更年期障害ってどんな症状が出るの?
なりやすい人の特徴は?
更年期障害について、分かりやすくまとめました。
普段の生活で心がけたいポイントや、病院に行く目安も紹介します。
更年期障害とは
女性は40代頃から、卵巣から分泌される「女性ホルモン」が急激に減少します。
これに伴ってあらわれる、さまざまな心身の不調を総称して、更年期障害と呼びます。
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朝起きると体が痛い…これって病気?
「起床時の体の痛み」は病気が原因なのかどうか、お医者さんに聞いてみました。
病気かどうかを見分ける目安も紹介するので、心当たりがないかチェックしましょう。
「朝起きると体が痛い」のは病気のサイン?
首や肩など、特定の部位のみが痛む場合や、痛み以外の症状が特に見られない場合は、病気のではないケースが多いです。
寝違え
寝具が合っていない
寝ている姿勢が悪い
寝返りが上手に打てていない
などが原因として考えられます。
ただし、「痛みが広範囲にでている」「痛み以外の症状を伴う」場合は注意が必要です。
線維筋痛症や関節リウマチなどの病気により、起床時の体の痛みが引き起こされている可能性があります。
症状別|起床時の痛みで考えられる病気
症状
考えられる原因
関節周辺に痛み・こわばりが生じる
寒い季節・起床時に強く痛む
関節リウマチ
全身に痛み・こわばりが生じる
手足のしびれを伴う
線維筋痛症
肩・手指・膝の関節が痛い
皮膚をアリが這うような感覚(蟻走感)がある
更年期障害
※上記はあくまで目安です。
どんな病気か判断するためには、医療機関で診断を受ける必要があります。
原因① 関節リウマチ
関節リウマチは、免疫機能が関節を攻撃し、関節の炎症を引き起こす病気です。
こんな症状がでていませんか?
朝起きた時に関節がこわばる
関節を押したり動かしたりすると痛い
関節が腫れている
痛む部分が熱っぽい
だるい
食欲がない
関節リウマチの場合、体全体もしくは関節周辺がこわばって動かしづらいという特徴があります。
症状が進行すると、関節が変形したり、関節を動かしにくくなったりします。
発症しやすい人は?
関節リウマチは、30〜50歳代の女性に多いです。
ただし、詳しい原因は分かっていません。
関節リウマチかも…どうすればいい?
関節の腫れ・痛み・朝起きた時のこわばり等の症状が数日経っても改善されない場合は、医療機関で受診しましょう。
関節リウマチの場合、セルフケアで治すことは難しいです。
病院は何科?
「リウマチ科」または「整形外科」で受診しましょう。
リウマチを専門とする医療機関であれば、設備も整っており、必要な検査・治療を受けられます。
ご自宅の近くにリウマチ科がない場合は、整形外科に相談してみることをおすすめします。
リウマチ科を探す
整形外科を探す
原因➁ 線維筋痛症
線維筋痛症とは、脳機能の異常によって、全身の広い範囲に痛みが生じる病気です。
痛みを感じる神経が、うまく機能していない状態です。
気分の落ち込み・不安感などの精神的な症状を伴うこともあります。
こんな症状がでていませんか?
全身が痛む・こわばる
3ヶ月以上、痛みが続く
手足がしびれる
頭痛
疲労感・倦怠感
不眠
不安感
など
発症しやすい人は?
40代後半の女性に多く発症します。
また、子どもや65歳以上の高齢者にも発症するケースがあります。
線維筋痛症の原因ははっきりと分かっておらず、強い遺伝性はないとされています。
線維筋痛症かも…どうすればいい?
痛みなどの症状が数日続く場合は、悪化する前に医療機関で受診しましょう。
病院は何科?
身体的な症状のみの場合は、「内科」で受診しましょう。
気分の落ち込み・不安感などの精神的な症状を伴う場合は、「心療内科」で受診してください。
放置していると痛みが慢性化してしまい、治療期間が長引くおそれがあります。
内科を探す
心療内科を探す
原因③ 更年期障害
女性は40代頃から、卵巣から分泌される「女性ホルモン」が急激に減少します。
これに伴ってあらわれる、さまざまな心身の不調を総称して、更年期障害と呼びます。
女性ホルモンの一つである「エストロゲン」が減少すると、関節の表面を覆っているコラーゲンの生成も減少します。
すると、軟骨がすり減ってしまい、関節に痛みが起きやすくなります。
特に朝は、体が日中より動いていないため、動きだす際に痛みを生じます。
こんな症状がでていませんか?
肩・手指・膝の関節の痛み、こわばり
ほてり・のぼせ
めまい
頭痛
動悸・息切れ
疲労感
無気力・イライラ・不安感
不眠
など
人によってさまざまですが、更年期障害の場合、上記のような症状を伴うことが多いです。
発症しやすい人は?
40歳以降の女性に発症しやすいです。
更年期障害かも…どうすればいい?
症状が長く続き、
生活に支障がでる
耐えられない
という場合は、医療機関で受診しましょう。
病院は何科?
「婦人科」で受診しましょう。
女性ホルモンを補充する治療や、漢方を使って症状を緩和させる治療などが受けられます。
婦人科を探す
原因に見当がつかない…何科に行けばいい?
