「食べていないのにどんどん太る…」
「これって病気…?」
食べていないのに体重が増える病気について、お医者さんに聞いてみました。
病気の症状例や対処法、相談できる診療科なども解説します。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
なぜ?「食べていないのに太る」主な原因
食べていないのに太る場合、
- 栄養不足で「飢餓状態」になっている
- 体に水分が溜まって「むくみ」が出ている
といった原因が考えられます。
「飢餓状態」になると、少しでも多く栄養を貯えようと体が働くため、脂肪がつきやすくなります。
過度のダイエットなど、きつい食事制限をしている人に出やすい症状です。
一方「むくみ」は、水分が溜まることで体重が増えます。
むくみのキッカケには、生理前・運動不足・食生活の偏りなどが挙げられます。
病気が隠れているケースも…
内臓の機能低下、ホルモン分泌の異常など、なんらかの病気が原因で太るケースもあります。
特に、
- 尿量の変化
- 食欲低下
- 汗が出ない、または汗が多く出る
- 疲労感
- 吐き気
などを伴うときは、病気が疑われます。
気になる症状があるときは、内科で診てもらいましょう。
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2022-01-14
「そこまで食べてないのに太ってしまう…」
「これってストレスのせい?」
ストレスが原因で太ることがあるのかを、栄養士さんに聞いてみました。
ストレスを軽減させるためにできることや、無理なく続けられるダイエット方法のコツについても詳しく解説します。
食べていないのに太る…もしや「ストレス」のせい?
そこまで食べてないのに太ってしまいます。
思い当たるのが“ストレス”くらいなのですが…ストレスで太ってしまうことはあるんでしょうか…?
はい、ストレスが原因で太ることはあります。
長い期間ストレスを抱えていると、あまり食べていないにも関わらず、太ってしまうことがあります。
過度なストレスにより、交感神経が優位な状態が続くと、自律神経の乱れに繋がります。
すると、生活リズムが狂ったり、代謝が悪くなったりして、痩せにくい体質になってしまいます。
また、ダイエットのための食事制限も、食べるのが好きな人にとってはストレスとなり、痩せにくい体質の原因となります。
「無意識にストレスをため込んでしまう」習慣
「そんなに食べていないのに太った」という方は、
睡眠不足
不規則な生活
運動不足
バランスの悪い食事
に心当たりはありませんか?
当てはまる方は、自律神経のバランスが乱れているかもしれません。
① 睡眠不足
睡眠不足により、自律神経の切り替えがスムーズにいかず、交感神経が優位な状態になり、自律神経の乱れに繋がります。
また、睡眠不足だと心身ともに休めることができず、ストレスの蓄積にもつながります。
睡眠不足の日が続くと、ホルモンバランスも乱れやすくなります。これにより、さらに自律神経の乱れを悪化させる悪循環に陥ってしまうのです。
② 不規則な生活
副交感神経が優位な状態である夜間に活動するなど不規則な生活を続けていると、交感神経が優位な状態になり、自律神経の乱れに繋がります。
③ 運動不足
1日中ダラダラと過ごしていると、交感神経活性は低下し、自律神経の乱れに繋がります。
適度に体を動かすことにより、交感神経を程よく刺激して、自律神経のバランスを保ちましょう。
④ バランスの悪い食事
バランスの偏った食事ばかりとっていると、ホルモンバランスが乱れ、自律神経の乱れに繋がります。
脱!ストレス太り「いま、私ができること」
自律神経を整えて、ストレス太りから脱却するためには、
1日7〜8時間の良質な睡眠をとる
30分以上の運動を週2日以上行う
生活のルーティーンを整える
1日3食、バランスの良い食事をとる
といったことを行ってみるとよいでしょう。
対策① 1日7~8時間の良質な睡眠をとる
1日7〜8時間を目安に睡眠時間を確保してみましょう。
パジャマの素材や寝室の温度、湿度、音、光などにも気をつけるとより快適に眠れるようになります。
また、良質な睡眠をとるために、以下の3ポイントを実践するとよいでしょう。
カフェインをとるのは、就寝の5~6時間前までにする。
就寝の2~3時間前にお風呂に入る
就寝の2~3時間前までに夕食を済ませる
また、就寝前のアルコールは睡眠を妨げてしまいます。“寝酒”は控えましょう。よけいに太ってしまう原因にもなります。
対策② 30分以上の運動を週2日以上行う
ウォーキングや軽いジョギングなどがおすすめです。
通勤時一駅前でおりて歩くなど、日常生活に組み入れると続けやすいと思います。
また、ひとりで運動するのが難しければ、ご家族やご友人といっしょに運動すると良いでしょう。
対策③ 生活ルーティーンを整える
平日も休日も、できるだけ同じサイクルで生活するようにしてみましょう。
起床したら、カーテンをあけて陽の光を浴びるとよいでしょう。
日中に活動し、夜はしっかり眠れるようにしましょう。
激しい運動をしすぎると、疲労やストレスの蓄積につながってしまうので、激しい運動は控えるようにしましょう。
その④ 1日3食、バランスの良い食事をとる
食事は、1日3食欠かさずに食べましょう。
和定食のようなイメージで、主食、主菜、副菜の揃ったバランスの良い食事を心がけると良いでしょう。
毎日規則正しく食事を取ることを意識すると、習慣化しやすいと思います。
また、朝食は起床してから1時間以内(8~9時ごろ)までに食べるようにしましょう。そうすることで体内時計も整いやすくなります。
どうしてもストレスが溜まる!上手に発散する方法は?
