歩く振動でお腹が痛い…。
腹痛の原因や何科を受診するべきかを、医師が解説します。
女性は婦人系の病気が隠れている可能性があります。
監修者
経歴
医療法人社団 石野医院
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院
歩く振動でお腹が痛い…これはなぜ?
歩くと振動でお腹が痛い…。なぜでしょうか?
お腹の中の表面を被っている腹膜が炎症を起こしている可能性があります。
これを「腹膜炎」と言います。
女性特有の原因によってで、歩いた際の振動でお腹が痛くなることがあります。
女性の場合、
- 子宮の病気
- 子宮付属器の病気
- 子宮内避妊器具(IUD)の長期間の装着
などによって「骨盤腹膜炎」が起こり、腹痛が生じることがあります。
「骨盤腹膜炎」とは?
骨盤腹膜炎とは、骨盤腹膜に炎症が起きる病気です。
もともとは、子宮の病気が原因であることが多いです。
“急性期”の症状
下腹部全体に痛みが続き、悪寒や震えを伴う39℃以上の熱が出ます。
腹膜が刺激されることで吐き気があったり、嘔吐したりする場合もあります。
“慢性期”の症状
骨盤内の付属器周囲が癒着し、お腹の張り感が下腹部の痛みが出ます。
下痢や便秘などの症状が現れます。
骨盤腹膜炎になってしまう原因
骨盤腹膜炎は子宮の病気が原因で起こることが多いです。
「1.子宮頸管炎」→「2.子宮内膜炎」→「3.子宮付属器炎」→「4.骨盤腹膜炎」の順に感染が進むことで発症します。
1.子宮頸管炎
子宮頸部(子宮から腟につながる細い部分)に炎症が起こっている状態です。
クラミジア・トラコマチス、淋菌、単純ヘルペスウイルス、性器マイコプラズマなどウイルスや細菌による感染が原因で発症します。
子宮頸管炎の症状
- 無症状のケースもある
- 黄緑色で膿状のおりものが出る
- 生理期間以外に不正出血が起こる
- 性交後に不正出血が起こる
- 性交時に痛みがある
- 排尿時に痛みがある
- 腟の開口部周辺や腟が赤くなる
- 膣に刺激感がある など
2.子宮内膜炎
子宮の内側を覆う子宮内膜が炎症を起こしている状態です。
大腸菌、腸球菌、連鎖球菌、淋菌、結核菌、ブドウ球菌、バクテロイデス、ペプトコッカスなど細菌による感染が原因で発症します。
子宮内膜炎の症状
- 下腹部に不快感や痛みが出る
- まれに微熱が出る
- 膿状のおりものが出る
- 不正出血が起こる
3.子宮付属器炎
子宮付属器(卵巣と卵管の総称)に炎症が起こっている状態です。
病原菌としては、クラミジア・トラコマチス、淋菌、大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、バクテロイデスなど細菌による感染が原因で発症することが多いです。
子宮付属器炎の症状
- 下腹部の痛みが出る
- 熱が出る
- 吐き気がする
- 嘔吐する
腹膜に刺激が加わると、下腹部を押して離す時に強い痛みがあります。
この痛みは大丈夫?病院行くべき?
痛みが一度だけでその後症状が現れなければ一度様子を見ても大丈夫でしょう。
ただし…
- お腹に激痛があらわれている
- 下腹部全体の痛みが続いている
- 39℃以上の熱がある
- 吐き気がある
- 嘔吐している
といった場合は骨盤腹膜炎など病気の可能性があります。
医療機関を受診しましょう。
病院に行くまでに避けた方がいい行動
自己判断で市販の鎮痛剤など飲むのは控えてください。
何が原因で痛みが生じているのか、判断しづらくなってしまいます。
骨盤腹膜炎の治療方法
急性期には入院での治療が必要になります。
慢性期には投薬や状況によっては入院などの方法で治療していきます。
急性期の治療方法
入院では抗菌薬での点滴、内服治療を行うことが多く、症状によっても変わりますが入院期間は2週間ほどかかります。
早期治療が回復も比較的速くなります。
慢性期の治療方法
痛みなどに対処療法を行うことが多くあります。早期治療が回復も早くなります。
骨盤腹膜炎を放置すると、不妊につながるかも…
女性の場合、骨盤腹膜炎を放置すると子宮と後ろ側の壁に癒着が起こり、不妊の原因となることがあります。
早めに病院を受診して適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぐことができます。
歩く振動でお腹が痛いなど、体の不調がある場合は早めに病院を受診しましょう。
病院は何科を受診すればいい?
