「30代になって体重増加が止まらない…」
「太る人、太らない人の違いは何?」
30代で太る女性の共通点を、栄養士さんに聞いてみました。
太りやすくなる習慣や30代のダイエットのポイントなども解説します。
監修者
株式会社Luce
栄養士・食育栄養インストラクター
神原 李奈先生
経歴
株式会社Luce・健康検定協会 所属
CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。
30代で太る女性の3つの共通点
3つの共通点
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こんな人は要注意!
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① 食事のバランスが悪い
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- 食後に強い眠気がある(血糖値が急上昇しているサイン)
- 空腹を感じやすい
- 食事量が極端に多い
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② 運動不足
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- デスクワークやリモートワークが多い
- 歩く習慣がない
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③ 睡眠不足
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まず、食事のバランスが悪い(糖質のとりすぎ・脂質のとりすぎ)方は、太りやすいといえます。「食後につよい眠気に襲われる」という方は要注意です。
運動不足で消費エネルギー量が少ないと、脂肪蓄積につながりやすいです。
また、筋肉量が不足して基礎代謝が低いと、太りやすくなります。
さらに、睡眠不足になると「食欲増進ホルモン」が分泌され、食べ過ぎて太りやすくなります。
“太らない人”になるためには?
30代の「太りにくい女性」には、
- 食生活
- 運動習慣
- 環境面(忙しさ・ストレスの多さ)
- 体質(筋肉量など)
にがある傾向があります。
①「食生活」はどう変える?
栄養バランスが悪い食事をしている人や、食事を抜いている人は
- 必要な栄養が補給できない
- 血糖値の急上昇によって脂肪が蓄積する
- 代謝が下がる
などにつながり、太りやすくなってしまうと考えられます。
どうすれば痩せやすくなる?
1日のスケジュールに食事の時間を組み込み、3食しっかり食べるようにしましょう。
食事は、主食・主菜・副菜の揃ったものにしましょう。「和定食」をイメージするとよいでしょう。
②「運動習慣」はどう変える?
運動習慣がない人は、
- 消費カロリーが少ない
- 筋肉量が落ちて代謝が下がる
- むくみやすい
などにつながり、太りやすくなってしまうと考えられます。
どうすれば痩せやすくなる?
30分以上の運動を週2日以上行うようにしましょう。
「有酸素運動」と「筋トレ」を組み合わせると、より効率良く進められておすすめです。
③「環境面(忙しさ・ストレスの多さ)」はどう変える?
太りやすい女性
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- ストレスを溜め込みやすい
- 仕事などが忙しく、生活習慣が乱れがち
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太りにくい女性
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- ストレスを上手く発散している
- ワークライフバランスがとれている
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太りやすい環境にさらされている女性は、
- 食べ過ぎてしまう
- 食事の栄養バランスが崩れる(糖質・脂質が多くなる)
- 生活リズムが崩れる
- 睡眠不足になる
などにつながり、太りやすくなってしまうことがあります。
また、上記は「自律神経」の乱れを引き起こしやすく、「食欲増進ホルモン」の分泌が促されるなどして過食につながることもあります。
どうすれば痩せやすくなる?
ストレスを溜めないようにすると、過食予防になり、痩せやすくなります。
- 好きな音楽を聴く
- 家族や友人とおしゃべりする、
- アロマをたく
- 買い物をする
といった方法で、自分に合ったストレス発散を行ないましょう。
「仕事や家事で忙しくてダイエットの時間が取れない…」という人も、生活の中でやっていることを少し意識してみるだけで“痩せやすくなる”効果が期待できます。
④「体質」はどう変える?
筋肉量が少ない人ほど、基礎代謝量が低い傾向があります。
また、生理不順の人は、自律神経が乱れていることが多いです。
自律神経が乱れると、食欲増進ホルモンの分泌が促されてしまうため、「つい食べ過ぎてしまう」といったことにつながります。
どうすれば痩せやすくなる?
