「尿に違和感がある…」
「検査は何科で受けられるの?」
受診すべき診療科と検査内容をお医者さんに聞きました。
検査費用や注意事項もあわせて解説します。
症状が進行すると腎臓移植や透析が必要になるので、早めに検査を受けましょう。
監修者
経歴
福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
腎臓の検査は何科の病院で受けるの?
腎臓の検査を受けたいのですが、病院は何科ですか?
泌尿器科・腎臓内科・内科のいずれかの医療機関で検査ができます。
受診前に気をつけること
受診の前日は、飲酒は控えてください。
夕食は前日の20時ごろまでに済ませておき、睡眠をしっかりとりましょう。
また、朝一番の尿が必要な場合もあるため事前に医療機関に問いあわせておきましょう。
自宅で尿を採取し、持って行く場合もあります。
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検査内容は?
腎臓の検査って、どんなことをするのでしょうか?
症状にもよりますが、一般的にまずは「尿検査」「血液検査」、必要に応じて「超音波検査」などで検査します。
◆尿検査
尿検査は目視で尿が赤くないか、濁ってないかを確認します。
試験紙などで蛋白尿・尿潜血・尿糖などのチェックをします。
◆血液検査
血液中の尿素窒素や血清クレアチニン(筋肉で作られる老廃物)の値などを検査して、腎機能を調べます。
◆超音波検査
腹部に超音波を当てて検査します。
結石、腫瘍、嚢胞があるかないかなど内部の病変を確認します。
「さらに検査が必要」となった場合は…
さらに詳しく調べる必要がある場合、「CT検査」「腎生検(腎臓の細胞を一部採取する)」「尿の細胞診検査」などで異常な細胞がないかを詳しく調べます。
腎臓病がどこまで進行しているのか、ステージを確認することができます。
泌尿器科的な疾患であればがん・腫瘍・結石などがあるかも調べられます。
検査の費用は?
診察・尿検査・採血の検査で保険適用(3割負担)の場合、3,000円~4,000円程度であることが多いです。
精密検査を行った場合、さらに5,000円から1万円ほど費用が上乗せになる可能性はあります。
検査にかかる時間は?
病状によって変わりますが、尿検査・採血・一般的な診察であれば初診の方で30分程度と考えておいてください。追加の検査があればそれに応じて時間がかかります。
「検査結果」が出るまでの期間は?
尿検査や血液検査は、医療機関により、当日わかるケースもありますし、1週間程度かかるケースもがあります。細胞を調べる検査などは通常1週間程度かかります。
※ただし、医療機関の規模によって、日数は前後します。
「腎臓は、一度悪くなると回復しづらい」放置すると…どうなる?
腎臓病を治療せずに放置すると、顔や足のむくみが生じます。
腎臓機能は一度低下すると、なかなか元に戻すことが難しいため、腎臓の移植や透析を受ける必要があります。
腎臓が悪いとでる症状の例
- 体がむくむ(特に足首)
- おしっこの量が減る/増える
- トイレにいく回数が増える
- 貧血になる
- 体にかゆみを感じる
腎臓に違和感がある方や健康診断で数値が悪かった方は腎臓の検査をおすすめします。
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2021-05-12
立ちくらみが頻繁に起こったり、目の前が真っ暗になったりすることがある…。
これって大丈夫なの?
立ちくらみの原因と対処法をお医者さんに聞きました。
「病院に行く目安は?」「何科に行くべき?」
といった疑問にもお答えします。
頻発する立ちくらみは病気のサインかもしれないので注意が必要です。
どうする?視界が真っ暗に…
立ちくらみで視界が真っ暗になったときは、転倒事故を起こさないため、まずは低めの体勢を取りましょう。
その後落ち着いたら、一度座ってからゆっくり立ち上がるようにしてください。
頻繁に起こるのはなぜ?
立ちくらみが頻繁に起こるのは
起立性低血圧症
食後低血圧
が原因の可能性が高いです。
原因① 起立性低血圧症
「起立性低血圧症」は、起きたときや急に体を動かしたとき、長時間の立ち仕事や学校の朝礼のときなどに、突然目の前が暗くなりフラッとします。
立ちくらみ以外には、
めまいや吐き気
全身倦怠感
頭痛、失神
転倒
などの症状がみられます。
立ちくらみが発症する原因
血圧をコントロールする部分に何かしらの異常が生じたとき、瞬時の血圧コントロールができなくなってしまい、一時的に低血圧を生じます。それによって、脳への血流量が不足することで、立ちくらみが起こります。
起立性低血圧は、原因不明の特発性起立性低血圧と何らかの疾患による症候性(二次性)起立性低血圧の二種類があります。
特発性起立性低血圧
起立性低血圧の約20%を占めます。原因疾患はみられず、神経系の障害によって起こります。体重が減ると起立性低血圧の程度が強くなります。
症候性(二次性)起立性低血圧
原因は、糖尿病や内分泌疾患、心臓弁膜症、心筋症などがあります。そのほか、服用している薬物(精神安定剤や精神刺激剤、レボドパなどのパ-キンソン病治療剤、降圧剤など)の影響によっても起こることがあります。
自分でできる対処法は?
「起立性低血圧症」にはさまざまな原因があります。
「これをすればOK」という対処はないので、自己判断で対処するのではなく、一度医療機関で検査を受けましょう。
原因② 食後低血圧
食後に、立ちくらみ症状があらわれるのが特徴です。
立ちくらみ以外には、
食後に体がだるくなる
胃もたれがする
吐き気がある、眠くなる
失神する
などの症状がみられます。
とくに、特に寝たきり状態の高齢者が、食事の時に誤嚥予防のため、体を起こして食事をする場合に起こりやすいです。
立ちくらみが発症する原因
食事をした後に、食べたものを消化するために胃に血液がたまり、心臓に戻りにくくなってしまうことで、立ちくらみが起こります。
自分でできる対処法は?