ストレスを感じているときには、意識して腹式呼吸をしてみましょう。
腹式呼吸をすることで、リラックスしたときに優位になる副交感神経を刺激することができます。
<腹式呼吸の方法>
身体の力を抜く。
おへその下あたりに手をあてて、お腹の中の空気を全て吐き切るイメージで、ゆっくりと長く息を吐く。
息を吐ききり、下腹部が限界まで凹んだら、下腹部に空気を入れて膨らませるイメージで息を吸う。この時、鼻から空気を吸う。
限界まで息を吸い込み、3秒程度息を止める。
再び息をゆっくり吐く。
5分〜10分ほど繰り返し行うとよいでしょう。
ストレス以外にも落とし穴が!「食べていないのに太る」は他にも…
ストレスや自律神経の乱れ以外に、食べていないのに太る原因として、
塩分の摂取量が多い
糖質や脂質の多い食事を摂っている
たんぱく質不足
が考えられます。
その① 塩分の摂取量が多い
塩分をとりすぎることによって、体内に水分をためこみ、結果むくみに繋がります。
インスタント食品や市販の惣菜・弁当、外食の頻度が多いと、塩分の過剰摂取につながるので、控えるようにしましょう。
その② 糖質や脂質の多い食事を摂っている
量は食べていないけれども、糖質や脂質の多い食事を摂っていることで、脂肪が蓄積しやすくなります。
糖質の多い食べ物を空腹時にとると血糖値が急上昇し、インスリンというホルモンが多く分泌されます。その結果脂肪蓄積を促し、痩せにくくなります。
特に夜遅い時間の食事は、活動量が減ることから消費エネルギー量も少なくなり、脂肪蓄積を促しますので注意が必要です。
その③ たんぱく質不足
たんぱく質が不足すると筋肉が分解され、筋肉量が減ってしまいます。そうすると、基礎代謝量も減り、痩せにくくなります。
例えば野菜のサラダばかり食べているような生活では、たんぱく質が不足して痩せにくくなります。
色々な食材を組み合わせ、毎食しっかりたんぱく質をとりましょう。
▼参考
医療法人社団エムズ 睡眠不足による吐き気はなぜ起こる?自律神経の乱れが原因?おすすめの対処法について、医師が解説します。
日本成人病予防協会 今話題の健康ワード!自律神経失調症 ~今話題の健康ワード!~
豊橋ハートセンター Vol.11:自律神経と心臓の関係
日本人の食事摂取基準(2020年版) たんぱく質
文部科学省 食品成分データベース
厚生労働省 e-ヘルスネット 快眠と生活習慣
医療法人社団 平成医会 最適な睡眠時間と良質な睡眠
医療法人社団TLC医療会 ブレインケアクリニック 自律神経失調症
武蔵小杉こころみクリニック リラックスする呼吸法とは?
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2022-01-14
「サラダのみの食事を続けているのに、痩せない…」
「なんで痩せないの…?」
サラダしか食べていないのに痩せない理由を、栄養士さんに聞いてみました。
ダイエットにおすすめのサラダや、“痩せやすい体”をつくるおすすめの食事についても詳しく解説します。
なぜ?サラダしか食べていないのに痩せない…
サラダのみの食事を続けているのですが、痩せません…これはなぜなのでしょうか…??