原因に見当がつかない場合、まずは「内科」で受診しましょう。
女性の場合は、「婦人科」での受診も検討するとよいです。
病気が疑われる症状がある場合、放置していると、悪化して治療に時間がかかってしまいます。
また、別の病気が潜んでいるおそれもあるので、一度、医師に相談してみることをおすすめします。
受診時に医師に伝えるとよいこと
症状がで始めた時期
起床時に体のどこが痛むか
起床時の体の痛み以外の症状
普段の生活(起床時以外)で症状がでることはあるか
これまでにかかったことのある病気
服用中の薬
月経の有無
上記の点を医師に伝えると、診察がスムーズに進むでしょう。
内科を探す
婦人科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
線維筋痛症|リウマチ情報センター
更年期障害について教えて下さい。|日本産婦人科医会
更年期障害は何歳から始まる?
更年期とは、閉経前後の5年ずつを指します。
50歳前後での閉経が平均なので、ほとんどの女性が45~55歳で更年期を迎えます。
更年期障害はいつ終わる?
更年期障害が、いつ終わるかは断言できませんが、長くても10年ほどです。
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「体がほてる…」
「気分が落ち込む…」
更年期障害の症状について、お医者さんに詳しく聞きました。
「更年期障害を終えた人の体験談」も載せています。
今さら聞けない?更年期障害が起こるしくみ
更年期障害は、女性ホルモンが急激に減少することで起こります。
女性は35歳を過ぎると卵巣内に残っている卵子の数が激減し、「エストラジオール」という女性ホルモンの分泌も減少します。
その結果、
不足を察知した脳が「女性ホルモンの分泌」の指令を出す
指令を受けても、卵巣が女性ホルモンを分泌できない
という矛盾した状態が続き、更年期障害の発症につながると考えられています。
※必ずしもすべての女性が更年期障害になるわけではありません。
こんな症状のお悩み、ありませんか?
更年期障害の症状としては、次のような
体の症状
心の症状
が挙げられます。
① 体の症状
ほてり(ホットフラッシュ)
のぼせ
頭痛
全身倦怠(けんたい)感
めまい など
② 心の症状
無力感
不安を感じやすくなる
憂鬱になりやすい
気分が落ち込む など
症状の現れ方には個人差がある
更年期障害は個人差が大きく、症状も人それぞれです。
更年期障害の症状が全くない人もいれば、症状が軽い人、重い人、医療機関での治療を要するほど重篤な人とさまざまです。
更年期障害の症状は多岐にわたります。この他にも200~300種類も症状が現れることがあるのです。
症状が複数当てはまるなら、医師に相談してみましょう。
更年期障害が重症化しやすい人の傾向
更年期障害が重症化しやすい方には
生真面目
ストレスを抱えやすい
人間関係に問題を抱えている
というような傾向があります。
更年期障害は、エストラジオールという女性ホルモンの分泌減少だけが原因ではありません。
心理的要因も関与するため、個人差が非常に大きく、体中どこでも症状が現れます。
更年期障害が重症化すると…
更年期障害が重症化すると、骨粗しょう症やうつ病、高血圧などの病気を誘発する恐れもあります。
症状を緩和するためには…
欠食をしない
食べ過ぎない
睡眠時間をしっかり確保する
といった規則正しい生活を心がけてください。
更年期障害の症状は徐々に緩和されていくケースが多いです。
乱れた生活を控えて、上手に更年期障害を乗り切っていきましょう。
更年期障害は、いつ終わる?
更年期障害に、終わりはありますか…?
もちろん終わりはあります。
更年期とは、閉経前後の5年ずつを指します。
50歳前後での閉経が平均なので、ほとんどの女性が45~55歳で更年期を迎えます。
更年期障害が治まるのは、平均で閉経5年前後くらいからです。
更年期障害が、いつ終わるかは断言できませんが、長くても10年ほどです。
更年期障害の“終わりのサイン”
生理の出血量、日数が少なくなってくる
性欲がなくなる
生理の周期の規則性がなくなり、回数も次第に減ってくる
上記のサインが見られた後に、症状が自然と終わることが多いです。
生理の出血量、日数が少なくなってきましたが、最期までかなり定期的なサイクルでありました。
(49歳 女性)
私の場合、55歳を過ぎた頃から、突然生理前に性欲がなくなりました。
生理の周期も、若い時に比較したら、規則性がなくなり、回数も次第に減ってきました。
(58歳 女性)
生理が不定期になったころはひどかったのですが、54歳で閉経してから落ち着きました。
あまり意識しませんでしたが、自然におさまりほてりも少なくなると、夜も眠れるようになりました。
(62歳 女性)
【体験談】更年期症状が終わるまで
ホットフラッシュや体の怠さイライラなどが生じ病院へ行ったのですが、「たいしたことはない」と言われてしまったので、市販の命の母を買って飲んでみました。
その後、少しは良くなりホットフラッシュやイライラもなくなっていきました。
(54歳 女性)
最後の方は、生理開始前日に頭痛がするようになりました。
また生理の間隔が大きくなるのではなく、私の場合、28周期から25周期くらいに短くなっていきました。
その他は、特によくあるホットフラッシュ等はあまりありませんでした。
(49歳 女性)
仕事を続けていたので寝込むまではなかったのですが、倦怠感や無気力など精神的な方に症状を感じ、泣きたくなることも多かったです。
特に終わりのサインは感じなかったのですが、50代に入ってすぐの頃、仕事も辞めずに続けていくうちにその感覚は薄れていった気がします。
そのまま自宅にこもったり、一人になったりしていたら良くなかったと感じました。
(61歳 女性)
一人で悩まないで!つらい症状は医師に相談を
症状が気になる方は、迷わず医療機関を受診してくださいね。
更年期障害の悩みは「婦人科」で診療を行っています。
婦人科では、
ホルモン補充療法
漢方薬・抗うつ剤の処方
など、つらい症状を緩和する治療も可能です。
更年期障害を乗り切るには、ご自身の状態を前向きに捉えることが大切です。
症状にお悩みの方は、一度医師のサポートを受けてみることをおすすめします。
婦人科を探す
更年期障害の症状をチェック
- のぼせ・顔のほてり(ホットフラッシュ)
- 息切れ・動悸
- 頭痛
- めまい
- 不安を感じやすい、イライラしやすい
など
上記の症状は、更年期障害の主な症状の一例です。
更年期の症状は多岐にわたるため、上記以外の症状があらわれる人もいます。
「更年期の症状が出やすい人」の特徴は?
