立ちくらみで目の前が真っ暗になるときと、真っ白になるときの、違いはあるの?
立ちくらみの原因として考えられる病気と、対処法についてお医者さんに聞いてみました。
立ちくらみを放っておくと、病気が進行するリスクもあります。
「病院に行くなら何科?」「お医者さんにはどう相談したらいい?」といった疑問にもお答えします。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
立ちくらみ|目の前が「真っ暗」と「真っ白」で違いはある?
立ちくらみで目の前が「真っ暗」になる場合も「真っ白」になる場合も、同じメカニズムのため、違いはないと考えられます。
通常、脳に血液を送っているのは心臓で、心臓がポンプの役割をして、全身に血液が送り出されています。
目の前が「真っ暗」と「真っ白」になるときは、体の一番上にある脳へ血流が十分行き届かなくなった状態だと考えられます。
立ちくらみが起こったら…
まずは低めの体勢を取り、転ばないようにしましょう。
立ちくらみが落ち着いたら、一度座り、その後ゆっくり立ち上がってください。
立ちくらみで「よくある5つの原因」
- 起立性低血圧症
- 食後低血圧
- 自律神経失調症
- ヒートショック
- 熱中症
真っ暗になる原因① 起立性低血圧症
起立性血圧症になると、血圧の調整がうまくいかなくなってしまいます。
そのため、急に立ち上がったときなどに血圧が低下し、脳へ血液が十分行き届かなくなります。その結果、立ちくらみや意識を失うことがあります。
「起立性低血圧症」になりやすい人の特徴
糖尿病や内分泌疾患、心臓弁膜症、心筋症などの病気になっていると、起こりやすいです。
ほかにも、特定の薬(精神安定剤や精神刺激剤、降圧剤など)を服用している人は起こりやすいです。
対処法は?
自己判断で対処するのではなく、まずは一度医療機関で検査を受けましょう。
起立性低血圧症の原因は様々です。
起立性低血圧を放置すると、原因となっている病気がさらに進行する可能性があります。
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真っ暗になる原因② 食後低血圧
食後、食べたものを消化するために胃に血液が集中することで、血液が心臓に戻りにくくなります。その結果、立ちくらみがして倒れこむことがあります。
「食後低血圧」になりやすい人の特徴
水分や塩分の摂取量が少ない人、一回の食事量が多い人が起こりやすいです。
対処法は?
水分をこまめにとり、適度な塩分もとりましょう。
また、食事の量を減らし、回数を増やすといいです。
真っ暗になる原因③ 自律神経失調症
自律神経とは、体の外や中からの情報に反応して、体内の環境を整える神経です。
自律神経失調症は、この神経のバランスが乱れた状態です。
体や心に様々な不調を引き起こすため、立ちくらみや、視界が暗転することがあります。
「自律神経失調症」になりやすい人の特徴
不規則な生活をしている人、ストレスや疲労が溜まっている人に起こりやすいです。
対処法は?
規則正しい生活を心がけて、十分な睡眠をとりましょう。
ストレスをうまく発散し、疲れをためこまないことも大切です。
自律神経失調症を放置していると、うつ病などの心の病気を見逃す可能性があり、治療に時間がかかるリスクもあります。
生活習慣を整えてもよくならない場合は、病院で相談しましょう。
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真っ暗になる原因④ ヒートショック
気温の変化によって血圧が大きく変動する現象です。
血圧が上下した影響で立ちくらみを起こすことがあります。
「ヒートショック」になりやすい人の特徴
高血圧症・脂質異常症・糖尿病などの病気が進行し、動脈硬化が進んでいる人や、心臓病の高齢者に起こりやすいです。
対処法は?
寒暖差が大きいと血圧が変わりやすいため、
- 脱衣所・トイレなどの寒い部屋は、暖房やヒーターで暖めておく
- シャワーや湯船にはったお湯で浴室を暖めておく
などの工夫をしましょう。
※2022年12月現在、お風呂場で起こるいわゆるヒートショックと言われているものは、現在は他の要因(熱中症)という報告もあります。
真っ暗になる原因⑤ 熱中症
熱中症によって体温が上がると、体内の水分や塩分のバランスが崩れて、体温の調整機能が効かなくなります。その結果、立ちくらみやめまいなどを引き起こします。
「熱中症」になりやすい人の特徴
水分やミネラルをしっかり補給できていない人に起こりやすいです。
対処法は?