それは、身体を動かすエネルギー源が、野菜からはあまり摂取することができないためです。
エネルギー源が摂取できないと、食べているのに“飢餓状態”になってしまい、身体は栄養分を溜め込んでしまいます。
サラダのみの食事をしていて「痩せない原因」として、
基礎代謝が落ちている
気づかぬうちに下痢や便秘を引き起こしている
食事誘発性熱産生が十分できていない
といったことが考えられます。
原因① 基礎代謝が落ちている
野菜のみの場合だと食べているのにエネルギー不足に陥ります。
エネルギー不足に陥ると、体は筋肉を分解して体の機能を維持しようとします。
すると代謝能力が衰え、消費が促せなくなるため痩せにくくなってしまいます。
生の状態で食べることが多い野菜は、体を冷えさせてしまい代謝が低くなり、結果痩せにくい体質になることがあります。
原因② 気づかぬうちに下痢や便秘を引き起こしている
代謝が落ちた状態で、食物繊維を取り過ぎると、消化不良を起こします。
体に不要なものを便として排泄が出来ず、栄養分の吸収が衰えた状態になってしまうと、食事をしていても必要な栄養分を吸収できず、代謝が低くなり痩せにくくなってしまいます。
原因③ 食事誘発性熱産生が十分にできていない
サラダには、たんぱく質、炭水化物、脂質がほとんどないため、体で熱を作れない状態になってしまいます。
人体は、たんぱく質、炭水化物、脂質を摂ると、代謝の際に熱を発します。(エネルギーとしては使えない熱量)
野菜のみではそれを行うだけの十分なエネルギーが確保できないため、この代謝機構を期待することが出来ません。
“食べないダイエット”は逆効果になりやすい
「食べないダイエット」を行うことで筋肉量が維持できなくなり、体重の数値的に痩せているだけとなります。その結果リバウンドすることが多いです。
また、空腹状態から何かを食べた際は、少量でも急激な血糖上昇となりやすく、脂肪を溜め込みやすい体になります。
極端な食事制限を続けることで、摂食障害に繋がる事もあります。しっかり質のよいものを食べて痩せることを意識しましょう。
ダイエット向きのサラダ・向いていないサラダ
ダイエットにおすすめのサラダの例
チキンサラダ
シーチキンサラダ
脂質が少ないたんぱく質食材(鶏のムネ肉・赤身魚など)が、手のひら1/2〜1つ分程度トッピングされているものがよいでしょう。
ダイエットに向かないサラダの例
マカロニサラダ
パンプキンサラダ
など、芋、かぼちゃ、パスタをメインに使用したものは野菜が少ないうえ、マヨネーズであえているものも多いです。
食物繊維源ではなく、糖質や脂質源となってしまうためダイエットには不向きでしょう。
さらに、マヨネーズやドレッシングなどをたっぷりかけていれば、太りやすくなります。
健康に良いと言われているノンオイルドレッシングや、亜麻仁油やオリーブ油でも、結局は油ですので、適量使用を心がけましょう。
“痩せやすい体”をつくるおすすめの食事
「痩せやすい体」をつくるためには、
炭水化物を極端に減らす必要はない
たんぱく質をしっかり摂る
1日1.5L程度の水を飲もう
といったことを、気を付けるとよいでしょう。
ポイント① 炭水化物を極端に減らす必要はない
食事や食事の中の炭水化物を極端に抜く前に、アルコールや間食など、過剰となっているものの見直しをしましょう。
必要な栄養分を抜くと、痩せる時にエネルギーが不足していると痩せにくい身体になってしまいます。
まずは、過剰になっているものや、体を維持するために必須ではないものを削除していくことを意識するとよいでしょう。過剰エネルギーが減り、痩せやすくなります。
ポイント② たんぱく質をしっかり摂る
肉や魚など、たんぱく質が豊富なものを食事に揃えるようにしましょう。
たんぱく質は、筋肉量の維持や代謝アップに貢献する栄養素のため、痩せた時に筋肉の減る量が少なく引き締まって痩せることができます。
ポイント③ 水分を補給しよう
1日平均1.5Lの水をこまめに補給するとよいでしょう
脱水していると、むくみやすくなり、便通も悪くなります。
結果体重が落ちにくくなることがあります。
“痩せやすい体”づくりは「食べ方も重要!」
食事内容だけではなく、
食物繊維やたんぱく質を最初に食べる
ゆっくりよく噛んで食べる
食事の時間をはやめよう
といったことを意識すると、「痩せやすい体づくり」をすることができます。
ポイント① 食物繊維やたんぱく質を最初に食べる
