢を若返らせる飲み物はどれ?」
血管は年齢を重ねるごとに硬くなり、動脈硬化などの病気リスクが高まります。
お医者さんに、血管年齢が若返るおすすめの飲み物とNGな飲み物について聞いてみました。
“血管年齢が若返る”おすすめの飲み物一覧
トマトジュース
緑茶
コーヒー
お酢ドリンク
上記のような飲み物は、しなやかで軟らかい血管づくりをサポートします。
血管が若返る飲み物には
活性酸素を取り除いて酸化の働きを抑える物質である「酸化物質(ビタミンACE、βカロテン、リコピン、ポリフェノールなど)」
「EPA」
「水溶性食物繊維」
といった栄養素が豊富に含まれています。
おすすめ① トマトジュース
東京医科歯科大学が40〜60歳の女性95人を対象に行った実験では、トマトジュースを毎日飲むことで、血中の中性脂肪値が低下したという結果が出ています。
効果的な摂り方
朝・夕食の直前(1日2回)にそれぞれコップ一杯(200mL)を飲みましょう。
トマトジュースは、塩分の過剰摂取を防ぐために食塩無添加の商品がおすすめです。
塩分の過剰摂取は高血圧を引き起こし、動脈硬化の原因となります。
おすすめ② 緑茶
茶カテキンには、抗酸化作用があり、動脈硬化の原因となるLDL(悪玉コレステロール)の酸化を抑制します。
さらに伊藤園の研究により、カテキン(特に「ガレート型」カテキン)がコレステロール吸収の抑制効果を持つことがわかっています。
効果的な摂り方
カテキン緑茶(500mlペットボトル)を1日2本飲むといいでしょう。
伊藤園が行った「成人男女60名(男性38名、女性22名)を対象とした12週間の食事介入試験」では、健常成人男女で20歳以上の血清総コレステロール値が高め(180~260mg/dl)の方60名を2群に分け、ガレート型カテキンを197.4mg配合した飲料を1日2本、12週間摂取させたところ、総コレステロール値、LDL-コレステロール値ともに有意な低下が認められました。(特に男性被験者で顕著)
おすすめ③ コーヒー
コーヒーには、ポリフェノールであるクロロゲン酸が含まれており、その抗酸化作用により、血圧を下げる効果があります。
効果的な摂り方
1日にコーヒーカップ3杯を目安に飲むといいでしょう。
コーヒーを1日に最大3杯飲んでいると、心筋梗塞などの心血管疾患や脳卒中など、命に関わる深刻な病気の予防につながるという研究結果があります。
ただしコーヒーにはカフェインが含まれますので、睡眠への影響を考えると、夕方以降は控えた方がいいでしょう。
おすすめ④ お酢ドリンク
お酢の降圧作用により、血圧を下げる効果が期待できます。
効果的な摂り方
1日100㎖を目安に飲むといいでしょう。
例えば「ミツカン」の『マインズ<毎飲酢>黒酢ドリンク』は飲みやすく、食酢の主成分である酢酸が100mlあたり750mg含まれており、おすすめです。
高血圧予備軍の人であれば、食酢(750mgの酢酸を含む)を大匙1杯強(約1.5〜2ml)を飲むことで、一定の降圧効果が期待できると考えられています。
「トクホ(特定保健用食品)」と「機能性表示食品」の違い
◆トクホ(特定保健用食品)とは
生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品のことです。有効性・安全性を消費者庁が個別に審査したものです。
◆機能性表示食品とは
事業者が自らの責任において、科学的根拠を基に保健機能を表示した食品のことです。事業者は、消費者庁へ保健機能の有効性の科学的根拠や安全性などの情報を届け出ることが決められています。
NG!血管を老化させる飲み物
アルコール
清涼飲料水(コーラやジュースなど)
アルコールや清涼飲料水を飲み続けると、血管を老化させてしまいます。
血管の老化は、脳梗塞や心筋梗塞を起こすリスクを高めます。
また、最悪の場合、命を落とす危険性もあります。
NGな飲み物① アルコール
アルコールの過剰摂取は、脂質異常症や高血圧症を引き起こし、動脈硬化の原因となります。
また、一日に89gのエタノールを超える飲酒により、「虚血性心疾患」のリスクが増加するという報告があります。およそビールなら600ml、日本酒なら180mlで24gに相当します。
虚血性心疾患とは…
心臓への血液の巡りが悪くなり、つまったりして起こる心臓障害の総称です。動脈硬化の進行で冠動脈が狭くなることが原因で起こります。
一般的に知られている「狭心症」や「心筋梗塞」が該当します。
NGな飲み物②コーラやジュースなどの清涼飲料水
コーラやジュースなどの清涼飲料水を毎日のように飲んでいると、血液中の糖や中性脂肪の濃度を上げ、動脈硬化につながります。
国立がん研究センターが行った調査では、コーラやジュースなどの清涼飲料水をほぼ毎日250mL程度飲む女性は、ほとんど飲まない女性と比べて、脳梗塞を発症するリスクが1.8倍高いことがわかっています。
研究チームは、コーラやジュースなどの清涼飲料水には、糖質が多く含まれるため、女性では脂質や炭水化物への代謝に影響を及ぼし、血中の糖や中性脂肪の濃度を上げ、動脈硬化につながったと分析しています。この調査で、男性にはあきらかな差がなかったという報告があります。
有酸素運動も行なうと、健康効果がアップ!
