女性の“ストレスからくる症状”を、お医者さんに聞きました。
ストレスによる体と心の不調は、自律神経失調症や不妊の原因となるリスクもあります。
当てはまる症状がないかチェックし、体調の改善を目指しましょう。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
ストレスからくる「女性に多い症状」
女性のストレスによる不調は、朝起きたときや生理の前後に感じやすいです。
- 頭痛、めまい
- イライラする
- 気力がわかない
- 倦怠感
- 肩や首がこる
- 不眠
- 蕁麻疹
- 肌荒れ
- 生理不順
- 生理が止まる
- 生理痛が重くなる
過度のストレスは、「自律神経」や「ホルモンバランス」を乱す原因となります。
自律神経やホルモンバランスは、女性の体をコントロールしている重要です。これらの器官が誤作動を起こすと、体のさまざまな不調を引き起こします。
どう解消すればいい?
リラックスした環境で、十分に休むことが大切です。
可能であれば、仕事の休暇をとってください。
リラックスする方法としては、ゆっくりとお風呂に入る、好きな音楽を聴くなどがおすすめです。自然豊かな場所まで出かけて、森林浴を楽しむのも良いでしょう。
こんなときは病院で相談してみよう
過剰なストレスによって
- 生理周期が乱れている
- 生理が止まっている
- 生理痛が重い
- イライラが止まらない
- 対人関係に影響が出ている
といった場合は、病院で相談しましょう。
ストレスは、「自律神経失調症」や「うつ病」など多くの病気の引き金となります。
また、ストレスは不妊につながる恐れもあるため、生理に異常があるときは早めの受診をおすすめします。
何科を受診すればいい?
体の症状でお困りの方は、内科・婦人科を受診しましょう。
心の症状でお困りの方は、精神科・心療内科を受診してください。
ストレスに対する強さは個人差が大きく、ストレスの影響がすぐに不調として現れる方もいます。
症状を、無理に我慢する必要はありません。
ストレスの影響に気がつき、「自分で対応できないな」と感じたときは、医師に相談しましょう。
内科を探す
婦人科を探す
心療内科を探す
「過度のストレス」はこんな病気を引き起こすことも…
過度のストレスは、
- 膀胱炎
- 自律神経失調症
- うつ病
といった病気を引き起こす可能性があります。
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内科、泌尿器科、婦人科のどこでも膀胱炎の治療を受けることができます。
内科を探す
膀胱炎を何度も繰り返す場合は泌尿器科への受診をおすすめします。
膀胱や尿路の専門家なので、他の病気が疑われるとき詳しい検査を受けることができます。
下腹部痛などほかの症状がある場合は婦人科への受診をおすすめします。
膀胱炎なのか婦人科系の疾患なのかをすぐに見極めてもらえます。
膀胱炎かも?症状リスト
次の症状のうち、1つでも思いたるものがあれば、膀胱炎の可能性があります。
頻繁に尿意がある(1時間に数回)
残尿感がある(排尿後すぐ〜10分以内)
下腹部痛がある
おしっこをすると尿道が痛い
おしっこに血が混じる
おしっこが白く濁る
腰が痛い
倦怠感がある
発熱している
膀胱炎で受診する目安
腹痛が強くなる
尿の色が濃くなっている
熱が出る
血尿が出た
糖尿病などの免疫低下の病気がある
尿が出ない
という症状がある場合は、早急に病院で治療を受けましょう。
内科を探す
治療しないで放置すると…
膀胱炎を放置すると腎臓に影響が出て、腎盂炎を発症する可能性があります。
病院を受診し、抗菌薬で早めにケアすれば、すぐ日常に戻ることが可能なケースもあります。根本的に治療するためにも、病院へ行きましょう。
▼参考
特定非営利活動法人標準医療情報センター 膀胱炎治療法ガイドライン
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「最近イライラしてばかり…」
「急に泣きたくなるのはなんで…?」
その症状、もしかしたら自律神経失調症かもしれません。
自律神経失調症のセルフチェックと病院の受診目安、治療法などを医師が解説します。
自律神経失調症かも。何科に行けばいい?
