「婦人科を受診するときに、毛を処理していく?」
「シャワーを浴びた方がいい?」
婦人科を受診する際のアドバイスやタイミングを、お医者さんに聞きました。
内診が恥ずかしいときの対処法も解説します。
監修者
経歴
医療法人社団 石野医院
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院
婦人科を受診するとき、毛の処理はするべき?
婦人科や産婦人科を受診する際は、アンダーヘアの処理をする必要はありません。
そのまま医療機関を受診してください。
妊娠中の毛の処理は控えたほうがいい理由
妊娠中は免疫が低下して、皮膚トラブルを起こしやすくなっています。
また、腹部が大きくなっているとアンダーヘアが見にくく、カミソリや毛抜きの使用によって皮膚を傷めてしまうリスクが高いです。
診察の前に洗った方がいい?
診察前に洗浄する必要ありません。
膣の細菌感染などを調べる必要があるので、通常通りの状態で受診しましょう。
受診前に念入りに入浴をしたり、洗浄したり、ビデを使ったりすると、検査結果が正確に出なくなる可能性があります。
服装はどうする?
特にNGという服装はありません。
ただし、素早く脱ぎ着できる服装(スカート等)は、内診時の患者さんの負担を軽減できます。
通常、内診台はカーテンで仕切られますが、腹部から下が全部出ている状態になります。
落ち着かないという方も多いので、スカートを履いて診察を受けるのがおすすめです。
スカートであれば、下着や靴下なども脱ぎ着しやすいです。
受診するタイミングは?生理中でも大丈夫?
生理のお悩みや病気の診察であれば、生理中に受診していただいでも問題ありません。
ただし、婦人科検診は正しい診断ができないこともあるので、生理中の受診を避けてください。
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2022-07-01
生理前になると、いつも気持ちが落ちこんでつらい…
婦人科と精神科のどっちを受診すべき?
「PMDDの治療に適した診療科」をお医者さんに聞きました。
受診の目安となる症状やPMDDの治療方法についても解説します。
生理前の心の不調に悩んでいる方は要チェックです。
PMDDの治療は、婦人科?精神科?
PMDDは心の病気であるため、「精神科」での受診をおすすめします。
なお、ホルモンバランスの乱れによって体の不調を伴う場合は、並行して婦人科での治療が必要になることもあります。
PMDDとは…
PMDDとは、生理の1週間程前から現れる「心の不調」を指します。
不安感が強くなり、何もできなくなる
気分が落ち込んでしまう
イライラすることが長引き、自分では気分を変えられない
すぐに怒ってしまい生活に支障が出ている
といった症状が出るケースが多いです。
「心の不調が起こる時期」と「月経周期」が重なることが、何度も繰り返されている場合、PMDDの疑いが強くなります。
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初診では、どんなことを聞かれる?
つらいと感じる症状
いつから症状があるか(何ヶ月前・何歳の頃からなど)
生理が終わるにつれて症状が軽くなるか
血縁者に精神科・心療内科に通院している人がいるか(わかる範囲で)
現在服用している薬・もしくは服用していた薬
治療内容の希望
精神科の初診では、上記の点について尋ねられることが多いです。
PMDDの場合、特に「生理が終わる頃に症状が軽くなるか」が診断のポイントとなります。
心配な方は、受診前に質問への答えを準備しておくと安心です。メモにまとめておくといいでしょう。
「うつ病」や「パニック障害」と診断されるケースも
心の不調が、生理前以外の時期にも現れている場合、「うつ病」や「パニック障害」と診断されるケースもあります。
PMDDの診断があった場合は、女性ホルモン剤などを使って、ホルモンバランスを整えていきます。
うつ病・パニック障害と診断されれば、女性ホルモン剤を使うことはほとんどありません。
PMDDの治療は何をする?