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をしましょう。
動脈壁を柔らかくすることができ、動脈硬化の予防にもつながります(動脈スティフネスの改善)。
肥満は、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの病気の原因となり、それにより動脈硬化が促進されるという悪循環に陥るため、運動をして肥満の予防・改善する必要があります。
また、ストレスをためない・発散する工夫も大切です。精神的・肉体的ストレスは、血圧を上昇させ、偏食や嗜好品の多量摂取にもつながるため注意しましょう。
▼参考
デイクリニック天神 血管年齢検査
なかむらクリニック 血管年齢について
糖尿病ネットワーク ウォーキングなどの有酸素性運動が動脈硬化を3分の1以下に抑える
消費者庁 機能性表示食品について
アルコールと脂質異常症
糖尿病ネットワーク 清涼飲料水の飲み過ぎ 糖尿病と脳梗塞のリスクが上昇
生活衛生 Vol.55 No.134-45(2011)アルコールと循環器疾患に関する最近の研究成果
横浜血管クリニック 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)について
糖尿病ネットワーク トマトが中性脂肪やコレステロールを低下 オリーブオイルで効果倍増
農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター 茶カテキンの特性とその有効利用
株式会社伊藤園 茶カテキン(ガレートエステル型カテキン)により食後中性脂肪の上昇を抑制することを確認
株式会社伊藤園 研究開発レポート レポート01 茶カテキンの種類で変わる健康効果~悪玉コレステロールを低下させる 『ガレート型カテキン』 ~
株式会社伊藤園 2つの働き カテキン緑茶500
日本医事新報社 酢の血圧降下作用の科学的根拠と有効な摂取方法は?
糖尿病ネットワーク コーヒーを1日に最大3杯飲むと脳卒中や心臓病のリスクが低下 糖尿病の人にもベネフィットが
株式会社 Mizkan Holdings 血圧が高めの方へ そのまま飲める食酢ドリンク マインズ<毎飲酢>黒酢ドリンク
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2019-01-24
「脂質は、体に良い油から摂りたい!」
「オメガ3脂肪酸ってどんな食べ物に含まれているの?」
オメガ3脂肪酸が多い食品の例を、栄養士さんに聞きました。
体に与える良い影響、摂取量の目安なども詳しく解説します。
オメガ3脂肪酸が多い食品は「アマニ油」や「青魚」
いわゆる“健康に良い油”といわれているオメガ3脂肪酸は、α-リノレン酸・DHA・IPAがあります。
このうちα-リノレン酸は油に、EPA・DHAは青魚に多く含まれています。
α-リノレン酸が多い油ランキング
α-リノレン酸が多い油
100gあたりの含有量
1.えごま油
58,000mg
2.アマニ
57,000 mg
3.チアシード(乾)
19,000 mg
4.くるみ(炒り)
9,000 mg
5.なたね油
7,500 mg
EPAが多い青魚ランキング
EPAが多い青魚
100gあたりの含有量
1. タイセイヨウサバ(生)
1,800mg
2. イワシ(缶詰・かば焼)
1,800 mg
3. サンマ(皮つき・生)
1,500 mg
4. マイワシ(生干し)
1,400 mg
5. カタクチイワシ(生)
1,100 mg
DHAが多い青魚ランキング
DHAが多い青魚
100gあたりの含有量
1. タイセイヨウサバ(生)
2,600mg
2.しろさけ すじこ
2,400mg
3.しめさば
1,800mg
4. サンマ(皮つき・生)
,2200mg
5.イワシ(缶詰・かば焼)
1,100mg
※青魚ではありませんが、みなみまぐろ 脂身 生(いわゆるインドマグロのトロ)は、4000mg/100gのDHAが含まれています。
効率よく摂取するには?