7~8時間を目安に、しっかり睡眠をとりましょう。
簡単な運動を取り入れてみましょう。
- 移動時はなるべく階段を使う
- 外出時は、一駅前で降りる
などして、できるだけ歩いたり筋肉を動かすようにしましょう。
意識して体を動かすことで消費エネルギー量が多くなり、痩せやすくなります。
合わせて読みたい
2022-02-25
「運動してるのに痩せない…なぜ?」
「どうすれば痩せるの?」
女性の「運動しても痩せない理由」を栄養士さんに聞いてみました。
5つの痩せないパターン・どうすれば痩せるのかなども詳しく解説します。
女性に多い「運動しているのに痩せない」5つの理由
ダイエットしているのになかなか体重が減らないとつらいですよね。
「運動しているのに痩せない」という場合、意外な原因が隠れていることがあります。
例えば
痩せにくい時期に入っている(生理前の黄体期)
運動の効率が良くない
有酸素運動しかしていない
摂取カロリーが多い
糖質が足りていない
といった理由が考えられます。
次から、それぞれのパターンの「効率よく痩せるポイント」をご紹介します。
パターン① 痩せにくい時期に入っている(生理前の黄体期)
生理前の2週間程度は、脂肪が燃焼しにくい状態になって痩せにくい時期になります。
これは「プロゲステロン」の分泌が増え、妊娠に向けて体に栄養を蓄えようと働くからです。
焦らずに「痩せ期」まで待とう
生理が終われば、脂肪も燃焼しやすくなります。
痩せにくい時期は、無理にこれ以上運動量を増やさず、できるだけリラックスして過ごしましょう。
「今はそういう時期なんだ」と受け止めて、生理後にまた頑張りましょう。
パターン② 運動の効率が良くない
間違ったフォームでの運動などで筋肉を効率よく動かせていないと、消費エネルギー量が少なくなります。
「正しいフォームでの運動」を心がけよう
「ウォーキング」の場合、正しいフォームで行うと「おなか・太ももの筋肉」をしっかり使うことができます。
「ウォーキング」を正しい姿勢にする4つのポイント
頭は揺らさず、姿勢は真っすぐ伸ばす
目線は下げずに20m程先を見る
肩は、力を抜いて落とす
ひじを後ろに引くイメージで腕を振る
パターン③ 有酸素運動しかしていない
有酸素運動は脂肪燃焼につながりますが、筋肉量が少ない人は基礎代謝量も少ないため、痩せにくい傾向があります。
なかなか痩せられないときは、併せて筋トレを行ってみましょう。
筋トレは「スクワット」がおすすめ!
スクワットで「下半身の大きな筋肉」を鍛えると、効率よく基礎代謝量を増やすことができます。
「スクワット」の正しいやり方
脚を腰幅から肩幅に開いて立つ
つま先は膝と同じ向きにする
手を胸の前で軽く組む
太ももと床が並行になるくらいまで、お尻を下げる
お尻の力を抜かないようにしながら、ゆっくりと元の位置に戻す
1セット10回として、1日3セット行いましょう。
パターン④ 摂取カロリーが多い
いくら運動しても、消費カロリーより摂取カロリーが上回っていると、痩せるのは難しいです。
1kg減量するためには今よりも7,200kcal多く消費する、もしくは摂取を控える必要があります。
「運動後のご褒美」は控えめに!
運動をしたからといって食べ過ぎないようにしましょう。
摂取カロリー量を変えないまま運動でカロリーを消費できれば、少しずつ痩せていきます。
パターン⑤ 糖質が足りていない
最近は「糖質制限ダイエット」が流行していますが、糖質が全くない状態では、脂質をうまく消費できません。
そのため、過度の糖質制限をしていると逆に痩せにくくなることがあります。
空腹を感じるときは、運動前に糖分補給しよう
空腹を感じるときは、適度に糖分を摂取してから運動するほうが代謝は良くなります。
糖分補給は、バナナなど手軽なもので構いません。
まだまだある…!痩せるために大切な3つのこと
健康的に痩せるためには、
睡眠時間を確保する(1日7〜8時間目安)
生活リズムを整える
こまめにストレスを発散させる
といった生活習慣の見直しも大切です。
① 睡眠時間を確保する(1日7〜8時間目安)
睡眠不足は「食欲増進ホルモン」の分泌を促してしまいます。
「食欲が抑えられない」と悩んでいる人は、まず十分な睡眠をとるようにしましょう。
② 生活リズムを整える
生活リズムを整えることで、自律神経が整いやすくなります。自律神経が乱れると食欲が増進したり、交感神経が優位な状態が続いてストレスフルになったりします。
③ こまめにストレスを発散させる
ストレスが溜まると、つい食べ過ぎてしまいやすいです。
映画を見る・体を動かすなどご自身に合った方法で気持ちをリフレッシュさせましょう。
「ダイエットしても痩せない…」とお悩みの人へ!