以下、それぞれの項目ごとに2~3個ずつ当てはまる場合、更年期障害を発症しやすいと考えられています。
▼睡眠
- 24時以降に眠り、10時以降に起床する日が週に3日以上ある
- 低血圧で、朝起きるのがつらい
- 夜中に目が覚めやすい
- 寝る前にスマートフォンやパソコンを使っている
- 浅い眠りしかとれず、熟睡感がない
▼食事
- 1日3食はとらない(よく欠食する)
- 食事の時間がバラバラ
- 食事量を過度に制限するなど「極端なダイエット」をしている
- 暴飲暴食している
- 好き嫌いがあり「偏った食生活」になっている
▼性格
- 人に比べて神経質
- 何事にも真面目
- 完璧主義
- 仕事などを頑張りすぎてしまう
- 怒りっぽく、些細なことでもイライラしやすい
▼その他
- 疲れやストレスが多い生活を送っている
- 休みが少なく、心身ともにリラックスできる時間がない
- 体が冷えやすい
- 運動する習慣がない
- 産後うつ・月経前症候群が重かった
※これらの症状に当てはまらない場合でも、更年期障害を発症する可能性はあります。
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2022-10-28
40代になって、そろそろ更年期が心配…。
「更年期障害になりやすい人の特徴」を、お医者さんに聞きました。
食事・睡眠・性格などの項目ごとに、当てはまるものがないかチェックしましょう。
更年期症状を予防するための生活習慣についても解説します。
更年期障害になりやすい人の特徴は?
以下、それぞれの項目ごとに2~3個ずつ当てはまる場合、更年期障害を発症しやすいと考えられています。
▼睡眠
24時以降に眠り、10時以降に起床する日が週に3日以上ある
低血圧で、朝起きるのがつらい
夜中に目が覚めやすい
寝る前にスマートフォンやパソコンを使っている
浅い眠りしかとれず、熟睡感がない
▼食事
1日3食はとらない(よく欠食する)
食事の時間がバラバラ
食事量を過度に制限するなど「極端なダイエット」をしている
暴飲暴食している
好き嫌いがあり「偏った食生活」になっている
▼性格
人に比べて神経質
何事にも真面目
完璧主義
仕事などを頑張りすぎてしまう
怒りっぽく、些細なことでもイライラしやすい
▼その他
疲れやストレスが多い生活を送っている
休みが少なく、心身ともにリラックスできる時間がない
体が冷えやすい
運動する習慣がない
産後うつ・月経前症候群が重かった
※これらの症状に当てはまらない場合でも、更年期障害を発症する可能性はあります。
更年期障害の自覚症状
のぼせ・顔のほてり(ホットフラッシュ)
息切れ・動悸
頭痛
めまい
不安を感じやすい・イライラしやすい
など
上記の症状は、更年期障害の主な症状の一例です。
更年期の症状は多岐にわたるため、上記以外の症状が現れる人もいます。
更年期の症状はセルフケアで改善する?
寝込むほどの症状でない場合は、日々の生活習慣の改善やセルフケアにより、多少は症状を和らげることができます。
セルフケアで症状が改善しない場合は、医療機関で治療を受けることをおすすめします。
医療機関では、症状に応じて、
生活指導
心理療法
薬を使った治療(ホルモン補充、漢方・向精神薬の処方)
などが行われます。
「更年期障害になりやすい人」に当てはまったら
更年期障害を予防するために、今のうちから日頃の生活習慣を見直しておきましょう。
以下の習慣を取り入れることをおすすめします。
ウォーキングなどの有酸素運動を行う
ストレスをこまめに発散する
体を温める
1日3食、栄養バランスのよい食事をとる
漢方を取り入れる
なお、更年期に現れる症状は個人差が大きく、性格やライフステージの変化も影響するので、これらの対策を行っても完璧に予防できるとは限りません。
そのため、「症状が現れたら早い内から対処する」「家族に理解してもらう・協力してもらう」といったことも大切です。
予防法① ウォーキングなどの有酸素運動を行う
有酸素運動は、自律神経を整える働きがあるため、更年期の症状を予防するのに役立ちます。
運動は1週間に3~4回を目安に、1回あたり20~40分ほど、無理なく楽しんでできる強度で行ってください。
おすすめの有酸素運動
ウォーキング
サイクリング
ヨガ
水中歩行
ウォーキングや水中歩行は、背筋を伸ばして腕をリズミカルに振り、踵から地面に着地することを意識して、正しい姿勢で行いましょう。
これらの運動を習慣にすると、体力もつき、脂肪代謝も促されるため、生活習慣病の予防にもつながります。
予防法② ストレスをこまめに発散する
ストレスは更年期障害を引き起こす原因の一つです。
適度に息抜きするなどして、ストレスを溜め込まないように心がけましょう。
おすすめのストレス発散方法
十分な睡眠時間を確保する
友人とおしゃべりを楽しむ
習い事など、趣味の時間を作る
ストレスを解消するには、睡眠も大切です。
一日に6~8時間程度の睡眠時間を確保して、夜は24時までには就寝するようにしましょう。
また、自宅で一人きりで過ごすことが多い人は、孤独感が強まり、精神的につらくなることがあります。
習い事など新しいことを始めてみたり、ボランティア活動に参加してみたりすることもおすすめです。
予防法③ 体を温める
体が冷えている人は、肩こりや頭痛などの更年期の症状が悪化しやすいといわれています。
カイロやひざ掛け、レッグウォーマー、羽織ものを使って、体を冷やさないようにしてください。