まずは、身体に現れている症状に合わせた診療科を受診してみましょう。
様々な全身症状がでている→内科
耳・鼻の症状、めまい→耳鼻いんこう科
婦人科関連の症状がある→婦人科・産婦人科
そこで原因がわからず、症状が改善しない場合は、心療内科や精神科を受診しましょう。
何科を受診しようか迷っている時には、直接病院に問い合わせてみると丁寧に教えてくれますので、決心がつかないときには聞いてみるとよいでしょう。
▼様々な全身症状がでている→内科へ
内科を探す
▼耳や鼻の症状、めまいがある→耳鼻いんこう科へ
耳鼻いんこう科を探す
▼婦人科関連の症状がある→婦人科・産婦人科へ
婦人科を探す
▼上記で症状が改善しない、ストレス症状が出ている→心療内科や精神科へ
心療内科を探す
どんな治療をするの?
自律神経失調症は、患者さんの症状・タイプ・原因によって治療法が変わります。
基本的には症状に対する薬物療法を行い、並行してその他の治療法が適用されます。
心身両面に働きかける治療や、根本治療のために生活環境・習慣を整える指導が行われます。
具体的な治療法の例
薬物療法
自律訓練法などによるセルフコントロール
カウンセリングやリラクゼーション法などの心理療法
指圧やマッサージ、整体や鍼灸、ストレッチなどの理学療法
音楽療法、アロマテラピーなど、五感に働きかける治療法
自己管理によるライフスタイルの見直し
※この他にも、医療機関によって専門分野や連携施設などがある、治療法も多岐に渡ります。
自律神経失調症のセルフチェック
「自律神経失調症かも…」
と心配な方は、セルフチェックしてみましょう。
当てはまる数が多いほど、自律神経失調症を発症している可能性が高いです。
<身体的症状>
慢性的な疲労、だるさ
めまいや立ちくらみ
片頭痛
動悸、息切れ、窒息感
火照り、発汗
不眠、睡眠不足、寝つきが悪い
悪夢、金縛り
便秘や下痢
微熱
胸痛
肩こり、腰痛
耳鳴り
手足のしびれや震え
口やのどの不快感、つっかえ感
頻尿や残尿感
風邪でもないのに咳が出る
気候の変化に弱い
月経不順
<精神的症状>
イライラや焦り
不安感
疎外感
気分の落ち込み
やる気が出ない
憂鬱になる
感情の起伏が激しい
あなたはどれ?自律神経失調症の4タイプ
自律神経失調症は、主に4つのタイプに分けられます。
本態性型
神経症型
心身症型
抑うつ型
それぞれのタイプについて解説します。
1.本態型
自律神経の調節機能が乱れやすい体質の方(虚弱体質・低血圧など)に多くみられます。
本能性型は、病院で検査をしても特に異常が見られない、ストレスなどが原因ではないのが特徴です。
<どんな人がなりやすい?>
子どもの頃からすぐに吐いてしまう、下痢しやすい、疲れやすい、冷え性、癇癪持ちといった傾向があります。
2.神経症型
神経症型は、心理的な影響によって発症するタイプです。
神経質で、くよくよしがち、感受性が過敏であるなど、心理的な問題が原因となります。
イライラや不安感など、感情の移り変わりが症状に出やすい傾向にあります。
<どんな人がなりやすい?>
自分の体調の変化に対してとても敏感で、少しの精神的ストレスでも体調を崩してしまうような、精神状態に左右されやすいタイプの方です。
3.心身症型
日々のストレスを無理に抑え込もうとすると発症してしまうことのあるのが、このタイプです。
自律神経失調症の中でも特に患者数が多いタイプと言われています。
身体的・精神的のどちらか、またはどちらにも症状が現れます。身体的な症状(下痢・吐き気・だるさ・微熱など)、精神的な症状(不安感・気分の落ち込み・やる気が出ない・憂鬱・焦燥感など)があり、出る症状は人それぞれ異なります。
<どんな人がなりやすい?>
周りの目を気にしすぎて自分の意見をはっきり言えない、神経が過敏でストレスに弱い性格の方に多いです。
また、引越しや転職など、環境の変化によるストレスなどが原因となるケースもあります。
4.抑うつ型
3番の心身症型がさらに進行してしまうとこのタイプになります。
肉体的にも精神的にも複数の症状が現れることが多いと言われています。
やる気が起きない、気分がどんより沈んでいる、興味が湧かないといったうつ症状、身体的には、頭痛や微熱・倦怠感・食欲不振・不眠や寝付きが悪いなどの症状が現れます。
<どんな人がなりやすい?>
几帳面、努力家、真面目、完璧主義な性格の方がなりやすい傾向にあります。仕事などで頑張りすぎてしまったり、はっきりと断ることができなかったりと、ストレスに弱い性格なども原因になりえます。
病院の受診目安
セルフチェック(※上記)に該当する症状が多い
症状が2〜4週間続いている
日常生活に支障をきたす
という場合は、病院に行きましょう。
自律神経失調症は、人によって症状が様々で、複数の症状が出ることが多いため、一定の受診目安をお伝えすることは難しいですが、辛い・苦しいと感じている場合は、我慢せずに、病院を受診することをおすすめします。
受診するタイミングはいつがいい?