婦人科系疾患の症状があり、骨盤腹膜炎が疑われる場合は、婦人科を受診しましょう。
ご自身での判断が難しい場合は、まず婦人科やかかりつけ医に相談してください。
婦人科を探す
合わせて読みたい
2020-04-30
「左下腹部の痛みが続く…」
「下腹部の鈍痛が治らない…」
これってストレス?生理後だから?
女性に多い腹痛が続く原因と、その対処法をお医者さんに聞きました。
妊娠や病気の可能性、病院へ行った方がいい症状なども解説します。
女性に多い「腹痛が続く2大原因」
女性の腹痛が続くのは、
便秘
蠕動痛(ぜんどうつう)
のいずれかが原因であることが多いです。
原因① 便秘
便秘になると、長期間、便で腸の口が塞がれてしまいます。
出口がないまま、溜まった便やガスを外に出そうと腸が動くことで、腹痛が続く場合があります。
痛みの特徴
張るような痛み
食後に下腹部が痛む
痛む部位
便秘の場合、腹部左下にあるS状結腸に便が溜まりやすいため、左下腹部にズキズキするような痛みが生じる場合があります。
便秘による腹痛の対処法
痛みがつらいときは、横になり、膝を折り曲げて上半身を前かがみになりましょう。
横になれないときは、椅子に座り前かがみの姿勢になり、毛布・カイロ・腹巻などでお腹を温めるなどしても良いでしょう。
原因② 蠕動痛(ぜんどうつう)
腸内の便を押し動かすとき、腸管を収縮させる「蠕動運動」が起こりますが、このときの収縮が強いと腹痛が起こります。
女性は生理前から生理中にかけて、蠕動痛が生じやすいです。
これは、経血を排出するために子宮が収縮するのに伴い、子宮の周りにある腸の活動も活発になるからです。
痛みの特徴
キューッとするような痛み
腸が下に向かって動くような鈍い痛み
痛む部位
蠕動痛の場合、下腹部が特に痛みます。
蠕動痛(ぜんどうつう)の対処法
痛みがつらいときは、無理に体を動かさないで体を休めましょう。
便秘がある人の場合は、蠕動痛が収まっているときは、水分摂取、食事は食物繊維の多いものを摂るようにして、1日30分以上は体を動かし、便秘が解消するように努めましょう。
生理や妊娠「ホルモンバランス」の影響のケース
排卵期痛
月経前症候群(PMS)
月経痛、月経困難症
妊娠
によって、腹痛が起こるケースもあります。
排卵期痛
排卵期に月経痛と同じような腹痛が起こる場合があります。
この時期は、腹膜が刺激されるため、痛みが起こりやすくなります。
月経前症候群(PMS)
月経前に起こる不快な症状です。
頭痛・お腹の張り感・下腹部の痛み・浮腫み・精神症状等に症状が出現する場合があります。
脳内のホルモンや神経伝達物質の異常によって、腹痛が起こりやすくなります。
月経痛、月経困難症
主に下腹部痛・便秘・下痢・頭痛・吐き気・腰痛等の症状が生じます。
プロスタグランジンという物質が過剰に分泌されたり、子宮の過収縮を起こしたりするため、痛みが起こりやすくなります。
妊娠
妊娠して間もない時期は、腹痛・腹部張り感・腰痛等の症状が出現する場合があります。
妊娠中の腹痛は、緊急対応が必要な場合が多いため、早急に産婦人科を受診してください。
◆妊娠初期の腹痛
子宮外妊娠、切迫流産、進行流産等が疑われます。
◆妊娠後期の腹痛
切迫早産等が疑われます。
生理がこないのに腹痛だけ続くのはなぜ?