水分をこまめにとりましょう。
暑い日は、涼しい服装や日差し対策をしっかり行ってください。
室内ではエアコンをつけましょう。
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2021-05-12
立ちくらみが頻繁に起こったり、目の前が真っ暗になったりすることがある…。
これって大丈夫なの?
立ちくらみの原因と対処法をお医者さんに聞きました。
「病院に行く目安は?」「何科に行くべき?」
といった疑問にもお答えします。
頻発する立ちくらみは病気のサインかもしれないので注意が必要です。
どうする?視界が真っ暗に…
立ちくらみで視界が真っ暗になったときは、転倒事故を起こさないため、まずは低めの体勢を取りましょう。
その後落ち着いたら、一度座ってからゆっくり立ち上がるようにしてください。
頻繁に起こるのはなぜ?
立ちくらみが頻繁に起こるのは
起立性低血圧症
食後低血圧
が原因の可能性が高いです。
原因① 起立性低血圧症
「起立性低血圧症」は、起きたときや急に体を動かしたとき、長時間の立ち仕事や学校の朝礼のときなどに、突然目の前が暗くなりフラッとします。
立ちくらみ以外には、
めまいや吐き気
全身倦怠感
頭痛、失神
転倒
などの症状がみられます。
立ちくらみが発症する原因
血圧をコントロールする部分に何かしらの異常が生じたとき、瞬時の血圧コントロールができなくなってしまい、一時的に低血圧を生じます。それによって、脳への血流量が不足することで、立ちくらみが起こります。
起立性低血圧は、原因不明の特発性起立性低血圧と何らかの疾患による症候性(二次性)起立性低血圧の二種類があります。
特発性起立性低血圧
起立性低血圧の約20%を占めます。原因疾患はみられず、神経系の障害によって起こります。体重が減ると起立性低血圧の程度が強くなります。
症候性(二次性)起立性低血圧
原因は、糖尿病や内分泌疾患、心臓弁膜症、心筋症などがあります。そのほか、服用している薬物(精神安定剤や精神刺激剤、レボドパなどのパ-キンソン病治療剤、降圧剤など)の影響によっても起こることがあります。
自分でできる対処法は?
「起立性低血圧症」にはさまざまな原因があります。
「これをすればOK」という対処はないので、自己判断で対処するのではなく、一度医療機関で検査を受けましょう。
原因② 食後低血圧
食後に、立ちくらみ症状があらわれるのが特徴です。
立ちくらみ以外には、
食後に体がだるくなる
胃もたれがする
吐き気がある、眠くなる
失神する
などの症状がみられます。
とくに、特に寝たきり状態の高齢者が、食事の時に誤嚥予防のため、体を起こして食事をする場合に起こりやすいです。
立ちくらみが発症する原因
食事をした後に、食べたものを消化するために胃に血液がたまり、心臓に戻りにくくなってしまうことで、立ちくらみが起こります。
自分でできる対処法は?
1回の食事量を少なくして、食事の回数を増やしましょう。
水分を多くとり、高血圧でなければ塩分も適度にとってください。また、姿勢を変えるときは、ゆっくりと体を動かすようにしましょう。
こんな立ちくらみは病院へ!
立ちくらみが頻繁に起こる
うまく歩けない
ふらふらする
血便や黒いタール状の便が出る
などの症状が見られる場合、注意が必要です。
どんな検査を受けるの?
心電図検査や血算(血液中の赤血球、白血球、血小板の数や大きさ、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値などの測定を行う検査のこと)や、血液検査(電解質濃度の測定など)などが行われます。
病院は何科?
立ちくらみにお悩みの場合は、まずは内科を受診しましょう。
内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
MSDマニュアル家庭版 立ちくらみ
立ちくらみが頻繁に起こる場合は、病院で相談しよう
立ちくらみを繰り返すようであれば、頻度に関わらず、医療機関で相談しましょう。
特に
- 立ちくらみが頻繁に起こる
- そのほかの体調不良がある
という場合、病気が原因の可能性があります。
立ちくらみは、何科で相談すればいい?