野菜・海藻・きのこ類などの食物繊維や、肉・魚などのたんぱく質から食べ進めてください。
できれば、ご飯やパンなどの炭水化物を食べるのはその後にするとよいでしょう。
炭水化物(糖質)の多いものは血糖値を上昇させやすくなります。食後高血糖のリスク低減=糖尿病予防のカギになります。
ポイント② ゆっくりよく噛んで食べる
一口が無くなるまで、ゆっくりとよく噛んで食べるようにしましょう。
箸休めなどもしながら食べるとよいでしょう。
時間をかけるればかけるほど、満腹中枢への刺激になり、食欲のコントロールがつきやすくなります。
ポイント③ 食事時間のリズムを整えよう
朝食を欠かさず食べるようにし、夕食は19時頃までに摂るようにしましょう。
朝食を食べることで体内時計のリセットに役立つ他、夜の満腹を避けることで睡眠の質が上がり代謝アップに繋がります。
また、夜は朝よりも血糖値が上がりやすいので、遅くの食事は太りやすくなります。
できるだけ早めに夕食を済ませましょう。
基本は腹8分目で、朝昼の食事はしっかりと摂り、夕食は少し軽めに摂るように意識をしましょう。
「少しでも運動する」と…結果がでやすい!
ダイエットには食事だけではなく、運動をすることも大事です。
まずはスクワットを取り入れてみましょう。
効率よく大きい筋肉を鍛える動きがスクワットには備わっています。
自体重で行えるため安全に結果を出しやすいのもメリットとなります。
またダイエットをしている間は、姿勢を正して早足で歩くトレーニングも取り入れてみましょう。
継続しやすい運動な上、代謝アップや、姿勢不良の改善、リフレッシュ効果も見込めるためおススメの方法です。
トレーニングの方法
胸を開いて、顎を軽く引いて姿勢を正しましょう。(腕は自然に動かしましょう)
この時、息を吐いてお腹を凹ました状態をキープしながら呼吸すると、腹横筋を鍛えることにも繋がります。
食べていないのにどんどん太る3つの病気
食べていないのにどんどん太る場合、以下の病気が考えられます
病気
|
伴いやすい症状
|
腎不全
|
むくみ/尿量低下/食欲低下/吐き気/体重増加 など
|
甲状腺機能低下症
|
疲労感/汗が出ない/食欲低下/寒気/無気力・抑うつ など
|
更年期障害
|
疲労感/汗が大量に出る/動悸/めまい/情緒不安定 など
|
病気① 腎不全
腎機能が低下して、「老廃物の排出」「ホルモンの分泌」「血液の生成」が滞っている状態です。
腎不全になると、体がむくんで太ってしまうことがあります。
腎不全は、中高年以降の人に多い病気です。
- 生活習慣病を持っている人(糖尿病・高血圧症・脂質異常症など)
- 喫煙者
- 塩からいものを多く食べる人
- 家族に腎臓病患者がいる人
などは発症リスクが高くなるといわれています。
腎不全の症状
- 睡眠時のトイレの回数が多い
- むくみ
- 倦怠感
- 貧血
- 息切れ
など
腎不全を疑うときは「腎臓内科」へ
腎不全は治療が必要な病気なので、疑われる人は早急に腎臓内科で受診しましょう。
放置すると体に有害な物質が溜まっていくなどして、命に関わる危険性があります。
医療機関では食事療法、運動指導、薬物療法などで治療を行います、
「生活で気をつけたいこと」
腎不全の人は、
- 疲れはためないように生活する
- 感染症予防
- 体を冷やさない
といった点に気を付けて生活しましょう。
腎臓内科を探す
病気② 甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が低下して、不足している状態です。
代謝が悪くなるため、脂肪がついて太りやすくなります。
甲状腺機能低下症は、30~40代の女性に多い病気です。
発症のきっかけには、妊娠・出産をはじめ、ヨードの過剰摂取(海藻・薬など)、ストレス過剰なども挙げられます。
甲状腺機能低下症の症状
- むくみ
- 太る、体重の増加
- 首の圧迫感
- 無気力
- 疲れやすい
- 寒がる、冷え
- 便秘
- 月経異常
- うつ状態
疑われるときは「内分泌内科」で相談を
甲状腺機能低下症の症状が1週間以上続くときは、内分泌内科で受診しましょう。
医療機関では、甲状腺ホルモンの薬の処方などを行っています。
一過性のものであれば治療の必要がない場合もありますが、まずは診断を受けて太る原因を把握することが大切です。
「生活で気をつけたいこと」
- 体を温め、冷やさないようする。