冷たい飲み物は控えて、体を温める働きがある「タンパク質を多く含む食品」(肉・魚・大豆製品など)や、水分が少なくミネラルが豊富な「根菜類」(生姜・カブなど)を積極的にとりましょう。
また、お風呂はシャワーですませずに、湯船にゆっくり浸かることもおすすめです。
予防法④ 1日3食、栄養バランスのいい食事をとる
心身を健やかに保ち、更年期障害を予防するために、1日3食決まった時間に食事をとり、バランスよく栄養素を摂取しましょう。
煮魚
野菜のおひたし
味噌汁
など、和食を中心とした食事に、フルーツや乳製品もとり入れてください。
また、女性ホルモンと似た働きをする「イソフラボン」が豊富な大豆製品(納豆・豆腐など)や、血行を良くする働きがある「ビタミンE」が豊富なナッツ類(アーモンド・カシューナッツなど)も意識して取り入れることをおすすめします。
予防法⑤ 漢方を取り入れる
血液の巡りをよくする働きを持つ漢方をとり入れましょう。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
加味逍遙散(かみしょうようさん)
などの漢方がおすすめです。
当帰芍薬散は「冷え」や「むくみ」に、桂枝茯苓丸は「冷え」や「のぼせ」に、加味逍遙散は「精神的な不安」によいとされています。
漢方は、用法・容量を守って飲むようにしてください。
▼参考
オムロン株式会社:vol.22 更年期障害を上手に乗り切る 女性の場合・男性の場合
大塚製薬株式会社:更年期に起こる症状と原因
厚生労働省:更年期障害
千葉県:更年期とうまくつきあう方法を教えてください
クラシエホールディングス株式会社:漢方薬の正しい飲み方・飲みやすくするひと工夫は?
今からできる!更年期の症状を和らげる「5つの対策」
- 1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事をとる
- 1日7〜8時間程度の質のよい睡眠をとる
- 週3~4日、有酸素運動を行う
- 入浴のときは「湯船に浸かる」
- こまめにストレスを発散させる
更年期の症状を和らげるには、自律神経を整えておくことが大切です。
上記の点を意識して、生活習慣を見直していきましょう。
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そろそろ更年期が心配… 。
更年期障害にならない方法ってあるの?
「更年期の症状を軽くする方法」を、お医者さんに聞きました。
悪化を招く「NG行動」も載せているので、更年期の症状で悩みたくない方は必読です。
“更年期障害にならない方法”ってあるの?
40代になり、そろそろ更年期障害が心配です…。更年期の症状を防ぐ方法ってあるのでしょうか…?
程度に差はあるものの、更年期の症状は女性に必ず起こるものです。
性格・ライフステージの変化が起因して重くなるケースもあるため、「完全に防ぐ」ことはできません。
ただし、「規則正しい生活を送る」など自律神経を安定させると、更年期の症状が軽くなりやすいと言われています。
女性は30代後半から、徐々に女性ホルモンの分泌が低下していきます。
症状の悪化を避けるためにも、遅くとも30代半ばから生活習慣を整えていくとよいでしょう。
更年期に不調が出る「理由」
更年期とは、閉経前後のおよそ5年間のことを指します(日本人の閉経の平均年齢は50歳頃)。
更年期に入ると、女性ホルモンの分泌が低下するため、ホルモンバランスが乱れて様々な不調が起こります。
代表的な症状としては、のぼせ・ほてり・動悸・頭痛・めまい・イライラなどが挙げられます。
今からできる!更年期の症状を和らげる「5つの対策」
1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事をとる
1日7〜8時間程度の質のよい睡眠をとる
週3~4日、有酸素運動を行う
入浴のときは「湯船に浸かる」
こまめにストレスを発散させる
更年期の症状を和らげるには、自律神経を整えておくことが大切です。
上記の点を意識して、生活習慣を見直していきましょう。
対策① 1日3食、「主食・主菜・副菜の揃った食事」をとる
1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事をとりましょう。
「和定食」のイメージです。
毎回の食事に主食・主菜・副菜を揃えることで、体に必要な栄養素をバランスよくとれるようになります。
栄養バランスのよい食事は、自律神経やホルモンバランスを整え、更年期症状の予防につながります。
更年期の症状を和らげる「食べ物」
▼「大豆イソフラボン」
納豆
豆乳
豆腐
味噌
など
→ 女性ホルモンと似た働きをしてくれます
▼「ビタミンE」
アーモンド
かぼちゃ
など
→ ホルモンバランスを整える作用が期待できます。
▼「発酵食品・食物繊維」
ぬか漬け
ごぼう
バナナ
など
→ 腸内環境が整い、ホルモンバランスの乱れの緩和につながります。
対策② 1日7〜8時間の良質な睡眠をとる
質のよい睡眠をとるコツ
夜は11時(遅くとも12時)には寝る
夕食は就寝の2~3時間前に済ませる
夜はできるだけパソコン・スマホを触らない
就寝の2~3時間前に入浴する
1日7〜8時間程度の睡眠時間を確保するとよいでしょう。
ただし、時間よりも睡眠の質がより重要です。
朝目覚めたときに疲れがとれている、日中に眠気を感じない状態であれば、「睡眠が足りている」と判断できます。
質のよい睡眠は自律神経を整える上で重要です。
自律神経が整うと、ホルモンバランスが整いやすくなり、更年期が訪れたときの症状緩和につながります。