PMDDの症状がある場合は、
薬を使った治療
生活習慣の見直し
カウンセリング(認知行動療法)
TMS治療(※)
などの方法で、症状の改善を図ります。
(※)磁気を用いて脳の血流を調整する治療法
治療① 薬を使った治療
女性ホルモンをコントロールする必要がある方には、「ピル」や「漢方薬」を処方します。
精神的な症状がつらい方には、「抗うつ薬」や「気分安定薬」などが処方されることがあります。
どの薬を使用するかは、医師が診断をして決めていきます。
症状の程度によりますが、薬をあまり使用したくない場合は、別の治療を選択することも可能です。
ただし、医師との話し合いが必要です。
「費用」の目安
1回あたり5,000〜8,000円程度。
※保険適用となるケースが多いです。上記金額は、保険適用した場合~自由診療の目安になります。
「治療期間」の目安
3ヶ月~半年程度の通院が一般的。
※症状の重さによって異なります。
治療② 生活習慣の指導
女性ホルモンの変動によるPMDDの症状は、
起床時間・就寝時間を一定にする
ミネラルが豊富な「バランスの良い食事」をとる
「ウォーキング」や「ストレッチ」を日課にする
など、生活習慣を見直すことで改善されることがあります。
症状が軽い方・薬を使用したくない方は、生活指導が中心になることが多いです。
また、薬の処方と組み合わせて行われる場合もあります。
「費用」の目安
1回あたり3,000〜8,000円程度。
※保険適用かどうかは、指導する内容や医療機関によって異なります。
「治療期間」の目安
3ヶ月~半年程度の通院が一般的。
※症状の重さによって異なります。
治療③ カウンセリング(認知行動療法)
患者さんのお話を聞き、「行動パターン」や「障害にぶつかった際の気持ち」を具体化していく治療方法です。
普段の考え方・行動を少しずつ変えていき、心のストレスを軽くすることを目指します。
薬に頼りたくない
人間関係に悩んでいる
思考パターンがネガティブになりやすい
といった方は、カウンセリングを中心に治療する場合もあります。
「費用」の目安
1回あたり5,000〜20,000円程度。
※自由診療が一般的です。
「治療期間」の目安
3~10回程度の通院が必要。
※カウンセリングを中心に行う場合の目安です。
治療④ TMS治療
TMS治療とは、磁気を用いて脳の特定の部位に働きかける治療です。
脳の血流を調整し、PMDDの不安感・抑うつ状態の改善を図ります。
薬による気持ち悪さや集中力低下が心配
不妊治療を行っている
授乳中
小さな子どもがいて、薬を家に置くのが不安
といった方に適した治療です。
不妊治療で懸念される「抗うつ薬による奇形」などの心配もありません。
また、薬以上に効果があるといわれています。
「費用」の目安
5,000〜20,000円程度
※PMDDの治療の場合は、自由診療となります。
「治療期間」の目安
20~30回程度の通院が必要になる。
※10回程度から効果が出ることが多いです。
精神科に行くのは不安…大丈夫?
精神科で治療を受けることで、「気持ちが楽になった」と感じる方も多くいます。
最初は不安かもしれませんが、気軽に相談してみることをおすすめします。
月経に伴う症状は個人差が大きいものです。
例えば、月経痛も全く痛みを感じない人もいれば、動けないほど重い痛みに悩まされる人もいますよね。
特に精神的な症状がぐっと重く出てしまうのが、今回ご紹介してきた「PMDD」です。
PMDDの症状が重い方は、生理前の「不安感」や「イライラ」で、人間関係・仕事に支障が出やすくなります。
PMDDは、「薬の服用」や「生活習慣の見直し」で改善を図れる病気です。
困ったときは我慢せず、精神科で治療を受けてみましょう。
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▼参考
大塚製薬 PMSとPMDDの違い
内診は痛くない?
体に異物が入るような違和感を覚えることはありますが、通常痛みはありません。
ただし、内診の内容によっては多少の痛みや出血を伴う場合があります。
内診の際には、できるだけ力を抜いてリラックスしていた方が、痛みを感じにくいです。
逆に力を込めていると膣の中が硬くなるため、痛みが出やすくなります。
また、出血に備えて生理用ナプキンを持参すると良いでしょう。
多くの場合、婦人科・産婦人科に用意してありますが、念のためご自身で持っておくと安心です。
内診が恥ずかしい…どうすればいいの?