子宮のサイクルは「月経期・卵胞期・排卵期・黄体期」を繰り返しています。
このサイクルが正常に機能せず、子宮内膜がどんどん成長してしまうと、月経が開始されず、子宮内膜が剥がれ落ちないため、腹痛だけが起こる場合があります。
「ストレス」が腹痛の原因になることも
心因性の原因によって、
過敏性腸症候群
胃痛、胃の不快感
などが起こり、腹痛が続くことがあります。
過敏性腸症候群
腸に異常がないにもかかわらず、、腹痛・下痢・便秘が慢性的に生じる状態です。
ストレスによる自律神経の乱れで、腸の蠕動運動が低下したり、動きすぎたりするために生じると考えられています。
胃痛、胃の不快感
過度のストレスは、胃酸の過剰分泌、胃粘膜の分泌低下の原因となります。
これにより胃痛・腹痛が起こる場合があります。
腹痛がおきる「女性の病気」の例
子宮内膜症
子宮筋腫
卵巣出血
卵巣炎、卵管炎
卵巣嚢腫
卵巣腫瘍
子宮頸がん、子宮体がん
子宮留膿症
骨盤内感染症(クラミジア)
など、女性特有の病気が原因で、腹痛が起こることもあります
病気① 子宮内膜症
本来、子宮の内側にできる子宮内膜が、それ以外の場所に発生する病気です。
◆症状
痛みの強い月経痛
経血量が多い
月に2~3回月経がある
不正出血
病気② 子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮に発生する良性の腫瘍です。
◆症状
腹痛、腰痛
不正出血
経血量が多い
月に2~3回月経がある
貧血
頻尿
病気③ 卵巣出血
卵巣が破裂することで、お腹の中へ出血している状態です。
◆症状
黄体期(排卵期)に卵胞が破裂して出血する
下腹部痛
病気④ 卵巣炎、卵管炎
膣が細菌感染し、そこから徐々に炎症が広がり、卵巣や卵管にまで感染が広がっている状態です。
◆症状
右下腹部痛
嘔吐
発熱(37.5~38度)
悪寒
病気⑤ 卵巣嚢腫
液状のものが卵巣の中に溜まり腫れている状態です。
腫れた部分と子宮が繋がっている付け根が、ねじれる病気です。
捻じれたり戻ったりを繰り返すことで、腹痛を引き起こします。
◆症状
不定期な腹痛
病気⑥ 卵巣腫瘍
卵巣に発生する腫瘍です。
◆症状
腹痛
不正出血
おりものの増加
病気⑦ 子宮頸がん、子宮体がん
子宮入り口などに発生するがんです。
◆症状
腹痛
不正出血
おりものの増加
(初期症状はほぼない)
病気⑧ 子宮留膿症
子宮留膿症とは、子宮内に膿が発生し溜まります。この膿によって支給が圧迫され、腹痛などを起こします。通常、閉経した女性に発症する病気です。
◆症状
発熱
腹痛
不正出血
膿のおりものの増加
病気⑨ 骨盤内感染症(クラミジア等)
骨盤内感染症とは、子宮、結腸、直腸などの骨盤内に起きる細菌感染を指します。卵管膿腫、骨盤腹膜炎、クラミジア、淋病、マイコプラズマなどあります。
◆症状
何日かかけてだんだんと腹痛が増していく
発熱(37.5~38度)
(炎症が肝臓周りまで拡がると、右上腹部に痛みが生じる場合もある)
ピルや便秘薬など「薬の服用」が原因のケース
消化性潰瘍のときに使用する薬
ピル・アフターピル
便秘薬
上記の薬の使用により、腹痛が起こるケースもあります。
消化性潰瘍のときに使用する薬
アスピリン・非ステロイド系抗炎症薬等の使用が原因で消化不良が起こる場合があります。
ピル・アフターピル
月経痛の緩和等、有効に使用できる場合が多いですが、副作用として、腹痛・下腹部痛・吐き気・嘔吐・不正出血・倦怠感・頭痛等の症状が現れる場合があります。
便秘薬
常用により、腹痛が生じる場合があります。
ずっとお腹が痛い…「日常生活で気をつける7つのこと」
腹部を温める
食物繊維を多く含む食品を摂る(海藻類、きのこ類、いも類、果物類、根菜、大豆製品 等)
1〜2時間に一度コップ1杯程度の水分を摂る
ストレスを溜め込まないようにする
1日20分以上、汗ばむ程度のウオーキングなどの運動をする
十分な睡眠をとる
暴飲暴食しない(過度に辛いものや冷たいものは避ける)
上記7つのことに気をつけて、日常生活を送りましょう。
市販薬を使ってもいい?