まずは、内科を受診しましょう。
病院では、心電図検査や血液検査などを行います。
医師に伝えるポイント
診察では、次のことを伝えられるようにしておくといいでしょう。
- 立ちくらみするようになった時期、経過
- 立ちくらみ以外の症状
- 治療中の病気
- 服用中の薬
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2021-05-12
立ちくらみが頻繁に起こったり、目の前が真っ暗になったりすることがある…。
これって大丈夫なの?
立ちくらみの原因と対処法をお医者さんに聞きました。
「病院に行く目安は?」「何科に行くべき?」
といった疑問にもお答えします。
頻発する立ちくらみは病気のサインかもしれないので注意が必要です。
どうする?視界が真っ暗に…
立ちくらみで視界が真っ暗になったときは、転倒事故を起こさないため、まずは低めの体勢を取りましょう。
その後落ち着いたら、一度座ってからゆっくり立ち上がるようにしてください。
頻繁に起こるのはなぜ?
立ちくらみが頻繁に起こるのは
起立性低血圧症
食後低血圧
が原因の可能性が高いです。
原因① 起立性低血圧症
「起立性低血圧症」は、起きたときや急に体を動かしたとき、長時間の立ち仕事や学校の朝礼のときなどに、突然目の前が暗くなりフラッとします。
立ちくらみ以外には、
めまいや吐き気
全身倦怠感
頭痛、失神
転倒
などの症状がみられます。
立ちくらみが発症する原因
血圧をコントロールする部分に何かしらの異常が生じたとき、瞬時の血圧コントロールができなくなってしまい、一時的に低血圧を生じます。それによって、脳への血流量が不足することで、立ちくらみが起こります。
起立性低血圧は、原因不明の特発性起立性低血圧と何らかの疾患による症候性(二次性)起立性低血圧の二種類があります。
特発性起立性低血圧
起立性低血圧の約20%を占めます。原因疾患はみられず、神経系の障害によって起こります。体重が減ると起立性低血圧の程度が強くなります。
症候性(二次性)起立性低血圧
原因は、糖尿病や内分泌疾患、心臓弁膜症、心筋症などがあります。そのほか、服用している薬物(精神安定剤や精神刺激剤、レボドパなどのパ-キンソン病治療剤、降圧剤など)の影響によっても起こることがあります。
自分でできる対処法は?
「起立性低血圧症」にはさまざまな原因があります。
「これをすればOK」という対処はないので、自己判断で対処するのではなく、一度医療機関で検査を受けましょう。
原因② 食後低血圧
食後に、立ちくらみ症状があらわれるのが特徴です。
立ちくらみ以外には、
食後に体がだるくなる
胃もたれがする
吐き気がある、眠くなる
失神する
などの症状がみられます。
とくに、特に寝たきり状態の高齢者が、食事の時に誤嚥予防のため、体を起こして食事をする場合に起こりやすいです。
立ちくらみが発症する原因
食事をした後に、食べたものを消化するために胃に血液がたまり、心臓に戻りにくくなってしまうことで、立ちくらみが起こります。
自分でできる対処法は?
1回の食事量を少なくして、食事の回数を増やしましょう。
水分を多くとり、高血圧でなければ塩分も適度にとってください。また、姿勢を変えるときは、ゆっくりと体を動かすようにしましょう。
こんな立ちくらみは病院へ!
立ちくらみが頻繁に起こる
うまく歩けない
ふらふらする
血便や黒いタール状の便が出る
などの症状が見られる場合、注意が必要です。
どんな検査を受けるの?
心電図検査や血算(血液中の赤血球、白血球、血小板の数や大きさ、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値などの測定を行う検査のこと)や、血液検査(電解質濃度の測定など)などが行われます。
病院は何科?
立ちくらみにお悩みの場合は、まずは内科を受診しましょう。
内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
MSDマニュアル家庭版 立ちくらみ