ダイエットしても痩せないのには“何かしらの原因”があるはずです。
一度食事や生活習慣などを見直してみましょう。
▼参考
タカハラ整形外科クリニック vol.43歩き方指導 ~個々にあった方法で~
コナミスポーツ株式会社 お腹の脂肪燃焼にも!? スクワットのダイエット効果と実践方法
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2022-01-14
「そこまで食べてないのに太ってしまう…」
「これってストレスのせい?」
ストレスが原因で太ることがあるのかを、栄養士さんに聞いてみました。
ストレスを軽減させるためにできることや、無理なく続けられるダイエット方法のコツについても詳しく解説します。
食べていないのに太る…もしや「ストレス」のせい?
そこまで食べてないのに太ってしまいます。
思い当たるのが“ストレス”くらいなのですが…ストレスで太ってしまうことはあるんでしょうか…?
はい、ストレスが原因で太ることはあります。
長い期間ストレスを抱えていると、あまり食べていないにも関わらず、太ってしまうことがあります。
過度なストレスにより、交感神経が優位な状態が続くと、自律神経の乱れに繋がります。
すると、生活リズムが狂ったり、代謝が悪くなったりして、痩せにくい体質になってしまいます。
また、ダイエットのための食事制限も、食べるのが好きな人にとってはストレスとなり、痩せにくい体質の原因となります。
「無意識にストレスをため込んでしまう」習慣
「そんなに食べていないのに太った」という方は、
睡眠不足
不規則な生活
運動不足
バランスの悪い食事
に心当たりはありませんか?
当てはまる方は、自律神経のバランスが乱れているかもしれません。
① 睡眠不足
睡眠不足により、自律神経の切り替えがスムーズにいかず、交感神経が優位な状態になり、自律神経の乱れに繋がります。
また、睡眠不足だと心身ともに休めることができず、ストレスの蓄積にもつながります。
睡眠不足の日が続くと、ホルモンバランスも乱れやすくなります。これにより、さらに自律神経の乱れを悪化させる悪循環に陥ってしまうのです。
② 不規則な生活
副交感神経が優位な状態である夜間に活動するなど不規則な生活を続けていると、交感神経が優位な状態になり、自律神経の乱れに繋がります。
③ 運動不足
1日中ダラダラと過ごしていると、交感神経活性は低下し、自律神経の乱れに繋がります。
適度に体を動かすことにより、交感神経を程よく刺激して、自律神経のバランスを保ちましょう。
④ バランスの悪い食事
バランスの偏った食事ばかりとっていると、ホルモンバランスが乱れ、自律神経の乱れに繋がります。
脱!ストレス太り「いま、私ができること」
自律神経を整えて、ストレス太りから脱却するためには、
1日7〜8時間の良質な睡眠をとる
30分以上の運動を週2日以上行う
生活のルーティーンを整える
1日3食、バランスの良い食事をとる
といったことを行ってみるとよいでしょう。
対策① 1日7~8時間の良質な睡眠をとる
1日7〜8時間を目安に睡眠時間を確保してみましょう。
パジャマの素材や寝室の温度、湿度、音、光などにも気をつけるとより快適に眠れるようになります。
また、良質な睡眠をとるために、以下の3ポイントを実践するとよいでしょう。
カフェインをとるのは、就寝の5~6時間前までにする。
就寝の2~3時間前にお風呂に入る
就寝の2~3時間前までに夕食を済ませる
また、就寝前のアルコールは睡眠を妨げてしまいます。“寝酒”は控えましょう。よけいに太ってしまう原因にもなります。
対策② 30分以上の運動を週2日以上行う
ウォーキングや軽いジョギングなどがおすすめです。