症状が出ているときでも落ち着いているときでも、ご自身が行けるタイミングでいきましょう。
症状が出ていて、外出するのが嫌だという場合は落ち着いてからいきましょう。
早期受診をおすすめする理由
ストレスや生活習慣が原因で自律神経が乱れていることが多いため、そのままの生活を続けていても改善することはほとんどないといえます。
原因にもよりますが、何かを変えない限りは治らないため、治すためには治療を受けましょう。
また、自律神経失調症を放置すると、
治りが遅くなる
うつ病など、深刻な病気を見逃す
糖尿病、甲状腺機能異常症などの疾患を見逃す
治療に時間がかかる
といったリスクも生じます。
病院に行くメリット
症状や身体に合わせて、治療法やお薬の選択をしてくれます。
また、病院によっては、専門家によるカウンセリング等の心理療法や、ストレッチ等の理学療法など、症状や原因に合わせたアプローチをしてくれるので、適切な治療を受けることができます。
▼様々な全身症状がでている→内科へ
内科を探す
▼耳や鼻の症状、めまいがある→耳鼻いんこう科へ
耳鼻いんこう科を探す
▼婦人科関連の症状がある→婦人科・産婦人科へ
婦人科を探す
▼上記で症状が改善しない、ストレス症状が出ている→心療内科や精神科へ
心療内科を探す
▼参考
【医師が解説】自律神経失調症の症状・診断・治療 | こころみ医学
広報誌 健康倶楽部/2010年8月号 自律神経失調症ってどんな病気なの?/総合南東北病院
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2020-05-21
初めて心療内科に行くけど…実際には何を話すの?
心療内科で初診を受ける際の流れについて、お医者さんに聞きました。
当日準備していくことをはじめ、初診でかかる料金、診断書はもらえるのかどうかも解説します。
心療内科の初診の流れ
初めてで緊張する方もいらっしゃるかと思いますが、基本は一般の内科などと変わりません。
問診→診察という通常の病院受診と同じ流れで行われます。
<治療開始までの流れ(一例)>
電話やウェブで予約
来院、問診表を書く
診察を受ける
必要であれば検査
治療の開始
心療内科の予約のしかた
電話予約が一般的かと思われますが、最近ではウェブ予約ができるところも増えてきています。
時間がなくて電話ができない、電話が苦手という方でも予約することができます。初診は日時が決まっているところが多いため、調べてから行くのがよいでしょう。
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受診前に準備しておいたほうがいいことはある?