- 薄着は控えて、部屋の温度を調節する。
- こまめに水分を摂取する
- 野菜を積極的に食べる
- 海藻類を避ける
甲状腺機能低下症の人は便秘になりやすいので、水分と食物繊維をしっかりと摂りましょう。
また、海藻類はヨウ素の過剰摂取につながるので控えてください。
内分泌内科を探す
病気③ 更年期障害
閉経に伴う「女性ホルモンの急激な減少」によって、体や心に不調が起こる状態を指します。
ホルモンバランスが変化して代謝が悪くなることで、太りやすくなります。
更年期障害は、50歳前後に発症するケースが多いと考えられています。
更年期障害の症状
- のぼせ・ほてり
- 手足の冷え・しびれ
- 動悸
- 口や目、肌の乾燥
- 頭痛・肩こり・腰痛・関節痛
- 食欲不振
- 月経異常
- めまい・耳鳴り
- 抑うつ・不眠
- 倦怠感
など
症状が出る期間は個人差があり、数ヶ月の人もいれば数年の人もいます。
不規則な生活を送っていると症状が重くなることもあります
更年期障害の対処法
早寝早起きをして、栄養バランスの整った食事をとりましょう。
減量したい場合は、有酸素運動・筋トレを行って代謝を促すと良いでしょう。
有酸素運動は、
など無理なく続けられるものをおすすめします。
症状がつらいときは「婦人科」へ!
つらい症状が数日から1週間程度続く場合は、我慢せずに婦人科で相談しましょう。
受診すると、ホルモン補充療法などで症状の改善を図ってもらえます。
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何科へ相談に行けばいい?
太る原因を判断できないときは、内科で相談しましょう。
ほかにも不調を感じている場合は、診察時に併せて伝えるようにしてください。
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2022-07-15
ダイエットしてるのに体重が減らない!
食事は減らしてるつもりなのに…なぜ?
そんなに食べていないのに体重が減らない原因を、栄養士さんに聞きました。
「タンパク質をしっかりとる」「糖質は食物繊維と一緒にとる」など、食事のとり方を詳しく解説します。
効率のよい運動方法も載せていますので、着実に痩せたい方は必読です。
食べていないのに痩せない!よくある「5つの原因」
運動をしていない
筋肉が少ない
生理前にダイエットしている
更年期による女性ホルモンの減少
便秘である
原因① 運動をしていない
運動しない人は、消費カロリーが少ないです。
摂取カロリーを消費カロリーが上回っていないと、食事量を減らしても痩せません。
特に、
デスクワークで「座りっぱなし」のことが多い
階段ではなく、エレベーター・エスカレーターをよく利用する
休日は家でのんびり過ごしていることが多い
といった方は、運動不足になりやすいです。
体重を減らすには、日常的に運動を行って消費カロリーを増やす必要があります。
原因② 筋肉が少ない
筋肉が少ない人は、基礎代謝量が低下するため、脂肪が燃焼されにくいです。
「基礎代謝」とは、安静時に生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー量のことです。
「筋肉量が少ない」サイン
階段や坂道などですぐに息切れしてしまう
同世代の方と比べて歩くスピードが遅い
立ったまま靴下がはけない
冷えを感じやすい
基礎代謝量は、加齢とともに徐々に減少していきます。特に30歳以上になると、10~20代よりも痩せにくくなることが多いです。
17歳と30歳で基礎代謝によるエネルギー消費量を比べると、1日あたり180kcal差があるとされています(体重50kgの場合)。
特に、
運動不足
タンパク質が不足した食生活
などに当てはまる方は、筋肉量が低下しやすいので注意が必要です。
原因③ 「生理前」にダイエットしている
生理前は体がむくみやすく、体重も増えやすいです。
この時期にダイエットを頑張っても、他の時期に比べて結果が出にくいと言えます。
女性はホルモンの影響を受けて、約1ヵ月の月経周期で体の状態が変動します。
排卵後から生理前は、代謝を上げる「エストロゲン」の分泌量が減り、「プロゲステロン」の分泌量が増える時期です。
「プロゲステロン」が増えると、妊娠に備えて栄養・水分を体に蓄える作用が働くため、生理前のむくみが発生します。
生理前の体重増加は気にしすぎなくてOK!