1回の食事量を少なくして、食事の回数を増やしましょう。
水分を多くとり、高血圧でなければ塩分も適度にとってください。また、姿勢を変えるときは、ゆっくりと体を動かすようにしましょう。
こんな立ちくらみは病院へ!
立ちくらみが頻繁に起こる
うまく歩けない
ふらふらする
血便や黒いタール状の便が出る
などの症状が見られる場合、注意が必要です。
どんな検査を受けるの?
心電図検査や血算(血液中の赤血球、白血球、血小板の数や大きさ、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値などの測定を行う検査のこと)や、血液検査(電解質濃度の測定など)などが行われます。
病院は何科?
立ちくらみにお悩みの場合は、まずは内科を受診しましょう。
内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
MSDマニュアル家庭版 立ちくらみ
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2021-06-01
「肝機能が低下していると、どんな匂いがするの?」
“ツンとした匂い”がする方は要注意です。
肝臓病が隠れているケースもあります。
悪化すると命に関わる場合もあるため、放置は禁物です。
肝機能が低下すると、どんな匂いがするの?
肝機が低下すると、体から“ツンとしたようなアンモニア臭”がします。
これは、肝臓で分解しきれなかったアンモニアの一部が、汗として体外に排出されるためです。
肝臓には「オルニチン回路」という代謝回路があり、食べ物から摂り入れたたんぱく質を分解する機能があります。
その分解の途中で「アンモニア」という有害物質が発生するのですが、通常であれば肝臓内のオルニチンと反応して、無害な尿素に変換されます。
しかし、肝機能が低下している人は、オルニチン回路がしっかり働かないために、アンモニアを上手く分解できません。
その結果、ツンとしたアンモニアの匂いを発するようになるのです。
アンモニア臭を改善する2つの対策
オルニチンを摂る
過度の飲酒を控える
2つを心がけましょう。
その① オルニチンを摂る
オルニチンを多く含む食品を食べることで、オルニチン回路の機能の改善が促されます。
おすすめの食材として、シジミやヒラメ、エノキタケ、キハダマグロなどがあります。
オルニチン回路はアンモニアを分解する上で、重要な役割を担っています。
積極的にオルニチンを摂取し、肝機能の向上を目指しましょう。
その② 過度の飲酒を控える
アルコールは肝臓に負担を与えます。
お酒を飲む場合は、適量を心がけましょう。
肝臓に無理をさせないよう、お酒を飲む際は以下の目安を心がけてください。
<一日あたりの飲酒目安>
ビール:500mlまで
チューハイ:360mlまで
日本酒:1合まで
ウイスキー:60mlまで
ワイン:200mlまで
また、肝臓の負担を抑えられるよう、週に2日は休肝日を設けましょう。
個人差はあるものの、肝臓が正常に処理できるアルコールの量は、1日あたり男性で40g、女性ではその半分の20gです。
これは、お酒の種類は関係ありません。
肝臓が1時間で処理できるアルコールの量は、日本酒1/4合程度と言われています。
もし毎日3合の日本酒を飲んでいたとしたら、肝臓は12時間も働かなくてはいけないことになります。
お酒の飲みすぎには、どんな悪影響があるの?
脂肪肝をはじめとした、肝臓の病気を引き起こしやすくなります。
摂取したアルコールは肝臓で分解・吸収され、中性脂肪などに形を変えて、エネルギー源として全身の細胞に送られます。
しかし、習慣的に毎日飲酒を続けていると、肝臓の働きが追いつかなくなり、中性脂肪が肝臓のなかにどんどん蓄積されるようになります。
そのまま脂肪が溜まりすぎると「脂肪肝」になり、肝炎・肝硬変を発症しやすくなります。
こんな症状は病院へ。「肝臓病のサイン」かも
食欲の低下
体重の減少
指先が肥大する(ばち状指)
白眼の部分や皮膚が黄色くなる(黄疸)
コーラのような色の尿が出る
便の色が薄くなる
便が脂っぽく、悪臭がする(脂肪便)
皮膚がかゆい
皮膚に赤紫色の発疹があらわれる
筋肉が衰える
手のひらの色が赤くなる
皮膚に小さな蜘蛛のような血管があらわれる
頭がぼーっとする、意識がもうろうとする
手が震える
物忘れをする
怒りっぽくなる
上記の症状に心当たりがある場合は、肝臓病を発症している可能性があります。
肝臓病にはどんなものがあるの?
肝臓の病気には、
肝硬変
肝性脳症
などがあります。
<肝硬変>
度重なるダメージによって、肝臓が硬く小さくなっている状態です。
肝機能が大きく低下しているため、他の臓器にも悪影響を与えてしまいます。
また、肝臓がんの発症リスクも高まると言われています。
<肝性脳症>
肝機能の低下によって分解できなかった毒素が、脳に悪影響を与えている状態です。
意識障害や認知障害などを伴い、悪化すると昏睡状態になります。
肝臓病を放っておくと、症状が悪化するだけでなく、合併症を引き起こすリスクも上昇します。
重い状態になると、ショック症状を起こしたり、命を落としたりするケースもあります。
「肝臓病かもしれない…」と思う方は、早めに医療機関で検査・治療を受けましょう。
何科で受診すればいい?
肝臓病を疑う場合は、まず内科・消化器内科を受診してください。
肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれており、症状を自覚としたときには、病気が進行している可能性もあります。
悪化する前に治療を行えるよう、早めの受診を心がけましょう。
内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
厚生労働省 e-ヘルスネット 飲酒量の単位
MSDマニュアル家庭版 肝硬変
あすか製薬 肝性脳症ってどんな病気
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。