対策③ 週3~4日、有酸素運動を行う
「有酸素運動」の例
ウォーキング
ジョギング
水中歩行
サイクリング
有酸素運動を、1日に30分以上、週3~4日行う習慣をつけましょう。
有酸素運動を行うことで、運動前よりも更年期の症状が軽くなったという報告があります。
また、運動はストレス発散にもなり、睡眠のリズムを整える働きもあります。
まずは継続することが大切なので、無理せず取り組んでいきましょう。
時間を確保するのが難しい場合は、「外出時にいつもより長く歩く」、「テレビを観ながらスクワットする」など、生活の中に運動を取り入れるのもおすすめです。
対策④ 入浴のときは「湯船に浸かる」
毎日、湯船に浸かって体を温めましょう。
体が温まることで、自律神経がスムーズに働くようになります。
自律神経の働きがよくなると、臓器の血流が促され、女性ホルモンの分泌が活発になります。
「お腹を温める」ことも大切
お腹を冷やさない服装をする
腹巻きをする
といった対処もおすすめです。
お腹周りを温めることで、子宮や卵巣の血行がよくなると、女性ホルモンの分泌が促されます。
対策⑤ こまめにストレスを発散させる
「ストレス発散方法」の例
熱中できる趣味を持つ(ガーデニング・映画鑑賞など)
旅行に行って、気持ちをリフレッシュさせる
思い切り体を動かす
過度なストレスは、更年期の症状を悪化させ、更年期障害を引き起こしやすくなります。
普段からストレスをこまめに発散して、溜め込まないことが大切です。
要注意!更年期症状を悪化させる「NG行動」
過度なダイエット
喫煙
といった行動は、卵巣機能に悪影響を及ぼし、更年期症状の悪化につながります。
女性は30代後半から、少しずつ女性ホルモンの分泌が低下していきます。
禁煙するなど、できるだけ早いうちから対策をとるようにしましょう。
▼参考
閉経 - 22. 女性の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版 (msdmanuals.com)
30代のうちからできる更年期対策はありますか? | オムロン式美人 (omron.co.jp)
女性ホルモンを増やす方法ってあるの?女性ホルモンのホントのところ (otsuka-plus1.com)
更年期障害の予防|くすりと健康の情報局 (daiichisankyo-hc.co.jp)
更年期の運動の効果 | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
こんな症状があったら「婦人科」で相談を!
- 眠れないことで憂うつな気分が続く
- 強い不安感がある
- 食欲がなく、体重が減った
- 息切れ・動悸がする
- めまい・吐き気がする
- 激しい頭痛がある
上記のような症状が出ている方は、一度「婦人科」に相談してみましょう。
放置していると、症状が悪化して仕事に行けなくなるなど、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
また、更年期症状の影響により不眠が続くと、睡眠に対するこだわりが強くなり、眠れないことへの恐怖心から症状が慢性化する恐れもあります。
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最近、体が熱くて夜中に目が覚める…。
もしかして、更年期のせい?
夜中に体が熱くなって目が覚めてしまう理由を、お医者さんに聞きました。
更年期によくある症状や、体のほてりを緩和するセルフケアについても解説します。
体が熱くて夜中に目が覚める…原因は更年期?
「体が熱くて夜中に目が覚める」という症状は、40代半ば~50代くらいの女性であれば、更年期症状として「睡眠時の体のほてり」が起きていると考えられます。
更年期には、女性ホルモンの「エストロゲン」が急激に減少することで、血管の収縮・拡張を調節する「自律神経」が乱れてしまい、体温の調節がうまくできなくなります。
その結果、異常な発汗・ほてり・のぼせなどが引き起こされます。
これらは、「ホットフラッシュ」と呼ばれる、更年期の代表的な症状です。
夜中にも体がほてって汗をかくため、更年期には「眠りが浅い」「眠れない」といった悩みを持つ方が少なくありません。
更年期症状が生じるしくみ
女性ホルモンのエストロゲンは、「循環器・脳・中枢神経系の働き」を調節する機能を担っています。
加齢によって卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌量が低下すると、これらの機能がうまく働かなくなり、全身に不調をきたします。体だけでなく、精神的な不調が現れるケースもあります。
“更年期の症状が出やすい人”の特徴は?
不規則な生活を送っている(就寝時間が遅い 等)
家庭・仕事・介護等でストレスを抱えている
人間関係にトラブルを抱えている
仕事の責任が重い
真面目・几帳面・完璧主義な性格
不規則な生活を送っている人や、家庭や仕事などでストレスが多い生活をしている人は、更年期症状が出やすいと考えられています。
※あくまでも全体の傾向です。更年期症状のあらわれ方は個人差が大きく、生活習慣や環境、性格以外の要素も影響します。
更年期症状チェック
胸がどきどきする
息切れする
めまい・頭痛がある
頭や顔がカーっと熱くなる
上半身だけが熱く、下半身は熱くない
汗がとまらない
イライラする
不安感がある
個人差はありますが、更年期には上記のような身体的・精神的な症状が出ることがあります。
寝苦しい…ホットフラッシュにきく飲み物ってある?