内診が恥ずかしい場合、足やお腹にタオルをかけておくと気持ちが落ち着きます。
タオルを貸してもらえるようであれば、医師や看護師にお願いしましょう。
また、内診が恥ずかしい旨を伝えておくと、素早く済ませてくれる場合が多いです。
なお、足は機械が自動に開いてくれるベッドもありますが、ご自身で足を開くベッドもありますので、心の準備をしていきましょう。
他にも、こんなことに注意しよう
婦人科を受診する際は、
- 香水を控える
- 質問事項をまとめる
といった2点を心がけましょう。
その① 香水を使わないようにしましょう
膣や生理の異常は、においにあらわれる場合もあります。
香水をつけていくとにおいがわからなくなるので、婦人科や産婦人科を受診する際は、香水はつけないようにしましょう。
その② 質問事項はまとめていきましょう
初めての受診だと、緊張して質問したいことがわからなくなってしまう人も多くいます。
質問したいことは事前にまとめておきましょう。
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婦人科で内診をしたくない…。
なんだか痛そうで、怖い…。
内診は必ず受ける必要があるのか、お医者さんに聞きました。
リラックスして検査を受けるための方法も解説します。
内診って、どんなときに必要なの?
成長・加齢によって変化する女性の体に、不調がないかを確認するときに必要となります。
内診では、子宮や卵巣の大きさ・固さ、まわりとの癒着の有無を診ます。
特に、「下腹部の圧痛」は内診以外には診断することはできません。
婦人科で内診が怖い…
婦人科で内診を受けるのが不安です…。
内診が嫌な方は、内診ではなく超音波検査等で対応可能な場合があります。問診の際、医師に相談してみましょう。
患者さんの不安を取り除くために、設備の説明もしてくれます。女性医師が診察をしている病院も多いので、希望があれば事前に伝えましょう。
内診は痛いの?
内診が痛そうで…不安です。
痛みの感じ方は人それぞれです。機器は体内を傷つけないようにできているので、痛みを感じることはほぼありません。
しかし、体に力が入ると痛みを感じることがあるので、できるだけリラックスして受診してください。
場所に慣れるために、初めは問診、その後超音波検査など何回かに分けて受診することも可能です。
希望があれば、医師や看護師、受付スタッフに伝えましょう。
怖くない!内診の心得
内診への恐怖や緊張感を和らげるために、自分でできる対処法はありますか?
下半身の露出を少なくすると、落ち着くケースがあります。長めの靴下を履くと安心感を得られると思います。
また、ひざ掛けやタオルを借りて、下腹部にかけておく方法もおすすめです。
受診するとき、こんなことに気をつけよう
服装は?
脱ぎやすい服(下着や靴を含む)で行くのがよいでしょう。
ゆったりとしたスカートなどがおすすめです。
ズボンだとベッドや内診用の椅子に乗る時に下半身が見えるので、落ち着かないかもしれません。
スカートであれば、タイツや下着を脱いでも下半身が見えないため安心です。
生理中は避けたほうがいい?
定期検診など緊急を要していない時は、予約日の変更をおすすめします。
生理中は、出血の量によっては内部が通常より見にくくなります。
どこかで出血や炎症があってもわかりにくいので、生理日は避けるようにしましょう。
洗ってから行くべき?
婦人科へ行く直前に、お風呂やシャワーで陰部を洗った方がいいですか?
そのままの受診で問題ありません。清潔な状態で受診した方が、ご自身が落ち着く場合は、ビデで簡単に洗う程度にしましょう。
シャワーや石鹸などでしっかり洗うと、膣内の異常がわからなくなってしまう場合があるので注意しましょう。
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▼参考
公益社団法人 日本産科婦人科学会 卵巣腫瘍
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。