軽い腹痛や急な腹痛の場合、市販の下痢止め・鎮痛剤・漢方薬を使用してもいいでしょう。
アセトアミノフェン等あまり強くない鎮痛薬等で様子をみて、腹痛が続く場合は、医療機関を受診しましょう。
漢方薬は、建中湯類(ケンチュウトウルイ)、桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)等が腹痛を緩和するはたらきを持ちます。
病院へ行くべき症状
1週間以上痛みが続く
急激に痛みが強くなる
痛みがどんどんひどくなる
夜中に痛みで目が覚める
腹部に加えて背中にも痛みが生じる
嘔吐や下痢を繰り返す
吐血や下血がみられる
38度以上の発熱を伴う
腹部や脚の腫れ
といった症状が現れた場合は、何か病気が隠れているかもしれません。
発見が遅れる前に、早急に医療機関を受診しましょう。
病院は何科に行けばいい?
便秘でお悩みのとき→内科、胃腸内科、消化器内科
ストレスが原因で腹痛があらわれているとき→心療内科、精神科。
※ まずは、内科や胃腸内科に相談をしても良いでしょう。
生理や妊娠によって腹痛があらわれているときは→婦人科や産婦人科
自身で判断できないときは、内科を受診しましょう。
内科を探す
心療内科を探す
婦人科を探す
▼参考
日本成人病予防協会 腹痛 -気になるからだの危険信号 痛み
一般社団法人 広島県医師会 知っておきたい“腹痛(おなかが痛い)”のポイント
日本OTC医薬品協会 おくすりQ&A
全日本民医連 いつでも元気
クラシエ 漢方セラピー
合わせて読みたい
2021-07-12
「左肋骨の下が痛い…これは婦人科の病気?」
“痛みの原因”をお医者さんが解説します。
生理周期に伴う症状は、子宮内膜症や子宮筋腫を疑う必要があります。
また、尿路感染症や大腸がんといった病気にも注意しましょう。
左肋骨の下が痛い…婦人科の病気サインって本当?
卵巣・子宮の病気によって左肋骨の下が痛むことも、稀にあります。
ただし、通常は婦人科の病気以外で起きているケースが多いです。
婦人科以外の「左肋骨の下が痛い」原因として多いのは、肋間神経痛、骨折、気胸などです。
ズキズキ痛むのは「婦人科の病気の可能性あり」
卵巣や子宮に腫れ・炎症がある場合、じんじん、ズキズキとした痛みを感じます。
「子宮内膜症」の場合は、生理のたびに痛みが増し、徐々に我慢できないほどの痛みになっていくこともあります。
こんな症状があったら婦人科へ!
生理の出血量が多い
貧血
不妊
不正出血
上記の症状があらわれている場合、すぐに婦人科で相談するようにしましょう。
特に妊娠を望んでいる場合は、早めの治療をおすすめします。
治療を早い段階で済ませることで、不妊を防ぎやすくなります。
また、医療機関に行かずに放置すると、手術や入院が必要になるリスクが高くなります。
婦人科を探す
どんな病気の可能性があるの?
左肋骨の下に痛みが生じる婦人科の病気には、
子宮内膜症
子宮筋腫
などの可能性が考えられます。
※婦人科の病気で左肋骨の下の痛みが起こるケースは稀です。
病気① 子宮内膜症(生理のたびに痛みが増す)
子宮内にあるべき“子宮内膜組織”が子宮とは違う場所に発生する病気です。
子宮内膜症が左卵巣やその周辺の左側の臓器に起こると、左助骨の下が痛む場合があります。
この場合、異常発生した“子宮内膜組織”の剥離や増殖によって、痛みが起こっています。
左肋骨の下の痛みは、生理のたびに症状が増す傾向があります。
子宮内膜症の「主な症状」
重い生理痛
腰痛
下腹痛
排便痛
性交痛
生理前から生理期間中に重い痛みのようなものを感じやすくなります。
また、生理の回数を重ねるごとに症状、痛みが強くなるのが特徴です。
子宮内膜症の「原因」
はっきりとした原因はわかっていません。
現段階では、遺伝が関係しているとも言われています。
どんな人に多い?