空気・光・熱などで、酸化しやすい性質があるので、加熱せず生の状態で食べるほうがいいでしょう。
<アマニ油・えごま油>
サラダや刺し身にかけたりパンにつけたりと、できあがった料理にかけて食べる方法がおすすめです。
<青魚>
刺し身・蒸し魚で食べるのがおすすめです。
なぜ“体にいい油”といわれているの?
オメガ3脂肪酸には、血管壁の脂肪蓄積を改善させる作用があります。
動脈硬化など生活習慣病を予防すると期待されていることから“健康に良い油”と言われています。
「オメガ3脂肪酸」は植物や魚に多く含まれていますが、人間が体内で合成することはできません。
厚生労働省は、毎日の食事から「オメガ3脂肪酸」を意識して摂取するようにすすめています。ただ、油ではありますので、摂りすぎは要注意です。
ダイエットにおすすめって本当?
オメガ3には血液の流れを促し、代謝を上げる作用があります。
さらに中性脂肪を減少させる働きもあるため、ダイエットに良いとされています。
また、DHAやEPAなどは「血糖上昇を抑えるホルモン」の分泌を促進させることもわかってきています。
ただし、ダイエットに良いからといって摂りすぎると、油なので肥満を招きます。
オメガ3脂肪酸のうれしい効果一覧
全身に、栄養分・酸素を行き渡らせる
血中中性脂肪の低下
不整脈の発生予防
動脈硬化の予防
血管内皮細胞の機能改善(血行促進)
血栓生成防止作用
認知機能維持(高齢者)
骨密度を高め、骨折を防ぐ
「閉経を迎えた女性」にもおすすめ
閉経を迎えた女性は骨密度が低下しやすくなり、ちょっとしたつまずき・転倒で、骨折しやすくなります。
オメガ3脂肪酸には「骨密度の低下を防ぐ」効果ができるため、骨折予防にもおすすめです。
オメガ3脂肪酸の摂取量の目安
<男性>
年代
摂取量の目安
18〜29歳
2.0g/日
30〜49歳
2.0g/日
50〜69歳
2.4g/日
70歳以上
2.2g/日
<女性>
年代
摂取量の目安
18〜29歳
1.6g/日
30〜49歳
2.0g/日
50〜69歳
2.0g/日
70歳以上
1.9g/日
妊婦/授乳婦
1.8g/日
おすすめの摂り方
小さじ1/2ほど小皿にオイルを入れ、パンにつけて食べる
野菜のドレッシング代わりに使う
ヨーグルトに入れる
などで取り入れやすくなります。
魚から摂るときは…
種類によっても多少変わりますが、青魚であれば1尾、刺身であれば3〜4切れを目安にしましょう。
さば水煮、さんま蒲焼、いわし味付などの缶詰も手軽に取り入れやすい1品です。
魚が苦手…サプリメントでもいいの?
魚が苦手・偏食の方は、毎日の必要な量を補うためにサプリで摂るのも良いでしょう。
国によって製造基準や摂取基準などが異なるので、サプリはできるだけ日本製のものを選ぶのがおすすめです。
※妊娠中や授乳中は、安全性について不明なためサプリではなく食品から摂取しましょう。
質のいい脂質をとることは、健康への第一歩
ダイエット・健康ブームの中、脂肪と言うと「太る」「体に悪い」と敬遠されがちです。
しかし、脂質は体に必要な成分で、脳や血管のための栄養素です。
質のいい油を選び、毎日継続して取り入れると、生活習慣病の予防につながり、健康をサポートしてくれます。
毎日の食生活で、青魚やアマニ油などを取り入れてみましょう。
参考文献
厚生労働省HP『日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要』