ほてり・のぼせ・発汗といった「ホットフラッシュ」に悩んでいる場合は、
牛乳
バナナジュース
を継続して飲んでみることをおすすめします。
牛乳には、緊張やイライラ感を抑える「カルシウム」が豊富に含まれています。
バナナジュースには、不眠解消の働きをサポートする「トリプトファン」が多く含まれています。
トリプトファンからは「セロトニン」という神経伝達物質が作られます。
このセロトニンには、興奮を抑えて精神を落ち着かせたり、睡眠の質を良くしたりする働きがあります。
これらは、飲んですぐに効果を実感できるものではありませんので、長期的に摂取するとよいでしょう。
セルフケアでできる!体の熱をとる方法
深呼吸して心と体をリラックスさせる
アロマを取り入れる
首筋・手首・足首などを冷やす
体のほてり・のぼせなどの症状があるときは、上記の方法を試してみましょう。
それぞれのやり方を解説していきます。
方法① 深呼吸して心と体をリラックスさせる
体のほてりや発汗を感じたら、まずは深呼吸をしてください。
ほてりや汗などの症状は、自律神経が乱れ、「交感神経」が強く働くことで生じやすくなります。
深呼吸すると「副交感神経」が優位になり、リラックスできるため、症状を和らげることが期待できます。
症状が出ていないときでも、仕事や家事の合間などに深呼吸することを習慣にするとよいでしょう。
深呼吸の方法
お腹を凹ますイメージで、ゆっくりと口から息を吐く
すべて息を吐ききったら、次は肺を満たすイメージで鼻からゆっくりと息を吸う
1と2を5~10回ほど繰り返す
対策② アロマを取り入れる
就寝前や症状が強い時に、アロマの香りを嗅ぎましょう。
ペパーミント
レモン
ゼラニウム
ラベンダー
などの心を落ち着かせる働きのある香りがおすすめです。
アロマは、嗅覚から自律神経に作用して、心を落ち着かせてくれます。
そのため、急な発汗やほてりなどの症状を和らげることが期待できます。
対策③ 体を冷やす
症状が強い時に、ほてりがある部分や首筋・後頭部などを、保冷剤や濡れたハンカチなどで冷やしましょう。
肘や膝の内側・手首・足首を冷やすのもおすすめです。
皮膚反射(皮膚に与えられた刺激に対する反応)によって、のぼせ・ほてりなどの症状を抑えることができます。
肘や膝の内側・手首・足首は、皮膚が薄く、血管を冷やせるため、体の熱をとりやすいと言われています。
「どうしても眠れない」ときはどうしたらいい?
どうしても眠れない場合は、一度ベッドから出て、
本を読む
ゆっくり温かいお茶を飲む
などを行い、穏やかな状態で過ごしましょう。
「早く眠らなきゃ」と焦ってしまうと、かえって眠れなくなることもあります。
できるだけリラックスして過ごし、眠気を感じたら再びベッドに戻るとよいでしょう。
「百会」のツボを押すのもおすすめ
頭頂部にある百会(ひゃくえ)というツボを押してみましょう。
百会のツボを押すと、心を落ち着きやすいと言われています。
「百会」の押し方
両手の「4本の指」や「手の平」を使い、息をゆっくり吐きながら、5秒間程度ツボを押す
ツボを押した後、軽く息を吸う
①~②を数回繰り返す
※気持ちがよいと感じる程度の強さで、優しく押しましょう。
こんな症状があったら「婦人科」で相談を!
眠れないことで憂うつな気分が続く
強い不安感がある
食欲がなく、体重が減った
息切れ・動悸がする
めまい・吐き気がする
激しい頭痛がある
上記のような症状が出ている方は、一度「婦人科」に相談してみましょう。
放置していると、症状が悪化して仕事に行けなくなるなど、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
また、更年期症状の影響により不眠が続くと、睡眠に対するこだわりが強くなり、眠れないことへの恐怖心から症状が慢性化する恐れもあります。
病院ではどんな治療をするの?
病院では一般的に、
女性ホルモンを補う「ホルモン療法」
「漢方」による治療
「抗不安薬・抗うつ薬」を使った治療
などが行われます。
婦人科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
更年期障害の症状と原因|更年期障害・更年期の悩みのことなら更年期ラボ (ko-nenkilab.jp)
更年期障害|公益社団法人 日本産科婦人科学会 (jsog.or.jp)
【第6回】更年期症状による心と身体の変化|エンジョイ エイジング【更年期障害の情報サイト】 (hisamitsu.co.jp)
トリプトファン | 成分情報 | わかさの秘密 (wakasa.jp)
どんな検査を受けるの?
更年期症状で病院を受診した場合は、一般的に、
- 問診
- 身長・体重・血圧の測定
- 検査(血液・子宮・卵巣・甲状腺・心臓等の検査)
を行い、患者さんの症状に合わせて治療が選択されます。
※検査内容等は、受診する医療機関によって異なることがあります。
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2022-09-29
最近、よく汗をかく…。
もしかして更年期?
「更年期の汗のかき方」にはどんな特徴があるのか、お医者さんに聞きました。
発汗の症状を緩和する対処法についても解説するので、汗に悩んでいる方は必読です。
更年期特有の汗のかき方
上半身に汗をかきやすい(顔・首筋・胸等)
突然顔がほてって熱くなり、汗が噴き出すように出る(滝のような汗が止まらない)
ベタベタするような汗をかきやすく、乾きにくい(汗の濃度が濃いため)
汗がにおう(アンモニア等の、ニオイの原因となる物質が含まれているため)
大量の寝汗で起きてしまう
食事中に汗が出てきて止まらない
上記のうち、一つでも当てはまる項目がある場合、更年期特有の発汗が疑われます。
発汗の程度には個人差があり、中には「寝汗を大量にかくので眠れない」「汗が気になって外出しづらい」など、日常生活に支障が出る人もいます。
更年期症状の一つ、ホットフラッシュとは?