20代~30代の女性に多く発症します。
自分でできる対処法は?
セルフケアで快方に向かわせるのは困難です。
生理のたびに生理痛が重くなる
腹部痛などが激しい
日常生活に支障が出るほどの痛みがある
といった場合は、早めに婦人科で相談しましょう。
悪化すると手術が必要になるケースもあります。
婦人科で受ける治療法は?
薬での治療と手術での治療があります。
根治は閉経または手術のみですが、症状が軽いうちに早期治療できれば、お薬の治療だけで済む可能性があがります。
子宮内膜症は、再発や“がん化”のリスクもあるので、長期的な経過観察が必要です。
病気② 子宮筋腫(生理の出血が増える)
子宮の壁にできる良性の腫瘍です。
この腫瘍が左側にできると、左助骨の下に痛み・違和感が生じる場合があります。
子宮筋腫が大きくなると、お腹がポッコリと出る人もいます。
主な症状
生理の出血量が増える
不正出血
貧血
腰痛
頻尿
頻尿の症状は、腫瘍が膀胱を圧迫することで起こります。
この病気の原因
女性ホルモンが影響して発症するとされています。
閉経を迎えて女性ホルモンが排出されなくなると、筋腫が自然と小さくなることもあります。
どんな人に多い?
30代ごろの女性に多いです。
自分でできる対処法は?
子宮筋腫は自身では対処できない病気です。
症状が重い場合は婦人科での治療が必要ですが、軽い場合には経過観察となります。
なお、
痛みがつらい
生理の量が増えて困っている
など日常に影響がある場合は、婦人科で相談してください。
婦人科で受ける治療法は?
飲み薬で腫瘍を小さくする治療、手術で腫瘍を取り除く治療などが主流です。
婦人科を探す
婦人科以外の病気のケースも
左肋骨の下に痛みを引き起こすのは、
尿路感染症
大腸がん
といった病気の可能性もあるので、注意が必要です。
ご自身の症状に当てはまる病気はないか、チェックしていきましょう。
婦人科以外の病気① 尿路感染症
尿路の左側に結石・感染症が起こると、左助骨の下が痛みます。
こんな症状はありませんか?
排尿痛
頻尿、残尿感
尿混濁
下腹部痛、背部痛
高熱
血尿
排尿痛とは、尿を出すときに感じるズキズキとした痛みです。
また、背部痛や高熱、血尿がある場合、症状が進行して“腎盂腎炎”を発症している疑いがあります。
尿路感染症の原因
細菌感染(大腸菌など)が原因です。
そのため、
疲労をためている
睡眠不足
など、免疫が低下しているときに多く発症します。
自分でできる対処法は?
水分を多くとりましょう。
尿から菌を排出させることで、症状が快方に向かいやすくなります。
病院は何科?
尿路感染症は、泌尿器科で専門的な治療を受けられます。
また、女性は婦人科でも相談できます。
尿路感染症の場合、抗菌薬の処方が行われます。
ただし、腎盂腎炎まで進行すると入院治療が必要となるケースもあります。
泌尿器科を探す
婦人科以外の病気② 大腸がん
大腸の一部にがん細胞が増殖することで、左助骨の下に痛みを感じる場合もあります。
大腸がんの場合、大腸ポリープが“がん化”する、もしくは直接粘膜から発生するといったケースがあります。
こんな症状はありませんか?
血便
便秘
下痢
腹痛
倦怠感
初期は無症状の場合が多いです。
症状を自覚するときには、病気が進行している可能性があります。
大腸がんの原因
便秘
肥満
過度の飲酒
喫煙習慣
赤肉の過剰摂取
などが発症リスクを上昇させると考えられています。
自分でできる対処法は?
大腸がんは、セルフケアで治せません。
心当たりがある方は、医療機関で検査を受けましょう。
病院は何科?
大腸がんを疑うときは、胃腸内科・内科を受診しましょう。
大腸がんの場合、薬や放射線による治療、手術が必要です。
胃腸内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
国立がん研究センターがん情報サービス 大腸がん