生理前の1〜3kg程度の体重増加は、女性の体にとって自然なサイクルです。
この時期は体重が減りにくいものなので、気にしないでよいでしょう。
ただし、生理前に増えた体重が生理後に元に戻らない人は、食欲のコントロールがうまくできていない可能性があります。
その場合は、体重を記録して「生理との関連」を確認してみるのもおすすめです。
原因④ 「更年期」による女性ホルモンの減少
更年期は、女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌が減少します。
エストロゲンには脂肪の代謝を促す働きがあるため、減少することで痩せにくくなります。
閉経前後の約10年間(一般的に45〜55歳頃)を「更年期」といいます。
※閉経時期の平均は50歳頃ですが、個人差があります。
40代以上の女性で「痩せにくい」という場合は、更年期が関係している可能性が高いです。
「更年期」のサイン
のぼせ・顔のほてり
脈が速くなる
動悸・息切れ
異常な発汗
血圧が上下する
耳鳴り・めまい
頭痛
イライラ・不安感
不眠
など
原因⑤ 便秘
便秘により腸内環境が悪くなると、代謝機能が低下するため、体重が減りづらくなることがあります。
特に、
不規則な食事
栄養バランスの偏った食事
運動不足
ストレスが多い
といった生活を送っている方は、便秘になりやすいです。
また、40歳を過ぎた頃からは、更年期による自律神経の乱れも便秘の原因となります。
「痩せにくい食生活」ではありませんか?
「糖質に偏った食事」をしている
タンパク質が不足している
食事量が少なすぎる
食事量を減らしていても、栄養バランスに問題があると、体重が減りづらくなります。
NG食生活① 糖質に偏った食事をしている
ご飯・パン・麺類ばかり食べる
お菓子で食事を済ませる
など、食生活が糖質に偏っていると脂肪がつきやすくなります。
これは血糖値が上昇したときに分泌される、「インスリン」というホルモンが原因です。
糖質の摂取は、1日の摂取エネルギー量の50~65%が適切です。
食事全体の比率で糖質がこれを上回っている人は、食事量自体が少なくても太りやすくなってしまいます。
NG食生活② タンパク質が不足している
肉・魚・卵を食べないダイエットはNGです。
タンパク質は筋肉の材料となる栄養素なので、不足すると筋肉が減少してしまいます。
筋肉が減少することで一時的には体重が減っても、基礎代謝が低下して結果的に痩せにくい体になってしまいます。
NG食生活③ 食事量が少なすぎる
極端な食事制限
特定の食品のみを食べる
といったダイエットは、体重が減りづらくなります。
食事量が少なすぎると、体がエネルギー消費量を抑えて、脂肪をため込もうとしてしまいます。
偏った食事で「ビタミン」や適度な「糖質」が不足していると、体脂肪の燃焼が滞ります。
また、「食物繊維」不足による便秘も、“食べてないのに体重が減らない”原因になるでしょう。
しっかり痩せるための「食事・食べ方のルール」
ダイエットのためには、食事の量を減らすだけでなく、栄養バランスや食べ方に注意する必要があります。
タンパク質をしっかりとる
糖質は「食物繊維」と一緒にとる
良質な油を適切にとる
1日3食、規則正しく食事する
よく噛んでゆっくり食べる
といったことを普段から意識してみましょう。
ルール① タンパク質をしっかりとる
タンパク質は、筋肉量を増やし、基礎代謝を上げるために必要な栄養素です。
女性(18〜49歳):1日50g
男性(18〜49歳):1日65g
を目安※に、しっかりとりましょう。
(または、体重1kgにつきタンパク質1g目安)
※トレーニングで運動量が多い方はもう少し多くしてみるのもよいでしょう。
タンパク質が豊富な食品
肉類
魚類
卵
大豆製品 など
1食で集中して摂るよりも、3食に分けて摂ると、筋肉の栄養源となりやすく、おすすめです。
栄養素は食事から摂ることが基本ですが、どうしても不足してしまう場合にはプロテインを利用するのも一つの方法です。
※プロテインは「ビタミン」や「ミネラル」などが含まれているものが多いので、他の栄養素の摂りすぎには注意しましょう。
ルール② 糖質は「食物繊維」と一緒にとる
おすすめの食べ物
生野菜サラダ
海藻の酢の物
きのこを使用した汁物
こんにゃくの煮物
大麦入りのおにぎり
低糖質のブランパン
食事の際は主食だけでなく、食物繊維を含む野菜・海藻なども一緒に食べましょう。
食物繊維は食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。
食事では、まず食物繊維から食べるようにしましょう。
ルール③ 「良質な油」を適切に摂る
魚を積極的に食べる