次のことが伝えられるように準備しておくと良いでしょう。
今、何に困っているのか
受診に至った経緯
いつから困っているのか
どのようなときに、どのような症状がでるか
思い当たるストレス要因 等
初診で聞かれること
(症状や状態にもよりますが)ストレス要因に関連するような質問をされる可能性があります。
例えば、家族との関係や本人の職業・仕事内容、交友関係や休日の過ごし方、趣味などの話です。あくまで関連のある事柄に対してなので、あまり言いたくないことは言わなくても大丈夫です。
いずれにしても専門家がお話を聞くので、安心して相談してみてください。秘密は守られます。
初診で持っていくもの
心療内科の初診には、次のものを持参すると良いでしょう。
保険証
お薬手帳(あれば)
現状「困っていること」や「医師に相談したいこと」を受診の経緯をスムーズに話せるようにメモを持っていくのもよいでしょう。
初診の費用目安
自己負担3割の方で、初診時は約2,500円~3,000円、2回目以降は1,500円程度です。
薬を処方された場合、診察とは別に薬代が5000円前後かかります。
検査を行った場合には別途1,000~3,000円かかりますが、検査の種類にもよります。
こんなときは、悩まず心療内科に相談してください
「ストレスで胃が痛い」「悩み事があり夜眠れず、不眠気味だ」「ストレスが多く髪が抜ける」「イライラが収まらない」などの症状がある場合は、早めに専門医に相談してみましょう。
心配事や悩み事、ストレスがあり、気持ちや情緒が不安定で「いつもと違う」と感じられているのであれば、受診することをお勧めします。
辛い、苦しい、不安な状態を長く我慢してしまうと、症状がより重いものになる可能性もあります。
早期受診のメリット
早期に治療を始めることで、治療期間が短く済む、正常な状態に戻るのも早くなる、通院の回数や医療費も安く済むというメリットがあります。
ストレスが要因の病気は特に、放置し続けることで症状が悪化してしまうケースが多く、うつ病もそのうちの一つです。
何よりも、軽い症状のうちに治療を受けた方が心身の負担もあまりかからずに済みます。
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はじめての心療内科「よくある質問」
「診断書はもらえるの?」「心療内科に行ってはいけないと言われるのはなぜ?」
心療内科に関するよくある質問にお答えします。
質問1.診断書が欲しいのですが…
休職等の申請に診断書が必要な場合、すぐにもらえるものなのでしょうか?
診断書は本来診断がついて初めて発行されるものです。しかし診断書は医師に申し出れば、比較的速やかに発行されるところも多いです。
休職や職場に提出が必要な書類として、すぐに必要な場面が多いためです。病院によっては別に窓口が設けられている場合もあるため、受診の際に確認すると良いでしょう。
質問2.よく「心療内科に行ってはいけない」と言われるけど…
「行ってはいけない」「行ったら最後」と言われているのは、なぜなのでしょうか?
「行ったら最後」ということはありません。
そう言われるのは、精神科や心療内科のお薬を服用すると、患者さん自身の判断で勝手にやめることができず、飲み続けなければならないことが要因となっている可能性があります。
もしくは、薬の副作用が強くて日常生活により支障が出るなどという想像での発言かもしれません。
また、精神科・心療内科に行って診断を受けた時に、自分が精神病患者なのだと認めてしまうのが怖いと思ったり、周りの目を不安に感じる方もいらっしゃいます。
精神科や心療内科は、重い精神疾患を持つ人が行く場所というネガティブなイメージが少なからずあるというのが背景にあるようです。
つらい時は我慢せずに病院に行った方が良いのでしょうか?
ネット上でも多くの情報が錯綜していますが、自分の体の声を聞き、本当に辛い、苦しいと感じていて、日常生活に支障が出ているのであれば、相談だけでもいいので受診してみてください。
実際に、精神的な症状や心身症が現れているにも関わらず、受診を躊躇している方が多くいらっしゃいます。
しかし、自己判断で市販の漢方薬などの薬を飲み続けていたとしても、根本的な治療にはなりません。その点、専門の医師に相談することで、症状の要因をふまえた治療を受けることができます。
一人で抱え込まずにまずは相談してみましょう。
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参考URL
・心療内科で初診を受ける場合の流れを分かりやすく解説!/ひだまりこころクリニック栄院
https://hidamarikokoro.jp/sakae/blog/心療内科で初診を受ける場合の流れを分かりやす/
・精神科・心療内科の診察料金 | こころみ医学
https://cocoromi-cl.jp/knowledge/other/psychiatry/cost/
・診察にはどれくらいの費用がかかりますか? | 心療内科・精神科
https://namba-minato.com/faq/faq09/
・心療内科に行くべきかどうか迷う。受診すべき兆候とは?/神楽坂こころのクリニック
https://www.kagurazaka-mc.com/colum/psychosomatic-medicine/