ホットフラッシュは、更年期の代表的な症状です。
更年期に現れる上半身の発汗・のぼせ・ほてり等の症状を指します。
「更年期特有の汗」は、どんな人がかきやすい?
40~50歳代の更年期世代の女性(閉経前後)
ストレス過多
疲労過多
睡眠不足
運動不足
過食
上記に当てはまる人は、自律神経が乱れやすく、更年期特有の汗をかきやすいと言えるでしょう。
ただし、更年期特有の発汗といっても、更年期世代の女性全員が同じ症状が出ているとは限りません。
これらの特徴・生活習慣がある場合でも、症状が出なかったり軽かったりする人もいます。
更年期による発汗はいつまで?
一般的には、閉経後1年程度で改善するケースが多いと考えられています。
個人差があるため、閉経後数年が経過しても、上半身の発汗・のぼせ・ほてりといった症状が続く人もいます。
更年期の汗を改善したい!心がける5つの習慣
大豆製品を積極的にとる
ビタミンEを含む食品をとる
ストレッチ・ウォーキングなどの続けやすい運動を行う
深呼吸(腹式呼吸)を意識して行う
湯船に浸かって体を温める
更年期症状は、女性ホルモンが減少し、自律神経が乱れることが要因の一つと考えられています。
自律神経を整えるために、普段の生活で上記5つのことを心がけましょう。
おすすめ習慣① 大豆製品を積極的にとる
豆腐や納豆などの大豆製品を積極的にとりましょう。
大豆に豊富に含まれている「大豆イソフラボン」には、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きがあると言われています。
※ただし、薬の様な即効性はありません
おすすめの大豆食品
納豆
油揚げ・厚揚げ
豆腐
蒸し大豆
など
おすすめ習慣② ビタミンEを含む食品をとる
ビタミンEを豊富に含む食品を、毎日の食事に取り入れるようにしてください。
ビタミンEには、「血液の流れを改善する」「ホルモンのバランスを整える」「ほてり・のぼせ等の症状を緩和する」といった働きがあります。
ビタミンEを豊富に含む食品
緑黄色野菜(かぼちゃ等)
ナッツ類(アーモンド等)
オリーブオイル
うなぎ
小麦胚芽
など
おすすめ習慣③ ストレッチなどの続けやすい運動を行う
適度に体を動かすことで、自律神経の乱れが改善され、更年期症状の緩和が期待できます。
ストレッチ・ヨガ・ウォーキングなどの手軽で続けやすい運動がおすすめです。
忙しくて、まとまった時間が確保できない場合は、
仕事や家事の合間にストレッチする
通勤の際に、一駅手前で降りて職場まで歩く
テレビを見ながらスクワットする
など、生活の中に運動をとり入れるとよいでしょう。
おすすめ習慣④ 深呼吸(腹式呼吸)を意識して行う
「汗をかき過ぎて気持ちが焦ってしまう」「パニックになる」という人は、深呼吸をしましょう。
深呼吸は、気持ちを落ち着かせるだけでなく、異常な発汗の症状緩和にもつながると考えられています。
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の二つに分けられ、お互いにバランスをとっています。
発汗は、交感神経によって促され、副交感神経の働きが優位のときに落ち着きます。
深呼吸を行うと、自律神経に作用して「副交感神経」が優位になるため、異常な発汗の症状緩和につながると考えられています。
深呼吸(腹式呼吸)の方法
鼻から大きく息を吸い込み、お腹を膨らませる
膨らませたお腹をへこませるように、ゆっくり口から息を吐く
①~②を数回繰り返す
おすすめ習慣⑤ 湯船に浸かって体を温める
40度程度の湯船にゆっくり浸かって、体を温めましょう。
発汗が促進されるため、多汗予防につながると考えられています。
入浴で体を芯から温めることで、自律神経の乱れの改善も期待できます。
良質な睡眠につなげるために、就寝の2~3時間ほど前に入浴しましょう。
汗を引きやすくする「ツボ」を押すのもおすすめ
汗が気になるときは、屋翳(おくえい)・大包(だいほう)というツボを押すのもおすすめです。
おすすめのツボ① 屋翳(おくえい)
屋翳は、鎖骨とバストトップの真ん中辺りの左右に二つあるツボです。
汗が引きやすくなる作用があると考えられています。
2分程度かけて押しましょう。
おすすめのツボ➁ 大包(だいほう)
大包は、「みぞおち」に指を当てて横にずらしていき、脇から一直線に下がった部分と交わる点にあるツボです。
顔の汗を抑える作用があると考えられています。
更年期の汗で病院に行く目安は?
突然、滝のような大量の汗をかくようになった
暑くもないのに汗が止まらない
大量の寝汗で夜眠れない
のぼせ・ほてり・めまい等、他の更年期症状も出るようになった
上記に当てはまる場合は、一度病院を受診することをおすすめします。
放置していると、「汗が気になり外出できなくなる」等、日常生活に支障が出るようになることがあります。
また、精神的なストレスにより、「抑うつ状態」になる恐れもあると考えられています。
何科で相談すればいい?
発汗などの更年期が疑われる症状に悩んでいる場合は、「婦人科」の受診をおすすめします。
病院を受診し、症状に合った治療を受けることで、更年期による様々な症状の緩和が期待できます。
日常生活に悪影響が及ぶまで悪化する前に、一度病院を受診して相談することをおすすめします。
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病院ではどんな検査をするの?