サラダや豆腐に、えごま油・亜麻仁油をかける
などの方法で、良質な油を適切に摂っていきましょう。
良質な油には、血糖値の急上昇を抑え、食事の腹持ちをよくしてくれる作用があります。
脂質はダイエットの敵というイメージがあるかもしれませんが、適度に摂る分には効果的です。
※脂質の目標量は、1日の摂取エネルギー量の20~30%です。
良質な油を含む食品
いわし・さばなどの青魚
えごま油(シソ油)
亜麻仁油
ルール④ 1日3食、規則正しく食事する
欠食せずに、1日3食、規則正しく食べるようにしましょう。
空腹時間を長くさせないことで、次の食事での血糖値の急上昇を抑えられます。
夕食が遅くなってしまうときは…
どうしても夜ご飯が遅くなる場合は、夕方に200kcal程度を目安に「間食」をとるとよいでしょう。
その後の夕食は、間食をとった分を減らして食事量を調節してください。
ルール⑤ よく噛んでゆっくり食べる
よく噛んでゆっくり食べると、満腹中枢が刺激されて、食事量を抑えやすくなります。
さらに、食後のエネルギー消費量が増加するという研究結果もあります。
食事のメニューでは、
固い食材
繊維質のもの
を意識的に取り入れると、自然と噛む回数が増えて食事がゆっくりになります。
“噛みごたえ”のある食品
玄米
ごぼう
豆類
芋類
キャベツ
白菜
早食いになりやすいので、「柔らかいものばかりの食事」は避けましょう。
早食いは満腹感を得られにくく、胃腸に負担をかけてしまいます。
「筋トレ+有酸素運動」で脂肪を燃焼させよう
痩せるためには「食べない」だけでなく、運動でカロリーを消費することが重要です。
筋トレ → 基礎代謝量を増やす
有酸素運動 → 脂肪の燃焼を促す
といった作用があるため、「筋トレ+有酸素運動」で組み合わせてダイエットを行うと、脂肪が燃焼されやすくなります。
筋トレは「スクワット」がおすすめ
「スクワット」の正しいやり方
脚を腰幅~肩幅に開いて立つ
つま先はひざと同じ向きにする
手は胸の前で軽く組む
太ももと床が並行になるように、お尻を下げる
お尻の力を抜かないようにしつつ、ゆっくりと元の位置に戻す
※10回1セットとして、1日3セット行いましょう。
下半身には大きな筋肉があるため、鍛えると効率よく筋力アップできます。
これから筋トレを始める方には、太もも・お尻の筋肉を鍛える「スクワット」をおすすめします。
有酸素運動は「無理なくできるもの」をやろう
有酸素運動の例
ウォーキング
ジョギング
サイクリング
水泳
有酸素運動は、1日30分以上・週2日以上を目安に行いましょう。
継続して行うことが大切になるため、ご自身に合った無理のないメニューをおすすめします。
運動に慣れていない方は、ウォーキングから始めるとよいでしょう。
まずは1カ月チャレンジしてみて
ダイエットはすぐに結果が出るものではないため、長期的な視点で行う必要があります。
個人差はありますが、まずは1カ月チャレンジして、体重や体の変化を見てみましょう。
体重1kgを減らすには7200kcalのエネルギー消費が必要になります。
食事や運動で1日240kcal減らしたとしても、1kg落とすには1ヵ月かかる計算になります。
3日や1週間などの短期間で体重が減少した場合、そのほとんどは水分によるものです。
また、極端な食事制限は一時的に体重が減りますが、健康を損なう恐れがあるため、おすすめできません。
食事内容を見直す・運動を習慣化するといった着実な方法で、地道に続けていきましょう。
▼参考
エネルギー消費量の測定方法|健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)
加齢とエネルギー代謝|e-ヘルスネット(厚生労働省)
便秘と食習慣|e-ヘルスネット(厚生労働省)
平成28年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
令和元年 国民健康・栄養調査|厚生労働省
「日本人の食事摂取基準」(2020年版)|厚生労働省
ダイエット|e-ヘルスネット(厚生労働省)
Chewing increases postprandial diet-induced thermogenesis. Yuka Hamada & Naoyuki Hayashi, Scientific Reports, 2021
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「食べてすぐ寝ると太るって嘘?本当?」
食べてすぐ寝ると太るのは嘘か本当か、栄養士さんに聞いてみました。
「寝る前に食べるとき」に気をつけたいポイントなども解説しますので、ダイエット中の方は必見です。
「食べてすぐ寝ると太る」は嘘?本当?