通勤時一駅前でおりて歩くなど、日常生活に組み入れると続けやすいと思います。
また、ひとりで運動するのが難しければ、ご家族やご友人といっしょに運動すると良いでしょう。
対策③ 生活ルーティーンを整える
平日も休日も、できるだけ同じサイクルで生活するようにしてみましょう。
起床したら、カーテンをあけて陽の光を浴びるとよいでしょう。
日中に活動し、夜はしっかり眠れるようにしましょう。
激しい運動をしすぎると、疲労やストレスの蓄積につながってしまうので、激しい運動は控えるようにしましょう。
その④ 1日3食、バランスの良い食事をとる
食事は、1日3食欠かさずに食べましょう。
和定食のようなイメージで、主食、主菜、副菜の揃ったバランスの良い食事を心がけると良いでしょう。
毎日規則正しく食事を取ることを意識すると、習慣化しやすいと思います。
また、朝食は起床してから1時間以内(8~9時ごろ)までに食べるようにしましょう。そうすることで体内時計も整いやすくなります。
どうしてもストレスが溜まる!上手に発散する方法は?
ストレスを感じているときには、意識して腹式呼吸をしてみましょう。
腹式呼吸をすることで、リラックスしたときに優位になる副交感神経を刺激することができます。
<腹式呼吸の方法>
身体の力を抜く。
おへその下あたりに手をあてて、お腹の中の空気を全て吐き切るイメージで、ゆっくりと長く息を吐く。
息を吐ききり、下腹部が限界まで凹んだら、下腹部に空気を入れて膨らませるイメージで息を吸う。この時、鼻から空気を吸う。
限界まで息を吸い込み、3秒程度息を止める。
再び息をゆっくり吐く。
5分〜10分ほど繰り返し行うとよいでしょう。
ストレス以外にも落とし穴が!「食べていないのに太る」は他にも…
ストレスや自律神経の乱れ以外に、食べていないのに太る原因として、
塩分の摂取量が多い
糖質や脂質の多い食事を摂っている
たんぱく質不足
が考えられます。
その① 塩分の摂取量が多い
塩分をとりすぎることによって、体内に水分をためこみ、結果むくみに繋がります。
インスタント食品や市販の惣菜・弁当、外食の頻度が多いと、塩分の過剰摂取につながるので、控えるようにしましょう。
その② 糖質や脂質の多い食事を摂っている
量は食べていないけれども、糖質や脂質の多い食事を摂っていることで、脂肪が蓄積しやすくなります。
糖質の多い食べ物を空腹時にとると血糖値が急上昇し、インスリンというホルモンが多く分泌されます。その結果脂肪蓄積を促し、痩せにくくなります。
特に夜遅い時間の食事は、活動量が減ることから消費エネルギー量も少なくなり、脂肪蓄積を促しますので注意が必要です。
その③ たんぱく質不足
たんぱく質が不足すると筋肉が分解され、筋肉量が減ってしまいます。そうすると、基礎代謝量も減り、痩せにくくなります。
例えば野菜のサラダばかり食べているような生活では、たんぱく質が不足して痩せにくくなります。
色々な食材を組み合わせ、毎食しっかりたんぱく質をとりましょう。
▼参考
医療法人社団エムズ 睡眠不足による吐き気はなぜ起こる?自律神経の乱れが原因?おすすめの対処法について、医師が解説します。
日本成人病予防協会 今話題の健康ワード!自律神経失調症 ~今話題の健康ワード!~
豊橋ハートセンター Vol.11:自律神経と心臓の関係
日本人の食事摂取基準(2020年版) たんぱく質
文部科学省 食品成分データベース
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医療法人社団TLC医療会 ブレインケアクリニック 自律神経失調症
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