発汗などの更年期症状で病院を受診した場合は、一般的に、
問診
身長・体重・血圧の測定
検査(血液・子宮・卵巣・甲状腺・心臓等の検査)
を行い、患者さんの症状に合わせて治療が選択されます。
※検査内容等は、受診する医療機関によって異なることがあります。
どんな治療をするの?
薬・漢方薬を使った治療やカウンセリング、運動療法などがあります。
更年期症状の治療例
ホルモン補充療法(飲み薬・貼り薬・塗り薬)
漢方薬を用いた治療(加味逍遥散・桂枝茯苓丸等)
抗うつ薬を用いた治療(SSRI・SNRI等)
カウンセリング・心理療法
運動療法
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
一般社団法人 日本女性心身医学会 ほてり
第一三共ヘルスケア 更年期障害になったらどうする?
公益社団法人 千葉県医師会 閉経と更年期障害
どんな治療法があるの?
治療法としては、エストロゲン・プロゲステロンなどの女性ホルモンを飲み薬・塗り薬・貼り薬で補う「ホルモン補充療法(HRT)」や、「漢方薬」を使った治療法があります。
うつ症状が強く表れているときは、抗うつ薬や抗不安剤などの「向精神薬」が処方されます。
※飲み合わせの関係でホルモン補充療法や他の薬が使いにくい場合もあります。治療中の病気や飲んでいる薬は医師に伝えたうえで、薬を処方してもらいましょう。
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2018-10-23
「これって更年期障害…?」
「更年期障害を軽くする方法を知りたい」
更年期障害について、お医者さんに聞きました。
おすすめの食べ物や治療法についても解説します。
更年期障害の症状
更年期障害の主な症状として
イライラしやすい
落ち込みやすい
訳もなく気持ちが暗くなる
他のことに関心を示さなくなる
不安を感じやすい
落ち着きがない
などの症状が現れます。
更年期障害の症状には個人差があります。症状が全く現れない人もいれば、生活に支障をきたすくらい症状が重い人まで幅があります。
更年期障害を放置すると…
このような状態を対処せず放置したままにすると、症状が悪化し、うつ状態になることもあります。
おすすめの「食べ物」
食事に関しては
和食中心の食生活にする
デザートには果物を選ぶ
大豆製品をとり入れる
ビタミンCやミネラルを摂る
トリプトファンの多い食品を摂る
といった対処があります。
①和食中心の食生活にする
洋食に比べ、和食は良質な脂質を摂取でき、栄養バランスも良いのでおすすめです。
脂質はホルモンの材料になるので必要な栄養成分です。
しかし、過剰な摂取は更年期症状の一つでもある肥満を助長するので、過不足なく取りましょう。
②デザートは果物を選ぶ
デザートには、りんご・ブルーベリー・ぶどうなど、皮ごと食べられる果物がおすすめです。
これらの果物には食物繊維や抗酸化作用があるポリフェノールが豊富に含まれています。
また、ビタミン類やミネラル類には更年期症状を緩和する働きがあります。
③大豆製品を取り入れる
大豆には女性ホルモンと同じような働きをする大豆イソフラボンや食物繊維、カルシウム、オリゴ糖などが多く含まれています。
また、大豆は腸内環境を調整し、骨を強くしてくれます。
④ビタミンCやミネラルを摂るようにする
ストレスが多いと、体内のビタミンCが大量に消費されます。
イチゴ・グレープフルーツなど、ビタミンCを豊富に含む果物を食べて、消費したビタミンCを補いましょう。
また、カルシウムやマグネシウムに含まれるミネラル成分には気持ちを安定させる効果があるので、牛乳・チーズ・豆腐などを意識して取るようにしましょう。
⑤トリプトファンの多い食品を摂る
「セロトニン」という精神伝達物質が分泌されると、痛みを抑制させたり自律神経のバランスを整えたりと精神的安定が得られます。
セロトニンは別名「幸福ホルモン」とも呼ばれています。セロトニンは、トリプトファンというアミノ酸を摂取すると体内で作られやすくなります。
トリプトファンの多い食品は、カツオ・マグロ・牛乳・卵・豆腐などです。
サプリメントって…効果あるの?
更年期症状や更年期障害に対応して使用されるサプリメントはたくさんあります。
イチョウ葉
エクオール
サポニン
ローヤルゼリー
ザクロ
ホップ
月見草
朝鮮人参
甘草
レモンバーム
しかし、どれも有効性を示す情報がとぼしく、中にはアレルギー症状を起こすようなサプリメントもあるので、使用の際は医師に相談してからにしましょうね。
更年期障害がつらいときは…我慢せず病院へ
重い症状で悩んでいる方は、我慢せず医師に相談してくださいね。
治療法としては、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンを飲み薬・塗り薬・貼り薬で補うホルモン補充療法(HRT)や、漢方薬を使った治療法があります。
うつ症状が強く表れているときは、抗うつ薬や抗不安剤などの向精神薬が処方されます。
向精神薬と聞くと「心の病気」と思い、抵抗があるかもしれませんが、ちょっと手助けしてもらう、くらいに捉えるのがよいでしょう。
※更年期には、高コレステロール、高中性脂肪などの脂質異常症や高血圧症で治療中の方も多くいらっしゃいます。飲み合わせの関係でホルモン補充療法や他の薬が使いにくい場合もあります。治療中の病気や飲んでいる薬は医師に伝えたうえで、薬を処方してもらいましょう。
病院は何科?
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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