「食べてすぐ寝ると太る」可能性があります。
寝ることによってエネルギー消費量が少なくなるため、脂肪として蓄積されやすくなります。
また、直後に寝てしまうような「夜遅い食事」は、特に脂肪の蓄積が促進されます。
これは、体内時計を調節する「BMAL1遺伝子」と、そのたんぱく質が活性化するためです。
20分程度の昼寝ならOK!良い効果も
食べてすぐに寝ると、脳のリフレッシュにつながるというメリットが期待できます。
特に昼食後の適度な昼寝は、午後のパフォーマンスをアップさせてくれます。
ただし、昼寝の時間は15〜20分程度に留めておきましょう。
長時間の昼寝は、逆に目覚めが悪くなってしまうので注意が必要です。
昼寝のコツは「寝る前のコーヒー」
昼寝の前にはコーヒーなどのカフェインを含む飲み物を飲むのがおすすめです。
カフェインは摂取後、15〜20分後くらいから覚醒効果を発揮するためすっきりとした目覚めにつながるでしょう。
夜間、睡眠直前の食事はNG!デメリットは?
脂肪の蓄積につながる
睡眠の質が下がる
病気の発症リスクが上がる
などのデメリットがあげられます。
デメリット① 脂肪の蓄積につながる
活動している時間よりも、寝ている時間のエネルギー消費量の方が少ないです。
そのため、エネルギー消費がスムーズに行われず、脂肪の蓄積につながって太る可能性があります。
また、夕方以降から、体内時計を調節する“時計遺伝子”の一種である「BMAL1遺伝子」とそのたんぱく質が活性化します。
このたんぱく質は脂肪を蓄積して、分解を抑える働きを持っているため、直後に寝てしまうような夜遅い食事では、特に脂肪の蓄積が促進されてしまうのです。
デメリット② 睡眠の質が下がる
食べたものの消化にエネルギーが使われることで、睡眠を妨げられ、睡眠の質が下がってしまう可能性があります。
良質な睡眠を取るためにも、就寝の2〜3時間前までに食事を済ませるようにしましょう。
睡眠の質の低下は、疲労を翌日に持ち越すことにつながります。
疲労が溜まった体は代謝が下がりやすくなるため、健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。
デメリット③ 病気の発症リスクが上がる
食後は胃酸の逆流が生じやすい時間帯です。
食後すぐ横になると、逆流した胃酸で食道の粘膜がただれてしまい、逆流性食道炎を起こすリスクがあります。
逆流性食道炎を起こすと、胸焼けや胃もたれ、げっぷ、喉の違和感や咳、声のかすれなどが起こり、日常生活に支障をきたす可能性もあります。
ダイエット中の人は、どう気を付ければいい?
忙しいときなど、どうしても晩御飯が遅くなってしまう場合もあります。
そんなときは、
高エネルギーの食事を避ける
脂肪・糖質の多い食事を避ける
ボリュームは通常の食事より抑える
といった点に気をつけると、ダイエットへの影響が少ないです。
寝る前の高エネルギーの食事、脂肪・糖質の多い食事を避けると、脂肪の蓄積だけでなく、消化不良による睡眠の質の低下も防げます。
また、食事のボリュームも通常の一食分より抑えると、消化がスムーズになります。
食べてすぐ寝るときの「食事選びのポイント」
食べてすぐ寝るときは、
野菜スープや味噌汁
大豆製品
などを選ぶのがおすすめです。
味付けは、さっぱりとしたものを選びましょう。
逆に、ごはんや麺類、パンなどの糖質の多い食品は避けましょう。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
厚生労働省 e-ヘルスネット 睡眠と生活習慣病との深い関係
厚生労働省 e-ヘルスネット 快眠と生活習慣
日本消化器病学会 胃食道逆流症(GERD)ガイドブック
ららぽーと横浜クリニック どうして食べた後すぐ寝てはいけないの?
日本成人病予防協会 昼寝 ~ストレス解消法~
保健指導リソースガイド 20分の仮眠が脳を活性化する コーヒーを飲んでから寝ると効果的